触手と粘液は使いよう 作:ぬぇへへへ……
どこをぶらつこうかはまだ未定の模様。どうすっかなぁ~オレモナ~(MUR)
あとコイツの職業が想像できねぇ…特殊で良いのかしら? あるいは重装か…いや重装はねぇな。
取り敢えず分類できなければ特殊にぶち込んでしまえという作者の浅はかさよ
山脈を超え、谷間を超え、天災を竪穴と触手で作り上げた簡易シェルターでやり過ごし。
太陽と月が何回昇降を繰り返したのかわからなくなった頃。目的地、イベリアの国境付近に辿り着いた。
流石にぶっ通しの単独強行軍で精神的に疲弊したのである程度の休息を取ることにした。
が、俺でもわかる不安定極まる精神状態で見る夢なんてお察しの通りで。
やれ転移当初の過酷な環境での放浪だの
そっから拾われて助かったと思いきやそこが赤白傘のマークで有名な企業さながらのマッドサイエンティストの巣窟だった時の事とか。その後の事とか。
まあざっくり言えばですよ。
オデノココロハボドボドダ……状態ですよ。いや本当に。
こんな精神状態でケッチャコを付けに行くのかって? 勿論さぁ!!
いや内心でイマジナリー誰かさん相手にふざけてなきゃ持たないわまじで。こうしてる間にも声は急かすし波の音は耳元超えて頭上から聞こえてくる始末。アレか、俺はもう人外の域にどっぷり浸かってますよって言いたいのか。そんなモン端っからわかっとるわ。漸く目を向けた事実を押し付けてくんじゃねぇですよ。
ただ…あんな人の形捨てて、ついでに人類補完計画みたいに『個』を捨てれるほど覚悟極まってないんですわ。あの研究所のクソ狸親父と愉快な取り巻き連中みたいにな。
あいつら科学者の癖に真逆の神なんて言葉でアレを形容して、嬉々として取り込まれに行ったからな。見てて鳥肌立ったし今も思い出して鳥肌が立ってる。思い出し笑いならぬ思い出し鳥肌ってあるもんなんだな。伊能覚えた。しかし思い出し鳥肌って語呂わっるいな。
「っと、此処だったか」
いや~懐かしいネ。ホントに。戻りたくなかったけど。
眼前に広がりますは嘗て固く閉ざされていたであろう拉げた自動ドアの残骸。こ~んな僻地にあるんだからそりゃ後ろめたい研究以外ないよネ。
奥の方から潮の香りが漂う。リゾートの海辺じゃなくてこう、なんだろうな……魚特有の生臭さと潮臭さが混ざっていると言いますか、あんまり嗅ぎたくないような臭いですな。うん。
めっっっちゃ帰りたい。いや帰る場所なんてもう無いんだけど。自分から消したんだけど。それでも帰りてぇわ。
パイソン先輩とエクシア先輩でバカ騒ぎしたい。
テキサス先輩の運転で死にかけるような目にあいながら、煙草を吸って他愛ない雑談したい。
ソラ先輩にそれを咎められて言い訳考えながら、時には歌を聞いて和みたい。
エンペラーのバーで酒飲んでペンギン急便のメンツとバカ騒ぎしたい。
モスティマ先輩と仕事であちこち行きながら美味いもん巡りしたい。
出来る事なら今すぐに戻って土下座して元の状態に戻りたい。
けどそれじゃ駄目だ。駄目なんだ。中途半端でずるずると引きずっちゃダメなんだよ。連中だってそれじゃ納得しない。そもそもそんなことして元通りに戻れる筈が無い。そもそも世話になってた癖に後ろ足で砂を掛けるようなコトしておいて戻れるほどツラの面厚くねえし、アイツ等もそれで許してくれるはずもない。
それを覚悟で縁を切ったんだ。今更戻るとか、そんな甘ったれたことは無しだ。
「う~し! ウジウジ悩むのは辞めだヤメ!!」
チャチャッと因縁に蹴りを付けようじゃないの!!
空元気で無理やり奮い立たせ、奥から誘うように微風を送っている洞窟の中に一歩足を踏み入れた。
▼ ▼ ▼ ▼
「ああ、わかった。この映像記録はこれより私の管理下に置かれる。わかっていると思うが口外はしないように」
退室を促すと一礼して部屋から出ていく職員達。
それを確認し、ロドス医療部門を統括しているケルシーは手に持った映像記録を収めた媒体を手に深いため息を吐いた。
「何故こうも厄介ごとが舞い込むのだ……」
ロングスプリングで発生した暴徒襲撃からの一連の騒動を収めたソレはどこで、何が起きたのかを詳細に知り、危険手当と損害の計上及び今後の戦闘の参考資料に、或いは問題行動を起こしたオペレーターの詳細を調査し適切な罰則を与えるために外勤オペレーターに標準的に取り付けられるものである。
普段なら経理部門と医療部門の手に渡り、そこから記録編纂されて他戦闘オペレーターの教育に用いられる映像教材になる。
だが、今回の映像は最初に精査した事務オペレーターの判断により直接ケルシーの手元に渡った。
これまでも表沙汰に出来ないような、或いは政治的に複雑な場面を映した記録は時折提出される。それらは機密としてケルシーの手によって保管され、得られて情報から交渉材料に使うか、或いは今後のロドスとしての対応をアーミヤ及びドクターと審議することになる。
しかし、今回得られたモノは政治的な事情を孕んではいるものの、さして最重要機密に値するものではない。精々が一定の権限を有する上級事務オペレーターなら閲覧可能な程度の、今後同様のトラブルに直面した際の対応策を講じる為の映像資料だ。これだけなら態々ケルシーが機密にする必要も無い。
問題は別にあるのだ。騒動に直面したオペレーターと協力し、協力に当たった大型銃を扱うサンクタではない種族不明の傭兵集団にペンギン急便のトランスポーター二名。
前者はその戦術性、専門性からロドスで戦闘オペレーターとして雇用し、彼らの持つエッチング弾とも違う、『ニトロセルロース』を使用した銃弾の分解と詳しい成分の調査により、少量ながらも再現には成功している。とはいえラテラーノの事情を鑑み、此方の情報も機密としてレインボー小隊にだけ供給されることになっている。
これも厄介ごとに分類されているが、更に問題なのは後者の方だ。
現在ロドスと業務提携が結ばれているペンギン急便。当時その場にいた二名の内、新しく採用されたという種族不明の『イノー』と言う名の新人である。
映像記録には彼の戦闘が記録されているが、これが問題だった。
触手を振り回し、質量による広範囲の虐殺。そしてストレスの限界を迎えたことによる発狂とそれによって明らかになった異常性。
彼の触手の変異、その特徴はケルシーにも見覚えがあった。
彼女は部屋の一角に設置された暗証番号各種のセキュリティが掛かっている棚の中から、とある研究記録が書き残されているファイルを抜き取った。
パラパラと捲り、途中のページでそれを止めた。
そこには映像記録に映っている男と瓜二つの人物の写真と、彼に行われた実験記録と結果、そしてパーソナルデータが書かれていた。
数年前、酷く憔悴した様子でロドスに保護された研究員が持っていたものである。
結果を言えば、あまりの憔悴と発狂具合に聞き取りを行うこともできず、管理の隙を突かれ自ら命を絶ってしまった。
彼の持っていた研究記録のファイルには狂気的な実験の数々が記されており、特に異質なものが最後の実験として行われ、その先は一言。
神を見た
ページを跨ぐように乱雑に書かれた一文で終わっていた。
思ってもいない場所で見つけたこの実験対象を逃す手は無い。厄介な組織に確保される前にこちらで『保護』するべく、彼女ある場所へ連絡を入れた。
「久しいな、エンペラー」
「君の所に新人が入ったみたいだが、業務提携を行っている以上こちらで検査を行いたい」
「―――何? 行方不明?」
「……わかった。こちらでも調査を行おう。ただ、人員は限られている。できる限りと言う範囲になるが」
「ああ、失礼する」
通話を終え、より厄介な状況になっていることに彼女は何度目かのため息を吐く。
今度は内線端末を起動しこういう手合いに対処できるオペレーターの呼び出しを行った。
「よく来てくれた。早速で悪いが、君の仕事にもかかわる案件でな。彼の調査、でき得れば保護、不可能であれば殺害を依頼したい」
「場所は恐らくこの辺り、廃棄された研究所に手がかりがあるはずだ」
「発見した際の保護、殺害の判断はアビサルハンターである君の独断で構わない」
このアビサルハンター…一体どこのシャチなんだ…(すっとぼけ)
この時期のアビサルハンターは現状彼女だけであってる…よな? 弊ロドスでは彼女だけにしますそうします(ハガネガ二の意思)
イノー君のぶらり一人放浪記要る?
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ん、要る。一つずつ順番に情報を流すべき。
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ん、要らない。さっさと龍門に帰るべき。