ガンダムアーセナルベース Blank Justice 作:ガンダムラザーニャ
空と白、二人合わせて『 』は、今大会に関する情報収集を行いつつ、ガンダムシミュレーターで様々なミッションを熟していた。
「ここらのミッションは、あらかた片付いたか」
「…殲滅、防衛。
どれも…、骨が、なか…った」
これまであらゆるミッションを熟していた二人。
中には前回みたいに他のプレイヤーが乱入する緊急ミッションもあったが、メンバー勧誘したヤークトアルケーガンダムと違って骨のない感じで辟易していた。
そのほとんどが、『 』がセイバーを使ってるのを見て、原作だとフリーダムに達磨にされた負け犬と侮ったことにある。
大会に出るにしても、そういう連中相手は全く話にならない。
やられメカだの何だの、それの原作での結果しか見れていない証拠だ。
状況や技量、そして知識が欠けている。
かつて自分たちを敗ったサンラクは、クソゲーハンターだが腕は確かだった。
白の技量を、空の揺さぶりを、きちんと理解した上で対応し、そして勝った。
半端なプレイヤーとは訳が違う。
「こんなん、…じゃ、サンラク…ぶっ倒すための、準備…運動にも、ならない」
「ん?おい待て白。
何か変わったミッションがあるぞ」
「…?これ」
画面の片隅に、小さいながら一つミッションがある。
今までなかったはずのミッションだ。
「これ…、隠し…ミッション?」
「かもな。
…で、内容と報酬は、と」
確認すると、ミッション内容はソロモンに出現したビグザム1機の撃破。
そして報酬はガンプラ一つ。
「報酬はガンプラか。
この感じだと、やって実際に届いてからのお楽しみか」
「う、ん…。
物による、けど、にぃは、欲しい?」
「…そうだな。
このミッション、受けさせてもらおうぜ。
…ん?焼け野原ひろしからメッセージだ」
焼け野原ひろし、前回空たちがメンバー勧誘したヤークトアルケーガンダムを使うプレイヤーだ。
そしてその内容が。
『よぉ兄弟!お前もこの隠れミッションやんのか?
なら、俺と一緒にやろうぜ!俺とお前で、戦争をおっ始めようぜ!!』
「……」
「……」
白と空は、しばしの無言の後。
「やるか」
「やろう」
ミッションを受諾され、画面内のセイバーが発進シークエンスに入る。
「…空、白、セイバー…、出撃する」
「さぁ、ゲームを始めよう」
発進と同時に出撃し、目的地に降り立つ。
そこは宇宙、そこに漂う難攻不落のジオン公国軍の要塞・ソロモン。
そこには既に、焼け野原ひろしのヤークトアルケーガンダムがいた。
「よぉ、早速来たか兄弟!」
「あぁそうだな。
つか、あんたは大丈夫か?
相手はビグザム、モビルアーマーだぞ?」
「おいおい、俺を見くびってもらっちゃ困るぜ。
やつは確かに厄介だが、勝てねぇ相手じゃねぇよ」
「…まぁ、そういうことなら頼りにしてるぜ」
「にぃ…、あれ」
白が画面の奥に指差すと、そこには巨大な何かが接近していた。
緑色の円盤の胴体に巨大な3本爪の足が2本って、胴体には360°全方位にメガ粒子砲が搭載されたモビルアーマー。
「あぁ、間違いねぇ。
ここがソロモンならそうだよなぁ。
そうだろ?ビグザム?」
ビグザム。
ジオン公国軍が開発した耐要塞攻略用モビルアーマー。
実弾攻撃を通さない堅牢な装甲に、遠距離・中距離からのビーム兵器を無効化するIフィールドジェネレーターによる高い防御力と、全方位360°のメガ粒子砲と中央の大型メガ粒子砲による圧倒的な火力を有する。
足の3本爪はクローになっており射出することで敵機を貫通する威力を持つ。
そんなモビルアーマーが、光るモノアイで2機を見下ろす。
「…っ!」
ゲームとわかってはいるが、この巨大なビグザムの迫力に空と白は思わず息をのむ。
「ふっ、どうした兄弟?
ビビってんのか?
それなら、こいつは俺がやっちまうが?」
「まさか、そんなつもりはねぇよ。
何故なら」
「『 』に、敗北は…認められない、から」
「そうか、じゃあ…。
一番槍は、俺がいただくぜぇ!!」
焼け野原ひろしのアルケーが先手を取る。
バックパックから取り出した2本のバスターソードでビグザムの胴体を狙って斬り掛かる。
しかし、それよりも早くビグザムが大型のメガ粒子砲を撃ってくる。
「おっと!!」
何とか避けるも、続けてメガ粒子砲による全方位攻撃が来る。
「やべっ!」
「にぃ!」
セイバーも避けながら様子を伺う。
だがそこへ、射出されたクローが飛んできた。
咄嗟にシールドを構え、防ぎながら攻撃を反らした。
しかしその拍子にシールドはひしゃげて、セイバーは壁に叩きつけられる。
「うっ!」
「兄弟!!」
「だ、大丈夫だ…、まだ何とか動ける」
だがどうする?と、空は頭を抱える。
ビグザムの攻撃などは頭でわかってはいるが、隠れミッションということもあってかなりの難易度だ。
ビームが当たらない安全圏の足元に行くか?
だがそれで蹴られることもあるし、クローが飛んでこない保証はない。
そもそも全方位攻撃を仕掛けてくる相手にどうやって近づく?
考えろ、考えろと、空は頭を抱えていると。
「にぃ」
「白…」
白の小さな手が、空の手を優しく握る。
空と白、二人は『 』。
片方が下手をすればもう片方が補い、支えれば良い。
今まで、ずっとそうしてきたから。
「…そうだな白。
俺たちは二人で一人だ」
「うん…、だから白が、にぃを、支え、る」
今度は空の操作に白が加わる。
普段はゲームのし過ぎで目がトロンとしてるが、それでも脳内には先程のビグザムの攻撃パターンを攻略するための膨大な計算が行われている。
「…っ、避けろ兄弟!!」
焼け野原ひろしが警告する。
ビグザムのメガ粒子砲が、セイバーに狙いを定めているから。
セイバーは飛ぶのではなく、少し横に転がると、全方位のメガ粒子砲のビームの隙間に入り込む形で避けた。
「なっ!?」
避けた?
あのメガ粒子砲の雨の中をか?
焼け野原ひろしは驚くが、すぐに次が来た。ビグザムの足のクローが射出され、セイバー目掛けて飛んでいく。
それもわかっていたとばかりに、プラズマ収束砲のビームをぶつける。
破壊することはできなくても、その威力によりクローの向きがズレ、丁度セイバーの隣に落ちた。
「お、おい!どういうことだ!? なんであのビグザムの攻撃を避けられるんだ!?」
焼け野原ひろしはそれが信じられなかった。
駆け引き・揺さぶり・ブラフは空の得意分野だが、こういうNPC相手にはそれが通用しない。
逆に、白ならできる。
どんなに強い相手でも攻撃する時の方向、角度、威力、攻撃範囲などを予測し、まるで未来予知の如く高い計算能力であらかじめ回避行動を取れる。
そして、その攻略も。
次の攻撃が来るまでの時間を計算し、すぐさま変形して距離を詰める。
「あ、危ねぇ、避けろ兄弟ぃ!!」
直ぐ様距離を詰めるとメガ粒子砲にエネルギーが溜まり、今にも撃ちそうになっているが。
「…遅、い」
モビルスーツに変形し、そのままビグザムの側面を滑るように滑空しながらビームサーベルでメガ粒子砲を斬り裂いていく。
片側面のメガ粒子砲たちが斬り裂かれ、爆発し、大きくよろけるビグザム。
だが無事だったメガ粒子砲がまだ残っていた。
「にぃ!」
「おう!
焼け野原ひろし!ファングで他のメガ粒子砲を潰せ!!」
「…っ、任せな!
行けよファング!!」
ヤークトアルケーガンダムのサイドスカートからファングを飛ばし、先端にビーム刃を展開し、撹乱するように飛びながら、大型も含むメガ粒子砲を破壊していく。
中央、側面共に破壊されたビグザムには、足のクローしか残されていない。
「今だ!」
「おう!」
2機のビームサーベルが、バスターソードが、射出されたクローを避けながらビグザムを斬り裂いていく。
堅牢な装甲がその2つによって用意に斬り裂かれ、内部に達して破壊されていく。
幾重にも斬られたことで、ビグザムは後ろに倒れ込み、爆散した。
「やっ、た…!」
「ふっ」
「やるじゃねぇか、兄弟」
「お前もな」
喜んでいると、ミッションクリアの通知が来た。
そして報酬も。
報酬は、インフィニットジャスティスガンダムだ。
インフィニットジャスティスガンダム。
アニメ、機動戦士ガンダムSEED DESTINYに登場する機体で、セイバーを破壊されたアスラン・ザラが次に乗った機体とされる。
前作の機動戦士ガンダムSEEDのジャスティスガンダムの後継機であり、ジャスティスよりも近接戦闘向きとなっている。
「にぃ…、これ」
「あぁ、こいつでセイバーを改造すりゃ、色々と強くなるな」
二人はゲームを終えて、インフィニットジャスティスのガンプラが届いてから、どのように改造するのかを考えることにした。
バトルサバイバルで活躍するのは?
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空
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焼け野原ひろし
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ノビ
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メブ
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ユウカ