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地球 日本列島 旧東京
「ここが地球ですか…」
あかりは親から指示された子会社に向かうために護衛のセイカとともに地球に降り立ったのだが、前世の記憶とかけ離れたかつての日本の首都東京に唖然としていた。
西暦2020年代では政治の腐敗等で国民の生活が困窮していたとはいえ、大小様々なビル群が立ち並び、街並みの清潔、スカイツリーや東京タワー、東京駅等の観光名所の他にも皇居や靖国神社、明治神宮といった日本古来の神社仏閣などもあるまさに日本の首都圏と言った場所だった。
しかし、A.S.117の地球はあかりが想像していた以上に荒廃していた。
ベネリットグループを含むスペーシアンの利権構造である戦争シェアリングが原因である。
この戦争シェアリングとは簡単に言えば地球圏での紛争に使用される兵器群のシェアを、スペーシアン企業が独占・管理するというもので、戦争するなら企業を通さなければできなくするシステムであり、死の商人そのままである。
このようなロクでもない構造を導入したことについては頭を抱えざるを得ないが、こうでもしないとそれ以上に凄惨な戦争が続いていたこともあって導入されたわけであるのだが…。
とはいえこんな腐ったシステムに依存しているのが現在のスペーシアンなのだがこんなことを続けている以上、アーシアンに憎まれるのは当然であるし、実際に紛争をさせられているアーシアン側の疲弊もかなりのものとなっているのでいつまでも続けられるわけがない。
下手をするとそのうちこの構造は手ひどいしっぺ返しを食らって瓦解するとあかりは見ていた。
(まぁ瓦解するのは自業自得ですけどもまずはくだんの子会社に行かないと)
「セイカさん。そろそろ行きましょう?」
「あ、そうですね!今車を回します!」
そうしてセイカの運転する車(黒塗りのリムジン)に乗って一応維持されている高速道路を通って社長になる子会社に向かうこととなった。
そうして向かっている最中に外を見ていたあかりはため息をつかずにはいられなかった。
(前世で生活していたあの東京がここまで荒廃してしまうとは‥‥。悲しくなるなぁ)
そうして到着した会社は…
「…まぁ、期待はしていなかったけどね?でも‥‥想像以上に会社自体がでかいんだけど!?」
そう。彼女としてはあの屑親が自分を追放目的に創設させた会社なんだから掘っ立て小屋か町工場レベルだと思っていたのだ。
それが蓋を開けてみれば本社らしき建物と工場らしき建物が一体となっており、周りがスラム街なのにここだけ清潔感たっぷりな見た目であった。
「あ~。多分、あかりお嬢様のご実家はベネリットグループ傘下の中でも中の上の方にいるので子会社であっても機能設備や清潔感がないと下に見られると思ったんじゃないですかね?」
とセイカが予想するがまさにその通りである。
「はぁ~。まぁそこだけは感謝ですかねぇ。で、社員の皆さんは?」
「いません」
「はい?」
「ですからいません。私とあかりお嬢様の二人だけですし、社名も決まってません」
「…あんの糞親ーーーーーーー!!!」
まずは社員確保と社名選定から始めることとなったあかりであった。
「…今日はこれだけですか?」
「うん。というかこれでもいい方じゃない?」
「まぁそうですね」
ここは紲星あかりが社長を務めることとなっている会社付近のスラム街の一角。そこには紫色の髪をした少女が同年代の少年や少女たちと徒党を組んで食料確保をしていた。
その組織のリーダーをしている少女は結月ゆかりという。
「はぁ。まったく半月前にスペーシアンにあそこの土地を押収されたせいで食糧確保が一層難しくなりましたね…」
そう。あの会社の建物が建っていた所は元々、小さな森になっていてこの付近では希少な食料の生る木や植物、動物が多く生息していたのだが、あかりの両親はしったことかと潰してしまったのだ。(のちにあかりもこのことを知って激怒したとか)
「まったくスペーシアンは‥‥ん?」
愚痴を言いつつ外をみたゆかりはある少女とOL風の女性を見つけた。
『まぁともかく近隣住民の皆さんに挨拶をした方がいいですよね?』
『いやいやいや!!あかりお嬢様正気ですか!?』
そこには背中に多きなバックを背負っている白髪の少女がバックから食料を取り出して食べつつこっちに向かってきていた。
「…鴨がネギを持ってきてくれましたか」
「まったく、セイカさんはなんでそんなに拒否するんですか?理由を求めます」
「はぁ~。あかりお嬢様は「お嬢様はいいです」‥ではあかりさんで。あかりさんは宇宙で暮らして来たから平和ボケしてるんですよ!まずその背中のバックには何が詰まってますか!?」
「食べ物…というか携帯食料」
「なんでそんなに持ってきたのかと言うことはおいておきますけどね!まず…!!」クドクド!!
とセイカが目をつむって叱っていた最中…!
「ムグ!?」
一瞬であかりの背後に何者かが回り込んであかりの口をふさいでさらってしまった。
「…と言うわけですよ!!ってあれ?…あー!!あかりお嬢様ーー!!」
セイカも説教分が言い終わって目を開けたらあかりがいなく辺りを見渡したら遠くに連れ去られるあかりをみて『またやらかした!!』と自身を責めつつ慌てて追いかけ始めた。
数分後‥‥
「で…あなたたちは私になんの御用でしょうか?」
「見ればわかるでしょう?あなたのバックに用があるんですよ」
誘拐されたあかりは一見落ち着いて見えていたが内心は慌てくっていた。
(え!?ゆかりさん!?)
「…もしかして食料ですか?」
「ええ、今すぐに私たちにその食料わ「はいどうぞ」…はい?簡単に渡しすぎじゃないですかね??」
ゆかりはあかりがすぐに食料を渡してきたので呆れていた。
とはいえ子分たちは喜んで食べていたのでゆかりも食べたが。
「それで私をどうするんですか?」
「ふむ…どうしましょうかね?食料を強奪する予定でしたが…」
とあかりの問いにゆかりは悩んでいたその時‥‥
「あべし!?」
「な、なんだこいつあぼはぁ!?」
「な!?い、一体!!」
ドガァン!!!
「お嬢様ー!助けに来ましたーー!」
「お嬢様は要らないって言ったのに…」
セイカが殴り込んできたのだ。
「く!!ってわぁ!?」
「ふふん!格闘技を極めた私に勝とうなんて甘い甘い!!」
「そう言うんだったら誘拐されないと思いますけどね?」
「うぐ!?」
ゆかりを一瞬で拘束したセイカは得意げに言うがあかりからのツッコミに少々ダメージを受けた。
「まぁいいです。それでお姉さん?」
「な、なんですか?」
「スカウトしたいんですよ。私の会社に来ません?」
スラム街の一介の少女だった結月ゆかりの人生が変わる瞬間であった。
次回 製品開発
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