免罪体質者がPSYCHO-PASSの世界を行く   作:アルトリア・ブラック(Main)

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自分が作ったキャラ好きです。だからこそ、バッドエンドが好き(?)

【警告】
グロ慣れしてる人にはグロいな程度ですが、耐性ない人は気をつけてください。pixivの方より増し増しになってます描写が


第20話『殺人欲求・上』

松本雄二が発案していた『新型前頭前皮質切除術』は脳の一部を軽く触れるだけで色相が下がり、健康的な生活を送れるという触れ込みだった。

 

世間はその切除術に抵抗感があったものの、松本雄二自体がその手術を受け、当初の適性結果だった結果を上回り、科学技術省に入庁することが出来たという報道がなされた時『新型前頭前皮質切除術』は一番の潜在犯に行うのはどうかという議論になったのだが…

 

「外的要因で色相をクリアに保ち続けるのは良いとして…外的要因で免罪体質者が作り出されるのは我々としても複雑なことであり、素直に喜べないことだ」

 

シビュラシステムである局長がそう呟く

 

「……先天性免罪体質者と後天性免罪体質者、生まれ持ったものと後天的に作り出されたもの、貴方たちは後天性免罪体質者を抹殺するつもり?」

 

常守朱の言葉に局長は感情の動いていない瞳で常守を見る

 

「無論、社会全体として色相がクリアに保たれるのは良い話だ。しかし…生得的な免罪体質者は何よりも変え難いが、後天的免罪体質は人為的なモノだ、我々としても許可出来ない」

 

だからこそ『新型前頭前皮質切除術』の案は潰さなければならないが

 

「………」

 

シビュラシステムの言うとおり、後天性免罪体質者が生まれ、シビュラに取り込まれることがあった場合、その後天的に免罪体質者を手に入れたとしても二次被害がある。

 

それは…

 

「免罪体質者を作り出す人間による一党独裁…確かにそれは阻まなければならないことよ」

 

しかし、後天性免罪体質者をどう裁くかという問題になる。

 

後天性免罪体質者・松本雄二の犯罪係数が計測できないのだ

 

槙島聖護のように裁けない人間をどう裁くか再び問題に上がった。

 

「あの時のように、狡噛さんのように殺して終わりと言うわけには行かないわ、刑罰法として導入すべき時が来たの、貴方たちは彼を裁く番が来たのよ」

 

「……そうだな、しかし、彼が殺人を犯している現場を見て逮捕するしか方法はない。今の所、彼が人を直接殺したわけではないからな」

 

「分かっているわ」

 

「引き続き捜査を頼む」

 

そう言って退出した常守を見送った局長は椅子に深く寄りかかり、モニターに佐藤由美を連れ去った松本雄二の写真を出す

 

横に置いてあった本を手に取る

 

「彼女の精神性は我々の総意を持っても計り知れなかった。殺人を犯したとしても我々は彼女を取り込まなければな…どんな結末になろうとも…」

 

『向日葵の咲かない夏』

 

 

「現場に複数の監視官を向かわせた?」

 

炯監視官の元に2係から連絡が入る

 

『局長からの命令だ』

 

監視カメラから分かったのは廃棄区画に佐藤由美を連れ去ったのだ

 

『1係、そちらに白澤雪絵はいるか?』

 

「いますけど…」

 

『分かっていると思うが…犯罪心理学者は現場担当ではない、解決してからが本番だ』

 

犯罪心理学者として公安局に招かれた以上、現場にまで出てくることは危険を伴うことだ

 

それに現場で動く、監視官や執行官からしてみればよく思わないことだろう。

 

灼が雪絵を見る

 

雪絵がこっちを見てくる

 

「…分かりました」

 

連絡が切れた後、現場に急行しいている監視官たちから連絡が入る

 

『対象の車を発見しました。廃棄区画の一角に人質を連れて行ったようです。場所はーーの半地下の所です』

 

「分かった。突入せずそこで待っていてくれ」

 

『分かりました』

 

炯は雪絵をミラー越しで見ると

 

「雪絵先生、先ほど言われたので大丈夫だと思いますが…突入の際は我々か執行官を伴って入ってもらいます。よろしいですね?」

 

「はい、大丈夫です」

 

そう言ってパトカーに変わって動き始める

 

やってきた場所は廃棄区画の前で、公安局が来たことから包囲網が貼られる

 

【こちら公安局です】

 

コミッサが複数並んでそこにいた

 

【現在、公安局が占拠しています。現在封鎖中です】

 

「……」

 

監視官たちが入って中を探していた。

 

雪絵は犯罪心理学者として現場に入れず、事件が終わった後からしか動けなかった

 

カカシのような公安局の人間と一緒にバックサポートをしながら待っているしかなかった。

 

『こちらハウンド5、廃棄区画の最深部に辿り着いた。なんだ?この建物は…』

 

「データ送ってください」

 

そう言って送られてきた画像を見てハッとなる

 

2000年代の病室のようで、不自然な位置に鍵があったり違和感のある作りを見て思い出す

 

「精神病院…」

 

普通の病院と違って精神病院は患者が逃げ出さないようにする扉がある。例えば二重ロックの扉や鉄格子

 

普通の病院なら多床室【#大体4人部屋のこと】があってもベッドだったりするのだが、稀に刑務所のような畳の部屋がある。

 

『精神病院って今の更生施設みたいな感じじゃないんですか?』

 

灼から質問が飛んでくる

 

「物によると思いますよ、というか今の更生施設とは別の意味で劣悪です。患者が暴れて落ちるのを防ぐよう畳だったりするんです」

 

とはいえ、こんな作りが地下にあるなんて異常だ

 

「すみません。この廃棄区画が立つ前の図面ってありますか?」

 

そう質問すると『以前立っていたのは高齢者施設でそれ以前の建物は潰されたはずですが…』と言われる

 

(高齢者施設として運営していた場合でも、この間取りのままだったはず…いや、地下にこんな病室を作ってたくらいだからいなかった可能性はあるけど…何はともあれ…図面が分からないんじゃ指示のしようが…)

 

そう悩んでいると執行官の叫び声と争っている音が聞こえてくる

 

『どうしたハウンド5!!』

 

炯の声が聞こえてくる

 

しかし、反応はなく、そちらに向かった監視官から『変な服を着た奴らが襲っている!!クソッ!なんで犯罪係数が測れない!?』

 

その後、悲鳴が聞こえてくる

 

犯罪係数が測れないということを聞いて嫌な予感を感じる

 

騒音があっちこっちで聞こえてくる中、雪絵の端末にメッセージが来る

 

ある地点のマークがついているのが送られる

 

「白澤先生!?」

 

そのマークが何を意味しているか分かり、走って廃棄区画に向かう

 

 

 

 

ー松本ー

 

「ここ、父が所有していた場所なんですよ」

 

メスをクルクル回しながら話す

 

「元は高齢者施設だったんですけど、施設が立つ前は精神病院だったんですよ、一階から上は高齢者施設にするときに潰して改築したんですけど、地下はそのままで運営していたんです。知ってます?精神病院の本音と建前」

 

女性に語りかけながらベッドで寝ている患者の手術をする。

 

【サイコパス189、色相悪化傾向にあります。至急最寄りのクリニックに受診してください】

 

その機械音を切る松本

 

「精神病院の建前は精神を治療する公共施設であるのと同時に入院している患者の家族も暮らしやすくする施設、本音は家族が面倒を見切れなくなったから入院させる施設、要は姥捨山のようなもの、よくなることなんて絶対ない終の住処…私宅監置と何が違うんでしょうかね?」

 

患者の目にメスを突き刺しながら言う

 

「アメリカの猟奇的犯罪者、ジェフリー・ライオネル・ダーマーはロボトミー手術を被害者にしてたらしいんです。こちらはウォルター・フリーマンやエガス・モニスと違ってドリルで穴を開けたり塩酸を流したり割と悍ましいことしてたんですよ。その究極の目標って『被害者のゾンビ化』『意のままに操れる人間』なんです」

 

血を拭きながら歌うように言う

 

「一方は医師でアイスピックとハンマー。こちらは犯罪にならなかった。不公平だと思いません?同じ人間なのに」

 

由美が悲鳴を上げる

 

「にしても、貴女のサイコパスって悪化しにくいんですね…貴女にとってコレはグロくない?それとも、雪絵先生との関係で慣れました?」

 

首を傾げながら言う松本

 

「ーー!!!」

 

縛られているせいで声を出せていない由美

 

「そう顔面蒼白にならないでください。ちゃんと雪絵先生呼んでありますから」

 

「ッ!!!」

 

「彼女の過去、詳しく公にはなっていないんですけど、幼い頃に両親が息子に滅多刺しに刺されて殺されたらしいんです。母親は逃げ惑いながら刺されて穴が開き過ぎて出血多量で死亡。血天井が出来上がってたくらい凄惨な光景だったみたいです。しかも、その息子さんは自分の妹…雪絵先生のお姉さんを強姦しようとした獣みたいな人だったみたいです。その姉を助けるためなのか、止めるためなのか、木製バットを全力で振りかざしたんです。今までも人のことを殴ったり踏んだり…容赦のない人みたいなので、私、出会ったらノータイムで殺されそうです」

 

饒舌に、楽しそうに言う松本に震え始める由美

 

【サイコパス269、色相悪化】

 

「あれ?そこでサイコパス悪化するんですね…珍しい、本当に分からないなぁ貴女は…」

 

そう話していると…

 

「…松本先生…公安局が上のフロアまで来ています」

 

女性の言葉に『ありがとう』というと、女性が下がっていく

 

「いよいよ大詰めですね」

 

「!!ーー」

 

泣きそうになっている由美に松本は微笑みかける

 

「大丈夫ですよ、貴女のことは殺しませんから」

 

 




妹に『ボンドルドが身近にいんの嫌なんだけど』と言われた(心外)
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