免罪体質者がPSYCHO-PASSの世界を行く   作:アルトリア・ブラック(Main)

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仕事の疲労感が半端ねぇ……


第24話『生きる理由・下』

翌日…

 

 

灼は執行官1人を連れて雪絵が住んでいる場所に向かう

 

松本雄三がロボトミー手術を施した患者が新たに出て、その患者が松本雄二の居場所を知っているかのような口ぶりだった

 

しかし、知っていると言っても例の如くはいかいいえしか言わず、雪絵のように尋問しても変な事しか言わなかった

 

「雪絵先生〜迎えにきましたよ〜」

 

インターフォンを鳴らしてもなかなか反応が帰ってこない

 

ドアノブを捻ってみると、この世界には珍しく鍵を閉めていた

 

(雪絵先生って珍しいよなぁ…鍵を閉めておくなんて…)

 

人々の犯罪係数が計測できる世の中になってから、サイコパスが低ければ信用しても大丈夫なものだ

 

隣の一軒家に住んでいる人は確か、20代の夫婦で犯罪係数何ら問題のない人だ

 

数分後にまたインターフォンを鳴らすとそれに気づいたのか、鍵をガチャガチャ開けている音がする

 

「ごめんなさい。お待たせしました」

 

綺麗な身なりだが、完全に徹夜したのか隈がものすごい事になっていた

 

それに若干見えた室内はホロは入れてはいるが、うす暗い和風ティストの室内だった

 

それに、何か見ていたのか紙がとっ散らかっていた

 

「荷物ちょっとまとめて来ます。5分だけ待っててください」

 

そう言って慌てて中に入っていく雪絵を見送る

 

「ごめんなさい。お待たせしました」

 

5分も経たない内に出てきた雪絵の手には少し大きめのバッグがあった

 

「雪絵先生?それって何ですか??」

 

バッグについて聞くと雪絵は「間取り図です」と言う

 

「え??わざわざ印刷して睨めっこしてたんですか?」

 

データとして端末で見られるこの世界において紙の書類はないに等しい

 

紙と違ってデータ化出来る今において紙に出してみるのは手間も時間もかかる

 

「データで見るのもいいんですけど、間取り図は紙で見た方が私にはわかりやすいんですよね」

 

「間取り図…ですか」

 

「前の廃精神病院の時もそうでしたけど、彼らが所有している建物って変なところに階段があったりするんですよね、まぁ、構造上仕方ないとか言われたらそこまでなんですけど…私、廃墟探索するのも結構好きなんですよね」

 

笑顔で話す雪絵に灼は「多趣味ですよね…雪絵先生って」と話す

 

雪絵は灼が犯罪係数が上昇しないことを知っているのか、バッグからゴソゴソと何か探していた

 

「紙の本って読みます?慎導さんって」

 

「紙の本ですか…うーん、自分はあんまりかなぁ」

 

雪絵は小さめの本を出し、自動運転してるのを確認して本を出す「この本面白いですよ」と言って見せたのは『1984年』と書いている本だった

 

「有害図書じゃないですか?これ…」

 

「そうなんですけど、最高に面白いですよ、私はフィリップ・K・ディックじゃなくてジョージ・オーウェルが大好きなんです。凄い支配的な物語が多くて最高に読み応えがあるというか、こういう世界は本当に恐怖でしかないって思います『雪絵先生、ストップストップ』え?」

 

いつもの3倍は喋っている雪絵にストップをかける

 

「一回寝ましょ?この後、取り調べがあるのでちょっと寝ましょう?目がギラギラ光ってます」

 

何とか宥めると「面白いのに…」とにょごにょご言っていたが…

 

5分後…

 

 

『灼、どうしたんだ?遠回りして…』

 

炯から連絡が入る

 

「…それがー…雪絵先生迎えに行ったんだけど…一昨日調べた建物の間取り図で何か掴めたみたいで…徹夜した雪絵先生がすごいハイテンションだったから一回寝てもらったんだ…そうしたらその…結構眠り深いみたいで…気持ちよさそうだなぁって…」

 

後部座席で灼の制服を掛け布団がわりにして眠っている雪絵がいた

 

『寝てるのか…起こせないのか?』

 

「それが〜起こしても全然起きなくて…とりあえず、公安局に向かうけど…先に捜索してくれない?」

 

無線を切ると、雪絵がひたすら進めてきた本を見る

 

有害図書扱いされている本だが、その本の著者はかなり有名な人だった

 

有名で面白いが内容がストレスの要因になると言う理由で有害図書扱いされていた

 

支配的な物語で、見ていて気持ちが良くない本だと言われていた

 

ペラペラめくる

 

 

10分後…

 

 

車の中で目が覚め、雪絵はしまったと飛び起きる

 

運転席で本を読んでいるのか、集中していて気づいていないのか灼がいた

 

時刻を見るとあれから15分ぐらい経っていた

 

「ご、ごめんなさい、慎導さん!!」

 

大慌てて声をかけると

 

「あ、雪絵先生よく寝れました?」

 

ニッコリと笑顔で言ってくる

 

「本当にごめんなさい…」

 

頭を何回も下げる

 

「ああ、大丈夫ですよ、そんなに時間かかってませんし、いきましょうか」

 

そう言って車のエンジンがかかる

 

「先ほど、炯が現場を見に行った際に複数の患者がいたみたいなんです。全員、犯罪係数はクリアカラーだったみたいです」

 

ほとんど解決してしまった内容に申し訳ないなと思いながら聞く

 

公安局に付き、バックを整理していると

 

「雪絵先生、これ貸してもらっていいですか?」

 

そう言って灼が本を見せてくる

 

「もしかして…気に入りました?」

 

そう聞くと笑顔で「引き込まれてしまって…面白い…」と呟いていた

 

一緒に雑談できる人間がいるのは素直に嬉しいなと思いながらコピーした紙を持って公安局の中に入って行く

 

公安局に遅れて入ると、事情聴取を終えていたのか報告をしてくれる。

 

それから公安局が突き止めた松本雄三の所有地を捜査したらしいが、松本雄二は居らず、行方不明者は続出しているとのことだった。

 

「あの、私がある程度調べてみたんですけど、私の方から良いですか?」

 

そう言うと監視官が頷く

 

「皆さんが捜査してくれた病院の間取り図を紙に出して見てみたんです。1970年代に野戦病院から介護施設に変わり、そこから精神病院に変化してる建物です」

 

「あぁ、それは確か、都外の方にある更生施設よね?図面じゃ地下一階までしかないってあるけど…」

 

画面を出して見せてくる、その画像には地下一階までしかないと表示されていた。

 

「でも、この間取り図見てください。こことここを重ねてライトに照らして見てください」

 

そう言うと灼達が見る

 

「謎の空間があって、人一人が通れる程度の空間があり、そこの真横にあるのが…」

 

「…地上への階段?」

 

「端的に言えば、階段の裏に謎の空間があるということになります。ここって捜索しましたか?」

 

そう言われた炯は「この間取りで調べてはいないな…」と言われる

 

残りの所有地にいないということからここにいる可能性が高いと判断し、灼と複数の執行官達と共に向かうことになった

 

現在は更生施設となっている場所に入るのは、その更生施設の管理を現在している会社の元に行く

 

「またですか?ここは以前、監視官さん達が調べたでしょう…隠し部屋なんてないですよ」

 

中に入る許可を出すことをゴネる役員

 

「…なんか変ですね」

 

「隠してるんでしょうかね…」

 

そう言って灼と話していると…

 

「あれ?雪絵先生?お仕事ですか?」

 

そう言ってファイルを持っている新谷から話しかけてくる

 

「新谷さん、ここ勤務なんですか?」

 

そう声をかけると『はい、建築関係の仕事してます。まぁ、そんな大層なことしてないんですけどね…』

 

「雪絵先生、知り合いですか?」

 

「私の元患者ですね」

 

「どうも、公安局の人ですか?」

 

「あ、はい、公安局の慎導灼です」

 

そう言って手帳を見せる

 

「へぇ、現場にも雪絵先生来るんですね」

 

そう言う新谷に「着いて来たのは趣味です」とハッキリ言う

 

「それよりも、新谷さんってここの更生施設って知ってます?」

 

雪絵が躊躇いもせず新谷に聞いたことに灼は『ちょっ…』と呟くのが聞こえる

 

「あ、知ってますよ、というか、ここの管理権限持ってますけど…」

 

そう言った新谷に『よしきた』と思っているのか

 

「ちょっと公安局と一緒にここを捜索しないといけないんですけど、なかなか許可くれないんで、一緒に行きませんか?」

 

そう言う雪絵に『ちょっと待って雪絵先生』と言って、新谷から離れた場所に雪絵を連れてくる

 

「部外者を現場に連れて行くのはまずいですよ」

 

その言葉に「権限持っているんで、実質関係者ですよ」と言う雪絵は「大丈夫ですよ、危なくなったら私も一緒に退避しますし」と言って新谷の元に行く

 

そう言って話をつけたのか(OKですよ)と言ってくる

 

炯を見て雪絵が見つけたと言うことをハンドサインで伝える

 

 

 

 

「ここって確か、地下一階まである不思議な更生施設なんですよね、地下は荷物を置く場所にしているみたいなんですけど…」

 

車の中で話している新谷と雪絵に灼が『お願いだから余計なこと言わないで』と言うような表情をする

 

「そういえば、新谷さんが更生施設の管理権限持っているって珍しいですよね…普通は社員の経歴でストレスになりかねないところは管理させないはずでしたけど…」

 

そう言いながら雪絵は「無理してませんか?」と言う

 

「全然無理してませんよ、それに、自分がかつていた場所を管理できるのって今の自分は変わったと思えていいじゃないですか」

 

そう言う新谷に『…そうなんですか』と雪絵はどことなく暗い表情をする

 

話しながら更生施設に着くと、新谷は車の中で待機することになり、更生施設の中に入ることになった

 

「この施設、無駄にでかいですよね、外観は立派ですけど、どうしても無駄な位置はあります」

 

そう言って問題の場所に向かっていく二人と執行官達

 

「確か、謳い文句は最大の収容人数を誇るって謳ってる見たいですけど…」

 

灼の言葉に雪絵は『私、収容って言葉嫌いなんですよね…』と言いながら扉を抜ける

 

「え?」

 

長い白い廊下を歩きながら、雪絵は白い無菌室の部屋に入っている人たちを見ながら

 

「ナチスドイツじゃあるまいし、手に追えなくなったから始末するって感覚、本当にAIが無駄に人間の知性を得た感じで嫌いなんですよね」

 

そう言いながら地下階段を降りる

 

「慎導さん、無知であることはなんだと思いますか?」

 

「えっと…恥かな…」

 

執行官達が階段周りなどを探していた

 

「違いますよ、無知は力、戦争は平和です。あ、まだ読んでません?そこまで?」

 

雪絵の言葉に灼が『ああ、1984年の党のスローガンでしたっけ?』と言ってくる

 

「見つけました」

 

そう言って階段裏に謎の木製の扉が出てくる

 

「カッタ…なんか錆びてるみたいな…って…」

 

雪絵がしゃがんで、懐から何か取り出す

 

「なんで果物ナイフなんて持ってるんですか…」

 

「自己防衛のためですよ、大丈夫ですってそれ以外の用途じゃ使いませんから」

 

そう言って木製の扉の下を何かしていた

 

執行官が『それ以外の用途って…』と呟くのが聞こえる

 

ガチャっと空いた音がする

 

ドミネーターを構えて室内に入る。地下に入ってもドミネーターは通信エラーを起こさず入っていける

 

「そう言えば思ったんですけど、松本雄二の犯罪係数がゼロの場合って任意同行を求めるだけですか?もし仮に向こうが拳銃やらナイフ持ってたらどうします?」

 

雪絵の言葉に灼は『殴って連れて行きます!』という

 

入江から『…あんたら二人って本当に脳筋だよなぁ…』と呟く

 

歩いていると…

 

「…これ手術室ですね、どう見ても最近使ったような跡ありますし…雪絵さん?」

 

手術室の隣の部屋を開けていた雪絵がライトで黙って照らしていた

 

「スプラッター映画にふさわしい光景してますよ…ここ」

 

と灼を手招きする

 

その光景を見た灼は息を呑む




これだけは投稿したくてボロボロになりながら投稿しました……。

介護業界豆知識(誰得)
・入所者っていう施設は大概碌でもない
(評価の高い所・良い施設は『入居者』って言います)
・古い施設ほど過去がやばい
(私の元勤め先、野戦病院→精神病院→介護施設だったので普通に変な間取りと不自然な死因が多かった…)
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