俺の発現した個性が【オール・フォー・ワン】だったって、マジ?!! 作:AC6はいいぞ!!
現在、3つの場所でヴィランの襲撃を受けている。
まずはUSJ。ここでは原作通り、死柄木が下っ端ヴィランと共に1-Aのメンバーを襲撃した。謎の転移のせいで薫たちはUSJの近くの森林に飛ばされ、ヴィランの襲撃を受けている。
もっとも、数こそ多いが雑魚。ナガンやシーカーが支援に入るから万に一つもない。USJのほうに関しては原作同様に進むかはわからないが恐らく問題ない。
次に雄英周辺の市街地。ハイエンドは確認されていないが多くの脳無が市民を襲撃している。幸いなことに、俺が呼び寄せたエンデヴァー事務所やギルドの面々が素早く対処したおかげで初動の動きは早かった。そして、強者がいなかったため鎮圧は確実とのこと。ただ、脳無の数が多いことや散発的な襲撃。被害範囲の広さなどが原因ですぐにこちらの救助にこれない。
最後に雄英の校舎。こちらにはハイエンドのフードちゃんが何故か7体、俺が1人倒したから残り6体いる。正直、こっちが一番キツイ。教師たちもいるが避難誘導やほかヴィランとの交戦で手一杯。ヴィランの数は数百以上。中には脳無も多く含まれ、しかもかなり広域で襲撃が発生しているためトゥワイスの複製体を無制限に投入してやっとギリギリ拮抗を保ることができている。
本来であれば機動力を生かすために接近戦を挑むところだが、質の悪いことに俺を無視して校舎を優先的に攻撃するため防戦一方。校舎にはまだ生徒が多く残っている。広範囲の遠距離攻撃で牽制こそしているが、攻撃に防ぐのがやっとで攻勢に出られない。
俺はフードちゃんの猛攻を防ぎながら考えを巡らせる。まず対応が不要なのが市街地。こちらが一番戦力が低く、エンデヴァーがいるおかげで対処できる可能性が一番高い。
問題はそれ以外、俺のいる校舎もそうだが、USJにも増援は欲しい。そのため、俺は原作同様にオールマイトを使うことにした。幸いなことに、オールマイトは休憩室で校長とサーに説教を受けていた。そして、オールマイトもそうだが多くの教員は今起こっている状況に把握できていないとシーカーから情報共有があった。
本来であれば、すぐに連絡が来たのだろうが電波妨害も広範囲に行われているため、連絡がつかなかったのだろう。そのため、偶然だが浮いたコマとなっている。この状況でオールマイトの増援が望めないのは致命的ともいえるが、まだ対処できる。
『援護はいるか?』
『そんな余裕ないだろ。過剰投入でもなんでもいいから被害を最小限にしろ。死傷者は絶対に出すなよ』
遠方でガトリングを撃ちまくっている音が聞こえる。
トゥワイスの援護があればありがたいが、残念ながらそんな余裕はどこにもない。状況を好転させるための手を打ち、並行処理していた思考を目の前の状況に集中させる。
状況を好転させるためにはどうすればいいか。それを考えていると4体のフードちゃんが一斉に背後の校舎を巻き込むように触腕攻撃を放つ。
俺が防げば防御を貫通して俺を、俺が避ければ校舎を狙う算段だろうが、その考えは甘いことを思い知らせてやる。
「武器創生 ガトリング砲」
オーラでガトリング砲を4門生成し、強化されたオーラ弾を浴びせる。普通に攻撃しても俺に攻撃が当たるため、弱点である頭を狙うように弾幕を張る。フードちゃんたちも頭への直撃は許容できず、2対は大きく後ろに後退したが、予想外なことに残り2体が脳への被害以外を無視して攻撃を受けながら触腕を放ってきた。
「面倒な」
触腕攻撃に対し、強化した氷壁で触腕を生み出し防ぐ。かなり厚めに氷壁を展開したため、触腕によって多少壁が破壊されるが貫通には至らず、フードちゃんたちは忌々しい表情でにらみつける。
校舎まで被害を及ぼす攻撃を行うことで俺の隙を作るつもりが逆にフードちゃんたちに大きな隙が生まれる。俺はその隙を見逃さず、攻撃が止むと同時に右手にオーラを集中させたうえで急速に蓄電する。
「
右手に蓄電した電気を放つ。フードちゃんたちも察知し、即座に避ける。直線状にしか放つことができない雷撃であれば、容易く避けられただろう。
「ウガガァ?!!」
ガトリング砲が放ったオーラ弾には避雷針の役目を果たし、右手から放たれた雷は回避不可の一撃となりフードちゃん2体に直撃する。脳への直接攻撃ではないため、致命傷となっていないが、大量の電気が流れたことで動きが止まった。俺はすかさず攻撃しかけようとする。
『レイヴン!!』
だが、残る2体がそれを許さない。1体が触腕攻撃で雷轟神威を中断させ、もう1体が脳無を吐き出し、リロードが完了したガトリング砲の足止めを行う。
『参ったな』
フードちゃんに打ち込んだオーラ弾も肉体ごと削り取ることで外されてしまった。入試試験のようにオーラを拡散させることでマーキングしたいところだが、あれは非生命体だったからこそできた手法。死体とはいえ生命活動を行っているフードちゃんは少なからずオーラを生み出しており、少量のオーラを付けたところで自身のオーラですぐにマーキングが打ち消されてしまう。
『エア、そっちはどうなっている?そろそろヤバいんだが』
『無事か、本体?』
『レイヴン。ギリギリでしたが間に合いました』
その言葉と同時にフードちゃんたちに向かって上から弾幕が降り注ぐ。フードちゃんたちが上を見上げると大きな翼がとても目立つ、自由の象徴が舞い降りる。
『随分と遅かったじゃないか』
『そう言うな本体。オールマイトを説得するのに苦労したんだぞ』
今回の騒動でオールマイトがUSJに行かない可能性があった。校舎が襲撃され、生徒を救助に向かいかけていたオールマイトを慌てて止め、USJまで送っていた。原作通りならUSJに出た黒い脳無はオールマイトが相手じゃないと厳しい。
あと、オールマイトをUSJに送った後に死傷者が出そうな場所に乱入して何とか立て直しを計っていたらしい。おかげで現時点ではまだ死傷者はなし。
『お前も下がっていいんだぜ、本体?』
『ハハッ、冗談がきついぜレイヴン。だいたい、お前ひとりだとキツいだろ』
俺はそう言うとレイヴンが牽制している隙に校舎を守るように氷壁を生み出す。かなり厚めに生み出したためしばらくは流れ弾を心配しなくていいだろう。
正直、状況はよくない。負けることはないが逃走させたくはない。ここからが本番だ。
・・・・・・
校舎から少し離れた森林地帯。校舎への流れ弾を気にしなくて良くなり攻勢に出た結果、前線を押し上げることができ上手いこと戦場を校舎から近場の森林に移すことに成功した。
そして周囲への被害を気にしなくて良くなり戦闘は激しさを増す。レイヴンと共に6体のフードちゃんを相手に攻防を繰り広げる。周囲の木々は凍り、燃やされ、時には粉々に砕かれる。
俺はフードちゃんたちの連携の隙を突き、分断するような形で広範囲に氷壁を生み出す。フードちゃんたちも分断の意図に気づき、分断されないよう上空に逃げるが1体だけ足が凍らされ一瞬動きが止まる。その隙を見逃さずに俺は凍った奴を狙う。
だが、それをほかのフードちゃんが許さない。レイヴンも足止めを仕掛けるが数の差から失敗し、こちらの奇襲が邪魔されてしまう。
『やっぱ、全員の動きを止めないと厳しいな。というか、こいつらがここまで連携できるのも変だ』
『レイヴン。おそらく指揮官がいます』
『だろうな。ただ、どれが指揮官かわからない』
通信妨害がある以上、遠方から指揮している可能性は低い。フードちゃんの中に指揮官がいるのだろうが、全員同じ見た目をしているためどれが指揮官かわからない。電波も使えないから念話の類、【個性】でやり取りしているなら判断は不可能。
感知系の【個性】を使うという手もあるが・・・複数個性持ちだとバレた時のリスクが計り知れないため使えない。
俺はこのままでは埒が明かないと判断し、フードちゃんたちをまとめて始末するために右手に膨大な熱エネルギーを込めたオーラ、左手に大気を過度に圧縮したオーラを集める。
フードちゃんたちも気づいて妨害しようとするが、レイヴンが両肩のミサイルポットからミサイルを展開したため妨害が遅れ、一手早く技が完了する。
「フレイムテンペスト」
俺は両手のオーラを融合させ、自身を起点に灼熱の嵐を繰り出す。レイヴンも巻き込んで放ったが、レイヴンは何をするのかわかっていたためフードちゃんを1体を足止めした後即時に電磁波バリアを展開。フードちゃんも逃げようとあがくが、地獄の嵐からは逃れられず、数千度の熱波にさらされ、機能を停止する。
『メチャクチャ熱いんだが』
『熱いだけで済んでいるなら問題ない。ほかの連中には逃げられたが1匹は始末した』
『だが指揮官じゃない』
その言葉の通り、フードちゃんたちの統率が乱れていない。あわよくばと思ったが、そううまくはいかないようだ。
『そして同じ手はもう通用しないだろうな。露骨に警戒してるし』
『あまり時間をかけていると被害が拡大する・・・そう考えると持久戦はできれば避けたい・・・となると』
『この手は知られたくなかったが、止む負えな』
オーラによる具現化を最大限に発揮するために高密度に圧縮したオーラを半円状に広範囲に展開する。まだ物質化していないためフードちゃんの動きを阻害することない。
「心象世界」
生み出したい世界を想像する。フードちゃんたちを拘束し、外に逃げ出すことを禁じる氷結の牢獄を。
「氷結界の牢獄」
その言葉とオーラに込められた思いが、想像した世界が創造される。周囲が氷結に覆われ、何者の侵入も脱走も阻む氷結の牢獄が具現化する。
その光景を見た瞬間、フードちゃんが逃走を試みる。だが、一足早く完成された氷結の牢獄はフードちゃんたちの脱走を阻む。牢獄から脱出するために攻撃を仕掛けるが、削れたそばから修復し脱出を不可能なものとする。
「逃げようとしたのは失敗だったな」
脱走に意識が向いた隙を俺らは見逃さなかった。近場にいたフードちゃんに対して一瞬で距離を詰める。
フードちゃんもこちらに気づきとっさにガードするが、中途半端なガードを俺は強化したプロミネンスバーンを食らわせ、フードちゃんは一瞬で灰と化す。
レイヴンのほうも瞬時に1体狙撃し、俺の攻撃が妨害されないよう、両肩の換装したミサイルコンテナからミサイルを射出し、残りのフードちゃんの動きを妨害する。
『これで2対2』
俺はフードちゃんたちの今までの行動から2対2では勝てないと判断し、可能な限り時間稼ぎを・・・と思っていたのだが、1体こちらに向かってきた。
『広範囲攻撃を恐れたのでしょうね』
『だからって普通。正面から挑みかかるか?』
『戦闘で1対1の接近戦なら勝算があると判断されたようです』
『まあ、倒し方が全部不意打ち・騙し撃ちの類だったからな』
さっき始末したフードちゃんの中に指揮官がいたのか、連携を取らずに個別に突っ込んできた。
『さっさと倒すか』
『そうだな。右の奴は任せた』
そう言うとレイヴンは飛翔し、フードちゃんと空中戦を繰り広げ・・・あ、速攻で真っ二つにされた。
まあ、当然と言えば当然か。フードちゃんは両肩のジェット機構のおかげで高速戦闘が可能となっているが、それでも魔改造に魔改造を施したナイトフォールを駆るレイヴンには全く及ばない。通常では不可能な加速でフードちゃんは認識する間もなく両断された。
そんな様子を下から見ているとフードちゃんが触腕で攻撃してくる。俺が上を見て油断していると判断して不意打ちをしてきた。
俺はそれを紙一重で避け、フードちゃんが視認できない速さの居合で斬撃を飛ばし、真っ二つにする。
「ナン・・・デ」
「悪いな。さっきまでは手加減してたんだ。勝てると思ってもらわないとお前ら、逃走するか校舎のほうを意地でも狙ってただろうからな」
実際、フードちゃんより俺のほうが実力は上だ。不意打ちでいいなら1体は速攻で片付けることができる。
速攻で片付けることができるのに、なぜ今まで手加減をしていたのか。それは勝てないと判断したフードちゃんたちが散開して、逃走または校舎への襲撃を優先するのを避けるためだった。
いくら俺でも2体目となると倒すまでにかなり時間がかかる。なぜなら、2体目は俺の実力に気づいて即座に逃走するか防御に徹するからだ。これはレイヴンに関しても同様で並外れた機動性があるが、フードちゃんが脳を守ることに重点を置いた防御をすれば、超回復も合わさって倒すのに時間がかかる。
そうなると、フリーとなっている奴には確実に逃げられる。そっちを追いかけようとすると、押さえている奴が逃走する。結局、数の差で逃げられてしまう。最初から氷結界の牢獄を使うのも手ではあったが、出来るだけ手のうちを見せたくはなかった。監視がいる可能性が高い以上、今後のことを考えると下手に見せると対策される可能性があったからだ。
『もっとも、時間の制約もあるせいで使うしかなかったが・・・エア。ほかの場所はどうなっている?』
『市街地での戦闘は終了しました。被害規模は大きいですが、死傷者はおらず、脳無はすべて捕縛または殺害しています』
市街地では大量の脳無が出たと聞いていたので覚悟していたが、思っていた以上に被害は小さい。おまけに、脳無を捕縛できたのは今後のことを考えると、大きな利点となるだろう。
『USJではナガンが主犯の死柄木と黒霧を殺害を試みたのですが、失敗しました』
『マジか、ナガンでもダメだったのか』
『いえ・・・それが』
エアからの報告に俺は心底驚く。そして確信する。
『シーカーの追跡は?』
『失敗しました』
保険としてシーカーには死柄木を追跡するように指示を出していた。サードアイと【サーチ】の組み合わせを使えばワープで移動されても追跡されると思っていた。なのに、追跡を失敗したのか。
『みんなは全員無事か?』
『無事です。イレイザーヘッドと13号は負傷しましたが、今後に支障はありません』
そう言って、USJでの経緯をデータで送ってきた。
USJでは原作と大体同じだった。違う点と言えば、出久が原作よりも早く戻ってきた結果、脳無と交戦したことで相澤先生が後遺症を負うような怪我をしなかったことやオールマイトが100発程脳無にパンチを食らわせることで吹き飛ばしたことぐらいか。
出久と脳無では脳無のほうが圧倒的に強いが、俺との訓練や『危機感知』のおかげでそれなりに戦えたようだ。もっとも、衝撃吸収のせいでまともにダメージを与えられず、回避もギリギリだったらしい。
薫たちのほうは特に被害を出すこともなく、現在はUSJに向かっているらしい。万が一に備えていたが、特に何事もなく雑魚ヴィラン相手に無難に勝利したらしい。
『おかしな点だらけだな。やはり、オール・フォー・ワン以外にも手を引いている人物がいると見て間違いない』
『問題は誰が、です。レイヴンも気づいているとは思いますが』
『俺と同じ転生者の可能性があるな。サーの予知が外れたと言うことはそう言うことなんだろうが、見つからなかったのは何故だ?』
転生者が俺以外にもいる可能性は前々から考えており、エアに頼んで調査していた。その結果、転生者がいないという結論に至ったが、あれだけ調べて見つからなかったということがだいぶ気がかりだった。
『レイヴン。考えるのは後です。今は目の前のことを対処しましょう』
『そうだな』
戦闘は終わったが、後処理がまだ終わっていない。俺はフードちゃんとの戦闘が終了したことを報告するために急いで校舎に戻った。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。