免罪体質者がPSYCHO-PASSの世界を行く   作:アルトリア・ブラック(Main)

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ちいかわにハマりすぎてて最近fgo換算して10万は越す


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 『何でもない二人の日常』


第3話『透明人間』

ヘルメットの作成を続けながら槙島は義妹の観察が楽しかった。

 

時々、別人と話している感覚にもなる。

 

子供らしくない趣味をしており、犯罪者の心理を理解しようとたくさんの本を読み漁っていた。

 

「雪絵は将来、何になりたいんだぃ?」

 

その質問に雪絵は考えこみ

 

「人を殺す前は刑事でしたけど、今は何もないです」

 

「心理カウンセラーなんか良いんじゃないかな、君はまるでバビロンの魔女のようになれるかもしれない」 

 

「……妖艶さはないと思いますけど」

 

何言ってるんだというような表情をする雪絵に笑いながら

 

「話術と知識があるじゃないか」

 

「ありがたいですけど…人を言葉だけで自殺させるのって相当難しいですけど」

 

読んでた本をテーブルに置く

 

『家族喰い』

 

「相当な話術、その犯人だって凄いじゃないか」

 

そう言われ、内容を思い出しうーんとなる。

 

「暴力で従えたから中の下じゃないですか?そんな事、カルトだって同じですよ、暴力で思考を奪えば誰だって言うこと聞きます。逆に言葉だけで操るのって純粋に凄いと思いますけど」

 

 

 

 

チェグソンのハッキングスキルは正直に言ってかなり欲しい

 

「…旦那からは別に何も言われてないからいいんだけどねぇ…」

 

子供に見せる画面じゃないと呟くチェグソンに

 

「遺体を見るのに比べれば今更じゃない?」

 

「…殺人現場と比べられてもねぇ」

 

チェグソンの足の間に座りモニターを見ていた。

 

チェグソンが手っ取り早くカメラの動画を消すのを教わりながら、槙島さんが女性の喉を掻き切るシーンに一瞬なる。

 

「…槙島さんの犯罪係数0なんだね」

 

「旦那の話じゃ何やっても人を殺してもこの数値で、得した事の方が多いって聞いたけどなぁ、俺もその点は良いと思うけどな、係数がゼロならわざわざ隠密活動しながら素材を集めに行かなくても済む」

 

「………」

 

確かに利点なのだろうが、それは本当に槙島さんにとって嬉しいことばかりだったのだろうか

 

(…むしろ、つらいことばっかりだったんじゃないかな)

 

まだ家族が健在だった頃を思い出す

 

6歳の時、よく学校ではいじめられていた。

 

この世界じゃ、いじめはより陰湿になり、より世間に発覚することがなくなった。

 

それもそうだ、いじめはサイコパスを悪化させるのはいじめられてる人間だけで、いじめてる人間のサイコパスはむしろ好転する。

 

ストレス発散もでき、一石二鳥だ

 

(…まして、相手が色相が全く濁らない人間じゃ、サンドバッグを手に入れるような感覚だろうし…どれだけいじめても色相のこと気にしなくて済むし)

 

あの槙島さんにそんな時代があったのだろうか、絶対に反撃する側だろうし、むしろ、いじめてるような性格だろうなぁと思う。

 

「…良いことばっかりじゃないと思うけど」

 

そう呟くとチェグソンが聞いていなかったのかん?となる

 

「…というか、私の犯罪係数って本当に0だったの?」

 

家の前のスキャナーに引っ掛からなかったのは、そのスキャナーの誤作動じゃないかと聞くと

 

「いやいや、それはない。あの辺のスキャナーはあの事件の前に点検されたばっかりだったからね、ほら」

 

そう言って昔の動画を見せてくる

 

(…うわ『エスター』みたい)

 

いや、周りから見たらそう見られてるのかもしれないが

 

《サイコパス・0》

 

「王陵璃華子の作業場の防犯カメラも、ほら」

 

槙島さんの隣で見ている自分の横に《サイコパス0》と買いてあった。

 

「…本当にゼロなんだ」

 

「槙島さんが喜ぶ理由もわかるというか、この時の槙島さん、ちょっと嬉しそうだし」

 

そう言われて横に立っている槙島さんの表情を見て『あー』となる。

 

「こう考えるとシビュラシステムって欠点しかありませんよね、殺人者を裁けないって」

 

返り血で汚れていても、通報が行かなかった理由がわかる。

 

なんかの遊びにでも思ったのだろう。

 

「そのシビュラシステムを暴く為に槙島さんは遊んでるんだよ」

 

そう言われ『ふーん』と返す

 

槙島さんはシビュラシステムを見つけ出してどうするつもりなのだろう

 

私はシビュラシステムなんて興味がない。ただの社会基盤であるだけで、こういう欠点があるのも社会としては必然なのではないのだろうか?

 

一昔前のように政治家同士で引き摺り下ろし大会に花開かせるのと違って

 

でもまぁ、殺人という重大な事を見逃しているが

 

「シビュラシステムがつまんなかったら槙島さんどうするんだろうね」

 

そう言うと『その時はその時だ、槙島さんに着いて行く』と言われる

 

(…カリスマだなぁ、槙島さんって、やってる事は怖いけど…)

 

そう思いながらモニターを眺める

 

帰って来た槙島さんの手には珍しくゲームがあった。

 

「それ買って来たんですかい?」

 

そう言ってチェグソンが子供に見せるものじゃないと呟くが槙島さんは『今更だよ』と言われる

 

「はい、プレゼント」

 

そう言って渡されたゲームはゾンビによって荒廃した世界を男と少女が冒険する物語。

 

この世界に生まれ変わる前にやりたかったけど、時間がなくやれなかったゲームが今この時代に手に入った事に

 

「ありがとうございます。聖護さん!」

 

「メッッチャ嬉しそう」

 

チェグソンが驚いたように言われる。槙島さんは『嫌がると思ったけど、好きなんだそれ』と言われる

 

「はい!やってみたいと思ってたけど、有害指定されていたし、集団サイコハザードが起こるから絶対に買うなって言われてたので!」

 

めちゃくちゃやりたいと思っていると槙島さんが笑う

 

「君もそんな顔出来るんだね、喜んで貰えて良かった」

 

そう頭を撫でてくる

 

槙島さんが靴を脱いで入ってくる

 

「それって二人プレイ出来る?」

 

「確かできますよ?やります?」

 

「じゃあ、やろうか」

 

そう言ってグソンにこれが遊べる機械がないかと聞いてくる

 

「ありますけど…二人とも趣味合いますねえ」

 

そう言って奥へ引っ込む

 

二人で遊びながら自分のキャラがゾンビや出てくる人間に遠慮なく銃をぶっ放すと槙島さんが笑いながら『容赦ないねぇ』と言われる

 

ストーリーも一人で進めたりもした。最後は槙島さんとプレイして終わった、でも、プレイ後も遊びたかったから遊びつつ本を読んだり沢山話したりした。

 

そんなある日、槙島さんは『準備が出来たからそろそろ行くね』といつものようにチェグソンを連れて出かけようとしていた。

 

「はい、いってらっしゃい。槙島さん」

 

「………」

 

笑顔でジィと見られる

 

「いや、なんでもないや、ここにある本もこれから僕に気兼ねなく使うと良い」

 

頭を人なでして玄関に向かう

 

「じゃあね、雪絵」

 

「さようならー」

 

そう言って玄関が閉じる

 

続きが気になっていた本を読む為に足早にソファーに向かう。

 

玄関を振り向きもせず

 

 

 

 

 

 

その日は突然ときた。

 

悪いことをしている以上、悪は裁かれるのは分かっていた。

 

一昔前のキャラクターが『勝者だけが正義だ』と言っていたように、結局、この世界も勝ったものが正義になる。

 

「…うわぁ、すごいことになってる」

 

チェグソンのパソコンの前に座り、ニュース画面になる

 

ヘルメットによる集団テロ

 

「…ん?データ?」

 

ファイルをクリックすると

 

《この動画が無事、君に届いたかぃ?雪絵》

 

槙島さんの声が聞こえてくる

 

《僕はやらかして捕まってしまったが、無事に避難は出来た。シビュラの正体を掴んだよ、アレは本当にガッカリとした代物だった。ジョージ・オーウェルの世界のように終わっていた》

 

「…シビュラの正体…?」

 

《コレを信じるか否かは君次第だ》

 

そう言って動画が終わり、ファイルの下に動画が添付されていた

 

「………」

 

開けてはならないパンドラの箱

 

開けたらそこから死が溢れ出る呪いの箱かもしれない

 

それでも見ない、という選択肢はなく、そのデータを開く

 

「……はっ?」

 

チェグソンの興奮したような笑い声と、そこにあるのは無数の脳、そして、チェグソンが何者かに殺害されているシーン

 

その下にさらに動画が貼ってあった。

 

《シビュラシステムの正体、それは人間の脳の集合体。シビュラが裁けない特異体質、彼らは免罪体質者と呼んでいたな、僕や君もその免罪体質であり、彼らの一員になる資格があるという》

 

槙島さんは笑いながら

 

《お笑い草だ、この世界を動かしていたのが人間の脳だったとは、あんなものに認められてなんになる》

 

槙島さんの呆れ返ったような声に納得せざる終えない。

 

《コレを知って、君はどう思う?それでも、社会を信じる?》

 

その言葉と共にドアがノックされる

 

慌てて動画を消す。完全になかったようにしようと思ったが、USBに入れて有害指定されていない本に入れ、本棚に入れる

 

 

 

朱は征陸、六合塚と共に槙島が所有していた一軒家にきた。

 

槙島が所有していたというのだ、犯罪の証拠が沢山あるのだろう。

 

ドミネーターを構え、征陸がドアを開けようとするが、鍵が閉まっており、殴って開けようとすると

 

ガチャとドアを開けてきた人物に驚く

 

(…女の子…?)

 

「君は…」

 

征陸は驚きつつも『ごめんな』と軽く謝罪してから少女にドミナーターを構えると

 

《犯罪係数0、執行対象ではありません》と判定される

 

それを報告してくる征陸さん

 

「槙島雪絵です。あ、間違えた白澤雪絵です」

 

そう言ってお辞儀してくる。

 

子供なのに違和感がもの凄かった。

 

銃を向けられても起動しないのが分かっているように反応していた。

 

「貴女は、行方不明の白澤さん?」

 

「はい」

 

「どうしてここにいるの?」

 

「槙島さんに拾われたからです」

 

「誘拐か?」

 

そう呟く征陸さんを少女は見る

 

「誘拐された人は逃げると思いますよ、相手が槙島さんでも」

 

そう淡々と話す少女

 

不気味な少女、と認識が変わりそうになった時…

 

「中どうぞ、どこにでもあるものしかないと思いますけど」

 

そう言って部屋の奥を指差す。

 

その目を見ていると、槙島がチラついて仕方ない。

 

友人を殺す瞬間の槙島に似ているような雰囲気だった。

 

槙島の自宅を調べながらもそこにあるのは有害指定された本の他に何もなかった。

 

まるで、普通の生活をしていただけにしか見えなかった。

 

「…征陸さん?」

 

征陸がソファーで本を読んでいる少女にドミネーターを向けていた。

 

征陸は『ドミネーターの故障か?』と呟いていた。

 

とりあえず、少女に話を聞く為に公安局に来れないかと聞くと『行きます』と言って着いて行く

 

先に車に乗ってもらい、ドミネーターを構えていた理由を聞くと

 

「…いやなぁ?あの子が読んでた本、俺達の時代でもそこそこ過激すぎて有害図書扱いされて発売禁止にされてた本なんだよ」

 

そんな物を読んでいる少女の色相が気になり計ってもひたすらに0のままだったという。

 

不気味すぎると素直に言う征陸

 

その言葉に槙島が人を殺す瞬間に0を叩き出した事を思い出す。

 

人を傷つけているのに犯罪係数は下降傾向にあった。

 

「……一度公安局に戻りましょう」

 

そう言って車に乗り込む

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