俺の発現した個性が【オール・フォー・ワン】だったって、マジ?!! 作:AC6はいいぞ!!
ep37:中学への進学と新たな脅威
4月、俺たちは中学生になった。
入学したのは地元の公立中学校。ヒーローを目指すための進学校もあるようだが、俺は小学校で色々とやらかしていたせいで内申はボロボロ。まあ、進学する気はなかったから別にどうでも・・・いや、今後のことを考えるとよくないな。
学校は薫たちも一緒だ。被身子も1つ上の学年にいる。進学校に行くという選択肢を小学校の先生たちに進められていたが、迷わずに俺と一緒にいることを選んでくれた。正直、嬉しさ半分、申し訳なさ半分だった。
最近では身体も成長し、【個性】の訓練も本格的になってきている。サポートアイテムも制作させ、NEXTやギルドでも本格的なヒーローになるための訓練も開始している。今の時点でもそこらのヒーロー科なら余裕で合格できそうだが俺らが目指しているのは雄英、油断せずに日々精進するとしよう。
・・・・・・
「上半期は見事にNo.2奪還か。さすがだな」
「ふん・・・当然だ」
俺は今、エンデヴァー事務所にいる。半年前からギルドの面々がチームアップを行っており、後学のためという名目で今回は同行している。薫たちも一緒だ。なんでも、エンデヴァーが話があるそうでやってきたのだが。
「まずは冬美のことだ。色々と世話になった」
「ああ、大学進学の件ね。あれは彼女の実力だろ?」
「そうじゃない、冬美が大学に行きたいと思っていたことだ。色々と相談に乗っていたんだろ?」
「ああ、あれは俺が進めたんだ。教職を目指すなら大学に行くべきだと思って」
原作では22歳で小学校の先生だったから短大あたりに行ったんだろうが、行くなら大学のほうがいい。大学受験を受けるには結構ギリギリのタイミングだったが、元々勉学は優秀で俺や周りの家族からの協力もあり、そこそこいいところの大学に行くことができた。
「俺は冬美が教職に就きたいと思っていたことを知らなかった」
「だろうな。焦凍以外には興味なさそうだったし」
「今更だが、自分がどれだけ愚かだったのか自覚している」
"今更"と言うのは簡単だ。だが、エンデヴァーはそれを自覚して前に進んでいる。それを嘲笑うことは俺にはできない。
「最近では少しずつだが家族での会話も増えた」
「みたいだな、夏雄から聞いた。焦凍が家事を手伝うようになったとか、冬美が結構おしゃれに気を遣うようになったとか、大学でいい人にでも出会ったかな?」
「それをお前がそれを言うか」
なんだよ。俺が言って悪いか?
「・・・まあいい、今回呼んだのは礼を言うためでもあるが、本命は別だ」
「礼だけでもよかったんだが・・・あまりいい話ではないようだな」
「ああ、お前たちに関する件だ。最近、ギルドに対する悪評が流れている。3月になってから急激に増えているらしい」
「まあ、うちは色々と問題のある面々ばかりだからな」
ギルドには現在、4人のヒーローが所属している。ミルコ、スカイクローラー(灰廻 航一)、ジェントル、ラブラバだ。
スカイクローラー、ジェントル、ラブラバは去年の6月に免許を取っており、現在も新米ながら活動している。そして、元ヴィラン・ヴィジランテであることは隠してないため、悪評は少なからずある。言動も少し問題あるから尚更だな。
「ヒーロー免許も取らせ、ミルコもトップの仲間入りしたからこれから更にメンバーを集める。そしてヒーロー候補生も、そう思っていたんだがな」
「笑い事じゃない!!NEXTによる社会貢献ということになっているが、社会の反応はいまいちだ。確かにミルコがNo.2になったが、それはあくまでも個人の実力。ギルドとして見てみれば印象が悪い。人など集まらんだろ」
「まあな、まさかこうなるとはな」
こんな形で妨害が入るとは。
「そういうことだ。早めに対処する必要がある。まずは出所の調査を」
「それならわかっている。噂を流しているのは公安だ」
「・・・何?!!」
「ちなみに理由は俺らが邪魔だから」
「なんだと!!どういうことだ?!!」
公安は元会長がやらかしたことを清算するために新しい会長を元に色々と奔走している。元会長派を排除しきることに必死なのだが、ここで問題が起きた。ギルドは元会長とつながりがあることが発覚したのだ。
俺が裏から仕組んだことだが、ギルドはスカイクローラーやジェントル、ラブラバーの免責を元会長に認めてもらい、ヴィランの社会復帰の一助、つまり元会長の功績になるよう協力している。
元会長の影響力を排除するためにもこれらの功績は潰したい。だが、いくら元ヴィラン・ヴィジランテとはいえ現在はヒーロー。かといって、ギルドのほうを何とかしようにも、ギルドの裏には世界的にも有名なNEXTがいる。なら、どうすればいいか。悪い噂を流してしまおう。ギルドには元ヴィランやヴィジランテがいる。そのことも踏まえて悪い噂を流せば
「ギルドは思うように実績を残せず、NEXTも解体せざる負えなくなる」
「まさか・・・本当なのか?」
「ああ、会長はあまり乗り気じゃないみたいだが、勝手に一部の人間が動いているみたいだ。ちなみに、情報源は明かせない」
「情報源はブランチです」なんて言えない。あと、会長は指示ではないといえ、会長も積極的に動きを止めようとしていない。会長の立場の不安定さから見て、積極的に止められないのが正解かもしれないが、実際のところはどうかわからない。
「どうする気だ。このままじゃ公安の思惑通りになるぞ」
「これに関しては手がある・・・そうそう思い出した。あんたのところに今来ている話、あれは絶対に受けるな」
「クリニック摘発の協力依頼か、あれは」
「エンデヴァー、その話は個性抑制剤関連だ。絶対にロクなことにならん」
エンデヴァーにはとあるクリニックを摘発するための協力依頼が来ている。そのクリニックは死穢八斎會が個性抑制剤を卸している。それを摘発するためにトップヒーローの力を借りたいのだろうが
「あれがどういうものか知ってるだろ。超人社会の闇そのものだと言ってもいい。最初に摘発した警察署に大量のデモが来たのは知ってるだろ」
「だが、あの薬には危険性が」
「そんなもの誰が信じる?いや、信じたとして、ほかに方法があるか?異形型の苦しみを救う方法が、迫害対象にならなくなる方法が、ないだろ!!」
「・・・」
「それがわかってるからその手の話を受けることを躊躇してたんだろ?あれは異形型の信頼を勝ち取り、別の道を示すことでやっと対処可能となる話だ。今は手を出すべきじゃない」
冗談抜きで触れたら火傷じゃ済まない。ほかの国では摘発に協力したヒーローが多くの誹謗中傷に晒され引退したほどだ。オールマイトでもどうにもならない。というか、サイドキックのサーが断っている。原作では未来予知が原因で喧嘩別れしていたが、俺が負傷を治したためか致命的にこじれることはなく現在もサイドキックをしている。
「もし公安から依頼が来たとしても、俺らを生贄にしてでも断れ。いいな」
「それだとお前たちが」
「もう狙われているんだ。今更だ・・・それに、ここでNo.2の恩を売っておくのも悪くない」
「もうすでに返しきれないほどの恩があるんだがな」
貯金と思えばいくらあってもいいもんだ。安心しろ、利子はつかない。
・・・・・・
「随分と面倒なことになりましたね」
「エアもそう思うか・・・そっちはどんな感じだ?」
「こちらもFBIやCIAに睨まれています。少々お金を荒稼ぎし過ぎました」
「それなら問題ないな」
拠点でエアと一緒にブランチの活動状況を整理している。現在、いくつかの計画を同時に進行させており、どれも概ね問題なく進んでいる。
「もうすでにレイヴンは裏社会における絶対的なダークヒーローとなっています。今ではヴィラン組織はその名を聞くだけで逃げ出すほどです」
「いくつもの組織を潰してきたからな。今では世界最高峰のヴィランだ」
問題があるとすれば、名が売れすぎてオール・フォー・ワンに存在がバレてしまったことか。一応、ダミーの情報網を構築し、国を乗っ取った後にオール・フォー・ワンを探すことで"前々から妨害していなかった"、"準備が整ったことで対処しようとしている"という感じにカモフラージュをしているが・・・効くかな?
「どうでしょうね。最近では動きがほとんどないです」
「本人は東南アジアから動いてないんだけど・・・高確率で手下か何かが動いているな」
「ですが、一切情報網に引っかかりません。余程巧妙に動いているようです」
黒霧がいるからワープが可能だからできなくはないが・・・世界各地に用意した罠に一切かからないのは気になる。余程小規模に動いているからか?
「ここまでくると、逃げ切りも視野に入れた方が良さそうだな」
「逃げ切りですか?」
「ああ、表では緑谷をオールマイトの後継者として君臨させ、裏ではレイヴンが君臨する。オール・フォー・ワンが準備を完了させる前にな。そうすれば、あいつが動いたとしても高確率で対処できるだろうし、なんなら俺らが動いてもいい」
今はまだ動くことができないが、立場が盤石になった後ならそれも可能。
「そう考えると、立場を盤石にするのって大事だな。ぶっちゃけ、あれほど立場が盤石だったのによくもまあオール・フォー・ワンは転げ落ちたもんだ」
冗談抜きでもっと上を、世界の支配者にでもなっていたら絶対ここまで簡単に、そして上手くはいかなかっただろう。
「支配そのものにさして興味がなかったのでは?」
「でも魔王を目指していたんだろ?だったら民衆の支配・・・恐怖による支配を目指した、というかしていた。日本限定だが・・・まさか、実は魔王になるよりもワン・フォー・オールを手に入れることに固執していた?」
ありえなくもない。実際、ワン・フォー・オールを奪おうと継承者も殺していた。
「そう考えると、逃げ切りは上手くいかないかと。オールマイトが雄英の教師になるための準備をするという情報が先日入りました。ワン・フォー・オールが継承され、育成されることをオール・フォー・ワンがみすみす見逃すとは思えません」
「そうか・・・そうだな。例え情報が入らなかったとしても、オール・フォー・ワンもオールマイトが後継者を探している可能性ぐらい、普通に想像できるか」
どのみち、まだ動きがないからこっちはまだいいか。問題は表のほうだ。
「やっぱ、あいつを使うしかなさそうだな」
「偶然にも時期が一致したため、上手くいけば形勢を一気に逆転させることができます・・・ですが」
「公安の妨害か?それに関しては問題ない。むしろ、妨害してくれた方が好都合だ。それをネタに公安を脅せる」
「・・・」
"ヒーローを目指している人が脅しをするのか?"と思っているかもしれないが、俺は普通にやる。あっちが先にやったんだ。こっちがやって何が悪い?
「時期が少し開くから噂がこれ以上広がらないようにする必要はある。エア、情報統制を頼めるか?」
「エアリアルとしてつながりのある日本の企業を使えばある程度は可能です。どのように行いましょうか?」
「今流れている噂に対してしっかりと正しい情報をメディアで流してくれ。その際、裏でも色々とデタラメな噂も流しながらな」
「そうすることで、ギルドに対して突拍子もないうわさが流れていることに対して、メディアは正しい情報を提供している。ということにするのですね」
公安の奴ら、面倒なことに事実を曲解した噂を流している。部分的に事実であり、嘘を大っぴらについてないから質が悪い。だからこそ、デタラメな噂も混ぜることで事実を元にしていても嘘ではないかと印象付けさせる。そうすれば、メディアに流れている情報こそが正しいと多くの人は思うはずだ。
「悪くはないですが、根本的な解決にはならないですね」
「ああ、あくまでも一時しのぎ、本命までのな」
こういうことで利用することは想定外だったが、やることは同じ。あとはあいつの活躍に期待しよう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
少し期間が開きましたが中学生編です。なお、色々とストーリーを入れようとしたのですが、そうすると想像以上に話数が増えるので、出来る限り巻きで行きます。