エターナルリゾナンス   作:オロナミンD

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出会い 1

『魔王!!これで最後だ!!くらえーー!!』

 

『グハッッ勇者ごときにこの私がぁ゙っ!!ガァァァァァ!』

 

「____こうして勇者は魔王を討伐し、世界に平和が訪れたのでした。めでたしめでたし」

 

「すごぉーい!勇者ってすっごく強いんだね!」

 

「あの魔王をやっつけるなんて!!」

 

「ふふ、そう。勇者様が魔王を倒したおかげでみんなは平和に楽しく暮らせてるのよ」

 

そう言って笑い合う仲睦まじい親子の会話。

僕はそれを店の奥から眺めながら顔を真っ赤にさせた店長を目の前にしてこれからどうするか考えていた。

 

「あんた!!一体何度失敗したら気が済むんだ!!皿は割るし注文は間違えるし足すべらせて客に食べ物ぶちまけるし!もう我慢ならない!!」

 

「すみません店長」

 

「すみませんは聞き飽きたっての!!今すぐ出ていけ!!」

 

ここは王国ルミノックスのとある街のとあるレストラン。

子供から大人まで楽しめる豊富なメニューが売りである。僕はここで働き始めて2、3日と経っていないのだが…

 

「ごめんなさい店長」

 

「言い方変えりゃいいって訳じゃないよ!舐めてるのかい!?

大体なんなんだそれは!!」

 

店長が指差した先には僕の顔…具体的には僕の眼を示していた。

 

「ここにお前が来てから客足が減ってしょうがない。みんなお前を気味悪がってるんだ。こんなことになるなら最初から入れなきゃ良かったよ」

 

「申し訳ないです。次からは失敗しないのでクビだけは___」

 

「いいから出ていけぇぇぇぇぇ!!!」

 

怒鳴られながら追い出された僕は道のど真ん中に放り出される。

それを笑うかのように馬車の馬から土を被せられる。

周囲はヒソヒソと僕の話で持ちきりのようだ。

 

「あいつが噂の?」

 

「ええ、見てあの眼。気味が悪いわ。きっと魔族よ」

 

「魔族にしては弱そうだけどなぁ」

 

「実際魔族って弱いんでしょう?私達人間に負けたんだから」

 

そんな言葉をかき消すように土汚れを軽く払って立ち上がる。

 

あの店長はこんな僕でも雇ってくれた。最終的にはクビになったけどそれは僕のせいだ。店が閉店する時間にまた行って謝ろう。

僕は早々に決意を固めると、日暮れまで森の隅でひっそりと過ごすことにした。

 

____________________________

 

 

 

影が色濃くなる時間になると街全体にポツポツと光が宿る。

息を呑むような美しさと昼とはまた違う活気に包まれていく夜は結構好きだ。

 

「さてと、謝りに行こう。」

 

その時だった。

 

 

 

「こんばんワ」

 

 

 

え________

 

「_____誰?」

 

辺りに人の気配は感じない。でも声ははっきりと耳元で聞こえた。これはよく絵本で出てくるオバケってやつ…

 

「こちらですヨ」

 

ズズッという音と共にその姿を現す。

 

「な…!」

 

僕は今見てる光景が信じられなかった。昼寝をしていたからまだ夢を見ているのではないかとさえ思った。でも感じる。゛それ゛は現実で、僕の目の前に立って、僕に笑顔を振りまいていると。

 

「どうですカ?人間と親しみやすくなるように素敵な帽子を被ってみたのですヨ。タキシードも来てみましたヨ。」

 

流暢な言葉とは裏腹にその姿はあまりにも人間とかけ離れていた。

 

言葉にするなら『影』。森の影から直接伸びている身体には足が無く、顔と思わしき場所には三日月型の白い目が無造作についており、嫌でも笑っているかのように見える。そして口元には大きな白いバッテン。これを化け物と呼ばずしてなんと呼ぶのだろうか。思わず足がすくむ。

 

「そんなに怖がらなくても私は貴方を攻撃したりしませんヨ。私は貴方とお喋りに来たんですヨ」

 

僕とお喋りしたいだって?

 

「_____変わってるんだね」

 

「ううん?ナゼですカ?」

 

「…僕と話したがるなんて。僕は皆から気味悪がられて避けられてるんだよ」

 

「知っていますヨ。まったくこれだから人間ワ。吐き気がしますヨ。」

 

話が見えない。この化け物は一体僕と何を話したいっていうんだ?

 

「さて、本題に入りますヨ!私の名前はダクリール。親愛なる魔王様に尽くすべく生まれてきました魔族ですヨ」

 

!!魔族!魔族ってあの魔族だろうか?

 

400年前、魔族と人間との間で長い長い永遠かとも思われた戦争があった。共存の道は断たれ、お互いに取り返しのつかない犠牲を出していた。しかし、人間側の勇者の登場で状況は一気に変わる。魔王は打倒され魔族も滅亡の危機に陥った。絶滅しなかったものの人間側の圧倒的勝利で戦争は幕を閉じた。

 

その生き残りの魔族が今僕の目の前にいる。あんなに怖かった店長がちっぽけに思えるほどこの魔族は脅威だった。

 

僕が口をパクパクとさせていると、ダクリールと名乗る魔族は言葉をさらに続ける。

 

 

「私は魔王様に尽くすのが生き甲斐であり生き様でしタ。しかし魔王様は勇者に滅ぼされ、我々魔族も危うく滅ぼされるところでしたヨ。まぁほぼ絶滅といってもおかしくないですがネ。それほどまでに魔族は減りましタ」

 

と涙ぐみながら(これは涙なのか?)語るダクリール。

しかし悲しげな表情から一転して細い目を更に細め嬉しそうに語る。

 

 

「ですがもう関係ありませんネ!なぜなら________」

 

 

ザァァと森がざわめく。それに乗って影達も踊るようにうごめく。祭りだと言わんばかりに________

 

 

 

「なぜなら_____魔王は生きていたのですかラ」

 

 

 

 

僕の中の歯車が動き出す音が聞こえた。

 




詳細はまだ決まっていないので書きながら修正していきたいと思います。どうぞお付き合いください。長くなります。
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