紲星重工の奮闘   作:島田愛里寿

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第六話 MS開発

さて、前話から数年がたったA.S.121。

 

つまり今は原作開始一年前である。

 

 

そんな中、紲星重工の会議室ではある重要な議題でもめていた。

 

 

MS開発である。

 

 

 

 

「ですから!!わが社が開発する機体は生産性重視で行った方がいいです!!」

 

 

「何を言うんですか!生産性が良くても機体自体の性能が悪かったら有事の際にパイロットを危険にさらします!機体性能を突き詰めるべきです!!」

 

 

「いいや!速度だ!速度はすべてを解決する!!」

 

 

「速度が速くても打撃力が無かったら意味がないだろう!ここはやはり戦車型のようなものを!!」

 

 

と会議は紛糾していた。

 

 

 

そもそもなぜモビルワーカー等の生産をしていた紲星重工がMS?と思うかもしれないがこれは企業の生存戦略の結果なのである。

 

 

あれから順調に業績を上げ続けた紲星重工は宇宙事業にも手を広げて運送業務を行うようになった。

 

 

その過程であるものを空間作業隊*1が拾ったのだ。

 

 

それはA.S.101にカテドラルによって殲滅されたヴァナディース機関が開発していたガンダム・ルブリス量産試作モデルのうちの一機、『LF-02』の残骸であった。

 

 

これらガンダム系の機体はカテドラルによって回収、廃棄されたはずであったがこの機体は何の因果か戦闘の際の爆風などによって研究拠点宙域からほうりだされており、ほぼ二十年間さまよっていた所を新商品として開発されていたMP-01モビルポット『ボール』の実地試験を行っていた空間作業隊に拾われたのだった。

 

 

そのまま捨ててもよかったのだが『もったいない』と思った現場作業員たちはスペーシアンのGUNDフォーマットへの嫌悪感なんぞに付き合ってられるかとカテドラルに届けずにそのまま持って帰って来たのだ。

 

 

この報告に会社上層部は狂喜した。

 

実はモビルワーカーや開発中のモビルポットだけではどう考えても今はよくてもそのうち会社が成り立たなくなる。だったら他社もやってるMS産業に多少なりとも参入しておこうというのは前々から検討されていた。

 

 

しかし、考えてみてほしい。

 

 

何度も言うがこの紲星重工はスター・カンパニーの子会社なのだ。

 

 

上納金モドキが指定されているしなんでか一年間の予算表を寄越せと言ってくる。(まぁ後者は断固拒否したが)

 

 

おまけにスター・カンパニーはベネリットグループの中でも順位が中の上の位置にあり、紲星重工は子会社なのでこのスペーシアン上位社会ではベネリットグループの意向には逆らえない。

 

 

さらにスター・カンパニーを経営する親共はなんでかグループの上位の面子*2にウケがいいらしく簡単に企業間圧力をかけてくる。

 

 

本来であれば宇宙議会連合という政府モドキが多少なりとも是正すべきなのだが、ベネリットは強大な組織な上にスペーシアン優越思想の権化のような爺どもばかり。

 

 

はっきり言ってあてにならない。

 

 

 

なのでMSを参考がてらに購入しようとしてきたのだがことごとく妨害・圧力をかけられて参考用の機体が入手できず、開発ができなかったのだ。

 

 

そのため、このLF-02の入手はまさに天祐であった。

 

 

すぐさま本社直轄の研究所・工場併設の第01工場に搬入され、徹底的に分解された。

 

 

(なおこの際にコックピットがあったらしき箇所に大穴が開いていてなおかつ血痕らしきものもあったのでお祓いと鎮魂の儀が執り行われてから作業を行った)

 

 

その際にGUNDフォーマットらしきシステムが回収されたがあかりは『この技術はまだ人類には早い』として即刻封印させた。

 

 

 

なんやかんやありつつもMSの理論や基礎設計などが学べたので『さぁ!作ろう!!』となったのだがコンセプトでもめているわけだ。

 

 

さて、冒頭の会議に視点を戻そう。

 

 

「お、落ち着いてください!!ともかく今は売れそうな方針で進めましょう?ただでさえスペーシアン系のMSの方が優秀かつ市場で圧倒的に優位なんですから!!」

 

 

というあかりの意見で場は何とか収まったがその肝心な機体をどうするかは決まらない。

 

 

とにかく他社の機体との差で勝負するしかないと考えた彼女たちは基本プランを決めて現場に任せることにした。

 

 

(というか彼女たち経営陣もMSについてよくわかってない)

 

 

設計陣には以下のことが条件として伝えられた。

 

 

1.可能な限り安くすること

 

2.パイロットの安全性は最大級に考慮すべし。可能なら練習が短時間で済むように簡単に操縦ができるとなおよい

 

3.参考にしたLF-02の面影を残すな(絶対もめるから)

 

4.発展性には最大級気をはらうように、発展型が多少高くなったとしてもいいからその基礎となるようにするべし

 

5.競合他社の機体とは違った風格を見せるように(安っぽいのはだめ)

 

 

 

…結構無茶な要求だと思うのは自分だけであろうか?

 

 

これ、面影云々を除けば1947年以降コピー品含めて今なお各国で使用され続けている総生産数1億丁以上のアサルトライフル『AK-47』みたいな機体を作れって言ってるようなもんです。

 

 

実際この指示を受けた設計陣は頭を抱えた。

 

 

彼らとしては多少なりとも面影を残しつつビーム兵器を扱えて多彩な状況に対応できる万能機を目指していたのだがここまで指定されては要望通り原型となる機体を設計せざるを得ない。

 

 

なので徹夜覚悟で何週間も会議を重ね、設計を進めつつ外部に漏れないように防諜にも気を使い続けた。

 

 

そしてようやく機体が完成した。

 

 

 

設計開始から十か月の期間を要したが…

 

 

機体情報は以下の通りだ。

 

 

・RGM-01A ジム(MS IGLOO版の無印ジム)

 

紲星重工が初めて開発し、MP-01『ボール』とともに市場に発表した記念すべき機体である。

 

その実態は空間作業隊が回収したLF-02の機体設計を参考にして設計されている。

 

とはいえ初のMS開発であり競合他社の高性能なMSに対抗するべくできる限りの製造コストの削減が図られていて性能よりも生産性が重視されている。

 

コストパフォーマンス追求の為に、装甲材がLF-02の使っていたGUNDフォーマットの運用を想定した装甲材から安いチタン系合金に変更され、各所の部品も平凡なものが使用されている。

 

ジェネレータはパーメットシステムを完全に使用しない自社設計なのだが出力がいまいち安定していないのでビーム兵器の運用はこのA型ではできないが同時開発されていた100㎜・90㎜マシンガンやハイパーバズーカ等の実弾兵器の運用は可能であり、ビームサーベルの運用に関しては何とか可能である。

 

初の開発だったので技術不足な点が多数見受けられるが汎用性と生産性を突き詰めたこの機体は大変使いやすく、部品も安いので作業用機体として各フロントでモビルワーカーや『ボール』と共に採用された他、過激な反スペーシアン組織がペーパーカンパニーを経由して裏ルートで入手した機体も存在している。

 

このジムは紲星重工がこれから開発していくモビルスーツの中で〝ジムシリーズ"の筆頭として名を残すこととなった紛れもない名機である。

 

おまけにこの機体を基準にして様々な型や派生型の原型となったので、紲星重工の顔となった機体である。

 

 

 

 

 

この機体の完成を持って紲星重工は堂々とMS産業に参入し、親会社の面子を完全に叩き潰すこととなった。

 

 

親や義兄弟たちは怒り狂っていたようだがあかりは知ったことではなく鬼電ともいえるメールは着信拒否にして対処していた。

 

 

 

これがプロローグにつながるとはあかりはこの時まったく考えていなかった。

*1
宇宙空間で作業を行う部隊…作業班のこと

*2
特にペイル社




次回 原作開始! 入学

土星エンジン搭載機だったりオッゴの母機なんかもそのうち出す予定ですのでお楽しみ!!


警備隊にUCのECOAS(エコーズ)みたいな特殊部隊を用意する予定なんですが運用予定のMSはどれがいいでしょうか?ちなみにジムスナイパーK9とジム・スパルタン、ロトは登場予定です。

  • ジムコマンド
  • ジムスナイパーⅡ
  • ジムスナイパーカスタム
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