俺の発現した個性が【オール・フォー・ワン】だったって、マジ?!! 作:AC6はいいぞ!!
あれから1週間が経過した。
あの後、帰宅時間ギリギリに戻ってこれたのだが、案の定いなくなったことを先生に怒られたし両親にも怒られた。そしてなぜか葉隠からはそれ以上に怒られた・・・なぜだ?
渦巻に関しては、クソ野郎が迎えに来ず、最終的に警察沙汰までなり、一時的に保護されることになった。クソ野郎に関しては、行方不明扱いになり捜索が開始するだろうが、見つかるはずもない。
痕跡は向こうも消しているだろうし、こっちも消した。【個性】で見つかる可能性も・・・なくはないが、サー・ナイトアイの【未来視】みたいな個性はかなり希少だ。心配しなくてもいいだろう。
これでクソ野郎の虐待が無くなって万々歳。
あいつはそこそこ資産を持っていたから、それは渦巻に相続されるだろうし、されなかったとしても、相続した親族が引き取る・・・そう思っていたのに。
「考えが甘かったか・・・」
あの野郎、昼間っから酒を飲んでいることからクズだとはわかってたが、よりにもよって借金までしてやがった、しかもかなりの額。
幸いなことに、それらの借金は家などを売却することで返却可能とのことだが、その代わり手元に残る資産は実質ゼロ。こうなると親族だよりだが
「まさか、親族が1人もいないとは」
父親が失踪した以上、親族が引き取ることになるのだが、問題なのがあの父親に親族がいなかったことだ。情報を集めた結果、クソ野郎は家系に誇りに持っていたが、なんとビックリ、1世代前に騒動があって一族がほとんど死亡したり行方不明になっていたのだ。
俺が使ってみた感じ、【オーラ】は汎用性が高い。オーラを使用しての攻撃や防御はもちろん、オーラをスライムのように変化させることで遠隔からものを掴んだり、自身の身体能力を強化することができた。もしかしたらオール・フォー・ワンが何かしらの干渉をしたのかもしれない。
今も干渉しているかと言われると・・・ないな。それならクソ野郎が【オーラ】を放置している理由が思い浮かばない。たぶん、昔干渉して【オーラ】の【個性】を手に入れた後、興味を失って放置、今では完全に忘れているだろう。オール・フォー・ワンの性格的にたぶん、これが最も正解に近いと思う。
ただ、オール・フォー・ワンの干渉がないからといって、【個性】を渡そうものなら間違いなく厄介なことになる。【無個性】が診断後に【個性】を発現すれば嫌でも目立つ。
渡せないこともないのだが、しばらくは【無個性】のままでいてもらう必要があるし、万が一【個性】が合わなかった場合の対処も必要、そのため身近にいてもらわないといけないのだが
「それにこのままだと孤児院行き、遠く離れた場所に行くだろうから渡すのは・・・無理だ」
【個性】の件もあるが、渦巻の精神状態もかなりヤバい。
今でこそ落ち着いているが、孤児院に行ったら俺や葉隠と離れ、1人になる。そうなったらそれこそどうなるか想像がつかない。
手を取った以上、救いたい。でも俺だけでは限度がある。子供の俺では孤児院行きを止める手段がない。だから、諦めるしかないのだが・・・
「方法が・・・1つだけある。だが高確率で失敗するだろうし、保険はあるにはあるが・・・」
使いたくない。色んな意味でよろしくない方法だからだ。だが、普通に考えれば失敗するのはほぼ確実。諦めた方がいいのだが・・・やるだけやってやる。手に取った以上、俺は諦める気は・・・ない。俺は後々後悔するような選択をしたくない。
俺は決心し、一世一代の大勝負に出ることにした。
・・・・・・
「父さん、母さん、お願いします。どうか渦巻を・・・」
「養子として迎え入れてくれませんか」
俺はリビングで両親に必死にお願いしていた。土下座してお願いしていた。
今でも精神状態が不安定なのに、孤児院に行ったら彼女を支えてくれる人物はいなくなる。俺や葉隠が会いに行くとしても無理がある、周りに支えてくれる人物が現れるのを期待するのは更に無理がある。きっと本当に傍にいて欲しいときに傍にいることはできないだろう。それは俺の望む救済にはならない。だからこそ、彼女をすぐそばで救う人物が必要になる。
「全部、お前は自分が何を言っているのかわかって言ってるのか。」
「わかっている。だからこそ言っている」
「私としては、お願いを聞いてあげたい気持ちはあるのだけど「ダメだ、これはむやみに決断していい話じゃない。人の人生がかかっているんだ」・・・」
さすがは弁護士。そのあたりの機微に敏感だ。
とくに責任というものがどういうものなのか心得ている。一筋縄ではいかないだろう。だが、説得さえできればそう簡単には見放さない。ここが正念場だ。
「父さんはカオルちゃんを見捨てろと言うの?」
「いや、見捨てろと言うつもりはない。ただ大人に任せろと言っているんだ。」
「今回、その大人が問題を起こしたけど?」
「そうだ、だから責任ある大人に任せるべきなんだ」
「責任ある大人はカオルちゃんの幸せにも責任を持ってくれるの?」
「それはもちろん「父さん、本当に責任を持ってくれるの?」」
「・・・」
そう、責任なんか持てるわけがない。
孤児院の人たちも努力してくれるだろうが、何人もいる孤児たちの中でピンポイントで対応なんかできるわけがない。
「父さんは責任と言ってたけど、責任は俺にもある。俺は困っているカオルちゃんに手を差し伸べたんだ」
「そしてその子を助けているじゃないか。それはあの子も言っていた」
「でも十分じゃない。彼女はまだ助けを求めていたんだ」
「それこそ責任ある大人に「責任を持ったのに途中で投げ捨てろと言うの?」」
「・・・」
「責任を持ったのなら最後まで果たすべきじゃないの?」
「果たせるのならな、だが」
「お金がかかるって言いたいの?」
「そうだ、人1人育てるのにたくさんのお金がかかる。そしてそれは今の全部には払えない」
「わかっている。」
「わかっているなら「だから父さん、母さん」」
「僕はヒーローになります。お金をたくさん稼ぎます。だから」
「僕に投資してください。人1人分の投資を」
正直、馬鹿なことを言っているのはわかっている。
俺が逆の立場ならダメと言っているであろう。人1人育てるのに数千万はかかる。返すと言ってもヒーローになれるかはわからないし、ちゃんと返せるかどうかもわからない。交渉にすらなっていない。親としての情にすべてをかけて大博打だ。
「・・・」
「全部、お前は自分が何を言ってるのかわかっているのか」
「わかっている」
「なぜそこまでして助けたいんだ。少し前までよく知りもしない子だっただろ」
「僕が後悔しないため。助けを求められた手を掴んだ以上、後悔はしなくない」
「・・・」
父さんが納得していない・・・ダメか。
「あなた、カオルちゃんを養子にしましょう」
「跳子、本気か?!!」
「本気よ、この子がここまで必死に人を助けようとしているのにあなたはそれを見捨てるの?」
「いや・・・そういうわけじゃないが」
「同じよ、この子はそれだけの覚悟をしているの。ここで見捨てたら一生後悔して生きていくことになるのよ」
「いや・・・だが「これ以上、四の五の言うのであれば」」
「離婚します。私一人でこの子たちを育てます」
母さん。それマジで言ってんの・・・覚悟決まり過ぎでしょ。
ハッタリかと思ったが、顔を見るとマジだった・・・父さんもそれを察してか、今まで見たこともない表情をしている。そしてしばらく何かを考え・・・覚悟が決まったのか俺の目を見て言った。
「わかった。あの子を養子にしよう」
「だが、養子にする以上、お前が言ったことはちゃんと実行してもらう。あの子にかかった教育費などは全部、お前が将来払うんだ」
「あなた、それはいくら何でも「ありがとう父さん」」
「本当に覚悟を決めているんだな、それならもう何も言うことはない」
当然だ。むしろ父さんの性格的に支払いは何かない限り行われるだろう。
母さんが心配そうにしていたが、【オール・フォー・ワン】もあるし問題ない。あとは
「もう1つ、お願いがあるんだけど良いかな?」
「なんだ、まさかもう1人養子にしてくれ、何て言わないよな」
「さすがにそこまでじゃないよ、カオルちゃんにこのことを伝えないで欲しいってだけ」
「伝えないで欲しいか、理由は?」
「僕の責任をカオルちゃんに負わせたくない。それだけだよ」
「・・・わかった。
「ありがとう。父さん、母さん」
なんか含みのある言い方だが・・・父さんはこの手の話で嘘をつかない。まあ、大丈夫だろう。明日には両親から養子の話が出るだろう。薫は断るかもしれないが、絶対に俺が断らせない。
そして後日、両親と共に薫のいる施設を訪ねた際に薫に【オーラ】の【個性】を与え、両親との話し合いの末に俺の妹となった。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
カオルは元々は、裏で暗躍した際に仲間に加入し、一緒に雄英に行くポジションのキャラだったのですが、そうした場合、色々と暗い印象のキャラになってしまいそうだったので、予定を変更して今回の形になりました。あと、ヒロイン候補でもあります。
少し無理やり感はありますが、これはこれで楽しんでいただけるとありがたいです。