黒颯のエレティコ ~忘れ去られた神の力で凌辱シナリオをぶっ壊す~   作:サイリウム(夕宙リウム)

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「ソーレにルーナ! 合わせなさいッ!」

 

「「はいッ!」」

 

 

そう叫びながら、名乗りもできぬ使徒に向かって突貫する。1対1で戦うのならば空騎士の基本である高度を維持しながら戦うのだけれど……。今は味方がいる。高さを用い過ぎれば連携が取れず、各個撃破されてしまうだろう。それではわざわざ二人がこちらに到着するまで会話で時間稼ぎをした意味がない。

 

 

(それに……。)

 

 

後ろにいる姉妹たちは、サポートに徹した方が強い。二人は自分たちが前面に出て戦う方が好みというか、そちらの戦い方を望んでいる様だったけれど……。女性にしては体格がいい方だがそれでも平均より少し飛び出ているだけで、剣の扱いも強く抜きんでているわけではない。

 

比較的力強い動きが出来るソーレも、比較的速度を意識した戦いが出来るルーナも、そして二人が合わさったとしても、前に出て他の者たちの盾となるような動きや、仲間の先頭に立って全員を引っ張っていくような動きはできない。不可能というわけではないが、彼女たちよりもそれが上手い人間はいる。小隊規模の指揮ならまだしも、中隊以上になると任せるには値しないだろう。

 

 

(けれど、誰かのサポートに関してならッ!)

 

 

一族伝来の技、『蒼月』を槍に纏わせながら、使徒に向かって切りかかる。こちらが幾ら同世代の中で一番筋力が高くても、相手は“上澄み”であろう使徒。私一人では押し切るどころか押し返されてしまう。槍と剣、そして歩兵と騎兵。ペガサスによる回転の力を加えたとしても、その差は覆らない。

 

だが。

 

 

「はぁぁッ!!!」

 

 

私の槍に合わせるように、ペガサスの陰から飛び上がったソーレが剣を叩き込む。これでようやく、互角。そして敵の視線が私とソーレに移った瞬間、横からその視点を掻い潜る様に、ルーナが飛び出す。即座に背後に回った彼女は飛び上がりながら、その首目掛けて自身の黒い剣を叩き込もうとした。

 

 

「良き、連携だな。」

 

 

しかし、相手からすれば想定済みだったのだろう。先ほどまでより強い力で押し返された私とソーレは一時武器を上へと弾かれてしまう。自身の愛馬は不利を悟り即座にソーレの首根っこを掴み後退してくれたが、代わりに敵の手が空いてしまった。ルーナと相手の使徒では、確実に使徒の方が格上。

 

放置すれば確実に殺される、そう判断した私は背後に背負っていた手槍を投擲。そのまま愛馬と共に、一瞬だけ目が合った使徒に向かってもう一度突貫する。

 

 

「判断も早い。」

 

 

こちらを視認した使徒は、首を切り落そうとしていたルーナの一刀をたやすく受け止め、そのまま押し飛ばす。私が手槍を投げていなければ返しざまにその胴体ごと両断されていただろうが……、何とかそうされる前に手槍が到達し、使徒によって切り刻まれる。即座に下から振り上げるように槍を叩き込むが、やはりあちらの方が圧倒的に上。

 

 

「体を見るに、まだ戦場に出るような年齢ではない。けれどよく練り上げている。今の時代の平均は解らぬが……、自身の時代であれば一端の将になっていただろう。」

 

「よくしゃべる、わねッ!」

 

「王国に巣食う異教徒を殺せと神は仰られた、しかし同じ神を信じるものを殺せとは言われていないのでな。」

 

 

姉妹が体勢を立て直し、もう一度戦線に復帰するまでの数秒。私は数秒を稼がねばならない。けれど強者を前にして数秒を稼ぐなど今の自身には不可能に等しいモノ。けれど、足掻く。領地にいた時は常に格上の母と戦ってきた、あの子がいた時は自分を殺しうる存在と常に切磋琢磨し続けた。

 

“強者”程度が何だ。いずれ私の通過点にしか過ぎないような力しか持ってないのに、私の前に立ちふさがるんじゃないッ!

 

愛馬に縦への回転を指示し、相手の攻撃を利用しながら眼前で廻る。この子の弱点である腹を見せることになってしまうが、背負っていた最後の手槍を無理矢理その顔面に叩き込み、時間を稼ぐ。剣で防御されてしまうが関係ない。突撃の速度も高さも加えられていない。あるのは遠心力だけ、けれど足りない威力は、工夫と気合で埋め尽くし、超えてやる。

 

体内の魔力を無理矢理引き出し、すべてを自身の槍に。母が過去に見せてくれた『蒼月』の上、『大蒼月』へと無理矢理進化させ、叩き込む。

 

 

「はぁぁぁあああああ!!!」

 

「ぬっ、上げて来たか。」

 

 

けれど、これでようやく互角。いや私の全力と、奴の通常の出力がようやく同じレベルに達した程度。……けれど、これで十分。私の陰から、二つの存在が飛び出てくる。

 

 

「お姉ちゃんッ!」

 

「解ってるッ!」

 

 

黒い斬撃と、白い斬撃。その二つが私の槍を更に押し込むように、追加される。これでようやく相手の全力を越えてそのままぶち抜けるッ! そのまま押し切れッ!

 

 

「良い、良いな。これで異教徒でなければ……。いや、すでに死人である自身にはどうにも出来ぬ話、か。……ならば、私が壁となろう。」

 

「……ッ!」

 

 

奴の纏う雰囲気が一瞬にして変わる。魔力の起こり、いやもっと面倒なものが動き出す様な感覚! 明らかに私達じゃ対応できないレベルの攻撃が来るッ!

 

 

『剛魔……』

 

 

「退きなさいッ!」

 

 

『斬聖波』

 

 

その瞬間。奴の肉体から放出される魔力と“何か”。いや本能で理解できる。ティアラや母がこぼしていた“神秘”という私にとっては未だ未知の力。脳が拒否するほど大きな力が眼前に出現し、敵の剣に宿ったそれが……、私たちに殺到する。

 

避け、いやダメ。体勢を攻撃に割き過ぎている。動けないわけではないが今動けばあの二人を置いておくことになってしまう。ティアラとはまた違った友人で、年上なのにほっとけない様な妹。放置していれば勝手に鍛錬し続けて壊れてしまうような、ずっと手元で見ておいてあげない様な存在。私のライバルに任せられた存在を置いておくことになる。

 

……一瞬、この身に課せられた責任が過る。

 

けれど体が先に動いた。

 

 

「だいッ、」

 

 

愛馬に姉妹を守る様に指示し、私は彼から飛び降り迫りくる衝撃波の中に。光に包まれながら、体に宿るすべての魔力を叩き起こす。けれど足りない、まだ足りるわけがない。空になってしまった瓶の底を叩くように、体を削る。限界を超えた魔力を、槍に。

 

 

「『大蒼月』ッ!!!」

 

 

少しでも衝撃を打ち消せるように、放った蒼い光。けれどやはりまだ私じゃ足りない。一瞬だけ拮抗したが、すぐに壊れてしまう。

 

 

 

 

 

そのまま私は、光に飲み込まれた。

 

 

 

 

 

「「エレナさんッ!!!」」

 

 

後ろに下がり、効果範囲から離れた姉妹たちの声が響く。彼女たちの盾になったペガサスも無事ではなく半身が焼けただれてしまっている。もう動けないわけではないようだが、すぐに治療しなければ後がないような状態。対して敵使徒は、依然として健在。まだ一撃も入れられていない。

 

 

「……友を守るために身を挺した、か。理解はできる。理解はできるが……。なぜその選択をした。お前ひとりならば逃げ延びることが出来ただろうに。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「私が、私だからでしょ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

光が、晴れていく、

 

私の前に展開されていたのは、おそらくティアラが土壇場でぶち込んだであろう【鋼の槍】によって形成された壁。ったく、邪魔してんじゃねぇわよ。

 

 

「ゴホッ……。あぁ、仮面。割れちゃったか。」

 

 

眼前に広がった壁も、大半が溶けてしまっている。そして私がしていた仮面も割れてしまい、地面に半分が焼け焦げた破片が転がっている。内臓から上がって来た血を吐き出しながら自身の肉体を見てみれば、半身が焼け焦げてしまっている。……痕残るな、これ。

 

どこかでこちらの様子を確認しているのだろう。アイツなりの励ましか、それとも謝罪なのかは解らないが頭上に傷薬が入っているのだろう瓶が落ちてきて、私の頭蓋で割れる。頭から降りかかった薬の感触を楽しみながら、手を前に突き出す。

 

 

「お前なら解ってんでしょ……。そう、それでいいの。」

 

 

私の前に開かれた“門”のようなもの。そしてそこから飛び出てくるのは、眼前の敵が武器に込めていたおそらく“神秘”と同種のものが宿った【鋼の槍】。けれどこの槍から感じるのはティアラの力。アイツが手ずから神秘とやらを込めて送ってくれたのだろう。時間経過で消えていくようだが、これなら大丈夫そうだろう。

 

にしても酷く……、調子がいい。

 

 

「ったく、持ってんなら最初から渡しなさいよ。……あ? 最初から私に渡しても拒否するだろって? まぁ確かに、自分の力でやろうとするわね、私なら。よくわかってんじゃん。」

 

「……誰と、話している。」

 

「誰? んなもん。」

 

 

自分とよ。

 

強く地面を踏み込み、接近する。石突を地面に叩きつけ、そのまま空へ。重力、そして体力を無理矢理魔力に変換しながらこの槍に乗せ、叩き込む。

 

 

「グッ! こ、この神秘はッ!」

 

「あー。そう言えば昔、私ってアイツの感情が色々理解できなくて怖がってたっけ。これがそうなのねぇ。面白いッ!!!」

 

「なぜ、その体でッ!」

 

 

なんで半身焼け焦がされているのに動いてるし、さっきよりパワー上がってるのかって? さぁねッ! そう言うのは全部ティアラに聞きなさいな! アイツの方が詳しいだろうし、どうせ戦場を暴れながらこっちのこと見てるでしょうしね! あの子の予定じゃ私たちが使徒と戦うなんて想定外だろうけど……ッ!

 

 

「薄っすらと感じていた死への恐怖! 体に掛かっていた無自覚なセーフティ! ぶっ壊れちゃったのかなぁ! あはは! 楽しいわ! 楽しくてしょうがない! これね! これがあの時アイツが感じていた感情! あははっ!!!」

 

「ッ! 狂ったかッ!」

 

「誉め言葉よッ!!!」

 

 

一度至ってしまえば! この後も到達することが出来る! ようやくアイツに追いつける、追い越せる道がつながったって言うのに! 楽しくないわけないでしょうが! それに……、ソーレ! ルーナ! 解ってるわよねッ!

 

 

「「合わせ、ますッ!!!」」

 

「よろしいッ!」

 

 

体力を無理矢理魔力に変換しすぎたのだろうか。関節が悲鳴を上げている気がするが、無視してそのまま魔力を生成し、槍に込める。そしていつの間にか私のペガサスによって上空まで輸送された二人が、使徒に向かって降下。蒼い奔流と、白と黒の斬撃が、もう一度奴に殺到する。

 

 

「ッ!」

 

「「「はぁぁぁあああああ!!!!!!」」」

 

 

そのまま、押し込めッ!!!!!

 

三人の魔力。そしてティアラが込めていたのであろう神秘が爆発し、すべてを包み込む。肉体を切り刻んだというよりも、相手の核を破壊したような感覚。

 

 

 

 

 

(とったッ!)

 

 

 

 

 

そう確信し、ようやく魔力の奔流が収まり、光が収まり始めたころ。

 

残っていたのは吹き飛ばされ、上半身だけになった奴の肉体のみ。

 

持っていた武器はすでに焼失しており、もう何もできない状態だろう。……敵とは言え、同郷で私たちの先達だ。アイツが言うには使徒は復活して来るらしいが、自身の武人としての矜持のためにも、奴の体に近づく。聞きたいことも、あるし。

 

 

「こっちの勝ちね。」

 

「……あぁ、その通りだ。安心するといい、私はもう“残っていない”。二度と戻ってくることはないだろうよ。」

 

「あっそ。……なんで貴方、最後手を抜いたの。」

 

 

最期の打ち合い。やろうと思えば、コイツは私の半身を焼き焦がしたあの攻撃。神秘と魔力を複合させたのであろう斬撃を飛ばすことが出来たはずである。それさえすれば無傷とはいかなくても、被害を最小限に抑え込むことが出来たはずだ。……使徒と言えば、神のために目的を実行するために死力を尽くす存在であるはず。一度死んだ過去の存在のようだが、それは変わっていないはずだ。

 

自分から死を受け入れるような立場の人間じゃない。

 

 

「……思い出してしまってな。私は神と友を天秤にかけ、神を取った。使徒となり、名を捨て、死人となりながらも未だにそれを後悔してしまっている自身がいる。あの時使徒にならず友の手を取っていれば、また違った人生があったはずなのに、と。」

 

「…………そう。」

 

「これでも武の道を歩んだ人間だ、戦の行く末など見えている。……友は大事にしなさい。」

 

 

ティアラという規格外の存在、より高位へと到達したオリアナさんと母。これが初めての戦場である私でも、少し周囲を眺めれば戦況がどちらに傾いているかなど理解できる。眼前の使徒がどんな人生を通ったのかは解らないが、私よりも経験は上。そんな彼が理解できないわけがないだろう。

 

彼の纏っていた光の膜、神秘が徐々に剥がれ、体から色が抜け、灰と化していく彼の口は、どこか私に何かを託すように笑っていった。

 

 

「はッ! 言われずとも! 神が何よ! 邪魔なら誰であろうと叩き潰してやるわ!」

 

「……ふ、頼もしい、な。」

 

 

彼の口がゆっくりと動き、聖句の様なものを呟こうとした瞬間。

 

その顔に罅が入り、纏っていた光が完全に消える。瞬きの間にその体から色が消え、輪郭が溶け、すべてが灰に帰してしまった。……死人を無理矢理、生者とした代償とでもいうのだろうか。

 

……この戦いで王国教会の権威は地に落ちるだろう。聞いた話によると第二王子はすでにティアラが信じる神を信奉しているという、この国が信じる神は、徐々に変わっていくだろう。母もおそらくそうであろうし、私もそうなるはずだ。……けれど今は、まだ眼前の灰になってしまった存在と同じ信徒。

 

軽く目を閉じ、彼の安寧に祈る。

 

 

「エレナさんッ!」

 

「あぁ、ソーレ。」

 

 

声がする方を振り返ってみれば、姉妹の姉の方がこちらへ、そして妹が私の愛馬を連れ走って来てくれている。どうやらティアラにでも持たされていた傷薬を使い、愛馬の治療を行ってくれていたようだ。復帰に時間はかかるだろうが、これで命を失うことはないだろう。

 

 

「大丈夫、ですか?」

 

「えぇルーナ。まぁ見た目は酷いけれど動くから大丈夫でしょう。貴方も無茶させて悪かったわね。」

 

 

妹の方に礼を言いながら、顔を寄せてくれる彼の首元を撫でてやる。あまり口数が多い子ではないけれど、その代わり強く目で語る子だ。こちらを強く心配するような目線を送ってくれている。大丈夫よ、ほらこんな感じで槍も振るえ……。

 

 

「あれ?」

 

 

腕から急に力が抜け、地面へと槍が落ちる。

 

この私が、武器を落した? は? 戦場じゃ死ぬまで武器を手放すなと叩き込まれた私が??? あ、あれ? なぜか全身から力が……。

 

 

「だ、大丈夫じゃないじゃないですか! る、ルーナ! そっちもって! 出来るだけ後ろに下がるよ!」

 

「わ、解った!」

 

 

ちょ、ちょっと待ちなさい二人とも! まだ! まだ足りてないのよ! ティアラに追いつかないといけないのに! まだ全然殺してないわ! まだまだ経験値が足りてないのよ! 早く離しなさい! というか貴方! 私の相棒のくせしてなんで二人のこと止めないのよ! 貴方なら私の考えてることぐらい理解してるでしょうが!!!

 

 

「お姉ちゃんより力の強いエレナさんが私たち振りほどけてない時点で異常、早く下がって診てもらわないと絶対不味い。」

 

「そうです! ほら撤退しますよ!」

 

 

そ、そんな! 結局さっきのもティアラに手伝われなきゃ勝てなかった戦いなのに! その汚名も濯げず後方へと下がれと!? イヤ! イヤ! はなせー!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

 

「っと、ここが敵の本拠地ってやつか。」

 

 

おそらく神秘に由来する防壁なのだろう、ウザったらしく光る天幕が見て取れる。周囲に何人か後衛職っぽい奴が見えるし、あそこで復活させて各所に使徒を飛ばしているのだろう。最初はどういう仕組みで本拠地から各戦場に飛ばされているのか解らなかったが、転移直後の奴を縦に両断したときに大体理解できた。

 

あそこにいる後衛職を全部吹き飛ばせば転移が使用不可になり、使徒の出現位置を一か所に固定することが出来るだろう。そして建物すべてを破壊することが出来れば、復活も止めることが出来る。

 

 

(んじゃまぁ、まずは転移からッ!)

 

 

ティアラが放ち放置したのであろう【鋼の槍】を5本ほど走りながら拾い集め、勢いを殺さずそのまま放つ。今のこの体なら孫の“射出”とやらよりも早く敵に到達するはずだ。そのまま吸い込まれるように槍が敵に向かって放たれたが……、3本が謎の防壁によって。2本が一人の男によって弾かれる。

 

 

「っとぉ、お出まし、かッ!」

 

 

敵の存在を知覚した瞬間、即座にその場から飛び立つ。案の定私が立っていた場所には光を纏った存在が立っており、同様に神秘が込められたのであろう槍が地面に叩きつけられた。

 

瞬間地面が凹み、弾け飛ぶ。

 

はは、そうでなくちゃなぁ!

 

 

「とと、手荒い歓迎だねぇ。びっくりしちまうじゃないか。」

 

「異教徒は客ではない、切り伏せるのみ。」

 

「会話もなしかよッ!」

 

 

私が地面に降り立った瞬間、即座に攻撃に移る使徒とやら。振りぬかれた槍を避けながらこちらも叩き込むが、石突で受け止められてしまう。……っとぉ? もしかしてコイツ、私よりも強い、か? おぅおぅマジかよ。これでもかなり上の方に行けたと思ってたんだがなぁ。

 

 

「元王国軍百人隊長、オリアナ! 今は使徒の婆してるッ! そっちは!」

 

「……初代使徒。名は神に捧げた故ない。」

 

「そりゃ悲しいな、使徒さんよぉッ!」

 

 

無呼吸で連打を叩き込んでいく、互いに人の領域からはみ出した存在。数秒の内に数百もの回数、槍を合わせたが……。やっぱりコイツ、私の完全な上位互換だ。

 

初代と言えば、おそらく3000年前の使徒。まだアユティナが神として君臨していた時代の名残が有って、『進化と成長』を貴ぶ神のおかげで人の平均的な強さが今よりも格段に高かった時代だ。そりゃ強者なんてゴロゴロいるだろうし、強者の中での更に上澄み、そういうのもたくさんいたのだろう。

 

そんなバケモノ溢れる世界で使徒してたって言うなら、この強さも頷ける。

 

 

「けど、3000年の積み重ねは伊達じゃないからなッ!」

 

 

何処かの強者に頼み込んで技を覚えたわけじゃない、だがずっと戦場に身を置けば帝国野郎の戦い方、そして味方の戦い方。嫌でも見せつけられることになる。生き残るためにはそれを吸収し、自分のモノにしていく必要があった。3000年間ずっと殺し合ってきたんだ、こと槍さばきじゃ古代人に負けるつもりはないッ!

 

テンポをあえて崩し、戦い方を切り替えながら打ち込んでいく。槍だけじゃない。拳も足も、取れる手すべてを叩き込む。

 

だが……。

 

 

「噴ッ!」

 

「チッ!」

 

 

切り替えの合間、本来隙として判別されない様な部分を突かれ、槍をぶち込まれる。何とか柄で受け止めることが出来たが、体勢を崩されたことは確か。後ろに飛び去りながら、距離を取り呼吸を整える。

 

 

「……オリアナ。理解しているだろう。」

 

「何がだ?」

 

「圧倒的な力の前には、技術など何の意味もないと。……お前の戦い方から、“力”の影が見え隠れしている。」

 

 

……ふぅ、これだから老人相手は嫌なんだ。無駄に経験積んでやがるからな。

 

この使徒サマが仰る通り、私が一番得意にしているのは“力の押し付け”まぁパワーで殴りまくって相手を殺すってのだ。それだけじゃ勝てないから色々と技術を無理矢理覚えたが、根っこは何も変わっていない。そもそも私の異名である“槍鬼”はそこから来てるしね。

 

 

「まぁ確かにそうかもしれないが……、お前さんは見たことないのかい? 技術で力をひっくり返してくるような奴は?」

 

「いた。いたが……、そのすべてを叩き潰してきた。このように。」

 

 

瞬時に理解する魔力と神秘の起こり、受けるのは危険だがただ退いていても決着はつかないし、そも相手の“神秘”の総量が理解できない。故に受け止めることを決め、こちらも体内の魔力を呼び起こす。体重を乗せ、赤い魔力を乗せ、突く。

 

だが……。

 

 

「ッ!」

 

「弱い。」

 

 

押し負け、吹き飛ばされる。

 

だが槍は手放していない。無理矢理地面に突き刺しながら勢いを殺し、体勢を立て直す。

 

 

(……ったく、私が一番強い相手を抑えるってのは理にかなってるが、黒騎士といいこの使徒サマといい、面倒な奴が多すぎる。)

 

 

しかも両方とも私よりも色々上回っているとかふざけんなよって話だ。黒騎士は最初技術では勝っていたが意味不明な学習能力でどんどん強く成りやがるし、この初代という奴はそもそも別格だ。強者との戦いに慣れ過ぎている上に、スペックも技術もあちらの方が上。

 

 

「ちと不味いが……。この年で何度も“挑戦”することに成るとは、“若いころ”を思い出しちまうじゃねぇか。」

 

 

 

 

 

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

さぁさぁ、神々よ。ご照覧あれ。貴方が信じてくれたこの身が怨敵の使い魔を消し飛ばす様を、お前が可愛がっていたおもちゃが無残に壊される様を。

 

 

「「殺す」」

 

 

ほぼ同時に動き出す両者。空間を開きながら槍を投射する私と、何かしらの魔法を開きながら攻撃を開始する愚物。いやタンパク質? なんかいい呼び方が思いつかないな……。眼前のこいつを同じ生物とはみなしたくないし、多分それを許せば全生命体への侮辱に成りそうな気がする。まぁいいや、とりあえず愚物でいいや。呼びやすいし。

 

既に音速を軽く超えているはずの槍たちが愚物に突き刺さろうとするが、そのすべてが無駄に光る障壁に弾かれ無力化されてしまう。しかしこちらも同じで、視認できる魔法攻撃は全回収が可能。たとえ視認できなくとも、防御として“空間”を開いておけば何の問題もない。

 

大空を覆いつくするような弾幕をいくら張ったとしても……ッ!

 

 

「空は私たちのもんなんだよぉッ!!!」

 

「ブブブ!!!」

 

 

回転を入れ、そのまま【オリンディクス】を愚物の脳天向けてぶち込む。

 

 

「オラァッ!」

 

「ッ!」

 

 

展開したのであろう何十にも重なった障壁をぶち抜き、そのまま叩き込もうとするが、私の愛槍が脳漿をぶちまける前に、止まる。よくよく見てみればおそらく魔力と神秘で構成したのであろう剣らしきものが両手に握られており、クロスさせながら私の槍を受け止めている。

 

確かに止められた。だが……。

 

 

「オイオイオイッ! お前完全な後衛職だなッ! 武器の扱いが成ってないねぇ!!!」

 

「ッ! だま、レッ!」

 

 

瞬間、私の肉体よりも何倍も大きな魔法陣の様なものが眼前に開かれ、神秘の奔流が私を包み込もうと襲いかかってくる。けれどそもそも私に遠距離攻撃は効かない。その魔法陣よりも大きな“空間”を開き、すべてを回収してやる。リソースを割かれるのは確かなので、戦場に舞い散る【鋼の槍】が一時的に減ってしまうのだが……。

 

 

「弱い、弱いねぇ! 欠伸が出ちゃいそう! 相性最悪で何もできないねぇ!!!」

 

「ッ! あの女も! お前も! ここで消し飛ばしてやるッ!!!」

 

 

何か愚物の気に障ったのだろう、怒りのせいか少し声を荒らげながら、先ほどよりも大きな魔法陣が開かれる。魔力だけでなく神秘も大量につぎ込まれている。その分背中に背負ってるクソ女神の紋章もピカピカしててうざったいなぁ、オイ。ねぇ知ってる? ピカピカってこうするんだぜ?

 

衣装プリセット展開! 選択はもちろんアユティナ様から頂いた“使徒服”!

 

神秘操作力向上! 光量最大化! 後光機能FULLMAX!

 

 

「はいチーズ。ティアラちゃん、最大出力ってなーッ!!!!!」

 

 

世界を神秘の力で埋め尽くし、そのすべてを塗り替えていく。

 

神秘と神秘がぶつかった時、その形を保つには使用者の意志の力で決まる。テンション爆上げの私と、若干追い込まれている愚物。意志の勝負などこちらに軍配が上がるのは最初から決まっていたようなもので、奴が開いた魔法陣はアユティナ様の神秘が入り込んだことで崩壊し、崩れ去る。

 

そして神秘の光は、同じ神秘でなければ防げない。

 

既に“意志”で負けている愚物が完全に防御出来るはずもなく、うめき声と共に奴の瞳が閉じられた。

 

後衛職ならば自前の回復能力を持っていてもおかしくないだろうし、神秘でその効果を向上させることも可能だろう。幾ら眼球や視神経を焼いても、稼げるのは数秒。

 

 

「でもそれで大丈夫ッ! ところでYOU!  “天変地異”は好きかい? ティアラちゃんは大好きサ! と言うことで欲張りセットプレゼントォ!」

 

 

奴の上下に空間を開き、下から高密度で放出される水、上から吐き出される溶岩。そしてその周囲を囲むように空間を再度複数展開させ、取り出すのは“疑似メテオ”。一つ一つ丁寧に神秘を込め、クソ女神。そしてクソ女神に類するもの死に晒せって言う怨念を込めに込めた私の特別製だ。

 

 

「お腹いっぱいになるまで、味わってよね♡ お代はその命ってなぁッ!」

 

 

万を超える隕石と、大地に落とせばその地形をたやすく変えてしまう大量の水と溶岩が同時にぶつかる。世界が壊れたかのような轟音が鳴り響き、戦場を地獄へと叩き落していく。ん? なんだいタイタン。これで終わりかって? んなわけないさ。じゃ、やる事解ってるよね?

 

 

「上がって…………、落ちろッ!」

 

 

即座により高高度へとタイタンと共に上がり、溶岩と水、そして隕石が集中する位置に向かって急降下を開始する。この程度で死ぬならあの愚物は使徒をしていないだろう。だからこそ、この押し込んでいる隙に準備させてもらうって寸法だ。

 

さぁ行くよタイタン! 行くよ【オリンディクス】ッ!

 

 

(ティアラちゃんの、最高火力!)

 

 

体内の魔力、起き上がったすべてを槍に込めながら、タイタンに指示するのは回転。後先考えない、殺人級の速度。機構が展開され、熱を帯び、赤く光り始めた私の愛槍が大空に赤い基線を描き始める。これだけならな前までと一緒。

 

ここに、アユティナ様の神秘! それを全部ぶち込む!

 

背中に宿る紋章がより強く光り、常に感じていた我が神との繋がりがより強くなる。体に宿っていた光が全て槍に集中し始め、よりオリンディクスが纏う熱と光が上がって行く。内蔵された人を抉り、削り殺す様な機構が煩いほどに回転を続け……、臨界点を超える。

 

 

(神秘の、暴発ッ! 神器の再覚醒ッ! そうだよねそうだよね! お前もアイツを殺したいよねッ!!!)

 

 

赤熱の赤を越え、一瞬だけ蒼く光ったそれは真なる白へと到達する。

 

 

狙うは一点。

 

 

ぶち込むッ!!!

 

 

 

「『開闢の一撃』ッ!!!!!」

 

 

 

隕石の雨を抜け、水と溶岩がぶつかるその一点を貫き、突破する。神秘の膜でその身を守っていたのであろう肉体にオリンディクスを押し当て、膜をぶち抜く。そのままぁッ! 地面へ!!!

 

 

「認めないッ! 認めないッ! 女神様の力が! 使徒が! 正義が! 敗けるわけッ!」

 

「うるさいッ! タイタンッ! もっとギア上げるぞ! 気合入れてけッ!!!」

 

 

何か喚く奴を黙らせるように、もっと回転数を上げるッ!

 

 

 

 

「貫けッぇぇぇ!!!!!」

 

 

「がぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

 

 

 

神秘を剥がし、魔力で保護されていた肉体を抉り、回転でどてっぱらをぶち抜き、その体を両断する。

 

 

その瞬間に感じる、この世界の摂理。

 

 

経験値が私の体に流れ込み、一つ肉体が向上した感覚。

 

 

ついに、ついにッ!!!

 

 

 

 

ティアラ 天馬騎士 Lv29→30

 

HP (体力)44→45

MP (魔力)39→40

ATK(攻撃)36

DEF(防御)30

INT(魔攻)44

RES(魔防)41→42

AGI(素早)40

LUK(幸運) 0

 

MOV(移動)5(8)

 

 

 

 

うしッ! これを持ちまして上級職『天馬騎士』カンストッ! 最上級職への転職条件達成ッ!

 

アユティナ様! お願いします!

 

 

【もちろんッ! さぁペガサスを駆る者よ! この世界にもう一度、王者として君臨せよッ!】

 

 

背負っていた神の紋章がより大きく開き、天が割れる。

 

私たちが信奉する神の権能は『進化と成長』ッ! これから行われるのは、人の体ながら神にすら手が届くと呼ばれる究極点ッ! 人馬一体の、その先へ!

 

割れた天の先から降り注ぐのは、膨大な神秘の光。戦場に突如として現れた光柱に私とタイタンは包み込まれていく。神秘によって肉体を補強するのではなく、神秘を単なる燃料とし、肉体を作り替えていく。人を越えた人へ。体が、変わっていく。

 

 

「ッ!」

 

 

オリンディクス、いや【神槍オリンディクス】を手に取り、世界を割く。

 

私たちを包み込んでいた光柱が割れ、生まれ変わった私たちを世界に見せつけよう。

 

 

「あははッ! 最ッ高!!!」

 

 

 

 

ティアラ ルフトクロン Lv1

 

HP (体力)45→55

MP (魔力)40

ATK(攻撃)36→40

DEF(防御)30

INT(魔攻)44

RES(魔防)42

AGI(素早)40→45

LUK(幸運) 0

 

MOV(移動)12

 

 

 

黒を基調とした赤と金の鎧! 下半身は滅茶苦茶ゴツゴツしてるのに、上半身は腕以外ほぼ丸出しの色々と覚悟がいるこの鎧! あはは! すっご! 幼女にこんなもの着せないでよアユティナ様ー! あははは! というかタイタン! お前真っ黒になっちゃったなぁ! かっこよくなっちゃってぇ!

 

 

「ブ!」

 

「あはは! だよね! んじゃ最初にちょっとやってみよっか! ちょうどいい的がいることだしねぇ!」

 

 

叫びながら、タイタンとの意識を同調させ、強くその背を叩く。

 

その瞬間、彼の肉体が瞬時に黒い球体へと変貌し、私の胸の中に。

 

そして開花するように背中から開かれるのは、真っ黒な私の翼。

 

文字通りの人馬一体! まぁ羽だけ借りてるようなもんだけどね! ちゃんと私の中にタイタンの意識は残ってるから、少しうるさいけど……!

 

 

「「これほど面白いものはないよなァッ!!!」」

 

 

天馬騎士からのルフトクロンの強化点ッ!

 

もちろんステータスの大幅な上昇や作中最大の移動力の高さが挙げられる! けれどもっと凄いのは、魔法適性の入手! 前衛職でありながら後衛職と同じことが出来るようになる! 縦横無尽に戦場を飛び回りながら! 誰も攻撃できないところから敵を殲滅する!

 

名前の通り、空の王者! この大空を統べる大冠を抱くのはこの私ッ!

 

 

「おい愚物ぅ、ちょっと練習台に付き合ってもらうぜ!?」

 

 

体内の魔力を起こし、大空に手を掲げる。生成するのは、基本の基本。『火球の魔法』。けれど規定の魔力よりも大量に、そして“神秘”もこれでもかと入れてやる。

 

ぐんぐんと成長し、巨大化していく火球。すでにその火の熱量は常軌を逸しており、最初は小さく赤かった球体は青を越えて白へ。お空に輝く太陽と同じ色にまで達した。

 

 

「見た感じ、体を全部吹き飛ばされたら復活できないんだよね? 光で肉体を回収しているっぽかったし。んじゃ、良い来世を。」

 

「お前はッ! お前はッ!」

 

「あら、まだ喋れたの?」

 

 

体半分になってるのに凄いねぇ……。ん? もしかして忘れちゃった? 最初に名乗っていたのになぁ。まぁクソ女神のおもちゃだろうし、お耳もちゃんと残ってなかったんでしょう。ま、冥土の土産にもう一度名乗ってあげるとしましょうかね?

 

 

「アユティナ様の使徒ッ! ティアラ! 今日から大空の覇者! よっろしくーッ!」

 

 

ピースとウインクを見せつけてやりながら、回収される前に消し飛ばされていく今代の使徒を見送ってやる。……よし、消滅確認。

 

 

「さて。残るはクソ女神本人だけだけど……。どうせ見てんだろ? 降りて来いよ、アバズレ!!!」

 

 

 

 






ソーレ 剣兵 Lv2→19

HP (体力)18→28
MP (魔力) 4→12
ATK(攻撃)12→25
DEF(防御)15→23
INT(魔攻) 2→ 8
RES(魔防) 3→10
AGI(素早)13→22
LUK(幸運)11→21

MOV(移動) 5

ルーナ 剣兵 Lv1→18

HP (体力)16→24
MP (魔力) 5→25
ATK(攻撃)11→21
DEF(防御)10→19
INT(魔攻) 4→11
RES(魔防) 5→14
AGI(素早)15→26
LUK(幸運) 9→19

MOV(移動) 5

順調に成長しており、同レベル体のティアラに比べれば格段に完成している。自分たちとしてはいざとなればティアラたちの盾になるため前に出て戦うことを望んでいるのだが、サポート適正の高さをオリアナやエレナから指摘されており、そちら方面の鍛錬を現在行っていた様子。今回の戦で二人とも上限に達したため、その後『剣兵』から『剣豪』に転職した。副官としての勉強は順調のようだ。



ティアラ ルフトクロン Lv1

HP (体力)45→55
MP (魔力)40
ATK(攻撃)36→40
DEF(防御)30
INT(魔攻)44
RES(魔防)42
AGI(素早)40→45
LUK(幸運) 0

MOV(移動)12

最上級職に到達し、色々とヤバくなった存在。未だ初級の魔法である『火球の魔法』程度しか扱えないが、彼女は使徒でもある。“神秘”の扱いを習熟し始めているクソガキからすれば、ただの火球でありながら神にダメージを与えることも可能だろう。ティアラとタイタンが合体している間は、タイタンの能力値もティアラに加算されるため肉体の強化が起きているのだが、一つの体に二つの意識が少しだけ合体しながら存在している感じなため、お互いの意識を保ちながら色々と影響を受け合っている。
早い話。合体すれば強くなるが、性格が悪化し口も非常に悪くなる。


【神槍オリンディクス】
ATK+20(神秘付与分だけ上昇)
重さ 0(10~30)
スキル 『開闢の一撃』

武器に宿る微かな自我がティアラを真なる主として認め、アユティアの神秘によって覚醒した姿。自身が認めた相手からすれば羽のように軽いが、それ以外だと非常に重くなる。ティアラやアユティアが認めた存在だと少し重さが軽減されるようだが、それでも重いことには変わりない。攻撃力が神秘を込めるごとに上昇する性質を得たため、際限なく強化される化け物武器になってしまった。




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