問題児たちが異世界から来るそうですよ?〜死神って問題児に入るんですか?〜   作:レインディア

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第二話。
この後どうするかで少し考えておりますが……

今回は割と原作文多めです。次回は少しオリジナルに向かうかと


死神が箱庭に召喚されたようですよ?

「………はぇ?」

 

手紙を読んだ後、私はいきなり空中へと放り出されていた。

多分上空ウン千メートルだと思う高さに目が眩みそうになるが、それどころじゃない。

気がつくと真下には湖のような者が広がっていた。ここに突っ込むと服が水で酷いことになるのは間違いないだろう。

私は緊急で()()()()()

 

(「ズーさんズーさん!ちょっと羽貸して!」)

 

するとすぐに返事が返ってきた

 

(「………やだ」)

「ちょっ!ズーさん!?まって話しくらい聞いてよ〜!!」

 

そんな言葉を吐きながら、私は水へと突っ込むのだった。

 

 

結果、水に突っ込んでも目立った外傷はなかったが、お気に入りのワンピースが水浸しになったのはちょっと心にきた。

私が水から顔を出したとき、見るからに「お嬢様」って感じの女の子と不良っぽい少年は陸地に上がったらしく、それぞれが罵詈雑言を吐き捨てている最中だった。

 

「し、信じられないわ!まさか問答無用で引き摺りこんだ挙句、空に放り出すなんて!」

「右に同じだクソッタレ。場合によっちゃその場でゲームオーバーだぜコレ。石の中に呼び出された方がまだ親切だ」

 

………一般的には石の中に出された方が詰むんじゃなかろうかそれは。

などと聞き流しながら陸地に上がり、ワンピースの端を絞って水気を減らす。

服を絞りながら、猫を連れた女の子が話しを切り出した。

 

「此処………どこだろう?」

「さあな。まぁ、世界の果てっぽいものが見えたし、どこぞの大亀の背中じゃねえか?」

 

会話を聞く限り、少年は博識のようだ。あと自信過剰の気もあるだろう。

そうして、皆が服を絞り終えた頃、少年が髪をかき上げながら話し始めた。

 

「まず間違いないだろうけど、一応確認しとくぞ。もしかしてお前達にも変な手紙が?」

「そうだけど、まずは”オマエ”って呼び方を訂正して。私は久遠飛鳥よ。以後は気をつけて。それで、そこの猫を抱きかかえている貴方は?」

「…………春日部耀。以下同文」

「そう。よろしく春日部さん。次に、野蛮で凶暴そうなそこの貴方は?」

「高圧的な自己紹介をありがとよ。見たまんま野蛮で凶暴な逆廻十六夜です。粗野で凶悪で快楽主義と三拍子そろった駄目人間なので、用法と用量を守った上で適切な態度で接してくれお嬢様」

「そう。取扱説明書をくれたら考えてあげるわ、十六夜君」

「ハハ、マジかよ。今度作っとくから覚悟しておけ、お嬢様」

「そして……最後に、そこの珍しい髪色の貴方は?」

「え?……私の事ですか?」

 

いきなり話をふられてしまった。というか、先が黒い金髪はそこまで珍しいのだろうか?

 

「えっと………天入照羽です。………私の髪ってそこまで変なんですか?」

「ええ。だって髪の色が自然に変化してるなんて、珍しいじゃない」

 

まぁ、そうなのだが。元の世界では突っ込まれたことが無かったから、なんだか新鮮である。

そして、1人無関心を貫いているのが正直面倒だった。

 

そんな彼らを物陰から見ていた人物は、心の中で

(うわぁ………なんか問題児ばかりですねえ……)

と心の中で呟くのだった。

 

 

「で、呼び出されたのはいいけどなんで誰もいねえんだよ。この状況だと、招待状に書かれていた箱庭とかいうものの説明をする人間が現れるもんじゃねえのか?」

「そうね。なんの説明もないままでは動きようがないもの」

「………。この状況に対して落ち着きすぎてるのもどうかと思うけど」

 

まったくその通りだった。これじゃその人が居ても出るタイミングを失ってるんだと思う。

私としては、森のほうから()()()()()罪悪感みたいなものがすごく気になるところだけれど。

すると、十六夜君がため息混じりに呟いた。

 

「仕方がねえな。こうなったら、そこに()()()()()()()()()話を聞くか?」

 

物陰から恐怖のような感情が大きく流れてくる。

 

「なんだ、貴方も気づいていたの?」

「当然。かくれんぼじゃ負けなしだぜ?そっちの猫を抱いてる奴と髪色が変な奴も気づいてたんだろ?」

「風上に立たれたら嫌でもわかる」

「なんか変な感情流れてきたからね……」

「…………へぇ?面白いなお前ら」

 

表情は軽薄そのものだが、肝心の目が笑ってない。そんな十六夜の視線を無視して私は感情の元の方に冷ややかな視線を向けた。

お気に入りの服が台無しになったんだ。これくらい当然でしょ。

そうすると、感情の主が茂みから顔を出しながら話しを始めた。

 

「や、やだなぁ御四人様。そんな狼みたいに怖い顔で見られると黒ウサギは死んじゃいますよ?ええ、ええ、古来より孤独と狼はウサギの天敵でございます。そんな黒ウサギの脆弱な心臓に免じてここは一つ穏便に御話を聞いていただけたら嬉しいでございますヨ?」

「断る」

「却下」

「お断りします」

「許しません」

「あっは、取りつくシマもないですね♪………って、最後だけ本気の殺意がこもっておりませんか!?」

 

謎のウサ耳女がバンザイの姿勢を取りながらも、私達の値踏みをしているようで一層嫌悪感がでてくる。

すると、おどける演技をしている彼女の隣に立った耀さんがそのウサ耳を

 

「えい」

「フギャ!」

 

力一杯引き抜こうとしていた。

 

「ちょ、ちょっとお待ちを!触るまでなら黙って受け入れますが、まさか初対面で遠慮無用に黒ウサギの素敵耳を引き抜きに掛かるとは、どういう了見ですか!?」

「好奇心の為せる業」

「自由にも程があります!」

 

それは私も思った。

 

「へぇ?このウサ耳って本物なのか?」

「………。じゃあ私も」

「ちょ、ちょっと待───」!

 

そして、黒ウサギと名乗った女性は問題児(私を除く)によって言葉にならない悲鳴を上げたのだった。

 

 

そんなわけで、黒ウサギが問題児三人と戯れているのをのほほんと見守るという惨状が暫く続いて……

 

「───あ、あり得ない。あり得ないのですよ。まさか話を聞いて貰うために小一時間も消費してしまうとは。学級崩壊とはきっとこのような状況を言うに違いないのデス」

 

……多分だけど、まだ学級崩壊の方がマシなんじゃないかと思う。

 

「いいからさっさと説明しろ」

 

そして十六夜君のこの態度は、一体どこから出てくるものなのだろうか。

黒ウサギは気を取り直すかのように咳払いをし、両手を広げながら話しを始めた。

 

「それではいいですか、御四人様。定例分で言いますよ?言いますよ?さあ、言います!ようこそ”箱庭の世界”へ!我々は御四人様にギフトを与えられた者達だけが参加できる『ギフトゲーム』への参加資格をプレゼントさせていただこうかと召喚いたしました!」

 

以下、黒ウサギの説明はこうだった。

 

・ここは人や悪魔や神など、様々な種族が生活する場所であること

・呼び出された私達は「才能(ギフト)」と呼ばれる特殊な力を持っていること

・この世界は必ず”コミュニティ”に属さなければならないこと

・この世界では”ギフトゲーム”と呼ばれる様々なゲームに参加することが出来ること

・ギフトゲームには金品やギフトなど、様々なものが賭けられていて、勝者が手に入れられること

・ギフトゲームは基本的な箱庭のルールであること

 

半分ほど聞き流したのもあるけどおおよそこんなところだろう。

 

「さて、皆さんの召喚を依頼した黒ウサギには、箱庭の世界における全ての質問に答える義務がございます。が、それらを全て語るには少々お時間がかかるでしょう。新たな同士候補である皆さんをいつまでも野外に出しておくのは忍びない。ここから先は我らのコミュニティでお話させていただきないのですが……よろしいですか?」

「待てよ。まだ俺が質問してないだろ」

 

十六夜君がいきなり声を上げる。

それを言ったら私も質問はしてなかったんだけど……。

 

「「……どういった質問でしょうか? ルールですか? ゲームそのものですか?」

「そんなのは()()()()()()。腹の底からどうでもいいぜ、黒ウサギ。ここでお前に向かってルールを問いただしたところで何かが変わるわけじゃねえんだ。世界のルールを変えようとするのは革命家の仕事であって、プレイヤーの仕事じゃねえ。俺が聞きたいのは、ただひとつ。あの手紙に書いてあったことだけだ」

 

そうして十六夜君は私達を見回して、そして巨大な天幕に覆われた都市に目を向けて言った。

 

「この世界は……()()()()?」

 

とてもどうでも良さそうで、それで居て一番大事な事だ。

周りが返事を待つ中、黒ウサギは真剣に、そして笑うように

 

 

「───YES! ギフトゲームは人を越えた者達だけが参加できる神魔の遊戯。箱庭の世界は外界より面白いと、黒ウサギは保証いたいます♪」

 

と言うのだった。




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