免罪体質者がPSYCHO-PASSの世界を行く   作:アルトリア・ブラック(Main)

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人物名多すぎて名前が被ってるので変更してます。


第一章【理想社会】
第12話『欠点』


《おはようございます!!今日の白澤雪絵さんのサイコパスは0!ホワイトカラーですね!!今日も健康的に行きましょう!》

 

「…はいはい」

 

リビングに向かうとお茶を取り出し、タバコ『マールボロ メンソール』を吸い始める

 

もう、タバコは絶滅に近く、手に入れるのにも相当な労力が必要だった。

 

《タバコは肺がんのリスクがあります!喫煙はおすすめしません!》

 

アバターの声にため息をつく

 

「ニュース付けて」

 

《かしこまりました!》

 

吸いながら作った食事を食べていると、テレビのニュースは相変わらずつまらない話題ばかりだった。

 

『今日のエリアストレスは基準値より少し高めです!メンタルケア薬剤を常備しましょう!!』

 

「…エリアストレスねぇ…」

 

『人が生きて行く上で大切な事なのよ』

 

幼い頃に常守朱から言われた言葉が蘇る。

 

目の前に幻覚が現れる

 

『人の魂の輝きがみたい、そこに価値はあるのか?ただ、生きているだけの人間たちに』

 

常守の幻覚の前に槙島聖護の幻覚が見える

 

「フゥ」

 

タバコの煙を二人の幻覚に向けて吐き出す

 

「………」

 

今日の予定がないのを確認し

 

「…散歩するか」

 

味があまりしない食事を片付け、コートを羽織る

 

 

買い物をついでに済ませるためにショッピングモールに入る

 

服を選んでいると…

 

(…ん?)

 

違和感を感じ、服屋から離れた椅子に座っている男性を見る

 

落ち着きなく、左右を見ていた

 

黒い紳士服を着ており、何か後ろ暗いものがある、と言うよりかは何かを探していた。

 

それだけなら普通の通行人として無視するのだが…

 

『高校生の頃に借りたお金を返したいんだ!まぁ、五円程度しかないんだけど、されど、五円だからねぇ〜』

 

ある犯罪者の言葉が思い出す

 

そこらを歩くカカシの通行人と違い、活き活きとしている。

 

「……」

 

服を選び終わり、その男性が立ち上がって歩いて行く後ろを着いて行く

 

ちょうどエレベーターに乗り込んだときに名刺が落ちる

 

本人は気づかなかったのかそのままエレベーターに乗る。

 

名刺なんて古いものを持ち歩いているなんて珍しいと思い、拾ってみると…

 

『松本雄二、科学技術省勤務、技術者』

 

と書いてあった。

 

(…科学技術省)

 

名刺をとりあえずあった場所に戻し、踵を返す

 

 

屋上に出てタバコを吸っていると、ガチャリと開けて入ってきたのは先ほどの男性で女性がタバコを吸っているのを見て驚いたのか、単に雪絵の吸っているタバコが《マールボロ メンソール》なんていう超希少なタバコだったのを見て興味を持ったのか笑顔で話しかけてくる

 

「珍しいタバコを吸っていらっしゃるんですね!それ、確か!マールボロ・メンソールでしたよね!もうどこにも売られてない希少な」

 

「えぇまぁ」

 

笑顔で返すと

 

「どこで売ってたんですか?」

 

人懐っこそうな表情で話しかけてくる

 

「廃棄区画から少し離れた闇市に売ってましたよ」

 

「闇市ですか?あそこまで行ったんですか?」

 

男の声色が僅かに変わる

 

「?そうですよ、あそこはよくいろんなもの売ってたので半世紀以上前の超有害図書本でも売っていたので、まとめて買いましたよ」

 

超有害図書まで買えた事に驚いたのか、男の声色が明らかに変わる。

 

「失礼ですが、お名前は?私の名前は松本雄二です。科学技術省に勤務してます」

 

「白澤雪絵です。厚生省更生施設の医師をしてます」

 

「更生施設の医師…ですか、凄いですね、公安局並みに大変だと聞きますよ、あそこの勤務」

 

「まぁ、大変な分類に入りますかね、公安局刑事からよく別件の捜査依頼とかされたりするぐらいには暇なモノですけど」

 

雪絵は、松本の目を見て違和感が確信に変わる。

 

「松本さん、良かったら読みます?この本」

 

そう言ってバックの中から紙の本を出す

 

その内容に驚く松本

 

しかし、サイコパスを計測する事なく、その本を凝視する。

 

有害指定された本で、読んでいたら色相が濁りかねない話が載っている。あの由美ですら『悪を肯定した内容はまずくない?』と言う程だ

 

「あ、でも、この本、貸し出し人に凄い制約を掛ける本じゃありませんでした?色相が悪化する本だからって…」

 

「制約された故に手に入れた本なんです。まぁ、松本さんの色相悪化が心配ですけど…」

 

そう言うと松本は笑い

 

「大丈夫ですよ、私もサイコパス濁りにくいタチなんです。いつだってクリアカラーでした」

 

「あ、そうなんですか、私もそうなんですよ」

 

「え!俺の他にもいたんですね、しばらくこの本お借りして大丈夫ですか?」

 

「えぇ大丈夫ですよ、あ、制約本なんで必ず返してくださいね」

 

「もちろん!約束します」

 

そう言ってその場を離れる

 

「……サイコパスが濁りにくいクリアカラーの人間…ねぇ」

 

常守朱のように色相が濁りにくいのだろうか、しかし、彼から常守朱のような雰囲気は微塵も感じられなかった。

 

 

 

自宅に帰り、増築した地下に行く

 

増築するにあたり、シビュラ公認の建築士ではなく、非公式の建築士に頼んだ事が一度だけあった。

 

「フゥ」

 

葉巻に火をつけ、ライトをつける。

 

この部屋にアバターはいない。

 

一人一体アバターがいるのが普通とされているこの世界において、セキュリティ外になっているこの部屋は物思いに耽るのにはちょうど良かった。

 

今では出回っていないアルコールの瓶が並んでおり、その後ろのホワイトボードにはいろんな事件の内容と結末を書いていた。

 

『同窓会爆破計画事件』

 

100年以上前にあった爆破未遂事件。

 

犯人の動機は『いじめてた奴らへの復讐』だった。

 

「………」

 

そのホワイトボードの前に、怒りと憎しみの表情で爆発物を作っている40代の男が出てくる。

 

「…フゥ、いじめによる魂の殺人。殺害された魂は本人と言えるのか」

 

『安い映画じゃないんだ、魂は修復しない。いじめは一種の快楽殺人と言おう』

 

幻覚が、槙島聖護が誰かに向かって言う。

 

「誰も幸せにしないエンディング、それは幸せだと思う?」

 

『人間の本質は幸せなだけのハッピーエンドは望まない。苦しみという過程があってこそ、最後は幸せになるというエンディングが好ましいだろう』

 

幻覚の槙島聖護が消える

 

ハァとため息をつき、天井を見つめる

 

『いじめによる復讐は正当防衛。許して良い犯罪だ、私は思うに爆破による殺害は焼死に近いだろう。火での死は最も苦痛のある殺人行為!復讐としては理にかなっている!』

 

西洋風の目鼻立ちをしている男性が歌を歌うように話しかけてくる

 

葉巻の煙を吐くと消える

 

 

 

ー職場ー

 

 

更生施設で潜在犯達のカルテを見る

 

そこには犯罪係数の上昇・下降について書かれていた。

 

いつも通りの仕事

 

雪絵は帰ろうと車に乗り込みニュースを付けた時驚く

 

『都内某所で爆破事件が発生、犯人は毒物と爆弾を用意し、同窓会で実行に移したと、現在公安局が捜査しています』

 

「え、まじで…起こった」

 

呟くように言う雪絵の背後に幸薄そうな青年が座っており、満面の笑みを浮かべていた

 

『私、科学技術省に勤めてます。松本雄二と言います』

 

その言葉が蘇り、犯人がどう逃げているか理解する。

 

車のエンジンをかけ、一気に高速道路を駆け抜ける

 

「公安局の常守朱さんにメッセージを、出なかったら慎導監視官に送って、爆発物を用意し、同窓会の人間全員を殺戮したら次にやることはただ一つ、自分の過去の清算、同窓会から徒歩10分くらいで着く大橋で自殺するはず」

 

 

 

朱と慎導の元に送られてきた白澤雪絵の情報は的を射すぎていて一瞬恐ろしい物を感じたが、同窓会に集まった人間を爆破殺害した犯人は現在逃亡を繰り広げている。

 

『現場からそう離れていない赤い大橋で自殺する』

 

送られてきたメールに常守は『早く現場へ!』と指示を飛ばす

 

案の定、犯人は現場におり、自殺する準備だったのか手を広げて落ちようとしていた。

 

「逮捕!!」

 

走って行く監視官達を黙って見ている男がいた

 

「!」

 

少し離れたところに止まった車から出てきた雪絵を見てその男は目を見開く

 

「あぁ、あなたは本当にすごい人だ」と言って車に乗り込む

 

 

《犯罪係数65、加藤俊樹》

 

場所は変わり、公安局の一室

 

唐之杜から事件の経緯を教えられる雪絵

 

「どうして、この事件が起こるって分かったの?」

 

「えっと…過去に起こった大量殺人未遂事件の犯人のこと調べてたらつい…」

 

唐之杜は『犯罪者のこと調べるのが趣味なの?』と聞いてくる

 

「まぁ、否定はしません。更生施設で働いてて潜在犯の心理を理解しようとしていたら、いつのまにか犯罪者の方に主軸が移り始めてて」

 

「ふーん。灼くんとおんなじねぇ」

 

「はい?」

 

話していると、取り調べをしていた犯人の犯罪係数は相変わらず65であり、爆弾を集めた理由など動機を淡々と語り始めた。

 

終わり、炯が戻ってくる

 

「彼、話を聞くだけ聞いて大丈夫ですか?」

 

「まぁ、構わないけど、大丈夫?監視官」

 

唐之杜からの言葉に炯は『爆弾をどこから集めたのか、そこはまだ聞けていなかったからな…』と答える

 




ど深夜に連続投稿、そして、ここから先は地獄です。

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