ただしこのキヴォトスはネットミームに汚染されてるものとする   作:流石兄者

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IFルート『もしモカちゃんのポンコツ危機察知センサーが課長レベルで壊れていたら』

注意!
ヤンデレヒナちゃんが出てくる為、「もう充分だ、(他の作品でヤンデレは)もう充分堪能したよ…」という方はブラウザバックをお願い致します。一応ギャグテイストにはしてありますが、念の為。
次回は晄輪大祭がテーマのギャグ小説に戻す為、その時にまたお会いできたら嬉しいです。

「大丈夫だ、問題ない」という方。どうぞお進みください。

【Tip】
モカ 身長126cm
ヒナ 身長142cm


12話IFルート よぉ、首輪付きィ

 

 いつからだろうか。あなたを吸うとリラックスできるようになったのは。

 

 いつからだろうか。ベッドからあなたの匂いがしないとあまり眠れなくなったのは。

 

 覚えている。

 銃がない状態で暴走した尾刃カンナと戦った。店を粉々にする黒舘ハルナの自爆に巻き込まれた。隕石に潰されかけた。頭から熊に食われかけた。

 その話を、冗談を言う時と同じトーンで語るあなたの声を。

「ヘイロー5000兆個ほしー」なんて言ってたわね。

 

 覚えている。

 アコが散歩に使っている首輪をこっそり持ってきて。

 あなたを繋ぎ止める鎖付きの首輪をこしらえたのは、昨日だ。

 

 

 私の友達モカは、かなりちぐはぐな子だ。

 万魔殿のイブキと同じくらいの身長であり、顔立ちもかなり幼い。

 そんな見た目に反して誰にでも敬語を使い、それどこで教わったのと聞きたくなるような小難しいことだって言ってくる。

 だけどたまに、見た目相応のことをしているのを見かける。

 

「うふふ、待て待て~! 捕まえちゃうわよ~!」

「ゼェッ 捕まるッ ハァッ わけにはッ いかないんですッ!!」

 この前、シャーレでセミナーの会計と全力で鬼ごっこをしていた。子供っぽいところもちゃんとあるのだと、すこしほっとした。

 

「先生見て見て! リオさんに要塞都市エリドゥの見学ツアーチケットもらったんです! 一緒に行きませんか!?」

「あー、ごめんモカ。ちょっと仕事がn──」

「兵装ビルを使った火力演習も見れるみたいですよ!」

「こうしちゃいられない! すぐに準備するよ!」

 意外と子供っぽいところもある先生と波長があうみたい。かっこいいものを見ると、二人ではしゃいでいる。……私の銃を触らせてあげたら、喜んでくれるかしら? 

 

 

 モカは、強いのに臆病だ。

 

「モカ、あのガトリングを何とかして!」

「了解! 『これは世界一強力な拳銃です』!」

 そう言いながら放たれた銃弾は、スケバンの意識を一撃で刈り取る。

 なかなかの威力だ。火力だけ見たら即スカウトものだと思う。

 

「よくもやってくれたな! あのチビを撃て!!」

 バババババッ! 

「ヒイイイイ!?」

 すぐさま物陰に隠れ、震えている。

「モカ、大丈夫?」

「ひ、ヒナさん。私が狙われている間にやっつけていただけませんか?」

 庇護欲を駆り立てられるような、震えた声。

 モカは、被弾することを極度に恐れている。まるで当たったら死ぬみたいな、そんな怖がり方だ。

 過去にどんなことがあったらあんなに恐れるようになるのだろう。

 聞いたら教えてくれるだろうか? 

 

 

 モカは、冷静に振る舞うがかなり顔に出る

 

 イブキみたいに無邪気に感情を表に出さず、常に冷静沈着である──ように見せたいのだろう。

 だけど、割と顔に出ている。かわいいから、本人には言わないけれども。

 

『皆さんこんにちは! 給食部の愛清フウカです! 今日は、ゲヘナ生徒4000人分の給食を作っている私がおすすめする包丁を紹介します!』

「お、フウカさんだ」

「あら、ほんとね」

 時刻は夜。モカを家に呼び、一緒に寝てもらう。

 あまり頼りすぎるのもよくない。わかってはいるのだけれど。

 どうしてもあの匂いが、あのぬくもりがないと熟睡できなくて。

 モカのやさしさに甘えてしまう。

 

 ……今日呼び出したのは、違う目的があるからなんだけど。

 

『それがこちら、ミ〇クルブレードです! 見てください、この切れ味!』

 まな板に置かれたパイナップルを包丁で一度横に薙ぐ。何の抵抗もなく刃は通り、パイナップルを両断した。

 横を見ると、目を丸くして驚く顔がある。ころころ変わる表情は見ていて飽きない。

 私はテレビの画面より、モカの顔を眺めてる時間のほうが多いかもしれない。

『これがあれば、4000人分の野菜をカットすることも楽々です!』

「なんだって!? それは本当かい!?」

「モカ、楽々なのはフウカがプロだからよ」

 スマホを取り出そうとするモカを止める。……時々、モカは私がいないとダメなんじゃないかって思うの。

 

『買わないなら、私のことを覚えていてください。家にある古いナイフでパンを切ったときに思い出しますよ。家族の為にスティックパンを作り続けるってことをね』

 ナイフを持ち替え、一斤のパンを取り出し切り始める。パンは切れ味の悪いナイフに押しつぶされ……あれ、フウカさん自身がつぶしてないかしら? 

『何人がこんな失敗してきたァ!?』

「ヒィ!?」

『こんなのにバター付けられます!? 人様に出せないですよ!? こんな……こんなもの!!』

 パリィン! 

『フウカさん!?』

『おい! カメラ止めろ!』

『禁断症状だ! 早くミ〇クルブレードを持たせろ!』

『やっぱり妖刀じゃないか、たまげたなあ』

 

「…………」

 絶句しプルプルと震えるモカをぎゅっと抱きしめる。

 ……一緒に映画を観る機会があったら、ホラーは選ばないでおこう。

 

 

 

 モカは、見た目に反してかなり豪快な料理を作る

 

「淡ーいヒナさんおまたせー(HRN)」

「ありがとう、モカ」

 モカは料理ができる。先生との雑談で得た情報を活用し早速モカに頼んでみた。大したものは出来ないよとやんわり断っていたが、何度もお願いしてみたら折れて作ってくれた。

「あー! 豚肉と野菜をオイスターソースとマヨネーズで炒めたもの~!」

 何故か声を高くしながら出された料理は、大皿にたんまりと乗っかっていた。な、なかなか豪快ね。

「はーい、スープと漬物ですねー。ご飯はこれくらいでいいですか?」

「だ、大丈夫よ。問題ないわ」

「じゃ、食べましょうか」

 

「「いただきます」」

 

 早速口にしてみると、ちょっと味が濃い。なんというか──

「男の人の料理って感じね」

「そそそそそうですかね!?」

 ……気にしてたのかしら? 作ってもらったのに失礼なことを言ってしまったわね。

「私は好きよ? 疲れた体によくなじむわ」

「そ、そっか。それはよかったです」

 実際美味しい。これからはたまに作ってもらおうかしら。

 

 

 

 

 二人ともお風呂を済ませ、ベッドに二人で横になる。これからモカにお話を一つ聞かせてもらい、その後一緒に寝るのがいつもの流れなのだけれど。

「モカ、今日はお話はいいわ。早く寝ましょう?」

「もう眠れそうです? わかりました。では、おやすみなさい」

 

 電気を消して、横になる。その時に。

 

「わぷっ! ひ、ヒナさん?」

「…………」

「……もう」

 身長差を活かし、私の胸元にモカの頭が来るようにし抱きしめる。

 別に急にモカを吸いたくなったわけでは──この体勢吸うのにちょうどいいわね……。

 とにかく、こうしたのは私のヘイローをモカに見せないようにするため。

 寝ているときにはヘイローが消える。つまり、寝たふりはすぐに気づかれてしまう。

 この状態で、モカのヘイローが消えるのを待ちましょう。

 

 じっとモカのヘイローを眺める。

 金色にぼんやりと輝く二重丸。シンプルだけど、綺麗。

 そのまま待っていたら、すぅすぅという寝息が聞こえてきて、それと同時にヘイローが消えた。

 

 起こさないようにそっと離れる。机に向かい引き出しを開け、

 退会届とともに入っていた『両側に首輪がついた鎖』を手に取る。

 この鎖はなかなか頑丈で、引きちぎったりするのは難しい。だからこそこれを選んだ。

 

「……本当にごめんなさい、モカ」

 

 モカは何度も危険な目にあっているが、それらすべてを切り抜けてきた。そう本人が言っていた。

 でもそれは、運がよかったに過ぎない。モカはそれほど強くない。危険をすべてはねのけられるわけではないということを私は知っている。

 これから先も、運で切り抜けられるとは限らない。

 死んでしまうことだってあるかもしれない。

 死んでしまったら、私は、独りになる。

 

 

そんなの耐えられない。

 

 

「私が絶対守って見せる。危険な目になんて合わせたりしない。だから……」

「ずっと傍にいてほしいの。私が、死ぬまで」

 

 穏やかな寝息を立てているモカに近寄る。チャリ、チャリという耳障りな金属音が私を責めている気がする。

 震える手でモカに首輪を着けようとした瞬間、色々な私が頭の中で暴れ始めた。

 欲望が「モカは優しいから許してくれる」と唆し、理性が「そんなことをしては駄目だ」と叫び、恐怖心が「モカが死んだら私は独りだ」と泣き喚く。

ああ……うる、さい!  

「ぐ、うぅ……」

 頭が、割れそうだ。

「あぁッ! ……くぅ……」

 痛みに耐えている私の顔を、ぼんやりとした光が照らした。

 

「ん……? んん!?」

「あ、ああ……モカ……」

「ヒナさん、手に持ってるそれ……なんです? (震え声)」

 

 

 

 

 やあ、うめき声で起きたらヒナさんが物騒なもん持ってなぜか苦しんでた鬼灯モカだよ。なんだこの状況!? (驚愕)

 え? あれ鎖? ……なんか両端に輪っかついてるね……あれは首輪? 

 これでいったいなにを……? 

 ……チェーンデスマッチとか? 

(チェーンデスマッチの)挑戦状を受け取ってください!!! (UZW) 

 おう、やだよ。なんでそんなことする必要があるんですか(正論)

 

「違うのモカ……私はただ! あなたを守りたかっただけなの!!」

 

 あーそういうことね! 完全に理解したわ!! 

 つまり……ヒナさんが、友達に首輪付けるヤバい子になっちゃっ……たぁ! ……ってコト!?  

 これ絶対アコさんのせいでしょ(確信)

(首輪付けながらワンワン鳴いてる奴が近くにいたら教育に悪いのは)当たり前だよなぁ? 

 やはり君はヒナさんの情操教育を脅かす、危険因子だったようだ(RSTI)

 

「私は、ただあなたにいなくなってほしくない。それだけなの。常に近くにいてくれれば、私がモカを守るから!」

 あなたにお話があります。いいですか? どうか、落ち着いて。

 無理やり首輪をつけさせたら、普通は友達いなくなるんですよ。

 

 なんてこった……どうしよう。

 もし拒絶したら、ヒナさんが壊れちゃう。そんな気がする。

 どうしようどうしようどうしよう! 

 みんな、一体どうすればいいと思う!? 

 と、とりあえずヒナさんの様子を……

 

 静かになったヒナさんを見ると、俯いていた。まるで叱られるのを怖がっている子供のようで。見えない顔から雫が落ち、ベッドを濡らしている。

 ひえぇ、ヒナさん泣いちゃった! 

 えーと、えーと……そうだ! ヒナさんに伝えないと。君の友達である鬼灯モカは、こんなことで怒るほど器が小さい奴ではないと。

 ヒナさんを許し、他の人には絶対にしないように説得する。

 よし、大丈夫いける。友達の為だ! 気合い! 入れて!! いきます!!! (HEI)

 

 

 

 

「ヒナさん」

 声が聞こえる。それは怒ってはいなかった。だけど、抑え込んでいるだけかもしれない。モカは顔に出やすい。どんな表情をしているのか、見るのがとても怖い。

 

 あぁ。やっぱりこんなこと、やるんじゃ──

 

 

 

「私以外の人にこんなことしちゃ、駄目ですよ」

 

 その言葉に思わず顔を上げると、モカは困ったように眉を下げながら笑顔で私を見ていた。

 そして私が手に持っていた首輪を手に取り、

 自らの首に嵌めた。

「えへへ……どうです?」

 朝日で照らされたその姿は酷く歪で美しく、蠱惑的で。

 

「モカ」

「なんですか?」

「理性が飛びそうだから落ち着く為に吸うわね(早口ヒナちゃん)」

「え゛!? ちょ、しゃ、シャワー浴びさせてください! やだ、まって! やだああぁぁ!!」

 

 そう、モカ。あなたは、こんな私を受け入れてくれるのね。

 

 ありがとう。私は本当に……

 

「スゥー……」

「寝起きはだめ! 汗かいてるかもだから……ヒナさん……!」

「大丈夫よ、いい匂い」

「うぅぅ~!」

「モカ」

「……なに?」

 

 私は、もう片方の首輪を自分に嵌める。

 これで2人は鎖に繋がれた。それがとても嬉しくて、思わず口元が緩む。

「ずっと、一緒よ?」

「え? あ、うん。…………あれ?」

 

 本当に、良い友達に恵まれた。心からそう思う。

 

 

 

 

「モカ」

「なんです先生」

「それ……どうしたの?」

「これは……あー、成り行き?」

 やっぱり気になっちゃう? まあ、そりゃそうか。

 翌日。書類仕事を手伝っている私の上には、ヒナさんが私に覆い被さるように乗っかっている。

 これを見たユウカさんは、「ロリサンドイッチ!」という独特な遺言を残し倒れた。遺体はソファの上に運ばれ、現在蘇生待ち。

 まあ、この光景はたまーに見られるよ。多分先生が言っているのは……

 

「どういう成り行きがあれば、2人が鎖で繋がれることに……?」

 うん、そのことだよね。ふむ……私もわかんない! なんでこうなったんだろ! 

 

「ふふ、先生。それはね──

 私たちが、親友だからよ」

「えぇ……(困惑)」

 ただ、天雨アコの仕業ってのは間違いないと思う。絶対に許さんぞ天雨アコ。いつか穴が空いてない服着せて呼吸困難にしちゃる! 

 ……それでも。

「ヒナさん、お顔見してー」

「? わかった」

 ヒナさんが私から離れたので、椅子ごとヒナさんの方に向くと私にまた乗っかってきた。昨日から距離感バグり出したなヒナさん。いくら親友でもこの距離感はおかしい……おかしくない? 

 

「……うん、隈が薄くなってきてますね」

 目元を指でなぞる。そこにはだいぶ薄くなった隈があった。

 初めてあった時はもっと酷かったのだが、治療の効果が出ているようだ。いやー良かった良かった。

「そうね、あなたのおかげよ」

「よくやったよモカ! 添い寝は私じゃあ出来ないことだからね。やったら色々と問題に……」

 何やら遠い目をしだした先生。カンナさん、扉さえあればすっ飛んでくるから怖いもんね。

 

 

 過労でボロボロだったヒナさんの体はゆっくりとではあるが、健康になっている。それは間違いない。

 私以外にしないように約束させたし、まあいいか! ヒナさんが元気になったら首輪のことは考えよう! 

 私は「三分間考えて答えが出なかったら次の問題に移りなさい」という先生の教えに従い首輪問題を先送りにし、目の前でニコニコしているヒナさんをもっと元気にするにはどうすればいいかを考え始めた。

 

 

 

 エンディングNO.465「狂気と正気の境界でワルツを」




ヤンデレは趣味です。せっかくなので自分でも書いてみました。
ヤンデレ書くのムッズ!難し過ぎません!?
書いてる方尊敬します…!


冒頭にも書きましたが、次回は晄輪大祭の予定です。
ゴールデンウィークも仕事だったり晄輪大祭ストーリーを復習したりで来週投稿できるかわかりません。
気長にお待ちいただければうれしいです。
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