免罪体質者がPSYCHO-PASSの世界を行く   作:アルトリア・ブラック(Main)

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一年以上コツコツと書いていましたが、いろんな本を読んでいて進みませんでした。積ん読が山のようにある…


第5話『現人神』

 

シビュラシステムによって完成された世界、そう謳う彼らはこの世界を盲目に愛していた。

 

しかし、その世界を愛していても世界から認められない、受け入れられない者がいる。

 

その世界にいられる資格がない者がいる。

 

感情が豊かすぎることにより、色相が悪化し潜在犯となる。

 

保証された世界だと言うのに、愛している世界なのに居場所がない

 

システムの判断で自分の命は終わりを迎えてしまう。

 

潜在犯として認定され、収容施設に入れられた時の絶望は凄まじいものだと立て籠もり犯は話していた。

 

『あの人に会って全てが変わったんだ、自分が自分でいて何も悪くないと、人を殺しさえしなければ私は全て正しいと』

 

立てこもり犯は、雪絵に出会ってから全てが変わったと言った。

 

『…では何故、立てこもりなんてした。誰かに指示を出されたのか』

 

その言葉に首を振り

 

『指示なんてされていない。しかし、この世界の人間はつくづく愚かしいと思っている。何故、ストレスケア薬剤などというもので精神を抑制している?一度は雪絵先生のストレスケアを受けるべきなんだっ』

 

目がイッており、それでもなお、犯罪係数は上昇することはなかった。

 

『…白澤雪絵は更生施設を辞めている。現在は別の職種に就いている。そもそも、ストレスケアは無理に受けない方が良いだろう?』

 

『そうだ!白澤雪絵先生以外のストレスケアなど意味がない!闇雲に出す薬剤は我々人間の生命を脅かすものでしかない!』

 

「…とこんな感じで、動機をいくら聞いても雪絵ちゃんの素晴らしさを解く話しかしないのよ」

 

唐乃杜からの言葉に灼、常守、霜月の三人で見ていた状況に眉を顰める

 

「…宗教…」

 

妄信的に何かを信じるその姿。

 

そして、犯罪係数は一向に上昇しない。

 

しかし、会話が一切成り立たない歪さ

 

『彼女は地獄の中で唯一我々に手を差し伸べてくれた。救世主だ』

 

システムじゃない、彼女だと男は語る。

 

 

 

 

 

 

「あーー…」

 

一方、私立桜霜学園の職員室にて伸びていた。

 

「白澤先生。おはようございます」

 

「…おはようございます」

 

今更だが学校の教員の仕事は面倒くさい業務と過密勤務が多い。

 

生徒一人一人のことを考えたら休憩時間なんてないに等しいし、次の授業の為に準備しないといけないことも多い。

 

挙げ句の果てには部活動顧問なんてやらないといけないので心底めんどくさい。

 

(…まぁ、図書部は面白いけど、薄っぺらいんだよなぁ)

 

全部が全部ハッピーエンドの物語を読む生徒達

 

過程も結末もハッピーが多い。

 

まぁ、時々過程は厳しくても最後はハッピーエンドが多い

 

(…『殺戮に至る病』とか『夏と花火と私の死体』だって面白いんだけどなぁ)

 

語り明かしたいのに、超有害図書扱いされていて生徒はそれを知らない

 

何も幸せなだけの物語が良いとは限らないだろうに

 

背伸びをし荷物を纏めて外に出ようとすると…

 

「ん?」

 

車の近くに黒塗りの車が止まっていた。

 

「白澤雪絵さんですか」

 

そう言って現れた公安局の監視官は知らない人だった。

 

顔馴染みがいるという方がおかしいのだろうが

 

「はい、公安局二係監視官、勅使河原浩史です。公安局までご同行をお願いします」

 

「任意ですか?強制ですか?」

 

「公安局局長からのご命令です」

 

機械のように淡々と話す監視官の言葉にため息をつき『わかりました』と答える。

 

変に長引かせて問題になるのは面倒だし

 

(…そろそろ、終わりどきかなぁ)

 

シビュラシステムがどう判断しているのか分からないが、自分をシステムに組み込むつもりなのだろうかと考えこの監視官二人をぶっ殺してでも逃亡したかったが、余計面倒なことになるので黙って着いて行く

 

車に乗り込んだ雪絵を八神はジッと見ていた。

 

 

 

 

 

『公安局二係、勅使河原浩史刑事と吉峯刑事が何者かに殺害されたわ』

 

常守が一係の、灼の乗る車のモニターに現れる

 

「その二人は何をしに私立桜霜学園へ?」

 

『局長の指示で向かったようよ、二人は特に何も言われなかったらしいけど…雪絵ちゃんに話しかけているのが確認されているから…おそらくは…』

 

灼の脳裏によぎったのはシビュラシステムの脳の群れ

 

近年、白澤雪絵が治療した患者達が不自然に失踪したり(無論、関係のない人間も失踪してはいる)

 

先日の立てこもり犯のように雪絵が関わった患者が突然犯罪を犯したように、彼女が及ぼす影響がいきなり現れた。

 

彼女の言うことなら間違いない、とそう暴論を振りかざす人間が出て来た。

 

「…雪絵先生が一連の事件を引き起こしている可能性…があると」

 

『無自覚であれ、自覚している上での行為であるか本人に聞かない限り分からないわ』

 

「本人はそんな面倒なことやらないと言ってましたけど…」

 

実際、犯罪をしている最中に犯罪をやっているかなんて聞かれてやってないと答えるのが当たり前だろう。

 

『雪絵ちゃんをシビュラシステムは取り込もうとしている。事態が大きくなる前に…とは言っても一度広がった炎を消して行くのには相当時間は掛かるし…もし仮に取り込んだ後も続くならそれは別に犯人がいることになるからそれはそれで対処するっていうのがシビュラの判断なのかもしれないわ』

 

「わかりました。現場周辺に雪絵先生がいたら確認して見ます。それと、最後に吉峯監視官のドミネーターの履歴には何が残ってたんですか?」

 

『二人のドミネーターの記録には雪絵ちゃんのサイコパスしか載ってなかったわ、犯罪係数0のまま。その後殺害されたみたい』

 

「………」

 

状況だけ聞けば、雪絵が二人を殺して逃亡したように見える。

 

免罪体質者の犯罪はサイコパスが上昇しないため、判明しない。

 

人を殺す瞬間でさえ0を維持し続ける。

 

 

 

 

白澤雪絵が『心理カウンセラー』として仕事をしている時は母親のように優しく包み込む一方、自分の気持ちを否定しない、むしろ物事を面白おかしくして安心させてくれる存在だ。

 

一方『白澤雪絵自身』としての彼女は実にドライで残忍な目も見え隠れした。

 

基本的に人への関心などないし、どことなくこの世界の在り方を否定しているテロリスト的な思想を持っている気がした。

 

彼女の声は1/fゆらぎの声を持っているようだった。

 

「世界はどうであれ、この国の人々からしてみれば貴女は現人神のような存在らしいですよ」

 

「…………」

 

八神は目の前に座る雪絵にそう話す

 

タオルで身体を拭きながら笑いかける

 

「……いきなり監視官二人を殺して連れてくるって何がしたいの?」

 

彼女の言動と表情はいかにも人を食いそうなぐらいの圧を感じた。

 

「僕の家族ってシビュラを神のように崇めているんですよ、特に私は幼い頃から母親に『シビュラなの?』とよく言われてました」

 

「………」

 

「時々いるみたいなんです。何をしても何をしでかそうと色相や犯罪係数が上昇しない人が、そういう人たちを母は『シビュラ』と崇拝してたんです」

 

「…人を殺した上でそれを良しとシビュラから言われたから神だと?凄い考え方だね」

 

嫌悪感のあるような表情をする雪絵に頷きながら

 

「確かに、そんな時に思ったんです。シビュラシステムってなんなのかなって、犯罪を犯してもそれを正しいことだと考えるのは機械ではありえないんじゃないかと。そんな時に貴女と話して行って思ったんです。シビュラシステムというのは人を指す言葉じゃないのかなと、そして、貴女はシビュラシステムの正体を知っている」

 

「知っていたとしてどうするつもりなの?そのシビュラというのが良いものだとは限らないじゃない」

 

「神であってもなくても私は別にどうでもいいんですそこは、単に知りたいだけ、漢字の意味を知りたいのと同じぐらいの度合いですよ」

 

服を着直して立ち上がる。

 

ドアの前に行くとにこやかに笑い

 

「お話の前に一度この建物の中を案内しますよ、貴女にとってはつまらないかもしれませんけど、一応、興味はそそられると思いますよ」

 

「………」

 

雪絵が立ち上がる




山のように本を読んでたり日常生活が忙しすぎたのもあって半年経過してしまった…

いや読書は楽しい、沢山の本を読んでも変わらない大好きな本『ハーモニー』

そして、恋に至る病や近畿地方のある場所についてが映画化決定しましたね、近畿地方の方は映画化してチープにならないか不安だし、恋に至る病の寄河景は誰が演じるのか不安でもある(女優は決まったっけ?)
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