紲星重工の奮闘   作:島田愛里寿

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独立戦争
第十九話 地球政府樹立


クワイエット・ゼロ事件後、紲星重工は大規模な政争に巻き込まれることとなった。

 

 

 

「政府…ですか?」

 

 

「はい。これまでスペーシアン出身でありながら我々アーシアンのために数多くの事業を手掛け、支援もしてくださっている紲星あかり氏だからこそ打ち明けますが、私は地球に正当な政府を樹立したいのです」

 

 

そう病室のベットで横になっているあかりに話すのはアフリカ出身の人物である『ライラ・レシャップ』という男性だ。

 

 

彼はこれまではアフリカで独立運動組織を一つにまとめ上げ、スペーシアンへの抵抗運動の象徴として君臨していた。

 

 

しかし、紲星重工がスペーシアンに代わってアフリカにも展開するようになるとアーシアンへの待遇改善や積極的な支援政策を行った。

 

 

この行為にレシャップは感銘を受けたのだという。

 

 

あかりは確かにスペーシアンだ。しかし、前世の記憶を基にした価値観にのっとって行動しているので一般的なスペーシアンのような傲慢さを有していない。

 

 

だからこそレシャップはそのあかりの性格にかけて対談するに至ったのだった。

 

 

 

(とはいえレシャップはあかりが重傷であったのを知っていたので対談が無理そうなら時期をずらすと言っていたのだがあかりが会うといって聞かず、病室での対談となったのだが…)

 

 

「これまで我々アーシアンはスペーシアンによる圧政を一世紀にわたって受けつづけ、抵抗しようにもスペーシアンによる分離工作や兵器販売による誘惑などで一致団結することは不可能でした。しかし、宇宙議会連合やベネリットは先の事件で混乱状態です。なので今こそアーシアンによるアーシアンのための政府を樹立したいと考えているのです」

 

 

「‥‥あなたのお考えは十分に分かりました。私としても賛成できると思います」

 

 

「おお。本当ですか」

 

 

あかりの返答にレシャップは喜んだ。現在の紲星重工は地球のボスのような立場だ。あかりが反対しようものならレシャップの思想は成功しない。

 

 

「それでレシャップ氏は我が紲星重工に何を求めるのでしょうか?」

 

 

とはいえあかりも今や大企業の社長である。社員の生活を守るためにもしっかりと交渉をしなければいけない。

 

 

 

「はい。紲星重工に私が望んでいるのは‥‥」

 

 

 

 

数か月後‥‥

 

 

 

宇宙議会連合やクワイエット・ゼロでの騒動を経たミオリネ以下株式会社ガンダムの面々はようやく落ち着けた。

 

 

ニカは紲星重工所属であった関係もあり、すでに株式会社ガンダムを退職していたがいまだ友人としての関係は続いている。

 

 

 

「いや~やっと落ち着けたな?」

 

 

そう言うのはオジェロ・ギャベルである。

 

 

「まぁ最近いろいろあったしね」

 

 

マルタンはそう返す。

 

 

実際問題ベネリットや株式会社ガンダムはクワイエット・ゼロの当事者でもあったので遺族(スペーシアンのみ)への損害賠償や世間様への説明・記者会見等に追われており、休む機会がなかったのだ。

 

 

そう騒ぐ面々に少しあきれつつもミオリネがテレビを付けた瞬間、彼らは度肝を抜かれることとなる。

 

 

 

『我が地球政府は本日をもって宇宙議会連合からの独立を宣言する!!!』

 

 

 

 

地球

 

 

「これまで、我々アーシアンはスペーシアンによる圧政と技術・商品を享受するしかなかった。しかし、紲星重工による支援政策やその活躍は我々に違う技術や未来の選択肢を与えてくれた!!何を選択しどう活用するか!我々アーシアンには自ら選択し行動する自由が必要なのである!!技術こそイデオロギーなのである!!!」

 

 

『『『『『『『わぁぁぁぁぁぁーーーー!!!!』』』』』』

 

 

地球政府初代大統領『ライラ・レシャップ』の宣言と同時に各地から抽選で選ばれて式典に来た市民たちは歓喜の声をあげた。

 

 

この時を持って地球の施政権は紲星重工から地球政府へと移管された。

 

 

とはいえ紲星重工側に損ばかりというわけではない。紲星重工の社長であるあかりも今回の地球政府の幹部に就任すると同時に地球政府から各地への復興政策での事業受注・兵器製造・教導支援・警備業務・軍事活動における紲星重工警備隊と軍による共同作戦等、多岐に渡る事業依頼を受けたのだ。

 

 

スペーシアンへのパイプはほぼなくなっていたのもあって、紲星重工側には損どころか有益なことしかなかった。

 

 

あかり個人としても謝罪にすら来なかったスペーシアンへの信用は地に落ちるどころの話ではないレベルで信用できなかったのでアーシアンの地位向上につながるのであればとこの政府樹立を支援したのだった。

 

 

地球政府は地球全土と地球圏一帯、月面・月宙域を支配下とすると発表。スペーシアン系企業の即時撤収を厳命。

 

 

さらに各地に残って圧政を敷いているスペーシアン全員を拘束し、司法の裁きを下すこととなった。




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