免罪体質者がPSYCHO-PASSの世界を行く   作:アルトリア・ブラック(Main)

37 / 45
第二章はpixivの方を進めてからこちらで再開します。それまではしばらくだいぶお待ちさせるかもしれないです

このルートの彼女

【挿絵表示】

AI生成イラストです


第8話『善悪の基準』【完】

 

東金執行官によって常守朱の色相が少しだけ悪化したものの、最終的には安定し、監視官権限も戻った。

 

その様子を分析室から見ていた雪絵は彼女が本当の意味での裁き手に近づいている事を少しだけ楽しく思っていたと同時に、自分の色相はやはりホワイトカラーのままである事に少しだけ落胆しつつも、今後のことを考えればもういっかと思っていた。

 

常守朱宛てに送った内容を見て今、常守朱は喜んでいるのだろうか?まぁ、生存しているという事は喜ぶ事だろう。

 

「雪絵ちゃん」

 

再会を終えたのか、常守がやって来る。

 

「おばあちゃんに会えました?」

 

そう聞くと「やっぱり…」と言われる

 

東金朔夜が殺したのは別人だ。鹿矛囲桐人がやったように別人にホログラムを被せただけの別人。

 

あの耳は爆弾魔の耳だ。骨格が似ていたから助かったし、イヤリングは似たようなものを付ければ問題ない。

 

最大の問題は常守葵の耳だと認識させる事、そんなのは簡単なことだ

 

常守葵の手術歴があり、定期的に血液検査をしている。

 

その血液パックを一つ拝借し、耳に輸血する。

 

それでも、常守葵の耳だと認識しない可能性がある。そうなったらハッキングして調べる人間の端末をジャックしてしまえばいい。

 

幸いにもハッキングする手間は省けたが

 

「…殺したの?」

 

雪絵にドミネーターを向けて来る常守

 

しかし、ドミネーターはサイコパスが0のままだと判定しているのだろう。

 

「殺したのは東金朔夜ですよ、私はただ、おばあちゃんを助けただけですよ」

 

「…その方法を、聞いてるの」

 

常守朱の目には少しだけ怯えと私が何か見定めている目をしていた。

 

上記のことを説明する

 

決して私は人を殺していないし、代わりになった人はこの世界では『殺されても仕方のない人間』として扱われていた。

 

私のことを娘か何かに重ねていたのだろう。今回の話をしたら快く受け入れてくれた。

 

「爆弾魔は二係が執行しましたし、既に死体に成り果ててました。それから取ったというのは死体損壊に該当するでしょうけど、今はそんな法律ないんですよね」

 

「誰かを助けるためなら誰がを犠牲にするのを厭わないの?」

 

常守の声には複雑な感情が見えた。

 

「大多数の為に少数を犠牲にする。そんなのは遥か昔から行われていました。東金朔夜が常守さんを黒く染めようとしているのは目に見えて分かりました。だから、先に手を打ったんです」

 

「その手段の仕方を聞いているの、どうして、他人を犠牲にしたの?」

 

その質問に常守を見て微笑む。本当に正義が具現化したような人だった。

 

《あんまり上手く行かなかったよ》

《学生を選んだからじゃないですか》

 

槙島さんとのやりとりを思い出す。

 

《雪絵、正義とは何だと思う?》

 

かつてのやり取りが脳裏をよぎる

 

《暴力です》

 

《結論を出すの早くないかぃ?確かにまぁ、そう捉えるのも一興。もっと捻り出してご覧》

 

《法律…ですかね、強いていうなら》

 

《そうだよ、法律が正義、と昔の人間達は信じていた。それが今この世界ではシビュラが絶対正義となっている。おかしいと思わないかぃ?システムに正義を託すなど》

 

《おかしいですよね、でも、過去の人間は必死でシビュラシステムを作り上げ今この世界がある。私は別に正義も悪も時代によって様々だと思いますよ、ジャンヌダルクだって当時は魔女と罵られたけれど数百年経った世界では見直されたように、いつかこの世界が間違った世界だと言う人が現れるかもしれないじゃないですか》

 

槙島さんへの答えはこれで良かったのかもしれない。槙島さんは微笑みながら『君は本当にシビュラを否定しつつも社会を肯定する。神様みたいな子供だ』と頭を撫でてくる。

 

「この世界では潜在犯は死んで良い人間として扱われている。私は別に無作為に彼らを殺したいわけじゃない。でも、潜在犯を人間扱いするな、って言うのがこの世界では一般常識なんですよね?霜月美佳さんがそういった発想であるように」

 

その言葉に常守は再びドミネーターを構える。

 

「私、常守さんのことは大切に思っているんです。正義が具現化したような、社会を守ろうとする貴女だからこそ、大切だと思ってるんです」

 

常守朱ならきっとこの世界をより良くする。

 

シビュラシステムを最上級のものにするかもしれない。

 

その過程で私は彼女の悲願を破壊したいと思う気持ちもあった。

 

沢山知識を蓄えて神様になったシビュラシステムを内側から破壊する

 

その行動に意味はない。ただ私が出来る最大限の嫌がらせ

 

ドミネーターを下ろす常守

 

「……貴女のその感情は大きな間違いよ、雪絵ちゃん。大切な人のために誰かを犠牲にするのは間違ってるわ」

 

常守さんは私を認めない、そんなことは分かっている。

 

それに、シビュラとて殺害された人が常守葵じゃないのは分かっていたとしても直接手を下したのは東金朔夜であり、殺害された人は何故そこにいたのかという話題にはあった。

 

死人に口なしという言葉だ。

 

これは単なる事故として片付けられた。

 

私は別に脅迫も何もしていない。私を一方的に娘扱いして来た執行官に事件解決のための命令をしたに過ぎない。

 

「血を流さない選択肢なんて、ありはしないんですよ、だって人間だから」

 

ニコリと微笑むと常守は拳を握りしめているのが見える

 

「沢山の犠牲の上に今の社会はある。正義のためにと目指す貴女がいつか…」

 

常守の元に歩み寄ると

 

「その正義によって首を吊られないようにいつでも助けますから」

 

 

 

 

 

 

ー3年後…ー

 

外務省行動課として狡噛慎也が日本に戻って来た

 

「アンタとは初めましてだな、槙島雪絵」

 

公安局に一度やって来た狡噛慎也と常守朱

 

12歳になった雪絵は監視官として任される仕事は大いに増えた。

 

「狡噛慎也執行官ですよね、初めまして」

 

そう挨拶すると狡噛は雪絵を見て

 

「本当にアンタは槙島聖護にそっくりだな」

 

そう言われ苦笑いを浮かべる

 

「確かに過ごした時期はありましたけど、そんなに似てますかね」

 

「あぁ、人を喰うような獰猛な目は忘れられない」

 

二人のやり取りに常守は心配そうに見ていた。

 

「獰猛な目ですか、そんな無闇矢鱈に人を殺しませんよ」

 

「槙島聖護は飽きたおもちゃは正確にぶち壊すタイプだが、アンタは飽きたおもちゃでも直して使い続けるタイプだ。そこに愛情なんてものは存在しない」

 

槙島聖護を理解している狡噛慎也に笑いかける

 

「槙島さんは最後笑ってましたか」

 

話を逸らすように言うと狡噛慎也はタバコを吸いながら

 

「心底嬉しそうだったよ、僕の代わりはいるだとよ、まさかアンタのことだとは思いやしなかったが」

 

「…『僕の代わりはいる』…ですか」

 

槙島さんとの日々を少し思い出す

 

あの日々は今の生活より楽しかったのは最近認めている。

 

槙島聖護が暮らした家は、あれから私の家になっている。

 

「アンタは事件を引き起こし優越を感じるか?」

 

「別に優越感も感じませんよ」

 

「じゃあ、アンタは他の監視官や普通の人間をどう思っている」

 

その言葉に槙島さんがどう答えるかわかった。

 

『人の魂の輝きが見たい』

 

ニコッと笑い

 

「人の生きる輝きが見たい。そう考えれば彼ら彼女らは普通の人間ですよ」

 

そう答えると狡噛慎也は『本当に槙島に育てられたんだな』と言われる

 

「ありがとうございます」

 

そういって微笑む

 

彼らにとっては嫌なことかもしなれない。

 

けど、私にとっては槙島さんは話していて楽しい存在だった。

 

趣味嗜好が合うというのはそれなりに楽しいし、議論し合うのは本当に楽しかった。

 

監視官になってからそんな生活は皆無に等しかった。

 

「狡噛さんはシビュラシステムの正体知りたいと思いますか?」

 

そう問いかけると常守は前に出て止めようとしてくるが、狡噛はそんな常守を制して

 

「いや、そんなことはもうとっくにどうでも良くなった。正体とかそれ以前に俺は今ある状況を打開するだけだ」

 

そう言って文書を彼らの手から守るために雑賀先生の元に行く二人

 

 

 

 

 

ー2年後…ー

 

 

「これから二係監視官になります!佐藤由美です!よろしくお願いします!!」

 

そう言って敬礼をする佐藤由美

 

「よろしくね、佐藤さん」

 

「よろしく」

 

「二係の監視官としてまず、一係の人間と協力するように言われました。よろしくお願いします!」

 

そう緊張気味に言う佐藤由美

 

「まず、公安局内案内しますね」

 

そう言って灼が佐藤由美を連れて公安局内を案内していた。

 

「ここが分析室」

 

そう言って入ると

 

「あら、新人監視官?」

 

「はい!佐藤由美です!」

 

「私は唐之杜志恩。14歳若年監視官、あら、若年は二人目ね」

 

煙草を吸いながら話す唐之杜

 

「二人目…?」

 

「そう、もう一人は齢8歳から監視官として仕事していた異例中の異例!槙島雪絵さん、確か同い年だったよ」

 

そう言って灼が嬉しそうにする

 

「14歳の監視官?」

 

そう後ろから声を掛けられて二人が振り向く

 

由美は敬礼して

 

「佐藤由美です!今日から二係監視官になりました!しばらくは一係の監視官に色々教わりながら事件に当たります!よろしくお願いします」

 

そう言われた雪絵は微笑みながら

 

「よろしく」

 

そう言って分析室の自分の席に座る

 

「…まーた大量に本を持って来たわね」

 

「仕事中は読みませんよ」

 

そう軽く話す二人

 

「じゃあ、次行こうか」

 

「!はい!」

 

二人にお辞儀して外に出る

 

その間際、雪絵が少し見ているのに気づかず

 

 




【本編との差異】
佐藤由美
雪絵と同年代で若くして監視官に、その推薦には常守朱がいる。
二係の監視官として常守朱のように務めることに
本編世界と違い最初っから親友ではなく、最早主人公にとっての友人枠(兼尊敬対象)は槙島聖護であることに変わりはないので、彼女に対する目線も全然違う。
常守朱は槙島雪絵のストッパーとして彼女を推薦した。

その選択が凶と出るか吉と出るか…

少なくとも『槙島雪絵』は『白澤雪絵』ではない。


【それぞれの免罪体質者】

槙島聖護は飽きたおもちゃは正確にぶち壊すタイプ。
槙島雪絵は飽きたおもちゃでも念入りに直して動かし続けるタイプ。
白澤雪絵は飽きたおもちゃは早々に捨てるタイプ


【最後に】
ただでさえ作者のお瑣末な脳みそは2期を見て映画類で少し理解している程度なんで、3期はちょっと理解できない範疇なんですよ…(⌒-⌒; )

急にビフロフト?ビスロフト?が出て来て、なんか急にシビュラ関係なくなった…と思って、3期はあえてスルーしました。だってわかんないだもん…
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。