これはガンダムに愛された少女の物語   作:ロボっピ

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お察しかも知れませんが、作者はフレイが嫌いです

あと、マリエはキラが関わると性格が変わったりします


8話 敵軍の歌姫

キラがユニウスセブンで発見した救命ポット

 

その中にいたのはピンクの髪色をした可愛らしいお姫様だった

 

 

 

 

 

 

「つくづく君は落とし物を拾うのが好きなようだな」

 

ユニウスセブンで見つけた救命ポットを持って帰ってきたキラにナタルは呆れるように言う

 

『中にいる人って無事だよね…?何日も放置されてたとしたらかなり危険な状態だけど』

 

「多分…大丈夫だよ」

 

ユニウスセブンで自分が撃ち落としたMSは何かを探している様子だった。もしかしたらあのMSはこのポットを探していたのかもしれない。自分が見かけたのはあの1機だけ。恐らく少数で捜索していたという事はまだあのポットが出てからそう時間は経ってないだろう

 

カズイ達を守る為とはいえ、またも人を殺めてしまった罪悪感にキラは俯く

 

『キラ…?』

 

表情が暗いキラにマリエはどうしたのかと聞こうとした時、ポットのロックを解除したとマードックが声を上げる

 

「それじゃあ、開けますぜ?」

 

ロックが解除され、ポットの扉が開くとピンクの丸い何かが飛び出してきた

 

「「『!!』」」

 

〈ハロ、ハロ、ハロー、ハロ、ラクス、ハロ〉

 

『え、ロボット…?』

 

ピョンピョン飛び跳ねる丸型のロボットにマリエは驚くも、その後に続いてポットから出てきた少女に目を奪われた

 

「ありがとう。御苦労様です」

 

ピンクの髪色をした可愛らしい女の子はにこりとマリエ達に笑いかける

 

「あら?あらあら?」

 

見惚れていたのはマリエだけでなく他も同じで、バランスが取れず浮いたまま何処かに行ってしまいそうになる彼女を見てハッと我に返ったキラが慌てて手を掴む

 

「ありがとう」

 

「あぁ…いえ…」

 

彼女にお礼を言われ、顔を赤くするキラ。そんなキラの着ている軍服に視線を向けると少女は頬に手を当て困った様子で呟いた

 

「あらあら?まぁ!これはザフトの船ではありませんのね!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから、ザフトの関係者だと思われる少女を連れてマリュー達は別室で彼女の話を聞くことにした

 

「ポットを拾っていただいてありがとうございました。私はラクス・クラインですわ」

 

〈ハロ!ラクス、ハロー〉

 

「これは友達のハロです」

 

〈ハロハロ。オモエモナー。ハロハロ?〉

 

自分の状況を理解していないのか、呑気にロボットの自己紹介までするラクス

 

「クラインねぇ~。プラント現最高評議会議長もシーゲル・クラインといったが…」

 

「あら~?シーゲル・クラインは父ですわぁ。御存知ですの?」

 

天然なのか、フラガの言葉に正直に答えるラクスに流石のマリュー達も頭を抱えた

 

 

 

 

 

 

 

 

『あのラクスって子。プラントのご令嬢だったんだね』

 

「そうみたいだね。でも彼女、民間人みたいだからこの艦で保護するらしいよ」

 

『酷いことされなくてよかった…』

 

「そうだね」

 

そんな会話をしながらマリエとキラは艦内を歩いていると、食堂が騒がしいことに気がついた

 

「嫌よ!」

 

「フレイの声…?」

 

『ミリアリアの声も聞こえる。どうしたんだろ?』

 

食堂を覗いて見るとフレイとミリアリア、そしてカズイの姿があった

 

「嫌ったら、嫌!」

 

「もう!なんでよ~!」

 

「どうしたの?」

 

「あの女の子の食事だよ。ミリィがフレイに持って行ってって頼んだらフレイが嫌だって。それで揉めてるだけさ」

 

『え?そんな事で揉めてるの?』

 

まぁ、フレイはコーディネイター嫌いみたいだし、これはミリアリアの人選ミスだよね

 

仕方なしに自分が持って行ってあげようと2人に近づいた時だった

 

「私は嫌よ!コーディネイターの子のところに行くなんて!怖くって…」

 

『は?』

 

「……」

 

せっかく忠告したのに…この前の話、全然聞いてなかったの?

 

キラの前でなんてこと言うんだと、フレイに怒りを感じるマリエ

 

「フレイ!」

 

「あっ、…も、もちろんキラは別よ?」

 

ミリアリアに呼ばれ、漸くキラとマリエが自分達の話を聞いていたことに気がついたフレイは慌ててキラの機嫌を損ねない様に訂正する

 

「でも、あの子はザフトの子でしょ?コーディネイターって、頭いいだけじゃなくて、運動神経とかも凄くいいのよ?何かあったらどうするのよ!…ねぇ?」

 

キラが自分に弱いことを知っているのかフレイはキラに同意を求めるように首を傾げる。だが、そんなフレイにキラは困った顔をして顔を逸らした

 

「でも、あの子はいきなり君に飛びかかったりはしないと思うけど…」

 

「そんなの分からないじゃない!コーディネイターの能力なんて見かけじゃ全然分からないんだもの。凄く強かったらどうするの?」

 

『…そうかな?私はそうは見えなかったけど。お姫様みたいで可愛いかったし、きっと普通の女の子だよ』

 

先程のラクスを思い出して、まるで御伽話のお姫様みたいだと笑う

 

『友達になりたいな…』

 

そう、呟いたマリエにフレイは信じられないと言う目をマリエに向ける

 

「何言ってるの?あの子はコーディネイターなのよ?」

 

『だから?』

 

「えっ」

 

『だから何?さっきから話聞いてたけどさ、いい加減そういう差別はやめたら?ハッキリ言ってウザい』

 

「なっ、なんですって!?」

 

『確かに私達は今、コーディネイターと戦ってるよ。でも、それは全てのコーディネイターとじゃなくてザフトのコーディネイターと戦っているの。あの子は違う。ザフトに入っていない民間人なの。フレイと同じね』

 

「やめて!私とあの子を一緒にしないで!」

 

ラクスと"同じ"と言われ、堪らずフレイがマリエに掴み掛かろうとしたその時

 

「まぁ、どうやらお邪魔だったようですわね」

 

〈アカンデー!アカンデー!!〉

 

「「『!!』」」

 

この場にいない筈の声が聞こえ、驚いて目を向けるとそこにはラクスとハロの姿があった

 

驚いた顔を此方に向けるマリエ達にラクスは申し訳なさそうに謝る

 

「驚かせてしまったのならすみません。私、喉が渇いて…それに笑わないで下さいね?大分お腹も空いてしまいましたの。こちらは食堂ですか?なにか頂けると嬉しいのですけど…」

 

「…って、ちょっと待って!」

 

「鍵とかってしてないわけ…?」

 

「やだ!なんでザフトの子が勝手に歩き回ってんのよ!?」

 

『フレイ!だから彼女は違うって…』

 

「あら?勝手にではありませんわ。私、ちゃんとお部屋で聞きましたのよ。出かけても良いですかー?って。それも3度も」

 

天然なのか、わざとなのか、警戒するフレイ達に対し、にこやかに笑いながらそう言うラクスにキラ達は何とも言えない顔をする

 

「それに、貴女方の会話が少しだけ聞こえましたが彼女の言う通り、私はコーディネイターですが軍の人間ではありません。…貴女もその服装から見るに、軍の方ではないのでしょう?でしたら、民間人同士仲良くしましょう?御挨拶が遅れました。私は…」

 

「ちょっとやだ!止めてよ!」

 

ラクスが仲良くしようと手を差し伸べるも、フレイはそれを拒絶する

 

「冗談じゃないわ!なんで私があんたなんかと握手しなきゃなんないのよ!」

 

「ちょっとフレイ!やめなって!」

 

フレイの言葉に顔が曇っていくキラと険しい表情をするマリエを見てミリアリアが必死に止めようとするも、フレイの勢いは止まらない

 

「コーディネイターのくせに!馴れ馴れしくしないで!」

 

 

 

 

 

『……言いたいことはそれだけ?』

 

パシンッという音が食堂に響く。頬を叩かれ、座り込んでしまったフレイをマリエは無表情で見下ろした

 

もういい。同じガレッジの仲間とか、キラの想い人とか関係ない

 

コイツは私の敵だ

 

『コーディネイターであるキラに私達は守られてるのに、彼の前でよくそんなことが言えるね。……行こう、キラ。それに貴女も』

 

「え、あ、うん…」

 

「わかりましたわ」

 

〈ミトメタクナイ!ミトメタクナイ!〉

 

 

 

 

 

 

 

ラクスの食事を手に持ち、彼女に与えられた部屋に向かう中、かなり怒っている様子のマリエにキラはオロオロしていた

 

初めてだ。あんなに怒ったマリエを見るのは

 

…あれは僕の為に怒ってくれたんだよね?フレイを叩いたのはすごく驚いたけど、正直嬉しかった

 

マリエはいつも僕の味方でいてくれて、大切にしてくれる。キラはマリエの存在が段々自分の中で大きくなっていくのを感じていた

 

『ねぇ、キラ』

 

「え、な、何?」

 

突然話しかけられ驚きながらもマリエに視線を向けると相変わらず怒った表情をしている

 

『あいつのどこが良いの?』

 

「あ、あいつ!?」

 

『フレイ・アルスターだよ』

 

「ええ!どうしたの!?」

 

マリエが女子相手に"あいつ"やフルネームで呼ぶのを今まで聞いたことがないキラは動揺する

 

マリエにとって、フレイの好感度は既に地に落ち完全に敵と認識してるので、もう以前のようにあ名前で呼ばないことにしたのだ

 

あんな自分の事ばっかり考えてる奴なんてもう知らない

 

謝っても許さないんだから

 

「でも、いいの?友達なんでしょ?」

 

『私とフレイは友達じゃないよ』

 

「えっ、そうなの!?」

 

知らなかったと驚くキラにそう言えば自分達の関係を話したことなかったなと気づいた

 

『元々、ミリアリアの友達ってことで紹介されて軽く話す程度の仲だったの。友達の友達だから…うん、普通に知り合いだね』

 

まぁ、例え私達が仲のいい友達だったとしても結果は変わらなかったと思うけど

 

男の子のキラは知らないんだろうけど女の友情ほど脆いものはないのだ

 

『今まではミリアリアの友達だし、キラの想い人だったから大目に見てたけどもう限界だよ』

 

「そうなんだ………ん?今なんて?」

 

キラは頭の中で先程マリエが言った言葉を繰り返す

 

"キラの想い人だったから大目に見てたけどもう限界だよ"

 

「ぼ、僕の想い人って…!」

 

『?フレイ・アルスターに決まってるでしょ?』

 

「いっ…ち、違うよ!」

 

『別に隠さなくてもいいよ。バレバレだから』

 

「〜〜〜っ、そうじゃなくて!」

 

あれ…?どうして僕はこんなに必死に否定しようとしてるんだろ。僕は確かにフレイが好きだった筈なのに…

 

その時、キラはいつの間にか自分の気持ちが変わりつつあることに気づいた

 

ここ数日、フレイと関わっている内にフレイが自分のことをコーディネイターとしか見ていなく内心嫌っている事に気づいていた。ストライクのパイロットであるキラに守ってもらえる様、機嫌を損ねないように取り繕うとしている事も

 

アルテミスの件でフレイが謝罪してきた時からキラはフレイへの気持ちを断ち切っていたのだ

 

そっか…僕はフレイのことはもう…

 

何だか安心した様な吹っ切れた様子のキラに首を傾げるも、マリエはこれを機に自分の気持ちを正直に伝えようと決める

 

あいつに取られるくらいなら…

 

『キラ』

 

「マリエ…僕__」

 

此方を向いて何か話そうとするキラの頬に手を当て、そっと自分の唇を重ねる

 

「…!?」

 

それは10秒、いや5秒にも満たないキスだったかもしれない。だけどマリエにとって、とても長いキスだった

 

『……』

 

唇を離すと顔を真っ赤にしたキラが呆然としている。そんなキラにマリエは笑みを浮かべた

 

『私、キラが好き。キラが幸せならそれでいい、応援しようとずっと思ってた。だけど…』

 

フレイ・アルスターは駄目。キラを何度も傷つけた彼女には絶対にキラを幸せに出来ないから

 

『もう遠慮しない。キラが好きだって、あ、愛してるって…!貴方にちゃんと伝えるって決めたの!』

 

例え、結ばれなくてもこの想いを伝えたかった。だから告白した。好きだって伝える気持ちでキスをした

 

『……返事は今じゃなくていい。この戦いが終わってからでも』

 

そう言って再び歩き出そうとした時、待って、と腕を掴まれた

 

「あ、あの…マリエ、僕は__」

 

「あらあら、随分と大胆ですわね。見ている私の方がドキドキします」

 

え__

 

バッと2人で声の主の方を向くと、そこにはずっとマリエ達の話を聞いていただろうラクスの姿が

 

「このまま最後まで見ていたかったのですが、そろそろ人が来てしまいそうだったので」

 

〈アカンデー!アカンデー!〉

 

『あ、ああ…』

 

彼女の存在をすっかり忘れていた。全て見られていた事に気づいたマリエは顔を真っ赤にし、身体が震え出す

 

そう、全て見られていた。マリエがキスするところも、告白するところも、全て!

 

『わ、わ、わわ、忘れてええぇぇぇ!!!!』

 

マリエの悲鳴が艦内中に響いた

 

 

 

 

 

 

 

『あ、あの…放置しちゃってごめんなさい…』

 

あの後、恥ずかしさのあまりその場から逃げようとしたマリエだが、逃さないとばかりに瞬時にラクスに腕を掴まれそのまま彼女に与えられた部屋にキラと共に連れて行かれた

 

「いいんですのよ。恋愛の映画などあまり見たことがなかったので、こういう物なのかとドキドキしちゃいましたわ」

 

『わ、忘れてくださいぃ…』

 

手で顔を隠すマリエにラクスはクスクス笑う

 

恥ずかしいのはキラも同じで少し頬を赤く染めながら話を逸らすように話題を変えた

 

「そ、それはそうと、あまりこの部屋から出ちゃいけませんよ。さっきみたいに揉め事になっちゃいますから」

 

「えーっ、詰まりませんわぁ。ずっと1人だと退屈ですのに…」

 

「此処は地球軍の船ですから…仕方ありませんよ」

 

「残念ですわねぇ」

 

〈オマエモナー〉

 

「でも、貴方方は私と普通にお話してくれますわよね。凄く嬉しいです」

 

するとラスクはキラとマリエの手を握りにこやかに笑ってこう言った

 

「私、貴方方とお友達になりたいですわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お互いに自己紹介をしたマリエ達だがキラがマードックに呼ばれた為、2人で見送ることにした

 

「じゃ、またね」

 

『ストライクの整備、頑張ってね』

 

「行ってらっしゃい、キラ様」

 

キラに手を振り、扉が閉まるとマリエとラクスはお互いの顔を見合わせた

 

「さて、何をお話しましょうか」

 

『えっと、ラクス様…』

 

「ラクスでいいですわ」

 

ご令嬢らしいので"様"をつけて呼んでみるが、友達だからとラクスは"様"はいらないと訂正してきた

 

『じゃあ、ラクスさん』

 

「ラクスでいいですわ」

 

ええ…それも駄目なの?

 

『ラクス、ちゃん』

 

「……ふふ、それでいいですわ」

 

よかった…なんとかお許しが出た

 

「敬語ではなく、普通に話してくれると嬉しいですわ。マリエちゃん♪」

 

『わ、わかったよ』

 

マリエちゃん…初めてそう呼ばれた

 

何だか照れるな

 

「マリエちゃん!実は私、プラントではよく歌を歌っているのですよ」

 

歌かぁ…歌手とかやってるのかな?

 

『へぇ、どんな歌なの?』

 

「あら、興味がおありで?それならマリエさんの為に歌いますわ。聴いてください」

 

〈オマエモナー!〉

 

そう言って歌い出したラクス。彼女の歌声はマリエが知るどんな歌手やアイドルよりも綺麗で、美しかった

 

すごい…こんなに歌が上手い人初めて見た

 

ラクスが歌い終わるまでマリエは目を輝かせながら、夢中になって聴いたのだった

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