俺の発現した個性が【オール・フォー・ワン】だったって、マジ?!!   作:AC6はいいぞ!!

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ep05:社会の潜んだ差別と【オール・フォー・ワン】のリスク

 

「こっちくんな、無個性菌がうつるだろうが!!」

 

 

無個性菌?

幼稚園に来て早々男の子が女の子をイジメている。今までこんなことなかったのに・・・新手のいじめか?

しかもなんか周りも同調してるし・・・見てて不快だ。先生はどこいったんだ?この時間なら組にいるはずなんだが・・・仕方がない。

 

 

「おい、お前何してんだ」

「何って無個性菌を「人をバイキン呼ばわりか、何様のつもりだ!!」っ・・・無個性に無個性菌って言って何が悪いんだ!!」

 

 

無個性菌って、【無個性】だから言ってたのか・・・アホくさ。

こんなのをいちいち相手するのも面倒だ。

 

 

「悪いがそんな戯言に付き合う気はない。続きは先生に言うんだな!!」

「ちょっとまて、それはズルいだろ!!」

「ズルもクソもあるか。自分で言ったことの責任は自分で取れ!!」

 

 

そう言って、クソガキを強制的に先生のいるところに引きずって行った。

そして先生の前で事情を説明して説教コース。いい気味だ。

 

 

戻ると周りはシーンとしており、葉隠が女の子を慰めていた。

まったく、周りも周りで同調なんかするなよ。

 

 

「ゼンちゃん、ありがとう」

「トオルちゃん、その子は?」

「この子はカオルちゃん、たまに一緒に遊んでいる友だち」

「さっきいじめられていたんだけど」

「昨日、病院で【無個性】だって診断されたみたいなの」

 

 

【無個性】か、今の日本では【無個性】は珍しい。

特に"個性至上主義"的な考え方をしている人にとって【無個性】は迫害対象、いや

 

 

超人社会の【個性】保持者にとっては迫害対象というべき存在だ。

 

 

もしかしたらと思い、【サーチ】を使用して【個性】の有無を確認したところ

 

 

保持している【個性】

・なし

 

 

【個性】を持っていなかった。完全な無個性であることは間違いないな。それにしても・・・

 

 

「なんで昨日のことを今日の朝にみんな知ってるんだ?」

「それが、カオルちゃんのお父さんが大声で「【無個性】がいい加減にしろ!!」って言ってたみたいなの」

 

 

まさかの父親が個性至上主義者かよ。

そりゃあ、大声でそんなこと言ってたら周りにもバレるよな。

朝に先生たちがいなかったのはこれについて話していたからか。

 

 

「トオルちゃん、ありがとう。もう大丈夫」

「もう大丈夫って、そんなに顔をひどくして」

「平気。大丈夫」

 

 

どう見ても大丈夫じゃないだろ。

大丈夫そうに振舞おうとしているが、顔にモロに不安が出てるし・・・少しフォローを入れとくか。

 

 

「カオルちゃんだっけ、昨日【無個性】だって言われたんだって?」

 

 

肩がビクッと震えた。どっからどう見てもその件に触れて欲しくなさそうだったが、

 

 

「確かに、カオルちゃんが【無個性】の可能性が高いけど、まだそう決まったわけじゃないよ」

「・・・え?どういうことなの?」

「ゼンちゃん、そう言う嘘は「嘘じゃない。」」

「可能性は低いけど、子供の時に【無個性】だと診断された人が、後で【個性】持ちだったってことがあるんだよ」

「え、そうなのゼンちゃん?!!」

 

 

もちろん、そうそうないことだ。可能性で言えば考慮しなくてもいい可能性だろう。それでも今の彼女にはそういう可能性が必要だと俺は思う。たとえその可能性が幻想だったとしても、人は未来に突き進んでいくための希望が必要だ。

 

 

「可能性は低いけど、ゼロじゃない、だから「そんなの嘘よ!!私【無個性】だって言われたのよ!!」」

 

 

信じたくない。いや信じて裏切られるのが怖いのか。

実際、父親との悪い噂をこれまで聞かなかったのにいきなり手のひらを返された。信じていたものに裏切られたのだ。俺でも人間不信になるだろう。

 

 

【無個性】だから発生した問題。だから俺が【個性】を与えればすべて解決する。でも・・・

 

 

リスクがあり過ぎた。

 

 

病院で【無個性】だと言われたのに、いきなり【個性】が発現すれば嫌でも話題になる可能性がある。もちろん、考えすぎかもしれないが、考えすぎるぐらいがちょうどいい。それに病院と言えばオール・フォー・ワンの側近"殻木 球大(がらき きゅうだい)"がいる。殻木は全国に個人病院や養護施設をもっていて、病院にも情報網があるはずだ・・・そうなれば最悪、オール・フォー・ワンにバレる可能性すらあった。だから、リスクを考えるのなら傍観するのが一番いいのであるのだが・・・

 

 

「何をするにもまずは情報収集からだな」

 

 

そう考え、彼女を助けるための方法を探すことにした。

 




最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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