免罪体質者がPSYCHO-PASSの世界を行く   作:アルトリア・ブラック(Main)

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・本編とは違い槙島聖護に引き取られたルート。

・槙島の口調がふわふわしてる。

【登場人物】

白澤雪絵/槙島雪絵
免罪体質者
両親を滅多刺しにした兄が姉を強●してる最中にバットで殴った所までは同じ。ただ本編と違ってそのまま殴り殺してる。

槙島聖護
たまたま雪絵宅前を通り過ぎようとしたら頭から血を浴びた雪絵が出て来てビックリ。家の中にお邪魔させて貰ったらまぁまぁな惨状で更にビックリ、バットで殴り倒したであろう雪絵の犯罪係数が0を叩き出したことにもしや…?と思って引き取った。
少女らしからぬ性格に楽しみを見出してる

チェ・グソン
旦那が頭から血を浴びた少女を連れて来て飲んでた酒を吹いた。
槙島がいない時の面倒を任されてる。なんだかんだ主人公に妹を重ねてしまっている。


【挿絵表示】



IF『二人の免罪体質者』
第0話『槙島聖護』


「というわけだからよろしくね」

 

「…どういうわけで?」

 

超機嫌の良い槙島が頭から血を浴びた少女を連れて来た時、思わず飲んでた酒を噴き出したのは悪くない。

 

「ある家の前を通った時、悲鳴とデカい音が聞こえてなんだと思って見てみたらこの子が出て来て、数十年前に流行ったスプラッター映画みたいな状態でね、話を聞くにこの子が殴り殺した見たいだから連れて来た」

 

「…そんな拾い猫みたいな…」

 

「それに、彼女結構楽しいよ」

 

「…はぁ」

 

 

それから槙島がいない間は彼女の面倒を見ることになったのだが…

 

「少女の形をした女性と話しているみたいですよ、全く、子供とは思えない」

 

雪絵と呼ばれた少女は7歳の子供とは思えないぐらい利発で、大人の会話も全部理解している異質さだった。

 

よく言えば大人らしく、悪く言うとしたら不気味だろう。

 

槙島が所有しているSF小説の中でもジョージ・オーウェルがかなりお気に入りらしく、よく読んでいるのを目にするが、槙島の持っている本は少なくとも子供向けではない。

 

自分でも難しいなと思う本なのだが、それを7歳の少女が普通に読んで感想も大人びている。

 

槙島は機嫌良く『彼女のお気に入りはジョージ・オーウェルで悲しいよ、僕はフィリップ・K・ディックが好きだと言うのに』と呆れてるような、でもご機嫌な槙島がいた。

 

 

 

 

 

姉を強姦している兄を鉄バットで殴り倒そうとしたら、そのまま殴り殺してしまい、自分は殺人鬼の仲間入りをしてしまった。

 

木製バットと鉄バットがあり、何をとち狂ったのか鉄バットの方を持って思いっきり振りかぶってしまった。

 

生まれてからずっと生きている感覚のない、映画を見ているような感覚だった。

 

前世の記憶がありながらも近未来を生きる自分。

 

アニメを見ているような感覚で、生きているという実感がなかった。

 

返り血まみれの自分を保護?してくれたのは槙島聖護と呼ばれる男性で、少なくとも善人ではないが、とても楽しい人だった。

 

(…情報収集は大事だと思ってるけど…流石に7歳児がこんな理解してたらおかしいと思われるよな…)

 

この世界のことを知るために槙島さんにはいろいろ聞いた。

 

まず、前世の世界と微妙に似通っている。

 

過去に起こった事件や本の種類は類似しているから、自分の知っている世界の何百年も未来で『監視社会』を主体とした世界に近いと結論づけた。

 

引き取られた槙島さんの家は天井付近まである本棚(7歳だからって言うのもあるが)で本がビッシリで驚いた。

 

幅広いジャンルの本があり、不思議と絵本もあった(だいぶ埃は被っているが)

 

槙島さんに与えられた部屋は一人で使うには大きいが、特に必要な物はないし、殺人鬼を匿ってくれるだけありがたい

 

ありがたいが、殺人鬼の自分を匿うということはそういう事なのだろう。

 

この世界で、犯罪を起こした時点で色相が悪化して病院に通報される流れになるが、自分は人を殺した瞬間でさえ通報は行かなかった。

 

「特異体質?」

 

槙島さんとの食事の時にそう言われる

 

「僕もそうだけど、人を殴っても殺してもシビュラから認識されないという場合があるんだ」

 

優雅に紅茶を飲む槙島

 

「おかしなシステムですね」

 

ココアを飲みながら言うと槙島が頷きながら

 

「僕も君もいかに人を殺しても見向きもされない人間ということになる」

 

「……」

 

そういう槙島さんからは何処となく悲しげな雰囲気が漂う。

 

「君は人を殺すのは嫌かい?」

 

突然投げかけられた質問、兄を撲殺してしまった時を思い出す

 

「好きか嫌いかで言われたら嫌いですよ、そんな好き好んで人を殺すなんてジェフリー・ダーマーとかジョン・ウェイン・ゲイシーじゃないんで」

 

数世紀以上前の殺人鬼の名前を思わず出すと槙島さんが凄く感心した表情で

 

「何処で知ったんだい?」

 

そう言われてハッとなる。前世はこのレベルとは行かなくても、イカれた殺人鬼をよく目にする事があった。

 

この二人は特に記憶に残るような殺害方法だったためよく覚えていた。

 

「…数世紀前の猟奇犯罪者って本で読みました。家族が生きてる時…」

 

「へぇ」

 

咄嗟の嘘だが、槙島さんが知っているのは兄を撲殺した以降のことで、それ以前は知らないだろう。

 

槙島さんは紅茶を飲み終え

 

「後で書斎においで」

 

そう言い、部屋に戻って行く

 

ココアを飲み終え槙島さんの書斎に行くとモニターの前に座っていた槙島さんが隣に椅子を用意してこっちこっちと言っていた。

 

「……何ですか?これ」

 

見せられたのは一人の冴えない男性。

 

「御堂将剛。ヴァーチャルスポーツ運営会社社員。彼はソーシャル・ネットワーク上の人気アイドルアバターを崇拝していて、その崇拝ぶりは一種の狂信者とも呼べるものだ」

 

ふーんと思いつつ、槙島さんの話を聞く

 

モニターに映し出されるのは複数のアバター

 

話を聞くに彼は複数のアバターの保持者を殺害してそのアバターに成り代わっているという事だった。

 

「このキャラクターはこうあるべきだ、その想いが強く保持者を殺して自分がそのキャラを演じ、より人気にさせるべく活動している」

 

槙島さんはこの男性の犯罪を手助けしているらしいが

 

(…成り代わり系やなろう系は前世でエラく流行ったからなぁ…)

 

漫画やアニメキャラに憧れるのはよくあるだろうし、その人物に一種の恋的な感情を抱くのもあるだろう。

 

なろう系は種が違うだろうが、成り代わり系の物はコレに近い

 

憧れているからそれになりたい、その気持ちで小説を書くだのコスプレをするのはまだ健全だが、ドラマの主人公に憧れたから主人公を演じている俳優をぶっ殺して演じるというなかなかイカれた思考の持ち主だ

 

「雪絵は彼を見てどう思う?」

 

槙島さんのちょっと怖い眼差しで聞かれる。槙島さんの質問は毎回何かビルの上に置かれた鉄骨を渡るような緊張感がある。

 

と同時に凄く気の抜ける瞬間もあるから心臓に悪い

 

「目立ちたがりだけど、自分のキャラクターを人気にするということは考えない引っ込みがちな男、ですかね」

 

第一印象を述べると槙島さんが「それで?」と言って来る

 

「成り代わるって言うことはそのキャラクターを何より愛してはいるが、自分はどうでも良い、なんというか…空っぽですね」

 

「なるほど」

 

納得行ったのかまたモニターの方を見る槙島さん。

 

緊張感が凄くてため息をつきたくなる

 

思わずあくびが出てしまうと、槙島さんが「あ、もうこんな時間なんだ」と時計を見る

 

今しかないと思い、椅子から降りて

 

「おやすみなさい。槙島さん」

 

そういうと笑顔で『おやすみ』と言って来る

 

部屋を出て廊下を歩きながら

 

(……絶対ろくでもないこと考えてる…)

 

 

 

そんなある日、槙島さんに連れられ学校に向かうことになった。

 

「そこで僕のことは柴田先生って呼ぶように」

 

偽名を名乗るということはそういうことなのだろう。

 

「うん」

 

冷たい手を握りながら仲良く学校に入る。

 

あの時聞かれた男がどうなったか知らないし、興味もないが、槙島さんが言わないということはそういうことなのだろう。

 

知らぬが仏ということだ

 

「しばらく預かってくれと言われて連れて来てしまいました」

 

槙島さんが怒涛の嘘八丁で校長を言いくるめていた。

 

槙島さんの授業の最中、本を読みながら待っていた

 

学校の鐘が鳴り、本をテーブルに置く

 

『悪魔的な美術』作者・王陵牢一

 

「雪絵ちゃん、柴田先生が来たわよ」

 

「はい」

 

そっちに歩いて行く

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