免罪体質者がPSYCHO-PASSの世界を行く   作:アルトリア・ブラック(Main)

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寝る前に考えるもんじゃねぇ、PSYCHO-PASSのこと考えすぎて長編殺人犯目線ドラマみたいなの夢に見た。


第22話『生きる意味・上』

 

取り調べが終わった後、局長室に向かいながら言う

 

(……最高に気持ち悪かった…)

 

槙島聖護の周りにああいう人間がたくさんいたのなら、心底不愉快すぎる

 

異常者にはやはり、異常者しか集まらないのだろうか?

 

霜月監視官の案内で局長室に着く

 

「…局長が話したいことがあるらしいわ」

 

そう霜月監視官に言われて『分かりました』というが表情が不満そうな、憐れむような表情をする

 

「??」

 

廃精神病院で起こったことと、松本雄三が所有している建物から割り出して松本雄二を取り押さえることになるとのことだった。

 

「今回は君が命令を無視したことにより数人の監視官が負傷し潜在犯になった。そのことに関しては致し方のないことだったとして、君の親友が犠牲になったのは誠ながらつらい事だろう」

 

執行官を殴り殺そうとしたことに関して責められるのかと思ったが、案外そこは気にしていないのか今回の犯人に関しての処遇を話してくる

 

「松本雄二は身柄を拘束次第、矯正施設に措置する。現状、彼を裁く手立てがない以上そうするしか術はない。すまないがこの世界には刑事罰がない。君はそのことにかなりの不満を抱いているみたいだが、これもシビュラシステムとして仕方のないことだ」

 

面と向かって話してくる局長から違和感を感じる

 

「彼の身柄を拘束次第、君が彼を取り調べし、犯罪係数が上昇するか再び試してみてくれ、君の手腕に期待している」

 

「…一つ質問したいんですけど、よろしいですか?」

 

「何かね?」

 

「執行官を殴り殺そうとしたことに関したはお咎めなしですか?もし、刑事罰があるなら普通に殺人未遂とか該当すると思いますが」

 

いくらこの世界に刑罰法がないとはいえ、公安局の執行官とはいえ、面目を潰されたことにならないのだろか

 

「確かに君が執行官を殺そうとした殺意は良いものではない。しかし、君は殺人と言う意思はあったかね?」

 

「……」

 

『犯罪者にならないでね』

 

そういった由美のことを思い出し、もう一発殴ろうとした手が止まった

 

「殺人意思が喪失したのなら、それは殺人未遂ではない。誰しも人を殺したいと思う感覚が備わっているように君はブレーキをかけた、それに君の犯罪係数は規定値を超えなかった。つまり、咎められるべきことではない、言い方は悪いが、潜在犯には代えがいる。失った監視官の穴埋めは君がしてくれればいい」

 

「…分かりました。では失礼します」

 

そう言って部屋から退出する

 

出てきたことに何故か驚いている霜月監視官、続け様に彼女が呼ばれ中に入る

 

「雪絵ちゃん!」

 

走ってきたのは常守で、その表情はかなり心配しているようだった。

 

「?どうしました?そんな死んだかもしれないみたいな表情して…局長と話していただけですけど…」

 

そう言うと常守は不思議そうな顔をしていたが、安心したのか『今日は早めに帰っても大丈夫よ』と言ってくる

 

エレベーターから降りて常守を振り返る

 

「ありがとうございます。それに…あの男を殺すことは絶対にしないんで大丈夫です。生きているのなら罪を償わせる。死は最大の逃げ道だと思ってますから」

 

 

 

 

ー常守朱と霜月美佳ー

 

「免罪体質者の犯罪、またこの問題が起こるとは思わなかったわ…」

 

常守と霜月はテラスにて話していた

 

「…白澤雪絵はあれからも犯罪係数は変わらず、変わらない精神状態で事件に関わってます。殺人に関しての知識が多すぎて私のサイコパス上昇しそうで嫌なんですけど…」

 

霜月の言葉に常守は振り返る

 

「局長から聞いたと思うけど、先天性免罪体質者の特徴はサイコパスが計測できない所なの、人を殺すその瞬間でさえサイコパスはクリアなまま、そういう人たちは常にシビュラシステムには見つからない」

 

槙島聖護は犯罪を起こしても見つからなかった

 

狡噛慎也が追い詰めるまで彼の存在は判明していなかった

 

「…その槙島聖護についてなんですけど…松本雄三が槙島にかなり心酔していたのは分かりました。それに、所有している建物もある程度分かりました。問題はその何処かに松本雄二がいる可能性があると言うことですよね…」

 

「そうね…それと、また大変な仕事になっちゃうけど、局長の動きにおかしなところが見られたら私か…慎導君に相談して」

 

今回の事件、明らかに局長の手が加えられていた

 

過剰な戦力増強

 

あの場に1係以外の人間を派遣するのはどう考えてもおかしかった。

 

もし仮に1係だけだとしたら白澤雪絵も佐藤由美も死んでいたかもしれない。

 

「…私…便利屋じゃないんですけど…」

 

そう呟く霜月に『ごめんなさい』と苦笑いしながら言う

 

「…にしても、外的要因による免罪体質…東金美沙子がやろうとしたことが本当に実現可能だなんて…それに梓澤が知ったら喜びそうな話題ですね…」

 

「そうね、それだけは防がないといけないわね」

 

 

 

 

 

「彼女が執行官を殺さなかったのは意外だったな…」

 

局長の言葉に女は「私が言った通りじゃない?」と話す

 

「彼女の存在価値はこれで上昇傾向にある。槙島聖護のような逸材ほどではないが、それに準ずるところがある。彼女の生得的な免罪体質は覆ることはないな」

 

そう言うと女は『松本雄二を矯正施設に入れ続けるのも私達の進化としては無理なことじゃないかしら』と呟く

 

局長は無言で女を見る

 

「それに今回の事件、後もう一歩やり方を間違えていれば槙島聖護を損失した時と同じ状況を作りかねなかったのよ、この世界はあくまでエンドロールは一つしかないんだから」

 

シビュラシステム内部で議論された外で活動するメンバーは今時点で2人だ

 

「……そうだな、今後は気をつけるとしよう。これ以上、免罪体質者を失うわけにはいかないからな」

 

 

 

 

「……存外、大したことなかったんだな、お父さんも」

 

木造の別荘にてニュースを見ながら呟く松本雄二

 

「ワッフ!!」

 

吠える小型の犬を撫でながら言う

 

「雪絵先生も思ったよりタフだし、だいぶ考えてた通りにはならないな…」

 

目の前に並んでいるモノを見ながら嗤う

 

「早く追いつかないかな」

 

そう思いながら話す。

 

 

 

 

ー佐藤由美ー

 

病室にて由美は一通りの検査を受ける

 

ベッドの近くのモニターには《サイコパス・189》と映っていた

 

「………」

 

「佐藤由美さんのサイコパス。ゆっくりとですが下降してきています」

 

医師の声が聞こえてくる。

 

「でも娘のサイコパス200を突破してしまってるんです。服薬でなんとかなりませんか…?」

 

縋り付くような母の声が聞こえる

 

「…犯罪に巻き込まれて精神的負荷が凄いです。下手な服薬は身体に支障をきたします。娘さんは他の犯罪被害者に比べればサイコパスの回復は早い方です」

 

ここに来るまではサイコパスは286だった。更生施設に入ることになったのだが、サイコパスが下降してきていることを考えて一般病棟の特別室に入院することになった。

 

「ご友人の白澤雪絵さんのセラピーを受けた甲斐はあります」

 

その医師の言葉に母は

 

「何が話題の心理カウンセラーですか、あの人が由美の友人だったからこそ事件に巻き込まれたんじゃないですか」

 

母の嫌悪の声

 

雪絵に対する苛立ち

 

「お母さん…サイコパスが濁ります。落ち着いてください」

 

そう言われ深呼吸する。

 

「………雪絵」

 

絞り出すように呟く

 

雪絵は自分を助けるために監視官と執行官の二人を殴り飛ばした。

 

あの二人がどうなったか分からないが血だらけだった。

 

「……こわい…」

 

雪絵が殺意に飲まれて椅子で監視官の頭部を殴りつけた表情が怖くて仕方なかった。

 

《色相ダークイエローです》

 

その警告音に看護師達が入ってくる。

 

 

 

 

仕事が終わり、由美の入院している病院に行き、看護師に案内されて病室の前に行くと

 

「!!」

 

由美の母親が自分を見て顔を真っ赤にさせる

 

怒ったような表情でやってきて胸倉を掴まれる

 

「どの面下げて来たんですか!!由美を犯罪に巻き込んでおいて!!」

 

「お母さん!!」

 

看護師達に止められるが、怒った人の力は凄まじく取り押さえられていなかった。

 

「やっぱり、シビュラシステムの勧めとはいえ実兄をバットで殴れる人が友人なんて間違いだった!!」

 

シビュラを否定するような言葉に看護師達が真っ青になる。

 

「……そうですね、シビュラシステムも間違える時はあるんですよ」

 

そう言うと母親は驚く

 

「…由美みたいに優しい人は私の友人になんて向いてないと思ってたんです」

 

由美と楽しく話した日常を思い出す

 

あの日々は楽しかったとしても、事件に巻き込んでしまったのはこちらのせいだ。

 

「…お母さん」

 

声が聞こえてくる

 

元気の無さそうな由美が病室から出てくる

 

「雪絵…助けてくれてありがとう…」

 

「うん」

 

由美の目はこちらを向かない

 

「……助けてくれてありがとう…だけど…もう、関わらないで…」

 

絞り出すような言葉、その内容に目を閉じる

 

「うん、由美、無理させてごめんね」

 

そう言って背を向ける

 

 

 

 

由美は部屋に入り、メールを打つ

 

 

「…雪絵みたいにはなれないよ…」

 

泣きそうに呟く




なんか最近心が二つある〜好きなキャラ達は無論幸せになって欲しいんだけど、過程が絶望に塗れていればお風呂に入る並の気持ちよさでハッピーエンドを祝えるけど、中途半端な絶望はなんかイマイチなんだよなぁ……
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