底辺ダンジョン配信者がトラップ踏んだらTS天使になりました!?   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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クランの恋愛事情 大和の縁

 松田と佐藤、萩原と佐倉の子供も無事に産まれ、二人も病院から退院し、子育てが始まった。

 

 結局、子供を連れて挨拶に行くのが時間が掛かるとし、佐藤と佐倉の両親が岐阜に来て娘の様子と娘を傷物にした男共の様子を見に来た。

 

 松田と萩原の二人共佐藤と佐倉のご両親への土下座から始まり、挨拶に行けなかった経緯を話し、そして自分の立場を丁寧に話した。

 

 最初は孫が産まれた喜びと不義理な行動をとった男共に父親達は怒っているぞとアピールしていたが、話を聞くにつれて松田と萩原が岐阜でも有数の権力者の直系だと判明し、更に支部長や探索者協会の親族の幹部達、国会議員の土岐議員(土岐氏親の親父)が挨拶されると立場の違いから萎縮してしまい、更には所属しているクランが岐阜県で一番勢いがあり、将来は男共は探索者協会の幹部に、娘達もクランで重要な役職に就けるとわかると、玉の輿を大成功させた娘達を褒めることしかできなくなった。

 

「お父さんやお母さんも定年後はこっちに来なよ。雪もそれほど降らないし、私達が面倒見るからさ!」

 

「東京も便利だけどもっとゆっくりしたところで暮らした方が良いと思うんだよね。できれば子育てを手伝ってくれたら幸いだし」

 

 北海道出身の佐藤と東京出身の佐倉が両親を説得し、両親達は他に子供も居ないし、土地持ちということも無いサラリーマンだった為、会社が一段落したら辞めてこっちに移住して脱サラしたいと言ってきた。

 

 二人は五年後位には一軒家に引っ越しているし、稼ぎ次第では離れを作って一緒に暮らせるとも考えていた。

 

 クランリーダーとして私は別に反対しないし、もし親御さんがやりたいことがあれば言ってくださいと言い、移住を後押しした。

 

 その後はホテルに泊まりながら数日間岐阜県に滞在した後にそれぞれ北海道と東京に帰っていったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 十二月になり、育成メンバー全員が十回ダンジョンに潜った頃、令嬢達は肉体、精神共に悲鳴を上げていた。

 

 命がけのダンジョンアタックに同行し、実際に命のやり取りを自身もやらされれば心身共に疲労困憊になる。

 

「ロドリゲス、ドナルド、池田···正直あの令嬢の子達気になってるでしょ」

 

 私はそのタイミングで三人を呼び出して事情を聞いた。

 

 途中から彼らにはマンツーマンで付き添ってもらっている。

 

 ロドリゲスは伊藤に、ドナルドは四星、池田は三葉にとそれぞれ個別に手取り足取り教えているし、私は彼らに令嬢達と親密になるようにそれとなくアシストしていた。

 

 理由? 

 

 その方が私に都合が良いから。

 

 令嬢達は女子校に通い、男性への免疫が大学で多少は付いたとはいえ低く、しかも慣れないダンジョンアタックで心身共に疲弊している。

 

 そこに優しく教え、かつ頼りになる男性が現れたらどうなるか···吊り橋効果で結構コロッと行くんじゃないかと私の浅い恋愛知識で作戦を立ててみた。

 

 ロドリゲス達三人も男だ。

 

 美人な令嬢三人組と付き合えるのならと喜んで作戦に協力してくれた。

 

 ふ、童貞共が···と私も人の事を言えないが、大和の良縁の効果が現状どこまで効力があるかのテストも兼ねている。

 

 それにゲスの考えであるが、令嬢組三人に戦力としては期待していない。

 

 彼女達に求めるは政治力と親のバックであり、本人達には子供を作ってもらって優秀な次世代を沢山育ててほしいというのが私の考えだ。

 

 男性陣は女性陣よりも子供に関する事の認識が薄い事は把握済みだし、私のクランが成長することにより虐めも軽減できると明るい将来を楽観視している節がある。

 

 どうなるかな〜と様子を見ていたら、早速池田と三葉があっさり付き合い始めた。

 

 池田は男として三葉が見てくれる事が嬉しく、三葉も精神的に参ってる時に親身になって相談に乗ってくれたり、実際にダンジョンで守ってくれる池田に好意を寄せ、あっさり私の思惑通りに事が運んだ。

 

 三葉は令嬢ということで歴史的知識が豊富で池田の歴史趣味と合致し、池田は三葉とクリスマスを前に同棲を三葉の部屋で始めてしまった。

 

 この出来事でクラン内恋愛が盛んに流行りだし、新規加入組で四人チームを元々組んでいた子達もそれぞれ同棲を始め、浮ついた空気がクラン内に漂い出した。

 

 で、私がこれ大和の能力が関係していると思ったのはクリスマスから正月にかけて長期休みに入るので休み期間の注意喚起を行った際にアンケートを取ると、男女の好きな人がピッタリ一致し、誰も三角関係になる要素が無いと判明したことで大和の能力が互いの良縁を引き付けていると確信した。

 

「やべ〜マジでヤバいよこれ」

 

 しかも椎名一家は元からなので例外だが、松田ペア、萩原ペアは喧嘩は偶にするが別れると言う話は一切出ずにゴールしたし、池田と三葉の様にそれぞれ好きな人と趣味が合うということも判明している。

 

 小風と南波は小風が料理が好きならば南波は野菜を作るのが好きで小風に自身が作った野菜を料理してもらうと最高に幸せを感じる···みたいに趣味が似てなくてもシナジーがあることがわかっている。

 

 ここまで来ると少し怖く感じるが、都市伝説の恋愛人形とか縁結びの神社があるみたいに大和は辻聖子曰く縁に関する神なので、こういうのも無意識下で操り、人々を幸福にする福の神の可能性がある。

 

 ···ただ気になったのが佐藤、佐倉の子が両方女の子というのが気になる。

 

 椎名の子供も含めれば三連続で女の子···縁結びの神は和神だとオオクニヌシノミコト(大黒さまの愛称がある)が有名で、神々の縁結びをしたという逸話がある。

 

 ただ天使の神となると一神教の神、もしくはギリシャ神話に関わってくるし、ギリシャ神話の一番偉い神となると···ゼウスになる。

 

 嫌な予感しかしない。

 

 現代日本で重婚は禁止されているのでちゃんと倫理観を教えれば大丈夫だと思うが···

 

 大和を中心に縁が収束している可能性があるが、それは私の考え過ぎ。

 

 そうに決まってる···。

 

 

 

 

 

 

 クリスマスの日、私は墓のダンジョンに行くと、やっぱりマーちゃんが大きな墓に座っていた。

 

 クランがちゃんと始動したが、大和の縁に関する固有能力が想像以上に強いかもしれないと報告するとだろうなと返答が返ってきた。

 

「神を人間の価値観で測るのは無理な話だ。倫理観が育つまでは自由にさせておけ、別に悪い方向ではなくいい方向に転がってるんだから、気にするな。それよりもイブキ、お前も強い意志を持っておかないと息子の縁に巻き込まれる可能性があるからな」

 

「無い無い、男も女も私は恋愛対象にもう見ることができないし」

 

「それなら良いが、一度好意を持ったらコロッといく可能性があるから注意しろ···いや、そうだな。私がお前に魔法をかけてやる」

 

「なんの?」

 

「特定の運気を下げる魔法だ。これで恋愛運を下げれば恋愛には発展しにくくなる。まぁ神の能力の前には気休め程度だと思うがな」

 

 そう言ってマーちゃんは私に魔法をかけた。

 

 その後マーちゃんに新しい魔法を一つクリスマスプレゼントとして教えて貰うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 お正月休みが終わるとクランはカップルだらけになっていた。

 

 私に連日同棲しても良いかと聞きに来るメンバーが多数。

 

 スカーレットもドワーフの混血の男の子と付き合い始め、東横、山姫、月精、内藤以外のメンバーは誰かしらと付き合っている状態になっていた。

 

 流石にこんな早期に離脱したら人として終わってるとピルを飲んだり、コンドームを付けたりして避妊してくれているらしいが、絶対にクランが安定化したらベビーブームが到来を予感させてならない。

 

 まぁ命懸けの探索者事業であるため、性欲が男女共に発散できるのは良いが···。

 

 私も今子供がポコポコ産まれるのは勘弁してもらいたいのでクランの運営費から毎月数十万円分避妊費として各部屋にコンドームを置き、ピルを女性陣に病院から毎月処方してもらうのだった。

 

「絶対に次に覚える魔法は避妊魔法にしよう」

 

 と心に決める私であった。

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