エターナルリゾナンス   作:オロナミンD

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旅立ち 2

「こほん、では改めて。私はセレンよ。こっちが____」

 

「ミルエル!!」

 

「_______です。奇襲なんかかけてごめんなさいね

ほらミルエル謝りなさいよ」

 

「殺してないから謝る必要ない!!」

 

僕達4人はいつの間にか輪になって座り、自己紹介を始めていた。とても数分前に殺し合いをしたとは思えない光景だ。

 

「怪我をさせたでしょ?こっちの勝手な勘違いで」

 

「こいつが魔王じゃないのが悪い!」

 

ビシッと僕の方を指すミルエル。そんな様子にセレンは呆れ返っていた。いつものことなのだろう。

 

「それにそこのお前!お前はなんでこの弱っちいやつに仕えてるんだ?お前の方が強いだろ!」

 

「お言葉ですが、私は強い弱いでセルノク様に仕えているのではありませんヨ。セルノク様だから仕えているのですヨ。」

 

「意味わからん!!」

 

「あはは…」

 

ズバズバと物を言う魔族だ。しかし気になるのはもう一人の方。

 

「セレンは魔族なの?」

 

「いいえ、私は人間よ。ミルエルとは昔からの相棒というか____」

 

「相棒!!」

 

「相棒です」

 

「なるほど…珍しいですネ、人間と魔族がつるむなんテ。

おそらくミルエル様は400年前のあの戦いにはいなかったのでしょウ。それにもし戦争に参加していたら魔王様を間違えないわけありませン」

 

「こいつは魔王じゃない!」

 

「魔王でス」

 

「ちーがーう!」

 

「まあまあ、僕がどっちかは置いといて、どうして魔王を奇襲にかけようだなんて思ったの?」

 

「………」

 

それまでうるさかったミルエルが突然だまる。

そして不意に口を開いたかと思うと、

 

「強さ比べしたかったから!」

 

ドヤと言わんばかりの誇らしげな顔。

 

「………はあ」

 

「ほんとだぞ!私勝てる自信あるもん!」

 

「ごめんなさい大した理由じゃなくて…」

 

そう言うセレンの横顔がどこか意味深なのは気の所為だろうか。

 

「あなた達2人は魔族?」

 

「ダクリールは魔族で僕は…えーと保留で」

 

「??」

 

「ダクリールが僕のことを魔王って呼ぶだろう?でも魔王は勇者に打倒されたことになってる。だから僕は本当のことを知りたくて今400年前のことを調べているんだ」

 

「へーなるほど…もしあなたが魔王だとしたら魔王は実は生きていて勇者は倒していなかったことになるのね。それって大ニュースだわ」

 

「影の能力は使えるのか?」

 

いつのまにかどこからか持ってきたパンを貪り食っているミルエルがモグモグとしながら聞いていた。

 

影の能力______人の動きを止める能力のことだろうか…

 

「多分使える…はず。初めて使ったとき以降使ってないんだ。」

 

「じゃあそこのセレンに能力使ってみろ」

 

「ミルエル!?」

 

「流石に危険だよ。僕はまだ使いこなせてないからね」

 

「ハッ、つまらん!」

 

むしゃむしゃと3個目のパンを頬張るミルエル。

 

「…能力が使えるってことは魔族なのは間違いなさそうね。

人間と魔族の違いの1つに影の能力があるかないか、というのがあるわ」

 

セレンにると、影の能力とは魔族が生まれながらに使える特殊能力で多種多様な使い方があり、それは魔族の数だけ存在するらしい。そんな化け物相手に無力な人間はどうやって立ち向かったと言うのだろうか。

 

「400年も前の話だし、魔族は一気に数が減って人生で1度も魔族を見たことがないのが当たり前になってきていたからか、一般市民は魔族のことをなにも知らないのよね。」

 

「でも魔族を排除しようとする動きは未だに活発だ」

 

「それもそう。人間は弱い生き物だから」

 

遠い目をして言うセレン。魔族のミルエルと一緒にいて苦労したことも多いのだろう。おまけにあの性格だ。

 

「ダクリールとか言ったか!私と勝負しろ!」

 

「小指一本も残せませんがよろしいですカ?」

 

恐ろしすぎる会話である。

 

「ねぇ、あなた達の旅に同行してもいいかしら?

これもなにかの縁だし、話の通じる魔族は初めてなの。」

 

「別に構わないけど______」

 

にこりと微笑むセレン。その裏にある思考を僕は測りかねている。しかし今考えたところで無駄だろう。彼女たちには彼女たちの考えがある。

 

「どうかした?」

 

「いや?ダクリールも許してくれると思うし歓迎するよ」

 

「!ありがとう!」

 

 

こうして僕達は新しい仲間を迎えた。

 

 

____________________________

 

 

 

「________どうかしたか?」

 

「……いやなに、少々気がかりなことがあってな」

 

「というと?」

 

「これをみたまえ」

 

「…………魔族が街に…街の人々にとっては大事件だが君が気にかけるようなことでは無いように思えるが?」

 

「もっとよく読め」

 

「………魔王と同じ能力を…?」

 

「人間を銅像のように固めてみせたそうだ。その固められた本人達は全員生きて動いているようだから確証はないがな」

 

「ただのデマなんじゃないか。だって魔王は______」

 

「しかし、400年前から減っていた魔物や魔族の動きがここ数年で活発化しているのだよ。我々が汗水垂らして狩ってきたやつらが、息を吹き返すようにな」

 

「魔王がほんとに帰ってきたと?」

 

「実際に見るまではわからん。ただ確証が得られたその時は________」

 

ギラリと刃が光る

 

「この私が直々に殺してやろう」

 

 

 

歯車は回り続けている

 

 

 

 

 

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