俺の発現した個性が【オール・フォー・ワン】だったって、マジ?!! 作:AC6はいいぞ!!
翌日、学校に来てみると
「うわ~・・・マスゴミがワラワラと」
「ゼンちゃん、その発言はマズいと思うよ」
透はそう言うが、実際に群がって邪魔なんだよね、通学の。
「あのまま突っ込むとワラワラと寄って来るな・・・どうするか」
「隠密して、横からすり抜けるのはどうでしょうか」
「う~ん、【個性】は使えないしな・・・素直に裏口に回るか」
面倒ではあるが、マスゴミを回避するために裏口に回ることにした。
・・・・・
「昨日の戦闘訓練、お疲れ」
時間通りに始まったHRホームルーム。静まり返った教室に相澤先生の声が響く。
「Vと成績見させてもらった訳だが・・・轟、陰奪兄」
「なんでしょうか?」
「互いの力量を知っているからこその行動だろうが、あれはやり過ぎだ。もう少し考えて行動しろ」
爆豪が怒られる要因がなくなり、代わりに凍焦と俺が怒られたか。まあ、相澤先生の言っていることも正しいから、凍焦と俺は素直に謝った。
「さて・・・HRホームルームの本題だ、急で悪いが、今日は君達に・・・」
えっと、確かこの流れは
「学級委員長を決めてもらう」
「学校っぽいのきた!!」
そんな声が周囲から一斉に飛び出し、次々と手が上がっていく。
普通科ならともかく、ここはヒーロー科。集団を導くというトップヒーローに必要な素地を鍛えられる役だから立候補が殺到するのも当然だと言える。もっとも、俺はそうとは思わないが。
「静粛にしたまえ!!」
飯田の声が響いた。その言葉に周りが落ち着きを取り戻す。
「"多"を牽引する責任重大な仕事だぞ、"やりたい者"がやれるモノではないだろう!!」
「周囲からの信頼あってこそ務まる聖務。民主主義に則り、真のリーダーを皆で決めるというのなら・・・これは投票で決めるべき議案!!」
至極真っ当な意見。周りもその意見に賛同・・・しなかった。なぜなら
「そびえ立ってんじゃねーか!! 何故発案した!!」
瀬呂がツッコミを入れた。言っていることは正しいが、やってることは全然正しくなかった。せめて言動は一致させろ、そう思った。
「いいえ、違いますよ飯田さん」
・・・うん、薫?
「真のリーダーとなるべき人物なら既にいるじゃないですか。ここはお兄様に」
「ああ、薫すまん。辞退する」
その言葉に薫を始めとした全員が驚く。
「なんで、学級委員長だよ!!」
「ハハハ、パシリなんぞ御免だ。やりたい奴でやってくれ。多数決でいいんじゃないか?」
みんなが"ありえない"、という顔でこっちを見るが、やりたい奴だけでやってくれ。あと薫、そんな不満そうな顔をしない。
「同じクラスになって日も浅いのに、信頼もクソもないわ。全部ちゃん」
「そんなん皆自分にいれらぁ!!」
「それはどうかな?」
そして相澤先生から「時間内に決まれば何でもいい」という許可を頂き、無記名での投票が行われた結果。
緑谷 出久 3票
飯田 天哉 3票
八百万 百 3票
「ぼ、僕が3票?!!」
「なんで、デクなんかに・・・」
まさかの同率。緑谷が1位かなと思っていたが、まさかの番狂わせが起きた。
「よし・・・緑谷、飯田、八百万、ジャンケンでもして決めろ」
ジャンケンの結果、緑谷が委員長、八百万が副委員長となった。運命を変えられなかったか飯田。
・・・・・・
午前中の授業も無事に終わり、俺達は昼食の為に大食堂に移動していた。メンバーは俺、薫、透、被身子、レイ、緑谷、麗日、飯田だ。
「人すごいなぁ・・・」
「ヒーロー科の他にサポート科や経営課の性とも一堂に会するからな」
「上級生もいますよ」
席についてご飯を食べつつ、先ほどの学級委員長決めの話になった。
「でも、飯田君も委員長やりたかったんじゃないの? メガネだし!!」
いや、メガネ関係ないでしょ。
「"やりたい"と相応しいか否かは別の話・・・"僕"は僕の正しいと思う判断をしたまでだ」
「僕・・・」
「ちょっと思ったけど、飯田君って"坊ちゃん"?!!」
麗日、単刀直入すぎるぞ。まあ、確かに一人称が"僕"なのは珍しいが。
「飯田ってことは、インゲニウムと関係が?」
「陰奪君、君・・・どこでその情報を?」
「"飯田"って苗字と麗日の"坊ちゃん"発言と【個性】の【エンジン】からの推察」
「全部君、勘が鋭いから少しの情報で答えに辿り着くんだよね」
「いや、推察するための情報はお前からだぞ。ヒーローオタクの出久」
原作知識のおかげもあるが、それを言うことはできないので、出久の集めた情報と言うことにしておいた。
「あぁ、そうだ。俺の家は代々ヒーロー一家なんだ。俺はその次男、兄がターボヒーロー"インゲニウム"だよ」
「凄いじゃないか!!インゲニウムと言えば、東京の事務所に65人の相棒サイドキックを雇っている大人気ヒーローじゃないか!!」
「それが僕の兄さ!!」
飯田、自重しているつもりなんだろうが、誇らしさが滲み出ている。まあ、身内を褒められたんだ、無理もない。
「規律を重んじ、人を導く愛すべきヒーロー!!俺はそんな兄に憧れ、ヒーローを志した」
「だが、人を導く立場は、まだ俺には早いのだと思う。本当は陰奪君、次点で陰奪さんがいいと思ったのだが、この二人は辞退してしまったからな。よって、多くの支持を獲得した緑谷君が、委員長に就任するのが正しい! と俺は思う」
「俺は適当に飯田にした」
「適当って」
「私は飯田さんにしました」
「私も、お兄様以外だと飯田さんがいいと思います」
「私はモモちゃん」
「私も」
「俺と八百万さんへの票は君らだったのか」
薫とレイ、辞退したんだよな、自分にはまだ早いって。薫とレイは飯田、透と被身子は八百万に投票か。
「なんか・・・初めて笑ったかもね。飯田君」
「え、そ、そうだったか!? 笑うぞ、俺は!!」
それでも俺は、そんな事を考えていると突然、大音量のサイレンが大食堂、いや校舎全体に鳴り響いた。
『セキリュティ3が突破されました』
『生徒の皆さんは速やかに屋外へ避難してください』
「セキリュティ3って何ですか?」
「校舎内に誰か侵入してきたって事だよ!!3年間でこんなこと初めてだ、君達も早く非難しろ!!」
馬鹿な・・・どうなってやがる?!!俺は急いで【電脳】でエアと連絡を取った。
『エア、緊急事態だ。マスゴミ襲撃事件が起きている。』
『?!!、あり得ないですあの事件は私たちの予測では』
『ああ、起きないはずだ。でも起きた。念のため控えさせていたシーカーを動員して、裏切者をあぶり出すために【サーチ】などを駆使して確認してくれ。』
今回の件は、後のUSJ襲撃事件に繋がる事件だ。だが、USJ襲撃事件は起こりえない、だって
この世界ではオールマイトが弱体化していない
正確には、弱体化しているのだが原作ほどじゃない。だから、弱体化に気づいたとしても襲撃するなんてありえない。
『レイヴン、あなたはどうするのですか?』
『俺は・・・まて、なんだこいつは?』
オーラを使った索敵で嫌な気配を纏った人物を見つけた。生きた人間だから黒霧じゃない。しかもその人物がいる場所が職員室・・・まさか
『元凶を見つけた。そっちを捕まえる。レイ、行くぞ』
『了解です、レイヴン』
エアとの通信を終えると、俺はレイにアイコンタクトを送り、外壁を切り崩しそのまま職員室に向かった。
時間にして十数秒。撤退する前に辿り着くことができる。そのはずだったが
「いない・・・遅かったか」
俺が感知した人物はいなかった。おそらく黒霧のワープで撤収したのだろう。
「熱源は残っています。先程まで誰かがいたのは間違いありません」
「撤退は転移系の【個性】で確定。そしてこの机を漁ったのか・・・原作通りならカリキュラム表が盗まれているはずだが・・・あるな」
「熱源感知で確認したところ、掴んだ跡があります。おそらく、記憶媒体に保存したのだと」
原作では普通に盗んでいたが、こちらでは映像か何かに保存した。これならカリキュラムが外部に漏れたことが露見する可能性は低いだろう。
「お前たち、ここで何しているんだ?」
俺らが調べていると、サーが職員室に戻ってきた。サーに事情を話しすとサーは「このことは誰にも言わないように」と念を押し、この件はサーが預かることになった。
『エア。信者たちに何か動きがあったか?』
『ありません。青山一家も含め、誰にも動きがありませんでした』
『誰にも接触せずか・・・これはかなり厄介なことになりそうだな』
・・・・・・
あの後、警察が到着し、マスゴミは撤退していった。そして、授業後のHRホームルームで
「他の委員を決める前に、学級委員長ですが・・・やっぱり、僕は飯田君が良いと思います」
「あんな風にかっこよく人をまとめられるんだ。僕は飯田君が委員長を務めるのが"正しい"と思うよ」
飯田が委員長になった。原作通りに事が進んだな。
これで一見落着・・・かと思われたが、ここで予想外のことが起きた。
「今ここに、陰奪 全部を告訴することを宣言する!!」
峰田がトチ狂ったことを言い出した。告訴って、俺がなにしたって言うんだ?
「峰田、この流れで告訴ってことは、委員長の飯田に対して俺の処罰を求めると言うことだろう。これがなにを意味しているのか、わかっていってるんだよな?」
「当然だ!!お前はここで罪を償うべきなんだ!!」
もしかして、食堂の壁をぶち抜いたことを言っているのか?だとしたらそれはお門違いだ。だいたい、その件は校長が不問にすると言っているし、峰田がどうこう言うべきことじゃない。
「いいや、お前にはそれ以上の罪がある。それは」
「薫に葉隠、渡我とハーレムを築いていることだ!!」
「・・・で?それが何だって言うんだ?」
「認めたぞ!!こいつ自分の罪を認めたぞ!!」
罪って、別に法には触れてない。ただまあ、周囲の反応は驚愕の一言だな。なお、相澤先生は面倒ごとが始まったって顔をしている。というか、こいつどこでそれを知ったんだ?隠してはいないが、公表しているわけではないんだがな。
峰田が言うには、不特定多数の女性と関係を持っており、これは雄英生として不適切であるとのこと。いや、普通に教師陣はこのこと知ってるだろうし、風紀的な問題はあるが、言ってしまえばそれだけの問題。士傑高校のように校訓に決まりがない以上、どうすることもできない。
それに峰田の性格から察するに、今回の告訴は僻みから来る嫌がらせに近い行為。憎しみに狂ったあまり、それにすら気づいていない節すらあるのが厄介だ。さて・・・どうしたものか。
この状況を打破するための方法を考えていると、人生で経験したことのないような寒気に見舞われた。その原因を探るために峰田のほうを見ると、そこには
「峰田さん、少し別の場所で会話しましょう」
薫、透、被身子、レイが峰田の後ろに立っていた。鬼のような形相・・・ではなく、いつも通りの笑顔であった。もっとも、目が完全に笑っていなかった。
峰田もそのことに気づき、逃げようとするが薫のオーラに鷲掴みにされ、そのまま別室に連れていかれた。
「・・・過去一キレていたな。ありゃあ、峰田は絶対無事では済まない」
「えっと・・・陰奪さん。先ほどの話、本当なのでしょうか?」
「ハーレムを築いているって話か?本当だが?」
「ベネットさんは?」
「彼女は違う。もっとも、薫たちと親しいから、変な言いがかりをつけられて怒ったんだろう」
そう言うと男性陣は緑谷、爆豪、焦凍以外はかなり驚いていた。女性陣も同様に驚いており、芦戸に至っては興味津々だった。
「今どきそんなことしている人、初めて見た」
「まあ、時代錯誤も甚だしいし」
「いや、そう思っているなら」
「選べと?それこそごめんだ。彼女たちはそれを同意しているし、俺と共にいる限りは俺の言うことを聞いてもらう」
「なんというか・・・亭主関白?」
「言葉を飾らず独裁的でいい。もっとも、それが嫌なら俺から離れればいいだけ。俺から離れるための力は既に分配してある。なんなら、全員俺から離れた瞬間、俺は無一文だ」
その言葉にみんなはドン引きしていた。まあ、無理もない。逆の立場なら間違いなく俺もドン引きしてただろう。
一方的な力関係だが、今まで一方的に支配したことは1度もない。ぶっちゃけた話、俺に何かあったとき、俺と共に犠牲になることを防ぐための保険としての意味合いが強い。特に薫は俺と一緒に地獄まで落ちるとまで言ってたからな。覚悟の有無はともかく、有言実行は困る。
そんなことを話していると、薫たちが戻ってきた。峰田に関しては・・・この世の終わりを見たような顔をしていた・・・マジで何があった?
「ああ・・・薫、峰田とは」
「峰田さんには理解していただけました。そうですよね」
「はい!!はい!!」
完全にキャラが崩壊し、同意するだけのBOTになっていた。相澤先生も触らぬ神に祟りなしと言わんばかりに委員長が決まったことでホームルームを終了した。
今回の件で凝りて、峰田が少し大人しくなれば上々だが、原作の言動から察するに、今後も何かしらのやらかしをすることが容易に想像がつき、俺は盛大にため息をついた。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
マスコミ襲撃事件は、原作で死柄木が起こした事件でこの世界線でも雄英バリアを破壊しています。ただ、カリキュラムに関しては誰がやったのかわからない状態です。
今後の伏線となる話ですが、色々と原作と乖離してきているせいで話を作るのがメチャクチャ大変・・・次回の投稿はまたしばらく期間が空きます。