これはガンダムに愛された少女の物語   作:ロボっピ

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ガンダム自体はそこまで詳しく無いです。オリジナル設定みたいなのが入るかもしれませんがよろしくお願いします!


1話 偽りの平和

C.E70年5月 ヘリオポリス

 

 

「えー諸事情により皆さんより一ヶ月遅れてですが、このカレッジに入学することになったマリエ・ホワイトさんです。皆、仲良くするように」

 

『マリエ・ホワイトです。よろしく』

 

私には一ヶ月前までの記憶がない。両親の記憶もどこで生まれたのかも自分自身の名前すらも覚えていない

 

「彼女は少し前に事故にあったのが原因で記憶喪失だそうだ」

 

教師の言葉に生徒達が驚いた声を上げるのをマリエはただボーッと見ている

 

事故…15年間の記憶を失ったマリエが目が覚めた時、1番初めに見たものは真っ白な病室の天井だった。自分が誰でここは何処なのか、何もわからないマリエにいろんなことを教えてくれたのはマリエが意識を取り戻したことに気がついた看護師だった

 

 

"よかった!目が覚めたのねマリエちゃん!"

 

"マリ、エ…それが私の名前?"

 

"ええ、そうよ。あなたは三ヶ月前に事故に遭ってずっと眠ったままだったのよ!"

 

"そう…なんだ。覚えてない"

 

"無理もないわね。頭を強く打ったみたいだし"

 

"?でも、頭怪我してないよ?"

 

"…三ヶ月も前のことだもの。怪我は治って後はマリエちゃんが目を覚ますのを待つだけだったの"

 

その後に両親の事や自分の姓について尋ねたりもしたがそれはわからないと返ってきた。その言葉に落ち込むマリエを見て看護師はなら自分で名付けるのはどうかと提案してくれた

 

"自分で?"

 

"そう。自分の名前なんだもの。あなた自身で名前を考えてもいいんじゃない?だってマリエちゃんの新しい人生なんですもの"

 

"私の新しい人生_"

 

その日は3月14日でホワイトデーの日だった。記憶がない真っ白な私…なら

 

"ホワイト…マリエ・ホワイト"

 

"マリエ・ホワイトか。いい名前ね!"

 

"うん。今の私にピッタリの名前"

 

"名前もちゃんと決まったことだし、これなら入学式もちゃんと自己紹介出来そうね!"

 

"入学式?"

 

"マリエちゃん、今年からヘリオポリスっていう宇宙コロニーにあるカレッジに入学することになってるみたいよ?"

 

"カレッジ…学校?私そんなの知らない。覚えてない"

 

"事故に遭う前から決まってたことみたいだし、先ずはマリエちゃんが学校に出ても大丈夫なようにお姉さんいっぱい教えちゃうわよー!!"

 

"えっ、ちょっ"

 

 

 

結局、いろんなことを覚えるのに一ヶ月以上もかかっちゃったんだよなぁ

 

一ヶ月前のことを思い返し苦笑いしていると、教師はまだ自分のことについて生徒達に説明しているみたいだった

 

記憶喪失の事、やっぱり言わない方がよかったかな?これじゃあみんなに凄く気を遣われる

 

そっと周囲に目を向けた時、たまたまこっちを見ていた男の子と目が合った

 

「!」

 

男の子は目が合うと何故か頬を赤らめながらすぐに目を逸らす

 

『あの子…』

 

紫色の瞳…キレイだなぁ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

C.E71年1月____

 

 

「こらトリィ!マリエが起きちゃうだろ!」

 

〈トリィ!トリィ!〉

 

うーん、騒がしい

 

コツンコツン___

 

〈トリィ!トリィ!〉

 

「やめなってば!」

 

耳元で騒がないでほしいなぁ…こっちはお眠なんだから

 

コツンコツン___

 

………ん?痛い?

 

『…んにゃ?』

 

何かに頭を突かれる感覚に思わず頭を上げれば焦った様子のキラが何やらマリエの頭を見ていた

 

「あっ!マリエが起きちゃっただろ!」

 

んー?と寝ぼけながら違和感のある頭に手を置くとそこには一匹のロボット鳥の姿があった

 

『トリィ…?』

 

〈トリィ!〉

 

「ごめんマリエ。トリィってマリエに凄く懐いてるだろ?だから構ってほしくてマリエを起こそうとしたみたいで」

 

『トリィは可愛くて好きだから全然平気』

 

「ならよかった。ほらトリィ、今度はマリエが寝てても騒がしくしちゃダメだぞ」

 

〈トリィ!〉

 

『キラも大分騒がしかったけどね』

 

「うぇっ!?」

 

ショックを受けているキラを無視してふぁ〜とあくびをしながら体を伸ばす

 

あー、思い出した。確か隣でキラがカトウ教授に頼まれた課題をやってるのを見てたら眠くなって寝ちゃったんだった

 

『カトウ教授に頼まれてたやつは終わったの?』

 

「いや、まだだよ」

 

『カトウ教授、キラが優しいからって頼みすぎ。毎日のように課題を押し付けてくるし、たまには断ってもいいんじゃない?』

 

「教授に頼まれたら断れる訳ないだろ」

 

『ほーんと、キラってばお人好しなんだから。ね、トリィ』

 

〈トリィ!〉

 

まぁそこがキラのいいところなんだけど

 

カタカタとキーボードを叩く音と流れてくるニュースを聴きながらトリィと遊んでいるとマリエとキラを呼ぶ声が聞こえてきた

 

「おーい、キラ、マリエ!」

 

『あ、ミリアリアにトール!どうしたの?』

 

「キラを探してたんだ。カトウ教授がお前の事探しててさ」

 

「ええ、また!?」

 

声を上げるキラにマリエは溜息をつく

 

これ絶対課題についてだよ

 

「見かけたらすぐに引っ張ってこいだって!何?また何か手伝わされてるの?」

 

「たくっ、昨日渡されたのだってまだ終わってないのに」

 

キラが課題をやりながら見ていた戦争のニュースについて3人が話し出す中、マリエはテーブルに置かれた資料を片していく

 

戦争の話はよくわからない

 

マリエが目が覚める一ヶ月前に起きた血のバレンタインという事件がきっかけで、ナチュラルとコーディネイターの溝が深まり、争いが激しくなったことくらいしか知らない

 

どうしてお互いがそこまで嫌悪するのか記憶がないマリエには理解できなかった

 

「あっ、片付けさせちゃってごめんマリエ!」

 

『平気平気〜それより早くラボに行こ』 

 

 

 

 

「だからそういうんじゃないってばぁ!」

 

ラボに行くためエレカポートに4人で歩いていると前方から女の子の大きな声が聞こえていた

 

『何だろうね?』

 

「あ!あそこにいるのフレイじゃない!」

 

フレイ?相手が誰かを知ると顔を顰めるマリエとは反対にキラは嬉しそうな顔をする

 

「あれ?ミリアリアにマリエ!」

 

「はぁい!」

 

『…こんにちわ、フレイ』

 

彼女はフレイ・アルスター。キラの想い人であり、一応マリエの恋敵である

 

「ねぇミリアリアなら知ってるんじゃない?」

 

「何が?」

 

「やめてよってば!もう!」

 

「この子ったらサイ・アーガイルに手紙もらったの!」

 

「えっ」

 

「ええ〜!!」

 

サイから手紙ねぇ。フレイもなんだか満更でもなさそうだしこれはもしかすると上手くいけば二人は付き合うのかも…でも、そうしたらキラは__

 

「あんた達もういい加減にっ!」

 

「コホンッ」

 

『!?』

 

騒いでいるフレイ達をぼーっと眺めていると突然後ろから咳払いが聞こえ、マリエ達は後ろを振り返るとサングラスをかけた3人の男女が立っていた

 

「乗らないのなら先によろしい?」

 

「あ、はい!すみません。どうぞ」

 

慌てて3人に道を譲る

 

「もう知らないから!行くわよ!」

 

「待ってよフレイ!」

 

「ゴメンって!」

 

先程の3人がエレカになったのを確認するとフレイ達も次のエレカに乗り去って行く

 

「手紙だってさ、サイが」

 

「えっ」

 

「意外だなぁ。フレイ・アルスターとか。けどこれは強敵出現だぞ、キラ・ヤマト君」

 

キラの想い人を知っているトールは揶揄うようにキラに言うとエレカに乗るのでマリエとミリアリアも後について行く

 

「いやっ、僕は別に!」

 

 

 

 

エレカでラボに向かって行く中、トールとキラはサイの手紙の事について話していた

 

『……』

 

「なーにムスッとした顔してるのマリエ?可愛い顔が台無しよ」

 

『別に…』

 

ジトーっと前の席に座るキラを見つめていると隣に座っていたミリアリアがコソッと話しかけてきた

 

「そう?いかにも嫉妬してますって顔だけど?」

 

『ミリアリア!』

 

「ごめんごめん!でも、キラが好きなら告白すればいいじゃない。マリエならチャンスあると思うけど?」

 

マリエがキラを想っていることを知っているのはミリアリアだけだ。本当は誰にも話すつもりは無かったけど、ミリアリアには何故かバレてしまった。彼女曰く、顔に分かりやすく出てるらしい。そんな事ないと思うけど

 

『別にキラを振り向かせたいとか付き合いたいって思ってる訳じゃないもん。キラが違う人と付き合っても彼が幸せになってくれるなら私は友人のままでもいいの』

 

「マリエ…」

 

キラには大きな恩があるから、恋心よりも幸せでいて欲しいって気持ちが強いんだ

 

「もう!マリエったらいい子!大好き!」

 

『うわっ!急に抱きつかないでよミリアリア!』

 

ジタバタと必死に逃げようとするマリエをミリアリアはギュッと抱きしめる

 

「仲がいいよなぁ。あいつら」

 

「うん、そうだね」

 

そんな二人をいつの間にか会話を終わらせたキラとトールが温かい目で見つめていた

 

 

 

 

 

 

 

 

「お、皆来たのか!」

 

ラボにつくとマリエ達に気づいたサイが声をかけてきた

 

『やっほー、サイ。…ん?』

 

ラボに入ると入り口付近に帽子を被った金髪の子が腕を組んで立っていた

 

「?」

 

「誰?」

 

「ああ、教授のお客さん。ここで待ってろって言われたんだと」

 

「へぇ」

 

キレイな顔立ちの子だなぁ。彼の横を通り過ぎようとした時、彼と一瞬目が合うがすぐに逸らした

 

なんだか目が合った時に驚いた顔してたけど、どうしたんだろ?

 

「…アイツ、なんでこんなところに」

 

彼がマリエを見て何かを呟いていたが、マリエはその事に気づかず自分のいつも使っている席に向かっていった

 

「教授はまだ来れないみたいだぞ。これ、キラにって預かってる。追加だってさ」

 

「ええ〜!」

 

「これ何なんだ?どうせモンゲンレーテの仕事の方なんだろうけど」

 

「興味ないよ。フレーム設置モジュールの改良、とにかくプログラムの解析さ」

 

うんざりした顔で渡されたデータを見つめるキラの背後からトールが飛びつく

 

「そんなことより、早く手紙のことを聞けよ!」

 

「手紙?」

 

「な、なんでもないよ!」

 

「お前達いつまでも遊んでないでこっち手伝ってくれー!」

 

「おう!」

 

悪いな、と謝るトールにカズイは最近マリエ達が開発しているパワードスーツのデータを取るのを手伝ってくれと頼んできた

 

私も手が空いてるし手伝おうかな?

 

任せとけと言わんばかりに張り切るトール達の元へ行く

 

『私も手伝う』

 

「お、なら記録を頼んでもいいか?」

 

『りょうかーい』

 

早速、トールがパワードスーツを着て見たのだが__

 

「タ、タンマ!ちょ、これ思ったより重いんだけど!!」

 

「おいおい、倒れて壊すなよ!?」

 

『あはは!トール頑張れー!』

 

「全く、何やってんだか」

 

今にも倒れそうなトールに慌てるカズイ、笑うマリエと呆れてるミリアリア、課題を進めるキラにその様子を見るサイ。いつものように賑やかで楽しいラボに突然、大きな揺れが起きた

 

 

____幸せの時間は一瞬にして崩れ去って行く

 

 

ドオオオオォォォン!

 

『な、何!?』

 

「隕石か!?」

 

「と、とりあえず避難しよう!!」

 

急いでラボから出て避難口に向かう

 

「全然揺れが収まならないぞ」

 

「何?何なの!?」

 

避難している人に何があったのか聞いても皆も何が起きたのかわからないらしい。するとそのうちの1人がザフトに攻撃されているのだと告げた

 

「コロニー内にモビルスーツが入ってきてるんだよ!君達も早く!」

 

「は、はい!」

 

MSが!?一体どうして…此処は中立地帯でザフトが攻めてくる理由なんて…

 

まさかの事態に混乱しているとみんなが非常階段を上ろうとする中、教授のお客さんだった子が急に何処かに走り去ってしまった

 

「き、君!」

 

「っ!」

 

「っマリエ!トリィのこと頼む!」

 

『えっ』

 

金髪の子はキラの呼び止めに答えず、奥へと走るのを見てキラはマリエにトリィを手渡した

 

『頼むって…キラは!?』

 

「あの子を放ってはおけないよ!」

 

『で、でも!』

 

「大丈夫!すぐに追いつくから!」

 

そう言って金髪の子を追いかけて行くキラ

 

だ、駄目だよ。キラだって危ないのに!

 

『キラーーッ!!』

 

「マリエ!急いで」

 

『あっ』

 

ミリアリアに手を引かれマリエはそのまま非常階段へ走る

 

キラ…どうか無事でいて

 

 

 

 

 

 

 

 

避難できるシェルターを探す中、マリエはキラの事が心配で仕方がなかった

 

『キラ…』

 

「だ、大丈夫だよ。キラはすぐに戻ってくるさ!」

 

「そうよ!キラなら大丈夫!だって…」

 

言葉を止めたミリアリアのその後に続く言葉を察して顔を曇らせる

 

コーディネイターだから_でしょ?

 

みんながキラをコーディネイターとしてじゃなく、ちゃんと友達としてキラ自身を見てるのはわかってる。だからお願い、私達ナチュラルよりも身体が丈夫にできているコーディネイターなら大丈夫だなんて簡単に思わないで

 

コーディネイターだって私達と同じで怪我をしたら血が出るし、銃で撃たれたら簡単に死んでしまうのだから

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