黒颯のエレティコ ~忘れ去られた神の力で凌辱シナリオをぶっ壊す~   作:サイリウム(夕宙リウム)

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105:先手必勝

 

先手必勝。

 

フアナによる支援魔法を背で受けながら、女神たちに向かって突進する私とエレナ。オリンディクスには神秘を、ディフェクトには活力を。お互いの槍に互いが出来る最善最速の方法で力を籠め、そのクソッタレな女神の顔面に、槍を叩き込む。

 

 

「……思ったより強い。でも。」

 

「家畜風情が思い上がってるんじゃないわよッ!」

 

 

簡単に、素手で受け止められ、弾かれてしまう。

 

即座に脱力し、影響を最低限に。受けたダメージを後方から飛んできた回復魔法で癒しながら、エレナに視線を送る。それだけですべてを察してくれた彼女は、私同様に脱力で影響を殺していた体を無理矢理動かし、更に後方へ。しっかりと地面を踏みしめ、待ち構えてくれる。

 

そんな彼女に心の中で礼を言いながら、向けるのは足。彼女が掲げてくれたその両腕を全力で踏みしめ、もう一度女神たちに向かって突貫する。一撃でダメなら、数えきれない程叩き込めばいい。故に選択するのは、“空間”。オリンディクスだけじゃなくて、もっと沢山食べさせてあげる♡

 

女神たちを中心に全方位から神秘を込めた【鋼の槍】を同時に発射し、その間を縫うように私の愛槍を突き刺す。

 

 

「ッチ! マジで強くなってやがる!」

 

 

けれど結果は、不発。王国の女神ミサガナはその権能、“分身”を使い自身の複製体を盾に。そして複製体を通して、その神秘を吸い取ってしまう。対して帝国の女神ゴジケサは、自身の権能である“放出”によってその槍の威力を弱め、槍ごと全て“補食”してしまった。

 

私が差し込んだオリンディクスも、奴らが作り上げた神秘の防壁によって、遮られてしまう。

 

こっちは力込めてぶん殴らないとダメージ入らないってのに。その力を吸収して来るとか面倒過ぎるだろ! ティアラちゃんそういうのだーいきらい!

 

 

「でしたら。」

「だったら。」

 

 

背後で起こるのは、魔力と活力の起こり。最初から後方で準備してくれていたフアナと、即座に一撃を叩き込む準備をしてくれた、エレナ。

 

 

「「それ以上を叩き込むのみ!」」

 

 

二人の攻撃に巻き込まれないように全力で地面を蹴り、後方へと退避する。

 

 

「『炎氷断の魔法(ギアフォタイテ)』!」

「『大蒼月』ッ!」

 

 

炎と氷によって生み出された絶死の斬撃が、蒼く輝きすべてを吸い込み塗りつぶす斬撃が、同時に放たれる。途中回転し、合体。十字となりながら突き進むそれは、私だって喰らえば即死のとんでもない威力。実際少し退避が遅れてしまったため、羽の先っぽ、タイタンの羽がちょっとだけ消し飛んじゃった。痛覚も共有してるせいでクソ痛い。飛んでくるタイタンからの猛抗議に謝りながら、空間から対象部位に回復薬をぶち込んで置く。

 

 

(けど、これなら。)

 

 

私が離脱したと同時に、叩き込まれる斬撃。いくら神と言えど、この連続での攻撃。回避は不可能。すでにもう十分の様な気もするが……、相手は神。しかも前回戦った時よりも強くなってやがる。ならばそこに、ダメ押しをぶつけるべき。

 

フアナやエレナと比べると最大出力に難がある私だけど……、できないわけじゃない。

 

体内で叩き起こすのは、魔力と神秘。私もこの期間に、フアナの師であるヘイカから魔法を学んでいる。まぁ結局簡単な魔法、火球の魔法だけしか習得できなかったけど、その使い方ってのはかなり向上した。そこに神秘っていう万能のエネルギーがあれば、何も問題はない。

 

アユティナ様の神秘は、信じられないほどに純粋で、透き通っている。だからこそ私が望めば、望む形に変化してくれる。吸収されるのならば、それ前提で動けばいい。施すのは、私以外のものすべてを“拒否”するイメージ。吸収された瞬間に暴発し、内部からすべてを食い破る。

 

 

「これをッ!」

 

 

叩き込むのは、使い捨て出来る中で最上級の【アダマントの槍】。

 

オリンディクスと入れ替わる様にそれを両手に持ち、作り上げた神秘を叩き込む。

 

そして空中で回転して威力を少しでも上げる。

 

後は、投げるだけ。

 

……お婆ちゃん! 技借りるよ! 

 

 

「『神の炎槍(グングニル・カムイ)』ッ!!!」

 

 

二人の技が叩き込まれた瞬間に、放つ二本の神の槍。寸分たがわず先ほどまで女神たちが立っていた場所に吸い込まれるソレ、そして感じる、命中したという感覚。奴らに吸収され掛かった神秘たちが破裂し、内部から食い破ろうとする。

 

けれどその感覚もすぐに消え、そのまま追撃のため突っ込もうとしたその瞬間に生じるのは、発光。

 

三人の込めた力の量ゆえか、私でもとらえきれない程混ざった力たちが暴発し、生じる爆風。

 

 

思いっきり後ろに吹き飛ばされてしまう。

 

 

私はタイタンの翼で、エレナは愛馬で、フアナは一時転移で離脱することで事なきを得るけれど、教会が丸ごと吹き飛んでしまった。オリアナさんやナディーンさんがいるから外にいた子たちは大丈夫だと思うけど、今回の戦いだけでとんでもない被害総額になってそ。……え? ボウリングやったお前が一番被害額高い? まぁそれはそう。

 

 

「ティアラ!」

 

「っと、エレナか。んでフアナは……「ここに。」うん。早い。さて、正直これで終わってくれてるとありがたいんだけど……。まぁそうもいかないよね。」

 

 

自然と空中に、吹き飛んだ教会の上空に集まる私達。

 

転移で逃げてたフアナも戻って来て、言葉を交わそうとした瞬間に感じるのは、二つの混ざりに混ざった神秘。まぁ途中で私の仕込みを消し飛ばされたような感覚があったもんね。あのまま喰らえば負けるから、神秘を弾けさせて無理矢理防御したのだろう。そのせいか、神秘総量がさっきよりも減っている。

 

 

(……ま、これで終わってたら味気なかったからね。付き合ってやるよ。)

 

 

私達を見下ろすためか、こちらが集まっている場所よりもより高度に出現する、女神たち。ミサガナはその腕に、ゴジケサはその口に大きく火傷の様な跡がついている。私の神秘を喰らおうとして、ミスったのだろう。そのことを弄ってやろうと私が口を開くよりも速く、奴らが動き出す。

 

瞬時にこの大空に生み出されていくのは、二つ。白い光を保ちながら私達を囲んでいくミサガナの分身体。そしてその隙間を埋めるように空を黒く染めるように点々と生み出されるのは、真っ黒な裂け目。内部に見えるのは、何重にも連なった気味の悪い真っ黒な口内。ゴジケサの“口”が生み出されていく。

 

 

「なーる。今度はあっちが問答無用ってわけね。……エレナ!」

 

「解ってる! あの分身の処理ね! 速攻で終わらせるッ!」

 

 

私がそう叫べば、槍片手に愛馬と共に速攻で動き始めてくれる彼女。

 

彼女が愛馬と共に全力で動けば、正直私だって目で追うのは難しい。女神との戦闘前に行った使徒殲滅でもその力を一部使用していたが、自身のHP、活力を速度上昇へと振ることで、とんでもない速度で動くことが出来るようだ。おそらくだが、限界まで加速した“射出”よりもエレナの方が速い。その分HP管理が大変になるのだろうけど……、これだけ敵がいれば、入れ食い状態。その心配は、ない。

 

 

(ミサガナの相手はエレナ、んで相性的にゴジケサ。あの口の方の対処は私がするべきだろう。)

 

 

帝国の女神ゴジケサの権能は“補食と放出”。つまり口の中から胃の内容物を吐き出すことが出来るのだ。つまり私の“射出”と同じことが出来るってわけ。だったらもうどっちが強いか勝負、ってことになるよね。

 

 

「んでフアナは……。多分一番きついけど、本体の相手。頼める?」

 

「えぇ、もちろん。」

 

 

そう問いかければ、戦意に満ちた良い笑みを返してくれる彼女。

 

私達の中で一番火力の高く万能性に富んだ存在が、フアナ。私やエレナに比べると速度に劣るっていう弱点だがあるけど、私とエレナで補えば、完璧。奴らが動かしてる権能は、全部あいつらが処理して動かしている。邪魔すれば邪魔するほど、その集中力はそがれるはずだ。

 

それに、私は“空間”を使っている間でも体を動かして直接攻撃しに行くこともできるし、エレナもその速度と力で分身を破壊したついでに、敵の本体を殴りに行くことが出来るだろう。フアナに準備の時間を作りながら、敵の分身と口が生成される速度を、こっちの破壊速度が上回る。

 

お邪魔虫が0になった瞬間に、もう一度押し込めばこっちの勝ちって寸法だ。

 

 

「しゃぁッ! 行くぞタイタンッ!」

 

(ブ!)

 

 

 

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 

 

タイタンに空中機動を任せ、体内に宿る神秘を全て脳に叩き込む。ちょっと前までだったら頭が吹き飛んだりイカレたりしないように、脳の周りを保護して何とかする、って感じだったが……。神と合一化を果たした私であれば。たぶん耐えられるはず。

 

もう我慢なんてしない。脳みそを神秘でじゃぶじゃぶにしてやる。

 

脳細胞一つ一つに、染み渡るアユティナ様の神秘。

 

 

(あっあっあっ!)

 

 

アユティナ様! アユティナ様が頭に! あぁ!あぁ! しゅごい! しゅごいぃ!!!

 

 

(ブブブブブブ!!!!!)

 

「ッ! ご、ごめん。ちょっとギア飛ばし過ぎた。でもこれでいけるはず!!!」

 

 

一瞬にして脳みそがアユティナ様一色に染まり切ったというか、飲み切れずにそのまま色々はじけ飛んだ気がするのだが、多分耐えられた。タイタンが私から体の主導権を奪い神秘の注入を中断、“空間”から直接脳みそに回復薬をぶち込んで治してくれたっぽいけど……。まぁ生きているならヨシ! あはー! ……でもあの世界一幸せな死を迎える直前の抗いきれない多幸感。癖になっちゃうなアレ。

 

と、とにかく! おかげ様で脳みその処理能力は各段に上昇! これなら何が来ようといけるッ!

 

即座に神秘を脳から全身に廻し、同時にタイタンとの同調も高めていく。そして空間に戻してあった【神槍オリンディクス】を呼び戻し、この手に。何が飛び出てきても大丈夫なように、各段に向上した処理能力ですべての“口”を覆う様に“空間”を生成する。そして一つだけ残した一番近いその口に向かって……、切りかかる。

 

 

「ダラァ!!!」

 

 

それを迎撃するように“口”から出て来たのは……、おそらく死体。乳飲み子の様な存在から、老人まで。男女問わず神秘に浸け込まれたそれらが、私に襲い掛かってくる。威力にしておそらく直撃すれば四肢のどれかが持って行かれそうなレベル。神秘だけじゃなく、なんか生者に対する怨念みたいなのも感じる。

 

クッソばっちぃ! そんなもん腹の中に溜め込むな! げろビームなんて今日日流行らないぞ!

 

 

「なんで汚物は消毒ってなァ!!!」

 

 

オリンディクスに火を纏わせ、神秘を燃料に槍先から放つ。瞬時に焼失し相殺されていく死体たちだが……、いい気分ではない。たぶんこれ、今まで喰ってきた帝国民だよな。見るからに生まれてすぐ捧げられた奴とかもいるし。これもしかして死体も全部喰ってんじゃないの? ほら墓場に埋めるんじゃなくて、全部ゴジケサの腹の中に埋葬する。みたいな。

 

 

(気持ちわる。……3000年間溜め込んできたってことだろ?)

 

 

なら……限界が見たくなるよなぁ!!!

 

 

「帝国の女神さんよォ! お前さんの権能は“補食”って聞くけど……、胃袋一杯にしてやるぜぇ!」

 

 

開いた“空間”全てから、ありったけを“射出”する。

 

私が溜め込んだ物資、食料、水、そしてほぼ無限に近い程増殖していただいた、【鋼の槍】。そのすべてを、ただひたすらに叩き込んでいく。勿論、ただぶち込むだけじゃない。奴の口内を、体内を荒らすためにそのすべてに神秘を叩き込み、“内側”に向かって射出する。

 

口の内壁に槍がぶっ刺さったらどうなるか! そうだね口内炎だね! 喰らえ! ティアラちゃんの無限口内炎地獄! あぁもちろん、傷口は水とマグマで綺麗にしてあげるからね♡

 

 

「あはぁ! たのしぃ!」

 

(……と言いながらも、これほぼ“神秘”封じられた感じだな。)

 

 

私が扱う神秘は、アユティナ様の神秘。つまり借り物だ。私が生み出しているのではなく、神と使徒の間にあるラインから送られてきたものを溜め込み、それを適宜使用している形になる。そして今、それが尽きた。というか収支0になってる感じだね。

 

空間内部の品々に軽くだけど全部神秘を付与し、同時に空間を開いたり脳の能力向上に使用した結果。貯蓄が0になり、同時にアユティナ様から送られてきたものを、毎秒ちょうど使い切る形になってしまった。アユティナ様に頼めば幾らでも補充してくれるだろうけど……、この戦いにおいて私たちは自分の力だけで何とかするって決めてるんだ。真面目にヤバく成ったら助けてもらうけど、今はまだこのままでいい。

 

 

「とりあえず口は封じた。あとはフアナのサポートに回るわけだけど、神秘なしじゃちょっと不安。……タイタン、そろそろ体あったまって来てるよね?」

 

(ブ!)

 

「ならよし!」

 

 

限界まで同調率上げて、ぶん殴りに行くぞ!

 

 

 

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 

 

「「「家畜程度の分際で! アタシに逆らうな!!!」」」

 

「うっさいッ! 『蒼月』ッ!」

 

 

自身の体力を消費し、肉体全体と自身の愛馬、そして槍に送り込んでいく。常にこの体は強化され、それに耐えるだけの力と種族の限界を超えた速度を発揮する騎馬。活力を込められた槍は爛々と蒼く輝いており、何か間違えば全て吹き飛んでしまうような怖さすら孕んでいる。

 

強化率は、限界ギリギリ。そのまま何もせず突っ立っていれば、おそらく10秒も経たずに絶命してしまうほどの倍率。私は自身の体力を糧に、動いている。けれどこの槍があれば、10秒は無限になるのだ。ちょうどいい獲物が、目の前にいる限り、私の時間は終わらない。

 

分身体、ティアラの話では100%のコピー率。本体と同様の実力が発揮できる複製だったようだが……、女神の権能に何か異常が発生しているのか、その能力はまばらで、おそらく本体の6~8割程度。以前の聖戦で見た女神よりは強いようだが。今の私には関係のない話。すべて切り殺し、自身の活力へと変えていく。

 

 

(常に、自身の限界を上へと押し上げ続ける様な感覚。楽しくて、愉しくてしょうがない!)

 

 

自分はまだ上に行けるのだと、あの子に追いつけないと悩む必要はないのだと、追い越せるのだと。ただそれだけで、体が動く。……だからこそ、その声は耳障り以外の何物ではないのだ。一番近くにいたその女神の顔を、信仰心は薄かったが紛いなりにも過去は信仰していた女神の顔を、消し飛ばす。

 

 

「ッ! 今お前! アタシに信仰を向けたわね!」

「やっぱり流石アタシの家畜!」

「アユティナにも向いているようだけど、今なら許してアゲル!」

「今まで味わったことのない苦しみと共に! 葬ってやるわッ!」

 

 

一斉に飛んでくる、光の柱。

 

……別に神に興味なんかないし、アユティナ神への信仰も、ティアラみたいに深いわけじゃない。ミサガナよりも真面そうで、恩恵があるから、選んだだけ。それにアユティナ神は他の神への信仰も許しているため、完全にコイツへの信仰が消えたわけではなかった。

 

けれど今ので、0になった。勧誘するにももうちょっとやり方があるだろ普通。

 

 

(別にここで殺さなくても、自然と淘汰されそう。)

 

 

そんな余計なことを考えるほどに、奴が放った光柱は、遅い。

 

最低限の力ですべてを避け切り、同時に未だ煩い口を開く分身たちの首を、刈り取っていく。そのおかげで槍から活力が流れ込み、それを燃料にまた動き出す。そして視界に入ったものすべてを順に消し飛ばしていくのだが……、おそらく本体がいる限り、その増殖が止まることはないのだろう。

 

ドンドンと、私に活力を献上するために集まってくるミサガナ。

 

 

「ッ! やっぱりその武器!」

「吸収してるわねッ。」

「アタシと同じ……、度し難い!」

「ケド切らないと発動しないのなら!」

「固めて嬲り殺すだけ!」

 

 

神がそう叫んだ瞬間。周囲にひろばっていた数多くの分身体たちが、一斉に私めがけて転移してくる。

 

『ヴァルパラ』になったことで各段に向上した感覚達が、その気配が先ほどよりも増えていることを教えてくれる。たぶんだけど、この神の本体は絶えず複製を作り続けているのだろう。その増やした分を、全部こっちへと持ってきた。

 

 

(なんかティアラはもう封殺したっぽいし、こっちもこの複製全部吹き飛ばしてフアナの方に行かないと。流石に本体の方が強いだろうし、苦戦してるだろうから……。ん?)

 

 

一瞬だけ感じた槍の重み。この身体能力だけに振り切った肉体で、槍に重さを感じるなどありえるわけがない。ほぼ反射で槍を振るい、視線を向けずそのあたりを消し飛ばしてみれば……。視界の端に、ミサガナの破片が飛び散っているのが見える。神秘によって生み出された複製体ゆえか、壊れた破片たちが徐々に空気中へと散っていっているが……。ソレが消えるよりも速く、奴らが突進して来る。

 

 

「ㇱ!」

 

 

迎撃のため槍を振り回し、愛馬に蹴り飛ばすよう指示を出しながら周辺の様子を探ると、どうやら分身達たちは二つのグループに分かれたようだ。私を囲み身動きを取れないようにするグループと、外側に結集し遠距離から魔法攻撃をしようとするグループ。すでにチャージを始めており、さっきの光柱よりも強力な攻撃が飛んでくるだろう。そして自身の複製体ごと吹き飛ばし……、焼き払う。もし生き残れたとしても即座にその場から転移すれば、勝手にガス欠で死んでくれると考えたのだろうか?

 

 

(……嘗められたもの、だよね。)

 

 

手が届かないのなら、遠くから攻撃しようとするなら。こっちも伸ばせばいい。近づこうとして逃げるのならば、ここから全部消し飛ばせばいいだけのこと。どんどんと視界を埋めるように集まってきているが……、関係ない。

 

 

「ちょっと無理させるわ、いける?」

 

「ブ!」

 

 

愛馬からの返答を受け取った後、即座に行動へと移す。

 

自身の肉体をより強く燃やし、全て活力へと変換。そのすべてを、槍へとつぎ込む。最初は魔力と活力の違いに戸惑ったけど、言ってしまえばどっちも同じ力。慣れてしまえば、魔力で出来たこと以上のことを、この現実に叩き落すことが出来る。

 

家に伝わる技の一つ、『蒼月』によって周辺の複製を消し飛ばしながら、新たな活力を得ていく。本来であればこれで自身の肉体を癒すのだが……、それをせず、手に入れた全てを槍に。そしてその穂先が伸びるように念じ、ただ我武者羅に振る。

 

愛馬に指示するのは、その場での乱回転。

 

 

(槍を伸ばし! 全て叩ききるのみッ!)

 

 

視界が一瞬にして“蒼”に染まり。最後に槍を強く振るうことで、すべてを吹き飛ばす。乱雑に切り払われたその切断面達が一瞬にして蒼くはじけ飛び、私を囲っていた複製。遠距離から攻撃しようとしていた複製。そのすべてを消し飛ばす。

 

 

「……ふぅ。まだ増えてくるだろうけど、とりあえずはこれで。」

 

 

さ、本体たちと戦ってる二人と合流しないと!






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