淫夢要素は今回だけです。(本当???)
「———準備は、よろしいですか?」
「ああ、よろしく頼む」
「そんなに緊張しなくても大丈夫よ。他にも多くのトレーナーさんが利用しているし、サトノグループの厳密な実証実験をクリアしたんだから」
サトノのご令嬢ウマ娘、サトノダイヤモンドとサトノクラウンが私を安心させるように笑いかける。
そんな彼女達に私も笑い返し、VRを起動するよう指示する。
ああ、やっと私の長年の夢が叶うのだ———
私は所謂転生者である。
前世はしがないサラリーマンだった私だが、唯一の楽しみが人気アプリゲーム「ウマ娘プリティーダービー」だった。
毎日の仕事の疲れを癒してくれたウマ娘。
もし、来世があるならウマ娘の世界で生まれ変わりたいと思うほどウマ娘の虜になっていた。
そんな私は、当時流行っていた異世界転生小説のように転生させられた。死因は覚えていないし、小説のように転生特典を貰った訳でもない。
実際に神様のような人物?と話した記憶はあるが正直曖昧だ。なんとなくだが、
なんやかんやで私はウマ娘の世界へと転生した。当時の私は、夢にまで見たウマ娘達と関わることができるのだと期待と夢で胸を膨らませていたんだ。ウマ娘達とキャッキャウフフしてやるのだと。
だが、転生して気付いたことがあった。
私の知っているウマ娘がいなかったのだ。
そもそもテレビはブラウン管テレビだったし、インターネットというものもそこまで普及していなかった。
つまり私はアプリで活躍した娘達の時代より昔に転生させられたのだ。
私は絶望した。
夢に見たウマ娘との生活が雪崩のように崩れ落ちた。せっかくアプリでお世話になったウマ娘達とキャッキャウフフできると思ったのに。
だが私は諦めなかった。
トレーナー業を続けていれば、必ず私の知っているウマ娘達と関わることができると。
かくして私はトレーナーとなり、あっという間に30年という月日が過ぎた。
流石に30年も経つと、アプリでお世話になったウマ娘達の世代へと移り変わっていた。
これでようやく私の知っているウマ娘達とイチャイチャできる。
そう思ったのも束の間、私は既に50を超えたおっさんとなっていた。今の私は1人のウマ娘を担当するトレーナーではなく、多くのウマ娘やトレーナーの手助けをする教官としてトレセン学園で働いている。アプリでいう友人カード枠である。
つまり何が言いたいかというと、私はウマ娘達とキャッキャウフフするような年代ではなくなっていたのだ。
ルドルフからは「トレーナーくん」ではなく「教官」と呼ばれ、ライスシャワーからは「お兄様」ではなく「おじさま」と呼ばれている。
まあ、ライスのおじさま呼びはこれはこれでアリなんだが・・・
そして、非常に残念なことに妻と呼べる人生のパートナーはいない。トレーナーとして働いていた時期に何人かの女性とお付き合いをしていたが、長くは続かなかった。毎回のように「仕事と私、どちらが大事なの!?!?」とヒステリックに怒鳴られた。
そんなの決まっている。仕事だ。
そもそも私はウマ娘達とキャッキャウフフするためにトレーナー業を始めたのだ。
そんな私の気持ちを変えることができない女と仕事のどちらを取るかと聞かれたら当然仕事である。
ともかく私はなんやかんやで婚期を逃し、ウマ娘達とキャッキャウフフすることができずアラフィフとなってしまったのだ。
もちろん、私が担当したウマ娘達との日々は非常に充実したものであった。だが、私の心を満たしてくれるようなウマ娘はいなかった。
そして、ついに心を満たしてくれるウマ娘達が現れたと思ったら既に私はアラフィフ。私はウマ娘達を自分の娘や孫のようにしか見れなくなり、転生当時の夢は夢で終わってしまったのだ。
だが、そんな私にチャンスが巡ってきた。
『VRウマレーター』
VR世界でウマ娘のトレーニングや走りの分析ができる最先端システムである。
これにサトノグループが開発したトレーニングサポートAIシステム『メガドリームサポーター』を搭載することでトレーナー用のVRウマレーターが使えるようになった。
トレーナー用のVRウマレーターは、三女神たるAIがトレーナーをサポートし最適なトレーニングを導き出し、担当ウマ娘を成長させていく。というのが本来の使い方である。
だが私はウマ娘達とキャッキャウフフするためにこのVRウマレーターを使う。
もちろん、サトノダイヤモンドとサトノクラウンには「VR上で今活躍するウマ娘達のトレーナーとなり、教官として恥じない能力を身につける」というそれらしい適当な理由をつけたのだが・・・
まあ、そんなことはどうでもいい。
現実でウマ娘達とキャッキャウフフできないならVR上でキャッキャウフフしてやろうという計画なのだ。
「三女神様が教官をサポートしてくれますので、彼女達の指示に従ってくださいね」
「承知した」
「じゃあ、起動するわよ」
目の前が真っ黒になり、意識がVR空間へと吸い込まれていく。
待ってろウマ娘ちゃん達!!
待ってろ俺の青春!!
そうして私は意識を失うのだった・・・
意識がはっきりとしていく。
そうか、私はVR世界に来たのか・・・
確か、三女神とやらが私をサポートしてくれるんだったか。
よし、三女神様。
その美しいお顔を見せてもらおうか・・・!!
ゆっくりと瞼を開いていく。
やったぞ!!ついに私とウマ娘ちゃん達の夢の生活が始ま・・・
『オッスお願いしまーす!』
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?」
なんだこのステロイドハゲは・・・??????
***
『ハイ、ヨロシクゥ!』
あの・・・あなた誰ですか?
『んにゃぴ・・・よくわかんなかったです』
はい?
『そういやお前さっき(転生してから)ウマ娘のことチラチラ見てただろ』
えっ?まあ、仕事ですから・・・
『お前もしかして、あいつ(ウマ娘)のことが好きなのか?(青春)』
そうだよ(即答)
『あっ・・・(察し)』
というかさっきからあなたなんなんですか一体?
ここは?
三女神様はどこ?
『うるせぇ!』
えぇ!?
『この辺にぃ、うまいラーメン屋の屋台(若返り薬)来てるらしいっすよ。じゃけん夜(今)行きましょうね〜』
何の話!?
『お待たせ!アイスティー(薬と一緒に飲む飲料)しかなかったけどいいかな?』
はやっ!!
てかラーメンは!?
『アッツーウ!!ビールビール!!』
『イエス...(キリスト)』
うわっ!?
なんか増えた!?
『先輩コイツ玉(若返り薬)とか舐め出しましたよ(舐めてない)、やっぱ好きなんすね〜(ウマ娘)」
『よし、じゃあブチ込んでやるぜ(若返り薬)』
『じゃあかm...神に祈れよ(脅迫)』
えっ!?
なんで近づいてくるんですか!?
やめてください!!
『やっちゃうよ?やっちゃうよ!?』
『嬉しいダルルォ!?』
『ドラドラドラドラ』
ちょっ・・・
流行らせコラ!!
・・・
いや待って!!
マジで待って!!
待っ・・・やめっ・・・!!
***
「ちょっと!?VRウマレーターから煙が!?」
「けほっ...けほっ...!!教官さん大丈夫ですか!?」
教官がVRウマレーターをつけてから5分。
突如機械から煙が吹き出し、部屋中に充満していた。サトノダイヤモンドとサトノクラウンが教官を心配するが、煙で前が見えずその場で咳き込む。
「これ本格的にやばいんじゃ・・・!!」
「とりあえずドアや窓を開けて煙をなんとかしなきゃっ・・・!!」
急いで部屋の窓とドアを開け換気をする2人。
その時、教官が目を覚ましVRウマレーターを地面に投げ捨てた。
「うわああぁああぁぁあぁぁ!!!!!」
「「教官(さん)!?」」
煙が晴れていき、徐々に教官の姿が現れる。
「はぁ・・・ッ!!はぁ・・・ッ!!何だったんだ今のは・・・!?!?あ・・・?なんか声が・・・」
聞こえてくるのは聞き慣れた教官の声ではなく、若い男性の声。
煙越しに見えるシルエットはさっきまでの教官の姿とは異なりがっしりとしている。
服越しからでも分かる筋肉質な体と整ったスタイル。
目の前の出来事に頭が追いつかず唖然とするサ2人のサトノ。そんな2人を心配するように男は声をかけた。
「ゲホっ・・・!!何だこの煙は!?ダイヤ!?クラウン!?大丈夫か!?!?」
「「教官(さん)???」」
だが、自身を心配する声が聞こえるが頭に入ってこない。
煙が完全に晴れ、目の前にどこか教官に似た雰囲気を出す見たこともない
「あぁ、よかった。2人とも無事だな・・・おい・・・どうした?本当に大丈夫か?」
「「・・・誰・・・・・・???」」
「はい・・・・・・?」
三女神(ステロイドハゲ・ポッチャマ・油粘土)