VRMMOなら友達ができると錯覚していた奴   作:不知火勇翔

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曇らせ

「つまりね、この『合同任務:0』ってのは多分私達が最初に見つけたクエストってことよ」

 

 

 お姉ちゃんに引っ張られるまま店の外に連れて行かれた僕は、お姉ちゃんから現状の説明を受けていた。

 

 

「・・・・???合同任務ってそもそも何?」

 

 

「だから、・・・・良い?

 この国は今大きく分けて2つの派閥が権力争いをしてるの。

 1つは亡くなった王様の愚息の派閥。これに参加できるのが『合同任務:1』。

 そしてもう一つが、優秀な王女の擁立を画策する派閥。ここに参加できるのが『合同任務:2』。

 そしてこの派閥同士の争いが『この国のメインストーリー』。メインストーリーが進むのは運営によると一斉アップデートのタイミングで、それまでに合同任務のどちらかに参加するのがプレイヤーの義務になっているのが今の現状なの。

 だからネットで検索したら腐るほど『合同任務のどちからに参加しろ』っていう意見が出てくるんだけど、どれだけ探しても『合同任務:0』なんていうものは一切見かけなかったし誰も噂すらしていなかった。

 ・・・・秘匿している可能性は無きにしもあらずだけど、かなりの確率で『合同任務:0』は私達が初だと考えて良いと思うわ」

 

 

 ・・・・・・・・要するに『合同任務:0』というのが凄いことは分かった。

 ただまぁ僕的にはこのゲームを長く続けるつもりはないワケで・・・・。

 

 

「そっか。じゃあまぁ頑張ってね・・・・」

 

 

「は?」

 

 

「え?」

 

 

「は?どういうこと?」

 

 

「は?って言われても、・・・・別にこのゲームを続けるつもりなんて無いし、後はお姉ちゃんに頑張ってもらおうかなって・・・・」

 

 

 お姉ちゃんは酷く悲しそうな表情をすると、顔を伏せ、ボソッと一言呟いて走り去って行った。

 

 

「そっか・・・・・・・・」

 

 

 走り去るお姉ちゃんをただ黙って見ているしかできなかった僕は、遅れて自分の失態に気づいた。

 

 

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

 

 

 

「あー楽しーーー!!!」

 

 

 世界の破壊者やら魔王やらを倒すRPGをやったことのある人なら分かると思うが、初期の街の外には大抵、何の変哲も無い原っぱが広がっている。

 そして主人公はまず初期の街を出たら原っぱを駆けずり回り、初心者でも倒せるモンスターと戦い、そのゲームでの戦闘を学ぶ。(ドラ○エ1のスライムをイメージしてもらったら分かりやすいかもしれない。)

 

 

 この『V戦』でもその古来からの伝統は変わらないようで、ムシャクシャしたまま街を飛び出すと外は・・・。

遠くに山

原っぱ

 みたいな景色が延々と続いていた。

 

 

「うわぁー、綺麗だなぁああああああ!!!!!あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」

 

 

 溢れ出すリビドーを抑えきれない僕は、咆哮をあげながらその原っぱを爆走した。

 

 

 このゲームを好きになるために。

 

 

「あー!ウサギさんだーーーー!!!」

 

 

 SAN値0の叫び声をあげ、見かけたウサギに襲いかかる。

 

 

 ずっと腰にさしてあった剣を抜き放ち、ブン投げると直撃したウサギさんはポリゴンとなって爆散した。

 

 

「アハハハハハハハハハハ!!!!楽しいなぁ!!!」

 

 

 楽しい楽しい楽しい。ヨシッ!!!

 

 

「次はぁああああああああ!!!次は何にしようかなぁあああああああああああーーーー!!!!!」

 

 

 僕はロックバンドにも負けないレベルで頭をブンブン振りながら叫んだ。

 

 

「うん!!!!そうだね!!!とりあえず『真っ直ぐ』進もうかなぁああああああああああああ!!!!!」

 

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