深夜0時。
協力戦終了の時刻となり、スタメンの皆は、一度エテルノの作戦会議室へと転送される時刻。
私は先回りし、会議室の扉の前で、メンバー達の戻ってくるのを待っていた。
暗がりの中、扉に耳をあてて。
「皆、協力戦お疲れ様だよ」
声をあげたのは、ハヅキさんだった。
「途中アクシデントもあったし、今月の最終追い上げも凄まじいものだったから、補助券止まりだったと思うけど、よく頑張ったね」
途中のアクシデントって、私のことだ……、と、私は拳を握りしめ、いてもたってもいられず、その部屋の中へと突入した。
「み、みんな!」
勢い余って、バンッ、という扉の音で、皆が私の姿をとらえる。
「今回は、本当にごめんなさい!」
私は頭を深々と下げる。
呆気にとられ、みんな沈黙した。
表情はわからないけど、きっと冷ややかな目なんだろうなぁ、と私は怖くて頭を戻せなかった。
そこに、カツカツと足音を立てて、見慣れた第○二チームの戦闘靴が、私の視界に入る。
「リョウコ、気にするな! 私はこの通り、元気だからさ!」
恐る恐る顔をあげると、ニッと笑っている居吹さんが、そこにいた。
「チカも大丈夫だよ!」
「まなはスタメンに戻れて、やったー!、って感じだよ♪」
相変わらずの小さい子コンビは可愛らしく笑っている。
「アコっちこそ、ごめんなのだ」
頭をかきながらアコちんは言う
「無理にあっちの地点をまわらせてしまって……まだあのメモカの全てを分からないのに、強いからって思って……アコっちの地点を回ればよかったね」
そこまでアコちんが言うと「アコ!」と、ハヅキさんがピシャリと制す。
「たらればは禁止だよ。少なからず、あのテンコの討伐に失敗したのは事実さ、でも、あれは皆がリョウコを持ち上げちまって、無理させたのもまた事実」
ハヅキさんは困った顔を私に見せる。
「リョウコが謝るだけでなく、あたしらの方も謝らなきゃだよ、すまないね」
どうやら、スタメン全員、私のことを責めたりはしなかった。
温かかった。
思わず、私は涙を溢して、再度、ごめんなさい、とだけ言った。
気にするな、と言わんばかりに、隊長さんが、私の足元にすり寄ってくる。
「あ、そうだ! 私、隊長さんにお願いがあって……ちょっとだけ、隊長さんと二人になってもいいですか?」
メンバーは、こくりと頷いた。
空を仰ぐと、星空がとても綺麗だった。
私と隊長さんは、歩きながら、話をする。
「今回は本当にごめんなさい……協力戦お疲れ様でした」
にゃぁ、と、隊長さんは応える。
「あのね、お願いっていうのは、いきなりこのイフメモカを使いこなす事ができなかったから、順番に私は強くなろうかなって思ったんです」
私は、夢の中に出た私を思い出す。
泣いていた彼女を。
「あのメモカの力は、まだ私には早すぎたんだと思うんだ……だから、協力戦で疲れて、隊長さんいつも新コスイベントの探索さぼって、あのイベントやらないじゃないですか」
隊長さんは、並んで歩いていたのに、私の言葉にギクリと一瞬歩みを止めた。
しかし、またしばらくすると足を動かし、私と並行する。
「あのイベントで、レアメモカが手に入るんですよ? もちろん、私の新しい衣装も手にはいる! 一緒に探索イベントやりませんか?」
順番に強くなる、ならば、確実に次に手に入るのは、レアメモカとかになる。
その前にハイノーマルもあるけれど。
隊長さんは、助走をつけて、私の胸目掛けてジャンプする。
「はうわ! もう! それは、いいよってことですか?」
笑いながら問う私に、隊長さんは、大きく、にゃぁ、と啼いた。
「私からこう聞くのは変ですけど……私、普通でいいですかね……」
寂しそうに問う私に、隊長さんは、再び胸目掛けてジャンプする。
気にするな、そのままでいい、とでも言うように。
私も、えへへ、と笑って返した。
辛いのにずっと背伸びをしっぱなしじゃ疲れるだけだよね。
隊長さんは、普通の私を認めてくれてる。
私はこのままの普通の私でいいんだ。
その再確認ができた。
空には、まだ輝く星がたくさんあった。
暗闇の中泣いていたあの子の元にも、その輝きの一筋でも届いていればいいな、と私は願う。
私は大好きな隊長さんを抱き上げ、一緒にその星空を見る。
「隊長……星がこんなに綺麗だよ……どこかにいる、もしもの私や、本来の隊長さんがいる世界でも、こんな綺麗な星空が見えているかな……?」
隊長さんは、ぐるる、と喉を鳴らした。
【終】
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ここまで読んでいただき、ありがとう御座います。
久々のコピー本での小説でした。
まだイフメモカがでたばかりで、それが強かった時代のお話でした。