俺の発現した個性が【オール・フォー・ワン】だったって、マジ?!! 作:AC6はいいぞ!!
俺は【無個性】の女の子、「
とはいっても、さすがに【個性】を与えるのはリスクがデカすぎるため、【個性】を与える以外の方法を模索することにした。一応、渦巻が検査を受けた病院のほうも【サーチ】を使って調べたが、結果はシロ。オール・フォー・ワンに奪われた可能性も考えたが、どうやらそうではないらしい・・・
まず、渦巻がいじめに合っているのは明白だったため、できる限り彼女の周りにいていじめられないようにした。俺がいじめを先生に言ったことも影響して、俺がいるとあからさまにいじめられることはなくなった。さすがに蔭口まではどうしようもなかったが、葉隠も協力してくれたおかげでだいぶ減らせたと思う。
次に父親について、これは【サーチ】を使って監視することにした。
あいつ、そこそこの資産を持っているらしく、働かずに昼間っから酒を飲んでやがる。典型的なクズだな。
渦巻も【サーチ】の対象にして、情報を取得する。取得できる情報は多くないが、これでも何をしているのかわかるはずだ
・・・・・・
そう思って、1週間。
あのクソ野郎、ついに虐待しやがった!!
朝に彼女と会った際、【サーチ】で確認したら体に痣が付いていた!!服に隠れる位置だから周りに気づかれてはいないが、明らかに自分でつけたものではない痣が複数見つかった。これで母親がいればまだマシだったんだろうが、母親は死別していたためいなかった・・・
彼女の様子も最悪だ。もう色々と絶望した様子だった。周りの頼れる大人がおらず、もうどうしていいのかわからない状況だ。先生たちもどうすることもできない。
こうなったら俺が児童虐待を先生たちに言うか?・・・いや、言ったところで大して役に立たんだろう。
俺が児童虐待を通報する?・・・子供のいたずらと捉えられそうだな。
ヒーローに頼む?・・・論外。ヒーローといってもピンキリ。地元のヒーロー程度今の状態をどうにかすることはできない可能性が高い。警察もすぐに動けるか怪しい。
弁護士である父さんに相談する?・・・この方法が一番良さそうだな。法的措置云々はともかく、虐待の件についてちゃんと話せば行動してくれるはずだ。なんなら、父さんに児童虐待を通報してもらうのもいい。できれば虐待の証拠をいくつか集めておきたいな。
そう考えて、渦巻をどう父親の状況を確認すると、不穏な情報を手に入れた。
なんでこいつ、今繁華街にいるんだ。あいつの仕事なんてしてないし、いつもは家で酒飲んでばかりいるのに・・・
凄く嫌な予感がする・・・これは確認が必要だ。
でも、今何も言わずに幼稚園から姿を消すと、大騒ぎになる。葉隠に伝言を頼むか。
「トオルちゃん、ちょっといい?」
「どうしたのゼンちゃん?」
「ちょっと遊びたい気分だから幼稚園の外に遊びに行ってくる!!」
「行ってらっしゃい・・・って、ええぇ?!!」
「待って、どこ行くのゼンちゃん?!!」
葉隠が慌てているが、無視して繁華街に向かった。
この時間帯、5歳児が町中を歩き回ると嫌でも目立つので
・【透明化】
自身の姿を消す【個性】。【変質】によって自身の服も対象になっている。
・【消音】
周囲の音源を消音する【個性】。範囲は自身を中心とした半径3m。
・【覚醒】
潜在的な能力を覚醒させる【個性】。今は身体能力と個性の同時発動の容量を若干上昇させている。
・【脚力強化】
脚力を強化する【個性】
・【空中ジャンプ】
空中でジャンプできる【個性】。空中での滑空、停止はできない。
これらを使用して建物から建物を静かにジャンプして移動していた。
個性の同時発動はきついが、どうやら【覚醒】の個性による身体能力強化がいつも以上に上がっているみたいで思ったよりは楽だ。おまけに他の個性も強化されており、3時間はかかると思っていた移動が1時間ほどで済んだ。
・・・・・・
あのクソ野郎がいるのはこの建物か。
繁華街についた俺は、あのクソ野郎がいるボロビルに潜入した。と言っても、【透明化】と【消音】のおかげでバレることはない。【サーチ】で補足した位置を辿り、ついに目的の部屋までたどり着き、【聴覚強化】で話を聞くことにした。
・【聴音強化】
聴覚を強化する【個性】。
「これで取引成立だな」
「ああ、よろしく頼むよ」
取引?しかもボロビルの怪しそうな部屋の一角で・・・相手はヴィランか?
「それにしても、あんたも災難だな」
「ハハ、まったくだよ、まさかあんな」
「出来損ないが我が家系から生まれるとは、一族の恥だ」
一族の恥だと。あのクソ野郎ここまで腐ってやがったのか・・・落ち着け、俺は情報収集しに来ただけだろ。ここは我慢の時だ。
「決行は今日でいいんだよな。」
「ああ、今日おれは怪しまれないようあいつを迎えに行くが、その前に」
「俺らがお前の代わりに迎えに行って、そして俺の【個性】を使って」
・【爆発】
触れた対象を爆発させる【個性】。触れた時間が長いほど威力が増加し、離れてから最短1秒、最大1分後に爆発する。
「頭を爆発させて殺す」
「俺は出来損ないも始末できるし、あんたらは金が手に入る。まさに一石二鳥」
「ちげーねーな、ハハハ」
その言葉を聞いた瞬間、俺はブチぎれた。
あいつらなんて言った。渦巻を殺す?
しかも一石二鳥だと・・・子供を殺すことが一石二鳥だと!!
しかも、今日決行か。
これが数日後ならまだいくらでもやりようはあったんだが・・・一番穏便な解決方法は警察やヒーローにこのことを伝えて対処してもらうこと。・・・うん、無理だな。
まずこんな話を信用してもらえるわけないし、仮に信用して貰ったとしてもどこで聞いたのかという話になる。コッソリ繁華街に来て偶然聞きました、なんて言い訳が通用するはずがない。あと、実行現場を抑えられるならともかく、そうじゃなければ高確率で逃げられるだろう。そうなれば、あいつは別の方法で渦巻を葬るだろうし、爆破魔のほうは更に犠牲者を出すだろう。
元々、裏社会で暗躍する以上、こういう場面に遭遇するのはわかっていた。それが遅いか早いか、それだけ・・・こうなった以上、俺がやるしかない、そうだ・・・覚悟はしていたじゃないか。それがたとえ
「自分の手を血で染めることになるとしてもだ」
・・・・・・
【Side:渦巻 残余】
「それじゃあ、私は失礼させてもらうよ」
今日は気分がいい。【オーラ】という強個性を代々生み出してきた我が家系によりにもよって、【無個性】などという出来損ないが生まれるとは、だがそれも今日までだ。
目の前のヴィランは【爆発】の【個性】を使用して子供を殺すことに快楽を覚えた精神異常者。だが、受けた依頼をしっかりとこなすことでも知られている。我が家のツテをたどり、今日会ってみたのだがまさか依頼できるとは思っていなかった。これは運がいい。
出来損ないが殺されることで私に疑いがかかることは・・・考えなくていいだろう。このヴィランは子供を殺すことは知られているが、依頼を受けることは裏社会の一部の人間しか知らない。こいつが捕まりさえしなければ【無個性】の子供が不運にも標的にされてしまった程度で捜査も打ち切られるだろう。
あとは出来損ないを時間通りに迎えに行くだけ。そう思いながら部屋を出ようとしたとき
ドカーーーーーーン
部屋の扉が吹き飛んだ。
別ヴィランの襲撃か。何事かお思いながら。扉から離れ様子を見た。周りのヴィラン達も警戒して構えるが・・・一向に誰も入ってくる気配がない。
「・・・ハハ、こけおどしかよ。それとも逃げたか」
誰かがそう言い。部屋全体に笑いが蔓延しようとした瞬間。
ヴィランチームのリーダーの男の頭が爆発した。
・・・は?何が起きたんだ。
今のは【爆発】か?!!なんであの男の頭が【爆発】してんだ、自分の個性だろう!!
仲間割れを考え、瞬時に【オーラ】を発動しようとする。
・【オーラ】
自身の精神・生命エネルギーを具現化させ、攻防に使用可能となる【個性】
しようとしだのだが・・・
「馬鹿な、何故【個性】が発動しない?!!」
そうこうしている次々とヴィラン達の頭が爆発していく。
なかにはこの部屋から逃げ出そうとするヴィランもいたが、そいつも爆発した。
そうこうしているうちに、私だけになった。
何が起きたのかはわからない、何故【個性】が発動しないのか。
そう思っていると、いきなり吹き飛ばされ壁に激突した。
何が起こっているんだ・・・そう考えた彼が壁に激突した衝撃で気を失ったのは幸運だった。なぜなら最後に自分の頭が爆発しているのを感じることなく死ねたのだから・・・
・・・・・・
「奇襲したおかげで、思ったよりも上手くいったな」
今回俺は、奇襲のプランとして
1.扉を【脚力強化】+【念動】で蹴破る。
2.【視線誘導】で入り口に視線を誘導。
3.【透明化】+【消音】で部屋に侵入。
4.【オーラ】【爆発】を優先的に【オール・フォー・ワン】で【個性】を奪う。
5.【爆発】を使用して全員の頭を吹き飛ばす。
・【念動】
ものを動かし、操ることができる【個性】。自身の思念の強さによって威力が変わる。同時操作不可。
・【視線誘導】
視認した対象の視線を誘導する【個性】。誘導先の印象が強いほど誘導されやすくなる。
を実行した。少し雑で荒っぽい作戦だが【サーチ】を使って逆転が可能な個性は【オーラ】と【爆発】ぐらいだったので、これらを奪えた時点で俺の勝利は確定していた。その時点で殺す必要がないとも思えるが・・・悪いが、俺の正体を知られる訳にはいかない。【オール・フォー・ワン】を使ったのならなおさらな。
人を殺したことに罪悪感を覚える。飛び散った体の一部を見ると吐き気がこみ上げる。だがやらなければ俺が危ない。わかっていてもツラいものがある。計画が今日実行でなければ・・・そう思ってしまう。実際、数日後に決行なら色々と策が取れた。今日実行でも上手い事立ち回れば渦巻を殺させないようにすることは可能だったかもしれない・・・だが
「何割かの可能性が残っている以上、その手段を取る気はない」
たとえ選択した先に後悔するような出来事があったとしても、選択自体で後悔する気はない。
あとは、この死体をどうするかだが、都合のいいことにヴィラン達の中に
・【レンガ】
土からレンガを生成・操作できる【個性】。
・【燃焼促進】
燃焼を促進させることができる【個性】。生物には適応できない。
・【ハンマー】
腕をハンマーに変化させる【個性】。
死体処理に都合のいい【個性】を持つやつがいた。しかも、瞬時に高温を出したり、黒煙を上手い事換気し、室内で処理できるようにする道具などがあった。こいつら死体をレンガで作った高炉にいれて燃焼促進で燃やしていたな。骨が残りそうだが、高温で燃やした後に砕けば人骨だとバレるリスクは相当下がる。
骨はどこかの道端で捨ててもいいしな。
こいつらと同じ死体処理を行うのは癪だが、やらないわけにはいかない。そう自分に言い聞かせながら、死体を素早く処理し、念のため部屋全体に【サーチ】をかけ、ビルが火事にならない程度に焼き尽くしたうえで素早く幼稚園に戻った。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。