さて、地球でのどったんばったん騒ぎののちに紲星重工の学園通いの面々は学園に戻ってきていた。
あかりの両親並びに義弟妹はドミニコスによって拘束されており、現状を後悔しているがそれは自分たちが悪いわけではなく、あかりがしっかりと自分たちの言うことを聞かなかったからや奴隷のアーシアンをどう使おうがこっちの自由だろう!とほざいているらしく、ドミニコス隊司令のケナンジ・アベリーも呆れはて、あかりに引き取ってもらおうとしていたがあかりが断固拒否したので小惑星採掘基地に拘留することとなっていた。
なにはともあれ、学園のオープンキャンパスの準備に彼女たちも追われていた。
「で、ジム・コマンドを持ってきておいたのでゆかりさんはそれで出てください」
「分かりました。あ、ちょっと用事があるので抜けますね?」
「え?ええ、構いませんけど一体どこに?」
「まぁちょっとね?」
葵からオープンキャンパス特別イベント「ランブルリング」に参加する際の機体がジム改からジム・コマンドに変更となったことを聞かされていたゆかりは葵に一言言って紲星寮から抜け出し、倉庫エリアに向かった。
学園 倉庫エリア
「お待たせしました」
「いえ。私も今着いたところですから」
「二重スパイ任務にアスティカシア高等専門学園への潜入任務ご苦労様です。ニカ・ナナウラ特務中尉」
そう。ゆかりはエコーズ所属隊員にしてアスティカシア高等専門学園に一学生として潜入調査をしていたニカ・ナナウラから報告を受ける為に抜け出してきたのだ。
本来の歴史では彼女はシャディクが所有するペーパーカンパニーを後ろ盾として入学してきた心優しい学生であった。しかしこの世界線では彼女はゆかりがかつてスラム街で率いていたグループに身を守り生活するために所属しており、その過程で紲星重工に入社。以降ゆかりの腹心の部下として警備隊において整備士となって働いていた。
エコーズ結成時に総司令官となったゆかりからの手引きでエコーズに入隊。その後、メキメキと才能を現して破壊工作・戦闘・潜入調査等の特殊任務をこなす立派な一特殊隊員となっていたのだ。
そして二年前にアスティカシア高等専門学園に工作員として紲星重工の後ろ盾として入学し地球寮に入寮。後見人は京町セイカとなっている。
さらに入学時にシャディクから取引を持ち掛けられてシャディクの指示をテロリストに伝える役を求められた際には二重スパイとしての任務に従事。地球寮及び学園内では気弱な人物としての仮面をかぶりつつ内偵を進めていたのだ。
「それでどうですか?現状は」
「はい、つい先ほど地球寮に二人の転入生が入寮しました。名前はソフィ・プロネとノレア・デュノクです」
そう言ってニカはゆかりにiPad(みたいな機械)を渡して写真を見せた。
「彼女たちの後ろ盾は一応表向きは私と同じペーパーカンパニーなのでおそらくシャディク・ゼネリの手の者かと」
そうニカは報告した。
「確か先日のプラント・クエタの事件もその者の手引きでしたね?」
「はい。ただあの時に寮の仲間を守るためにとっさに相手のパイロットを制止させてしまったせいで地球寮の寮長から警戒されています。そのため下手に消息をくらますと面倒なことに…」
ニカは先日のプラント・クエタの事件の際に寮の仲間を守るために取った決死の行動でフォルドの夜明けに信号を送り危機を脱したが、彼女が退艦しない事を不審に思った地球寮長および事実上の艦長マルタン・アップモントに一部始終を目撃されていたことを話した。
「おやおや、あなたらしくない失態ですね。まぁ寮の仲間を守るための行動なので良しとしますか。それで今後の事態に関してあなたの予測は?」
「はい。おそらくMS格納庫に秘匿されている二機のMSは二機とも先日のプラント・クエタの一件で出現したガンダムタイプです。それにGUNDフォーマットを搭載しているでしょうから並みの機体では対処不可能かと思います。なのでいくらゆかり姐さんの駆るジム・コマンドでも苦戦は必須で、スペーシアン達にとっては再びの悲劇となる可能性が…」
ゆかりは失態については容認しつつニカに今後の展開の予測を求め、ニカは収集していた情報からほぼ原作の展開を言い当てた。
「ふむ…やはり難しいですか。一応本社でも旧スター・カンパニーの社員が残していたMSモドキの技術を応用して高速高機動の対GUND-ARM機の開発を進めていますがあれは機体自体の耐久性不足でマジで青い彗星になってしまいますから改修作業中ですし、対GUND-ARM用のシステムもいまだパイロットへの負荷問題から投入は無理‥‥、仕方ありませんね。ニカ・ナナウラ特務中尉!」
「は!」
「ランブルリング中に事件が発生した場合、即座に二重スパイ任務と学園内偵任務を破棄!その後コロンブス級輸送艦に極秘搬入させていたジム・スパルタンで事態の鎮圧にあたりなさい!」
「了解しました!!」
・RGM-02SS ジム・スパルタン(見た目は雑誌企画『F.M.S.』やHGのガンプラそのまま)
紲星重工が警備隊所属の特殊作戦群エコーズ用開発・生産したジム・コマンドの派生機。元々は陸戦型対ゲリラ戦用機体として開発・試作されたが陸戦のみならず宇宙空間での作戦を遂行するエコーズとしては性能不足な為に改良を求められ、誕生したのが本機だ。ジム・コマンド系列では最強格の一機であり、最強の名を有することとなるジムスナイパーⅡと同時期に開発が開始されていたがジムスナイパーⅡよりも早く完成し、生産された。開発はジム・コマンドを生産している青森工廠が行った。
機体各部に装甲が増設されており、うち胸部の装甲は胸部ダクトからの赤外線反応を低下させる機能も持たされ、脚部の装甲には爆発反応装甲が採用されている。さらに密林戦用として試作されていた各種装備もそのまま追加装備されており、これらによる重量増加を補うべく出力向上型のランドセルを採用するとともに、スラスター推力も強化されている。
機体番号のSSのうち、前のSはスパルタンの意味だが二番目のSはspace…つまり宇宙を意味している。
とはいえコスパがいいのがジム系列機のいいとこなのだがこのジム・スパルタンはコストがかさみ、大規模生産は難しい機体となってしまっている。(まぁ特殊部隊用の機体なので問題ないが…)
その後、ニカは気弱な人物としての仮面をかぶった状態で原作通りの行動を取った。
一方のゆかりは紲星寮に戻ってきた際に結構離れていたらしくあかりに叱られることとなった。
しかし、この彼女の行動によってこのオープンキャンパスは原作とはかけ離れた事態に発展していくこととなる。
地球圏 紲星重工管轄域 近畿地方
「おーらい!おーらい!!」
近畿地方では紲星重工とスター・カンパニーの交戦跡地の復興が進めらていたが…
「にしても…」
「どーしたの?」
「どわぁ!?弦巻司令!!し、失礼しました!!」
「いいっていいって!で、どうしたの?」
マキはため息をついていた隊員からため息をついていた理由を聞くと彼女も頭を抱えることとなった。
なんでも中国地方の反スペーシアン組織が最近怪しげな行動を取っており、万が一の場合は紲星重工警備隊はまた鉄火場をくぐることになりそうなのだ。
「まったく…平和に過ごしたいね‥‥」
「マキ司令殿が現役の間は無理なのでは?」
「なんだとーーー!!」
復興エリアは平和であった。
次回 事件勃発
次回は二~三日遅れるかもです
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