底辺ダンジョン配信者がトラップ踏んだらTS天使になりました!?   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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明聖社の本気

 六月後半、マンションが遂に完成し、分散して小型マンションや探索者協会指定の住居に住んでいたクランメンバー達が一斉に新築のガイアマンション一号棟に移住を始めた。

 

 ガイアマンションの基本的な造りはメアリーヒルズを参考にしたため、メアリーヒルズの部屋数を増やし、三LDKの部屋数を少なくし、一LDKと二LDKを多めにし、マンション内にカラオケルームとフィットネスジムを加えた感じだ。

 

 これは娯楽が少ない混血メンバーのストレスを発散するために私がワガママを言って変更した。

 

 お陰でメアリーヒルズの十三階に住むメンバーは私達後藤一家に、椎名一家、お金を貯めて家を建てると言っているスカーレット、移住予定が無い内藤、月精、山姫のみになった。

 

 お陰で久しぶりに空室ができたが、クランで借りているのでとりあえずそのままクラン共有の部屋として開けている。

 

 ちなみに東横、萩原、松田は北稲荷に土地を買って一軒家を建ててそこに住んでいる。

 

 東横は最後の最後まで浮いた話がなかったが大丈夫なのだろうか? 

 

 と、居なくなってしまった人を心配しても仕方がない。

 

 で、マンションはなんだかんだ既に五十近くの部屋が埋まり、その住民達が生活するために車の購入ラッシュが相次いだ。

 

 お陰でマンションの駐車場は色とりどりかつ様々な車種の車でいっぱいである。

 

 で、クランメンバーに再びアンケートを取って、次にどんな施設を誘致したいかを書いてもらったところ、憩いの場が欲しいと銭湯や居酒屋の名前が上がった。

 

 まぁ酒も基本自宅や友達とだけだし、居酒屋とかでも他のお客さんに気を使ったり、陰口を言われて飲みにくかったとかあるからなぁ。

 

 驚いた事に女性陣からも居酒屋の名前が出ていることに驚いた。

 

 やっぱり飲みたい人が多いらしい。

 

 他には大衆食堂みたいなのがあると食事を作らなくて済むので便利とか、武具のメンテナンスをしてくれるお店が欲しい等の声が上がった。

 

「こりゃマンションを更に増やすよりも、娯楽を充実させた方が良いな」

 

 と私は土岐先生に連絡し、スーパー銭湯を経営している会社や居酒屋チェーン店、ダンジョン食材を使う料理店の【魔食】に誘致の繋ぎをしてもらったりした。

 

 意外にも【魔食】はすんなり誘致が決まった。

 

 どうやらディープフーズがうちのクランの話を食材を卸す時にしていたらしく、探索者ということと、うちのクランが六基を習得したことで馬鹿みたいに食うことが広まっており、まだ町の人口は少ないが、特に娯楽が無く、ライバル店も特に居ない、ダンジョン食に寛容で大量に食べるのでそれなりに金を落としてくれると【魔食】側は今後の発展も見越して利益になると踏み、出店の話になった。

 

 スーパー銭湯の【秘境の里】と居酒屋の【鶏玉】は立地が悪過ぎて集客に期待できない為に渋っていたが、クラン側から赤字は補填するのと、スーパー銭湯内に【鶏玉】を内包することで食事を楽しみながら温泉に入浴し、憩いの場になるのではないかと説得し、土岐先生の口添えと赤字を補填するならということで誘致に成功した。

 

 で、このスタッフには岐阜県探索者協会の方で募集をかけた。

 

 理由としてはクランが中心の街であるが、混血だけで街を運営できるとは思っておらず、かと言って無造作に土地を開放したらどんな感情を持った輩が住むかわからない。

 

 そこで、探索者としては燻っているが生活するために兼業探索者を志している者や家族を養うために探索者からの転職を考えている者を紹介してくれないかと頼んだ。

 

 一時的にクランメンバーを住まわせる為にポコポコ建てたプレハブ住宅が結構な数空いたので、そこを光熱費込みの家賃一万円で北稲荷の施設で働いてくれることを条件に人を集めた。

 

 渋っている人は探索者協会と明聖社、ガイアクランが意図的に情報操作を行って美味しくないと噂を広めた長門が創った三箇所のダンジョンの正しい情報を教えると目の色を変えて移住を決断。

 

 それにダンジョン都市に移住したくてもできない下級探索者にとって初期に移住すればガイアクランのメンバーと仲良くなって、そこから下部組織みたいなのができたら加入に有利になるし、場合によってはガイアクランに入ることや、クランメンバーが魔法理論の教室を定期的に開いてくれるとなればやる気が出る。

 

 明聖社も従業員と称して全国各地から低レベルの混血の人材をスカウトし、ガイアクランのマンションとは別に社員を居住させるための団地の建造を開始し、完成したら中規模の病院も誘致してきた。

 

 明聖社もガチだ。

 

 そりゃ今までの十倍の鉱脈を持つダンジョンの誕生だ。

 

 力の入れようが違う。

 

 明聖社の方に防具のメンテナンスの設備も誘致してくれないかと相談したら、武具工場と大型販売店舗の建設を約束してくれた。

 

 流石巨大企業、やると決めたら投資の金額が桁違いである。

 

 また、明聖社が金を出すからもっとガイアクランの規模を拡大しろとスポンサー命令が届いたのでまさかのマンション追加同時三棟建造が始まり、全国から混血を集めたので三千人近くが移住することが決まった。

 

 更に明聖社が混血の子供や赤ん坊も引き取って、岐阜県の北稲荷の町で育てる計画を五年後を目処にスタートしたと発表し、ガイアクランの目的であった混血中心の町を作るというのが明聖社の巨大資金の力でゴールが見えてしまうのだった。

 

 

 

 

 

「坂田さん、ずいぶんと思い切りましたね」

 

 私こと後藤伊吹は北稲荷開発プロジェクト主任に昇進した明聖社の坂田と話していた。

 

「いや、まさかこんな事になるとは私も思いませんでしたよ。ただうちの社長の鶴の一声でね。イブキ君が前に私に提出していた混血主体の街作り計画を基盤として私らでアレンジさせてもらったよ」

 

「それはそれは···」

 

 まず私が試案として提出した街作りではマンションを中心に徐々に生活基盤を整え、クランメンバーの子供達を才能ある者はクランメンバーに、そうでない人は街の産業を支えてもらい、子育てがしやすい街作りをするというのだった

 

 しかし、明聖社が北稲荷を戦略的重要拠点に指定したことでガイアクランではなく、巨大資本がある明聖社が主導権を握り、明聖社のクランという枠組みを無理やり作り、そこにスカウトした混血の探索者を全て一度所属させることで明聖社の関係者にしてしまい、移住費や団地の優先居住権、混血でも働ける場所の提供をする。

 

 で、戦闘要員はそのままガイアクランに吸収させ、非戦闘員は鉱山ダンジョンの採掘員や町の関連店舗の社員として働かせれば良いと私の試案から発展させた案を元に動いていた。

 

 もうこうなった以上町作りの力関係は明聖社の方が強い。

 

 仕方がないが、これで混血の差別が一旦無い空間ができた。

 

 明聖社からの三千人にこれから流入してくる人口を加味すれば町の基準となる五千人は数年で達成できるだろう。

 

 というか実は北稲荷の他に隣接する土地も買える分はガイアクランが購入しているため、土地に関してはまだガイアクランがコントロールすることができる。

 

 まぁ最終的には全てを統合して北稲荷町になると思うが···

 

 とりあえず目的は達成できそうだから良しとしよう。

 

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