底辺ダンジョン配信者がトラップ踏んだらTS天使になりました!?   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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二度目の配信

 翌日もおっちゃんの所に行くと、やっぱりあのメイスは買い取り金額二百万超えのおっちゃんのダンジョンでも年に一つ出れば良いレベルの高額マジックアイテムであった事を聞かされた。

 

 支部から戻った後に拾ってきた学生探索者に差額を支払い、揉め事は事前に防いだとのこと。

 

 まあ私が気にしても仕方がない。

 

 今日は撮影機材を持ってきたので配信しながらダンジョンアタックをする。

 

「おっちゃん良いよね?」

 

「ああ、構わねぇぞ」

 

 事前に許可も貰い、いざダンジョンアタック。

 

 私の配信に来ている客層は初心者が多いっぽいのでゴブリンやスライムの安全な倒し方に重点を置いて配信していく。

 

 今日の配信直後の同接はなんと五人。

 

 嬉しい限りである。

 

 頭の輪っかの明かりを調節しながらまずは出会ったゴブリンの倒し方として私が視聴者に伝えたのは恐れない事だ。

 

「ゴブリンは初心者には辛いモンスターです。バカですが、ゴブリンも考えて行動をしています。二体、三体と数が居れば数を活かした攻撃を仕掛けてきます」

 

「ここで一番気をつけなければいけないのは逃げ腰になってしまうことです。強いモンスター相手に逃げる選択肢は正しいのですが、ゴブリンを最低一対一の状態で恐れていたら探索者として食っていく事は難しいでしょう」

 

「とは言っても勇気が必要なのは事実。今日は比較的簡単なゴブリンの倒し方を複数伝授しましょう。用意するのはこれ、催涙スプレーです」

 

「市販されている物で、今私の手元にあるものは一本約二千円程です。ゴブリンはバウ(犬に似たモンスター)の様に人間に攻撃的なので突っ込んできます。攻撃手段は噛みつき、組み付き、ひっかきです。なので近づいてきたところを催涙スプレーを振りかければ!」

 

 私の目の前に居たゴブリンは顔を押さえて地面をゴロゴロと転がっている。

 

「この様にゴブリンを行動不能にすることができます。そしたら素早くナイフで急所を刺す、頭部に強い衝撃を与える、首を折るのどれかをしてください。オススメは頭部に強い衝撃を与えるです。ナイフがあれば刺すのが楽ですが、ナイフも良い物はそこそこの値段がしますので野球のバットや木刀で挑む初心者や学生探索者の方も居ると思います」

 

「頭の骨が砕けるくらいの打撃を与えればゴブリンは死にます。死んだら次は素材の回収です。ゴブリンの素材で値段が付くのは心臓、睾丸、そして魔石になります」

 

 心臓が一番高く、次に睾丸、そして魔石の順であるが、魔石の方が剥ぎ取り時に傷をつける心配が無いので初心者のなれないうちは魔石の方が値段が付くこともしばしばある。

 

 使い捨てのゴム手袋で手を守りながらナイフでゴブリンの死骸をゆっくり教えながら解体していく。

 

 今見ている人は事前にグロ注意を喚起していたので離席する心配は無い。

 

 切り抜き動画の時は注意を払わないといけないが、教材にはなるだろう。

 

 ゴブリンの他の倒し方として玩具の大きな音が鳴る銃も使える。

 

 空砲であっても洞窟内だと反響して音がより大きく鳴るため、ゴブリンの動きを止める事ができる。

 

 動きを止めて攻撃を当てる。

 

 これがゴブリンの必勝法である。

 

 まあゴブリンに苦戦するのはレベル五未満であり、慣れるか、レベルが上がればこんな工夫も必要なく能力で圧倒できるのだが···

 

「続いてスライムの必勝法はこちら、殺虫スプレーと柄の長いライタを使用します。はい、簡易火炎放射器です」

 

「スライムの液体は可燃性です。なので火に触れると燃える性質があり、スライムに向けて火炎放射をするとスライムが火だるまになって倒すことができます」

 

「気をつけるのは燃えやすい服を着ないことです。引火したら洒落になりません。髪も長ければ後ろで結んでください」

 

「スライムはコアを潰せば倒せるので時間がかかりますが、ナイフで突いたり、コアを体外に持ち出せば体を維持できなくなり死亡します。魔法が使えれば一番ですが、工夫するなら水鉄砲に台座とロウソクを固定し、水鉄砲の中に消毒用エタノールを入れれば更に強力な火炎放射器の完成です」

 

「魔石だけを回収したい。安全に戦いたいけど魔法が使えないという方はこの方法を試してみましょう」

 

 そう言うと私も水鉄砲型火炎放射器を取り出してスライムを燃やしていく。

 

 水鉄砲は千円くらいのポンプで空気を圧縮するタイプだ。

 

 上手いことやるとスライムを三体同時に倒すことができるし、ゴブリンも素材が駄目になることに目をつぶれば簡単に倒すことができた。

 

 配信としてもインパクト抜群で、雑談しながら火炎放射ぶっ放すだけなのに同接数が三十人になっていた。

 

 二時間ほど戦ったので配信を切って、レベリングに切り替える。

 

 火炎放射器なんて補助道具を使わなくても魔法と拳でゴブリンとスライムをバンバン倒していくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 家に帰ったら服を着替え初心者救済シリーズの動画撮影の準備を始める。

 

 二本目だが、今回はダンジョンの構造についてだ。

 

 ダンジョンは洞窟タイプと草原タイプがあると言ったが、下級はどちらも一つの階層で完結するが、級が上がると二層、三層とダンジョンも広くなる。

 

 洞窟タイプは地下にどんどん潜っていき、草原タイプの山があるダンジョンは山を登れば登るほど強いモンスターが出現する傾向がある。

 

 また洞窟タイプだと宝箱が出るのだが、下層の方が良い物が出やすくなるらしい。

 

 まぁこればかりは運なのでなんとも言えないのだが···ネットの反応を見る限り正しいのだろう。

 

 その事を踏まえたダンジョンの仕組みをわかりやすく動画にするのだった。




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