問題児たちが異世界から来るそうですよ?〜死神って問題児に入るんですか?〜   作:レインディア

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照羽「え………?私も前書きと後書きに出てって…?」
前書きとか苦手だからお願いします(orz)
照羽「いや、別にいいんだよ?更に面倒になるだろうけど」
せやね。

そして想定以上にオリジナルに走るとか……


死神と問題児が世界の果てに行くようですよ?

そして時は進んで、場所は箱庭二一〇五三八〇外門。ペリドット通り・噴水広場前。

黒ウサギと問題児達は箱庭の内壁へと向かっている。

外壁の近くまで行くと、彼女たちの前にはダボダボのローブを着た少年が立っていた。

その姿を見つけた黒ウサギは笑顔で声を掛ける。

 

「ジン坊っちゃーン!新しい方を連れてきましたよー!」

「お帰り、黒ウサギ。そちらの女性2人が?」

「はいな。こちらの御四方様が───」

 

クルリ、と振り返った黒ウサギ。

そして硬直する黒ウサギ。

 

「………え、あれ?もう2人いませんでしたっけ?ちょっと目つきが悪くて、かなり口が悪くて、全身から”俺問題児!”ってオーラを放ってる殿方と、髪色が珍しい少し大人しい感じの姫方が」

「ああ、十六夜君と照羽さんのこと?十六夜君は”ちょっと世界の果てを見てくるぜ”と言って駆けだしていったわ。あっちの方に。それと照羽さんは”面白そうだしちょっとついて行ってみるね!”と言って同じ方に駆けだしていたわ」

 

飛鳥が指さす方は断崖絶壁の見えた方角だった。

 

「な、なんで止めてくれなかったんですか!」

「”止めてくれるなよ”と言われたもの」

「ならどうして黒ウサギに教えてくれなかったのですか!?」

「”黒ウサギには言わないでね”と言われたから」

「嘘です、絶対嘘です!実は面倒くさかっただけでしょう御2人さん!」

「「うん」」

 

がくりと前のめりに倒れた黒ウサギは、つい数分前の浮かれていた自分を妬んでいた。

 

 

黒ウサギたちが外門に着いた頃、(天入照羽)は十六夜くんを追っていた。

 

「……十六夜くん、いくらなんでも早すぎるんじゃないかな」

 

そう言いながら、()()()()()()()()()()()()を羽ばたかせながら、暇をつぶすように()()()()()

 

(「そうだ。バラちゃん、羽貸してくれてありがとね」)

 

するとその言葉に反応するように返事が返ってきた。

 

(「いやいや、私も暇してたし。それになんか面白い事になってそうだしね」)

(「うん。”箱庭”って所に飛ばされたからね。知らないもの一杯で面白そうなんだよ」)

(「”箱庭”……ね。一杯楽しんじゃいなよせっかくなんだし」)

(「うん!また羽借りたりするかもしれないから、そのときはよろしくね!」)

(「はいはい。いつでも頼ってね」)

 

会話を弾ませながら空を飛んでいると、目の前で大きな水しぶきが見えた。

 

「えっと………あれ、何やったんだろう」

(「さぁ、とりあえず行ってみたら?」)

 

羽を羽ばたかせながら、彼女は世界の果てに向かって速度を上げたのだった。

 

 

世界の果てに着くと、目の前では巨大な蛇と十六夜君が戦っている途中のようだ。

そして、彼の近くにピンク色の髪の黒ウサギが降り立っている。

会話こそ聞こえないが、黒ウサギは相当怒っているようだった。

そっと近寄ると、2人は此方に気が付いたようで、本心の見えない笑顔と怒りを向けてきた。

 

「照羽さんまで!一体どこまで来ているんですか!?」

「”世界の果て”まで来ているんですよ、っと。そんなに怒るなよ」

「そうそう。それにしても2人とも早いんだね」

「むっ、当然です。黒ウサギは”箱庭の貴族”と謳われる優秀な貴種です。その黒ウサギが」

 

言葉の途中で首を傾げる黒ウサギ。多分そんな黒ウサギが追いつけてなかったという事実が引っかかったのだろう。

 

「ま、まぁ、それはともかく!十六夜さんも照羽さんも無事でよかったデス。十六夜さんが水神のゲームに挑んだと聞いて肝を冷やしましたよ」

「水神?──────ああ、()()のことか?」

 

きょとんとする黒ウサギ。十六夜が指を向けた先にいたのは身の丈三〇尺強はあるような大蛇だった。多分この辺りを仕切っているボスか何かだろう

 

『まだ…………まだ試練は終わってないぞ小僧ォ!!」

「蛇神……!ってどうやったらこんなに怒らせられるんですか十六夜さん!?」

 

ケラケラ笑う十六夜君。多分ろくな事してないんだと思う。

 

「なんか偉そうに『試練を選べ」とかなんとか、上から目線で素敵なこと言ってくれたからよ。俺を試せるかどうか試させてもらったのさ。結果はまあ、残念な奴だったが」

 

ほら、やっぱりろくでもない。

 

『貴様………付け上がるな人間!我がこの程度の事で倒れるか!!』

 

水神が眼光を光らせ、それに呼応するかのように風が水柱を作り出す。

……また服濡れちゃうなぁ。

 

「十六夜さん、下がって!」

「何を言ってやがる。下がるのはテメェだろうが黒ウサギ。これは俺が売って、奴が買った喧嘩だ。手を出せばお前から潰すぞ」

 

庇おうとしてくれた黒ウサギに向ける言葉じゃないでしょ。気持ちは分かるけど。

 

『心意気は買ってやる。それに免じ、この一撃を凌げば貴様の勝利を認めてやる』

「寝言は寝て言え。決闘は勝者が決まって終わるんじゃない。敗者を決めて終わるんだよ」

 

超高圧的な態度を見せる十六夜君。もう何も言うまい。

 

『フン────その戯言が貴様の最後だ!』

 

ぶわっと大きなうねりを上げながら水柱が三本生まれる。まさに”神様”と言える破壊力である。

そしてそのまま水柱はあらゆる物を飲み込んで、十六夜君へと向かっていく。

 

「十六夜さん!」

 

黒ウサギが叫ぶが……もう遅かった。

水柱は辺りの木々をねじ切り、そして十六夜君の体を呑み込んで───

 

「──ハッ───しゃらくせえ!!」

 

そして、十六夜君の腕の一振りで霧散した。

どこまで異常なんだろうこの問題児は。

 

「嘘!?」

『馬鹿な!?』

 

声を上げる黒ウサギと水神。自分の全身全霊を込めた一撃が簡単に打ち砕かれたのだからしょうがないと言えばそれまでなのだけれど。

 

「ま、中々だったぜオマエ」

 

獰猛な笑顔でそんな事を言いながら、水神に蹴りをたたき込む。

私が言える立場じゃ無いけど、どこまでオカシイのさ十六夜君は。

 

「くそ、今日はよく濡れる日だ。クリーニング代ぐらいは出るんだよな黒ウサギ」

「………流石に箱庭にクリーニング店は無いと思うよ?」

 

つい口を出してしまった。でも当の黒ウサギが呆然としているのだから無言というのも嫌なわけで。

しかし十六夜君は私の事なんか気にせず、黒ウサギの背後へと回っている。

 

「おい、どうした?ボーっとしてると胸とか足とか揉むぞ?」

 

……本当に十六夜君って、何者なんだろう。

あきれ半分のまま、私は2人のやりとりを聞くのだった。

 

 

「オマエ。なにか決定的な事をずっと隠してるよな?」

 

2人を傍観していると急に十六夜君がこんな事を切り出していた。

いや、正しくは「前から思ってたけど、確信し始めたから聞いた」という感じだろうか

 

「………なんのことですか?箱庭の話ならお答えすると約束しましたし、ゲームの事も」

「違うな。俺が聞いてるのはお前達のこと───いや、核心的な聞き方するぜ。黒ウサギ達はどうして俺達を呼び出す必要があったんだ?」

 

十六夜の棘のある質問に動揺の感情を滲み出す黒ウサギ。

一番重要で、そしてずっと隠していたことだ。

 

「それは……言ったとおりです。十六夜さん達にオモシロオカシク過ごしてもらおうと」

「───そうじゃないんでしょ?ただそれだけのために私達を呼ぶなんて()()()()()()じゃない?」

 

黒ウサギと十六夜君の会話に突如割り込んで見た。

私の言葉が大方合ってたのだろう。黒ウサギは動揺を隠せないでいた。

 

「多分なんだけど、黒ウサギが今居るコミュニティは元々小さいか、何かの理由で小さくなったんじゃない?だから強力な戦力として私達が呼ばれた。こう考えると此処まで追ってきたこととか色々説明が付くと思うんだけど、どうなのかな?」

「っ…………!」

 

内心舌打ちでもしたんだろう。コミュニティに入る前に知られるのは彼女たちにとって大打撃となるような情報だったんだろう。

十六夜君は私と同じ考えだったようで、私の言葉に続いて会話に加わる。

 

「それで、そんな事を隠してたって事はだ。俺たちにはまだ他のコミュニティを選ぶ権利がある判断できるんだが、、その辺どうよ?」

「………」

「沈黙は是也、だぜ黒ウサギ。この状況で黙っていても状況は悪化するだけだぞ。それとも他のコミュニティに行ってもいいのか?」

「や、だ、駄目です!いえ、待ってください!」

「なら、包み隠さずちゃんと話した方がいいと思うよ?」

 

十六夜君は手頃な岩に、そして私はバラちゃんの羽で少し浮いてから話を聞くことにした。

 

「………話せば、協力してくれますか?」

「ああ、()()()()()()

「十六夜君と同じ……かな?」

 

十六夜君は声だけ笑いながら黒ウサギの話を促す。

そして私も、上辺だけの笑顔で対応する。

 

「………分かりました。それではこの黒ウサギもお腹を括って、精々オモシロオカシク、我々のコミュニティの惨状を語らせていただこうじゃないですか」

 

コホン、と咳払いを挟んで黒ウサギは話を始める。

 

「まず私達のコミュニティには名乗るべき"名”がありません。よって呼ばれる時は名前の無いその他大勢”ノーネーム”という蔑称で称されます」

 

まずは名無しである、と。

 

「次に私達にはコミュニティの誇りである旗印もありません。この旗印というのはコミュニティのテリトリーを示す大事な役目も担ってます」

 

次に、自分のエリアだと主張もできない、と。

 

「”名”と”旗印”に続いてトドメに、中核を成す仲間達は1人も残ってません。もっとぶっちゃけてしまえば、ゲームに参加出来るだけのギフトは持っているのは122人中、黒ウサギとジン坊っちゃんだけで、後は10歳以下の子供ばかりなのですヨ!」

 

そしてまともな戦力も無い、と。

 

「もう崖っぷちだな!」

「ホントですねー♪」

 

言っておいて項垂れないで黒ウサギさん。

それにしても大惨事過ぎる。やっぱり何かの理由で衰退したんだろうか?

 

「で、どうしてそうなったんだ?黒ウサギのコミュニティは託児所でもやっているのか?」

 

十六夜も同じ事を思ったのか、黒ウサギに皮肉混じりに質問した。

その言葉に、黒ウサギは首を振って話を続ける。

 

「いえ、彼らの親も全て奪われたのです。箱庭を襲う最大の天災──”魔王”によって」

「ま……魔王!?」

 

”魔王”──予想外の言葉に、私は反応できないでいた。

 

「魔王!なんだそれ、魔王って超カッコイイじゃねえか!箱庭には魔王なんて素敵ネーミングで呼ばれる奴がいるのか!?」

「え、ええまあ。けど十六夜さんが思い描いている魔王とは差異があると………」

「そうなのか?けど魔王なんて名乗るんだから兄弟で凶悪で、全力で叩き潰しても

 

「全部の魔王が悪いわけじゃないよ」

 

 

「………え?」

「………おい、どういうことだ?」

 

突然の事に惚ける黒ウサギと言葉を遮られて気分を害したらしい十六夜が私を見つめてくる。

 

「………言葉のままだよ。”魔王”が全て完全な悪ってわけじゃないんだよ」

「……へぇ?そう言うんだから理由があるんだろうな?」

 

異常に冷ややかな目で私を睨む十六夜くん。

 

「理由?………だって()()()()()()()

 

 

「「…………は?」」

 

2人して気の抜けた声を出して………予想はしてたんだけどさ。

悪魔の翼を広げ、私は小悪魔のように笑いながら2人に告げる。

 

「私、これでも魔王……というか死神なんだよ?」




照羽「私のカミングアウト、早くない?」
早いと思うよ私も。
照羽「じゃあなんで?」
ここで言わないと2巻辺りまで話挟めないと思ったから。
照羽「いや、その理屈はおかしい」


感想等々おまちしてます。
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