底辺ダンジョン配信者がトラップ踏んだらTS天使になりました!?   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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箱の準備

「さて新規加入の皆さん! 配信をしますよ!」

 

 今日は私が配信をしようと誘ったメンバーで打ち合わせをする日だ。

 

 メンバーは混血の女性陣プラス池田と萩原だ。

 

 外国人の二人と南波も配信しないか誘ったが、配信しながら戦うのは難しいってこと、どうしても人ではなく喋るモンスターとして見られるのに嫌悪感があると断ってきた。

 

 私的にはむさ苦しい男共も需要があると思うので、周りが配信を始めたら気が変わるかもと思い無理に誘うことはしない。

 

 池田も最初は嫌がったが、容姿で苦労しているなら苦労を配信すれば一定の理解者が出てくるのと、混血の地位向上の為にお願いしたら折れてくれた。

 

 萩原は配信で萩原が描いた絵を使うのでどんな場面で使うのかと、話を聞きながら絵を描いてくれるらしい。

 

「まず配信機材はツクール社さんが人数分安くセットで売ってくれました。なので人数分の機材は確保しています」

 

「どんな配信にするかは基本自由だけど趣味や特技を配信するのがベターだと思うよ。私が既に箱を創るって発表はしているし、新メンバーが加入してから二ヶ月近くダンジョンアタックの配信をしていないから新メンバーがどんな人なのか視聴者達は気になっている状態です!」

 

「そこに新メンバーを紹介していく企画をしたあと、自己紹介動画を投下する。配信頻度は週一回をベースにしようと思っているよ」

 

 小風が挙手して私に質問する。

 

「配信頻度少なくないですか? イブキさんは今配信二日の動画一本ペースで活動していますが」

 

「慣れてないうちに毎日配信をしても体を壊すってことと、配信って結構ストレスが溜まるから仕事と割り切れるペースじゃないと負荷が凄いの。私はそれが趣味だからいいんだけど」

 

「趣味で百十五万登録者は異常でしょ···」

 

「まぁ私のチャンネルは探索者相手に教材としての需要があるから···あと明確な成り上がりをした人だし」

 

 山姫が

 

「日本人は成り上がり好きですからね」

 

 と言う。

 

 今日やることは新メンバーの紹介配信の流れの確認と各自配信のやり方を覚えること、萩原に頼んで各自のデフォルメキャラを作ってもらう。

 

「ちなみに新メンバー紹介配信には今日逃げた男共にも参加してもらうから安心してね」

 

 と私が言う。

 

 まず配信機材の使い方と使用ソフト、配信で使うサムネイルの表示の仕方、配信のタイマー等を教え、萩原がちゃっちゃかと皆の写真を元にデフォルメキャラを描いていく。

 

「やっぱり皆特徴があるので描きやすいですわ〜」

 

 と見せてもらうと小風はゴブリンというより子鬼って感じで可愛らしく、デュラハンの内藤は首を手で持ってペコリと挨拶している感じ、池田は翼を広げているポーズをしている。

 

 大体三頭身のキャラなので描きやすいらしい。

 

 残りの三人も描いているし、私は何故か一頭身の饅頭に翼とリングが生えている感じにされていた。

 

 どこか棒読みの声が聞こえてきそうである。

 

「全員が萩原に描いて貰った絵を印刷し、ラミネートした物を手で持って配信してもらうよ。配信場所はツクール社が名古屋にあるスタジオを貸してくれたのでそこで二時間配信する予定だ」

 

「自己紹介では自分の種族的特徴と特技、戦闘スタイルを言って貰うよ。で、自己紹介が終わったら配信メンバーとどんな配信をやりたいかを語ってもらう感じで、その後混血の苦労話、探索者高等学校の県による違いや授業内容を語って貰おうかな。その方が皆喋りやすいでしょ?」

 

「まぁ苦労話はいくらでもありますし、高等学校の話もいくらでもありますから」

 

「二時間持ちますか?」

 

「私入れて七人も居るから時間が余るってことは無いと思うよ。余ったら今後のチームガイアの方針を語れば良いし」

 

『はい!』

 

「はい、スカーレット」

 

『六基の習得配信とかも後々はするのかと疑問を投げかけます』

 

「そうだね。それも覚えてもらおうと思っているよ。ただ配信でやるとしても競争みたいにやるんじゃなくてSNSでここまでできましたみたいな感じになると思う」

 

「はい」

 

「はい、月精」

 

「月に一回皆で集まって何か企画をやりたいのだけど、そういうのの提案は?」

 

「それは配信メンバーのグループチャットを作るからそこで提案する形で」

 

「はい」

 

「はい、内藤」

 

「配信者が七名で、バックアップが東横さん、萩原さん、松田さんの三人で回るんですか?」

 

「私も慣れるまでは手伝うから···」

 

『うーん、この見通しの甘さ。とスカーレットはボソリと毒を吐きます。なんで探索者としてはガッチガチに将来の道筋を組むのに、配信業は話を聞く限り行き当たりばったりなのかと不安を露にします』

 

「なんとかなるさ~の精神で生きてます」

 

「絶対に配信者でこんな精神でやっている探索者は居ないと思う」

 

 山姫の言葉に周りも頷く。

 

「ええい! でもこうやってリハーサルや打ち合わせをしているんだからまだマシでしょうが!」

 

「逆に無い状態でやらせたら放送事故待ったなしだよ!」

 

 と皆がイブキに突っ込む。

 

「我、リーダーぞ?」

 

「リーダーだったらもっとしっかりしてくださいな」

 

「配信で見ているイブキさんはカリスマ溢れているのに実物はたまにバカになるのはなんでなんでしょうか」

 

「まぁ(運や縁を)持ってる人なのは間違いないけど···」

 

『溢れ出る残念さ。ただ支えてあげたいと母性をくすぐられるのと好まれる性格なのは間違いないとスカーレットは分析します』

 

「なんか恥ずかしくなってきた! 萩原! 残りの絵はまだ!」

 

「はいはい、描けましたよ」

 

 スカーレットはより人形らしく描かれ、山姫だけは八頭身の縦に長いキャラになっており、月精は地面に髪の毛が絨毯みたいに伸びていた。

 

 ある意味皆の特徴をしっかり捉えていると言える。

 

 その日の打ち合わせは終わり、予定日までに自己紹介を考えておくことで解散となったのだった。

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