ただしこのキヴォトスはネットミームに汚染されてるものとする   作:流石兄者

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晄輪大祭を書くと言ったな、あれは嘘だ。
レースの描写が初心者には難しすぎたので、しばらくアイデアを寝かせることにしました。許し亭許して。
ウマ娘のレース書いてる人達ってすごいですね。
いつかまたチャレンジするか、体育祭ってことは他の競技もあるよねってことで別の競技にしちゃうかもです。


13話 ニンポだ!ニンポを作るぞ!

 

 激しい息遣いと共に画面が揺れる。

 かつて家具だったものに積もっていた埃を吹き飛ばしながら、追手から距離を離す。

 そして人ひとり身を隠せそうな隙間を見つけ、画面の主はすぐさまそこに潜り込んだ。

 画面は薄暗くなり、見えるものは先ほどまで駆けていた廊下と、ショットガンにショットガンを無理やり括り付けてある珍銃のみとなった。

 呼吸が整いはじめ、ショットガンのぶれも小さくなる。

 追手が見えた瞬間引き金を引けば大ダメージは免れないだろう。

 

「くそっ、なんだその逃走術。どこで覚えてきた!? かわいいですね♡」

 比較的近くから聞こえてきた声。

 息をのむ音とともにショットガンが震え始める。

 

「でもどこにいるかわかっちゃいますよ。イズナエスパーですから! 忍者エスパー♡」

 その直後に目の前の地面に突き刺さったクナイ。それには文様が浮かんでいた。

「『飛雷神の術』!」

 クナイの真上に突然現れたのは忍術研究部の久田イズナ。しかし事前に構えていたショットガンが牙をむき、轟音と共に放たれた散弾がキルゾーンに愚かにも飛び込んだイズナに襲い掛かる──

 

「『卑遁・囮寄せの術』!」

 はずだった。

 術によって突如入れ替わるように現れた大野ツクヨ。イズナはツクヨの頭の上に移動し射線上から外れている。

 散弾はそのまま直進し、ツクヨの胴体に突き刺さり

無数の木片をまき散らした。

「木分身!?」

「部長、ごめんなさい……」

 謝罪の言葉と共に体から2本の角材状の木が飛び出しショットガンを持つ手を縛り上げる。

「囮寄せの術はイズナが作りました! それに合った戦術も! 身内相手に使うのは初めてですけどね、ニンニン!」

 そう言いながらツクヨの頭から降りて、こちらに近づいてくる。

「動くな! 1ミリも動かず敗北を受け入れろ! 『水遁・ぷくぷくの術』!」

 画面が泡まみれになり、映像が途切れ……

 

『これが訓練の様子だよ! 面白かったらチャンネル登録よろしくー!』

 という画面に変わり、動画が終了した。

 

 

「いやー、やっぱり忍法かっこいいなあ! 名前がちょっと気になるけど……」

「……忍者って本当にいたのね」

 やあ、シャーレの休憩室からお届けしている鬼灯モカだよ。

 さっきの動画なんだと思うー? あれね、『少女忍法帖ミチルっち』チャンネルの『苛烈! 忍術研究部の修行!』って動画。すごいよね、練習風景というよりもはや恐怖映像だよあれ。

 まあそのおかげで動画の伸びはいいみたい。

『ガチ忍術が見れて面白い』『ポップコーン片手に見るのが好き』『忍者に襲われるPOVホラーは斬新』って感じのコメントもついてるね。

 

 それにしても……、イズナさんが使ってたあの術卑劣様のでしょ? いや卑遁は違うだろうけどさ。

 ユウカさんがいつか言ってたC&Cの目標施設が互乗起爆札? で破壊されたって話、あれ本当なんじゃね? 

 こっわ、イズナさんとはケンカしないようにしよ。

 

「他の動画も観てみましょうか」

 そう言いながらリモコンを手に取り、操作し始める。

「そうだね、もっと忍法見てみたいよ!」

「モカ、無理しないでいいのよ?」

「え、な……何がです?」

「さっきすごい怖がってたじゃない」

「いいいいやそんなことないですよぉ!?」

「そっか、気づかなくてごめんね。ほかの観る?」

「いえ、ちょ、ちょっとだけ怖かっただけですから! 大丈夫で──

 

 ガチャ

「たのも~!」

 突如部屋に入ってきた人物。そのふにゃふにゃボイスには聞き覚えがある。

 その人物は、姿勢を正し合掌のポーズのままオジギをした。

「ドーモ、センセイ=ガタ。ミチルです」

「ドーモ、ミチル=サン。モカです」

「ドーモ、ミチル=サン。センセイです」

「え、なにこれは……(困惑)……ヒナ、です?」

 挨拶は返さないとスゴイシツレイなんだよヒナさん。挨拶重点な。

 

 

 

「忍術開発を手伝ってほしい、と」

 席に着いたミチルさんは依頼内容を語り始めた。さっきまで動画で観てた人が目の前にいるってなんかソワソワするね。

「私、忍者にあこがれててさ。みんなにも忍者の良さを知ってもらうために『忍術研究部』を立ち上げたり、『少女忍法帖ミチルっち』っていう動画を投稿してたりするんだ」

 動画のほうは見てくれてたみたいだねと、テレビのほうを向きながら言った。

「見てくれてるなら話ははやいね。そう、私の悩みは──」

 

「部員がみんなガチの忍者だったことだよ!!!!!」

 あ、ミチルさんはモータルなのね。なんか親近感わくなぁ。

 

「……忍者にあこがれているなら部員が忍者だったことはうれしいことじゃないの?」

 そう首をかしげながら聞くヒナさん。そうだよね、むしろ喜ぶべきことでは? 

 その質問を受け、うっと呻きながらもミチルさんは説明を始めた。

「もちろん最初は嬉しかったよ。憧れてた忍術を間近で見れたこととかね。でも……」

 そういった後、顔を俯かせる。その暗い雰囲気は、前世の記憶とはあまり結びつかない。

「私、後輩たちが使ってるような忍術が使えないんだ。木を生やしたり瞬間移動したり、そういうかまぼこ突風伝に出てきそうなすごい忍術が」

「部長としてさ、やっぱり後輩に尊敬されるようなすごい忍術を持っていたいんだよね。

 だから──忍術開発手伝って!」

 なるほど、今回はそういう依頼なのね。ただ……

「後輩さん達に手伝ってもらった方がいいのでは?」

 餅は餅屋っていうしね。素人に聞くよりガチ忍者の二人に聞いたほうがいいんじゃ? 

「いや、そこはほら、こっそり習得していきなり披露して、キャー部長カッコイイー! ってなりたいから……」

 思ってたより平和的な依頼が来たね。そうそうこういうのでいいんだよこういうので。

 

「……もちろん! 協力するよ!」

「やった! ありがと先生殿!」

「ヒナもモカも、いいよね?」

「こういう愉快な仕事をやるためにシャーレに入ったの。ワクワクするわ」

「まあ、協力すること自体はかまわないんですけど……忍術ねぇ……」

 チャクラ宙返りとかアサシン・パンチじゃ、ダメなんだろうなあ。目覚めよ……アサシン……! 

 

「先生、実は忍者だったりしません?」

「しないねー、そういうモカやヒナは?」

「(忍者じゃ)ないです」

「ついさっき忍者が実在するって知ったばかりよ」

「だよねー」

 私達が伝授出来たら1番手っ取り早いんだろうけど、あいにくここにいるのは忍術どころかこのキヴォトス特有の謎超能力すら持ってない3人だからね。今この場で特にできることは……いや、まてよ? 

 

「いや先生、アレがあるよ。前に練習してたアレ」

「アレ? ……あーアレね! よし、一発かましてみようか!」

 テンション上がりながらシッテムの箱を手に持つ先生。

 

「い、いったい何が始まるの?」

「わからないわ。……後でモカとお話ししなくちゃ(小声)」

 

「よし、行くよモカ!」

「はい!」

 センセイの掛け声とともに私はそれっぽい構えを取る。刮目せよ!! これはかの有名な冷酷な算術使いを一撃でKOさせた術! 

「「モカ分身の術!!!」」

 

 そう叫んだ瞬間、私の周りにメイドやサンタなどのいろんな衣装を着ている5人の私が現れる。

 そう、この技はゲームにあった同じ名前の生徒を部隊に編成する機能を使ったエセ分身の術! 先生と衣装さえあれば私じゃなくてもできる術なのさ! 

 

「おお、すごい! 分身のじゅ……つ?」

「!!!!」

 これを見て驚愕と困惑に包まれたミチルさんと急接近してきたヒナさん。うおびっくりした! 

 

「モカ、1人もらってもいいかしら」

「いいよぉ」

「いいの!?」

 この5人のモカモンから1匹選んで旅に出るのじゃ。まあすぐ強さに限界来ちゃうだろうけど、できればパーティーに入れてくれると嬉しいな。やさしくしてくれればすぐなつくと思うからさ。

 

「ちょっとオリジナルの私! 承諾が軽すぎない!?」

「どーも奥さん。ご存じでしょう? 鬼灯モカでございます。おいクリスマスケーキ食わねえか(売れ残り)」

「さっむ! 冷房効いてる部屋に呼ばないでよ! 水着しか着てないんだよ私!」

「ヒナさん、私を連れてってよ。一緒にキャンプしようよ!」

「……私たち全員青封筒だったよ。いや、別に期待してなかったし妥当だと思うけどさ。なんか悲しいよね」

 周囲の私たちが一斉にまくし立ててくる。うーん全然慣れないなこれ。ていうか最後の情報マジ? 悲しいなぁ……

 

「なんで服装が違うのか分からないけど、これは期待できそうだね先生殿! ほかの二人も、お願い!」

「まかせて!」

 

 あ、もう出かける? なら先生、私たちしまってくれない? ぞろぞろ引き連れたら目立つでしょこれ。

 

 

 

 

 さあやってきましたミレニアム。

 あの後3人で話し合って、それぞれの案を試してみることにしたよ。まあ自分たちが教えられない以上、それぞれの伝手を使うしかなかったって感じだね。

 

 さあ、早速行ってみようか

 

【モカの提案 超能力を身に着け、それを忍術ってことにしよう】

 

 私の先導で訪れたのは特異現象捜査部の部室。すでにモモトークで訪れることはヒマリさんに伝えてあるよ。

 今からいくねーって送ったらデフォルメされたヒマリさんがOKって言いながらサムズアップしてるスタンプが送られてきたんだよね。思わず買っちゃったけど誰にも送れないよこのスタンプ。どーしよ。

 

「ヒマリさーん、財団神拳の巻物見せてー」

「あらモカさん。どうぞ、確かそこの引き出しに……」

 

 さすが門外不出(笑)の巻物だね。収容ガバガバじゃないかたまげたなぁ。

 

 ん? なぜ財団神拳かって? そうだね……

 まずは私は忍術を『超能力』と解釈したんだ。瞬間移動や火を操るのは知り合いにいるしね。

 そして私が知ってる限りこの謎パワーが跋扈しているキヴォトスにおいて『後から身につけられる超能力』は財団神拳と灘神影流、そしてホームラン量産法だったんだ。

 

「おお、それっぽい巻物! こ、これを読めば私も忍術が……?」

 

 ホームラン量産法は地球が滅びそうだし、灘神影流は習得したらなんか言動がおかしくなりそうな気がするから却下。それで残ったのが財団神拳だったんだけど……

 

「……パンチで共振現象を起こす? え、無理じゃない?」

 やはり無理か(殿下並感)ワンチャンあるかなって思ったけど、まあそうだよね。私も読んだけど頭痛くなっただけだったし。

 

「ミレニアムの人って、意外と架空の技考えるの好きなんだね。よかったら『少女忍法帖──

「ふふ、架空の技ではないですよ? 

共振パンチ!!!」

 突如部室にあった机に共振パンチが叩き込まれ、四散する。明らかに普通の打撃ではならないような壊れ方をした机を見て

 

「????????????????????????????」

「!?」

 ミチルさんとヒナさんの背後に宇宙が発生した。(習得は)駄目みたいですね。

 

 

【先生の提案 サイボーグ忍者になろう】

 

 

「ミチルの使う火遁の術みたいに、なにか忍具を使った術なんていいんじゃないかと思ってね」

 そう話す先生が立っているのはエンジニア部の前。なるほど、いきなり超能力を身に着けるよりは現実的だ。

 というか私が博打すぎたね……。

「ミチルはサイボーグ忍者は知ってる?」

「もちろんだよー先生殿! そっち方面の履修も完璧~」

 え、もしかして強化外骨格を身に纏い刀で銃弾を切り裂くミチルさんが!? ……いいなー

「私もパワードスーツ欲しいです先生」

「奇遇だね、私もだよ。余裕がありそうだったら頼んでみようか」

「はい! ヒナさんも一緒にどう?」

「……ぱわーどすーつ?」

 あ、そういう感じ? ……そうだね、冷静に考えたら普通の女子高生にパワードスーツは無いか。いや本来普通の女子高生は銃持たないはずでは? うごごご……

 

 私が『普通』に対してゲシュタルト崩壊を起こしている間に先生が扉をノックしたが、返事がない。留守かな? 

「おかしいな、いるって聞いたんだけど。ウタハー?」

 そう言いながらドアノブを捻るとドアが開いた。怪訝な顔をした先生がそのまま入っていき

 ぴしりと固まった。おや、どうしたんだろう? 

 ドアからひょこっと頭を出し覗いてみる。

 そこには目に隈ができている、ひどく疲れた様子の3人がいた。

 

「今何作ってるんでしたっけ?」

「除湿機だ」

「昨日は何作りましたっけ?」

「除湿機だ」

「その前は?」 

「除湿機だ。先に言わせてもらうがその前の日も、そして明日も、除湿機だ」

「なんでこんなに除湿機の制作依頼が多いんだろうね」

「だいたい何なんだ加湿器に負けない除湿機を作ってくれって。同時運用するもんではないってのに!」

「説明しましょう! 除湿機とは、空気のジメジメをなくす機械です! ……今日は疲れたのでここまでにしますね」

(燃え尽きて)すっげぇ白くなってる。はっきりわかんだね。

 

「よし決めたぞ諸君。私は今から気分転換にアホみたいな銃を作りまくる。止めないでくれ」

「ウタハ先輩……!?」

「まずは撃った本人すらどこに弾が飛ぶか分からない狙撃銃を──

「あの、みんな大丈夫?」

「…………おや、先生? なにか作って欲しいものでもあるのかい? 悪いが絶対に除湿機は作らないぞ。絶対にだ」

 

 

「忍者の装備を、作って欲しいんだ」

 からぁん、というレンチが落ちた音が響く。数秒の無音。その後

 

 

「「「その言葉が聞きたかった!」」」

 その言葉と共に一斉に詰め寄る。その顔は顔色の悪さとは裏腹に輝いていた。

 

「忍者! 忍者と言ったね? いいねいいよいいじゃないか! ロマンが溢れる!」

「確かアリスが持っている刀を再現しようと作っていたものがあったよね。あれを忍刀にするっていうのは?」

「でも炎を纏う機能がまだですよ。どうせなら完璧にしたいです!」

「やはり外部に炎を生み出す装置を着けないとだな。悔しいが刀身自体を発火させる技術はまだ我々には……」

 

「急に生き生きし始めたわね……」

 このまま放っておいたらシ〇ケバブみたいなもんができるんじゃないかな? 

 

「すまないね、作れはするんだが今すぐ渡せるようなものはないんだ。時間が欲しい」

「いえ、作ってもらえるだけでもありがたいです!」

 初対面で他校の人だからか緊張してる様子のミチルさん。

 そんな会話を尻目に私はマイスターの部室を見渡してみる。

 

 部屋には原作のアリスさんが使ってた光の剣を無理やり乗っけたが重すぎたのか倒れた状態のままの雷ちゃんや、ぱっと見でよくわからない機械などが置いてあった。

 ふと近くの机を見てみると仕事の依頼について書かれている紙が置いてあったので、こっそり読んでみる。

 

 

 

依頼1 催眠アプリ 

画面を見せただけで相手に催眠をかけるアプリ開発。……ソフト開発はヴェリタスに依頼するべきじゃないのか? 

とりあえず作成には成功。しかし催眠アプリを起動した3秒以内に相手に画面を向けないと自分が画面を見てしまい催眠状態になるという問題点があり、納品は保留。

マイスターたるもの妥協は許さない。スマホ自爆機能とBluetoothは搭載済み

 

依頼2 条件を満たさないと出れない部屋

条件がなにかわからないとロック解除条件を満たしたと判断するための装置が作れないと依頼主に連絡。現在返答待ち

とりあえず自爆装置とBluetoothは先に搭載済み

 

依頼3 好感度を測定するメガネ

完成はしてるが眼鏡という小さい物品に自爆機能が載せられず、現在マイクロ爆弾を開発中。

Bluetoothは搭載済み

 

依頼――

 

 

やべーもん開発しとる!? おいおいおいサヤさんパターンかよまともなエンジニア部だと思ったのにさ! 

 

「モカ? 行くわよ」

 ヒナさんに袖を引っ張られ、私は意識を取り戻す。気が付いたらすごい冷や汗をかいていた。

 紙を慌てて元の場所に戻し部室を後にする。

 どれも世に出たらやばいな。まさか自爆機能に感謝する時が来るとはね。

 ああ、どうしよ……おなかいたいよぉユウカさん……。

 

 

 

【ヒナの提案 ジャンプ力ゥ……ですかねぇ……】

 

 

「それ! 取っておいでー!」

 イブキさんの可愛らしい声と共に飛んで行ったフリスビー。青い毛をたなびかせ地を駆け、それを追いかける存在がいた。

『人は二足歩行の生き物である』という事実に中指を立てているような見事な手足を使った走りは、獲物を追い詰める猟犬のようだった。

 

「あまり忍者について詳しくはないけど、たしか敵に見つからないように屋根や壁を飛び越えたりするのよね?」

 

 公園の遊具として設置してある丸太飛び。それを全く減速せずに的確に飛び、着地を繰り返しながら高度を稼ぎ。

 

大きく、跳躍。

 

「私が知っている限り、最も身体能力が高い人物。それが──」

 

 見事口でフリスビーをキャッチし、前あ……両手からしなやかに着地。

 咥えながら持ち主の元に戻る。イブキさんは両手を大きく広げ、嬉しそうに迎えた。

 

「よーしよし! えらいぞー!」

 

 

「「アコ!」」

 

 

「参考になれば、いいのだけれど」

「……なんの? (困惑)」

 

 確かに忍者には獣のような俊敏さが必要だろうけど、獣そのものを見せるのはよくないんじゃないかな、ヒナさん(震え声)

 獣に手を入れる(内臓攻撃)専門家が見たら獣認定しそうだよあれ。人はみな獣なのだとか言っちゃうかもだよ? 

 

「いいのマコト? アコをイブキに会わせるのはまだ早いって前……」

「仕方ないんだ先生。仕事が忙しくて目を離した隙に……もう。離そうとしたら泣かせてしまってな」

「あっ(察し)」

「それに最近はもうイブキが笑顔ならなんでもいいかなって思うのだよ、先生」

 

 棒付きキャンディをたばこのように咥えながら、ベンチにもたれかかるマコト様は疲れ切ったOLのようだった。

 前よりも少し白くなったように見える顔色と黒くなった目元が、妙な色っぽさを醸し出していた。

 

「なあヒナ。戻る気はないか? 好待遇で迎え直そう」

「嫌よ、今の環境を気に入ってるの。それに……」

 

「ゲヘナに治安なんて存在しない。存在しないものは、守れないのよ」

「……ああ、そうだな」

「マコトちゃん……」

 後ろから頭を撫でてあげているサツキさん。おいたわしや、マコト様……(原因の一端)

 もはやウルトラNK計画とかで無理やり戻そうとしたりしないほど疲れ切ってそうなマコト様に同情していると

 

「おいそこのガキ!!」

 突如公園に響き渡る罵声。見るとイブキさんがスケバン2人に絡まれていた。

 この場にいた先生以外の全員が武器を抜き、先生はシッテムの箱を構えた。

 私はマグナムの照準を合わせ──

 

 

「特殊なプレイは家でやれ家で! こんな公共の場でやんじゃねぇ!」

「そうだ! というか今すぐそのプレイはやめたほうがいいぞ! 友達なくすぞ!」

 静かに銃を下した。

 うお、すっげえ正論! こっちにも衝撃がきたぁ! 

 やだ、あの人たちみたいに止めなかった私も手遅れかもしれぬ……。

 

「イブキは笑顔でいてくれるだけでいいというのに、あいつら……! サツキ、片付けろ」

「任せて、マコトちゃん」

 

 そういうと、サツキさんはひもでつないだ5円玉を取り出し2人に近づいていく。

「2人とも、この5円玉を見て頂戴」

「催眠術かぁ? ハッ、そんなもん効くわけ

 

「催眠術パァァァンチ!!!!」

 バキィ! 

「へぶぅ!!」

「なんだコイツ!?」

 あ! あれは相手をいきなり殴る霊〇先生の必殺技!? まさかサツキさんが伝承者だったとは……!? 

 

「正当防衛ラッシュ!!!」

「ぐあああああ!?」

 すぐさまもう一人に息もつかせぬラッシュを叩き込む。

 なんかこのキヴォトス近距離パワー型多くない? 流行ってんのかな? 私もなんか考えようかな……

 

 

「今日はありがとね、先生殿」

 そんな光景を背景にしながらミチルさんは語り始めた。嘘でしょ? 後ろが気になって話はいってこないでしょこれ。

「いいんだ。生徒を助けるのが先生だからね。ただ……」 

 お礼を言われた先生はミチルさんに向き直った。その表情はきりっとしている。

 

「弱みを見せることは、必ずしも悪い結果にはならないんだよ」

「……先生?」

「一回、部員のみんなにも相談してほしい。きっと失望されたりしないよ。むしろ頼られてうれしいんじゃないかな」

「……やっぱり、そうすべきかな?」

 

「チーズバーガートルネードォ!!!」

「わかったわかった負けや負けやまkごへぇ!」

 

 先生無理だってここでメモロビ展開するのは!! 

 違う場所で仕切り直さない!? ロビーに設定できないよこんなの! 

 

「私は、初対面のモカに悩みを打ち明けたことがきっかけで友達になったの。弱みを見せるのは、歩み寄りの一種だと私は思うわ」

「ヒナ……」

「そっか……うん、わかった。みんなと話してみるよ!」

「頑張って、ミチル!」

 

 なんで続けられるの……!? こんなの絶対おかしいよ! 

 

 

 後日、私たちはまた休憩室で『少女忍法帖ミチルっち』を観ようとしていた。

 新しく投稿された動画は結構伸びているらしい。早速リモコンを操作し、動画の再生ボタンを選択した。

「さあ、私と一緒に忍者の修行をしよう! まずはチャクラの練り方だよ!」

 そこには、イズナさんとツクヨさんに教わりながら修行をしているミチルさんが映っていて。

 先生はそれを見て、嬉しそうに微笑んでいた。

 

 

 モカ分身の術(ロリハーレムの術)

「同じ名前の生徒を部隊に編成」機能を悪用した術。暇なアロナが釣りに釣りまくった結果ありとあらゆる衣装が揃っている。

 モカ自身の力では無くただ単にモカを6人編成しただけであり、戦闘力だけで見たら他の生徒を編成した方が良い。

 一部の生徒に対し物凄い特攻を持つ。

 今回でたモカちゃん

【モカ(メイド)】クラシカルロングスカートネコミミカチューシャメイドモカちゃん。掃除しないと……(掃除王)

【モカ(キャンプ)】登山用の服を着て松明を持ったモカちゃん。ガラル地方のチャンピオン並にどこでもキャンプ地にしようとする。ここをキャンプ地とする! 

【モカ(応援団)】ミニスカチア服モカちゃん。ミニスカートに慣れず常に恥ずかしがっていて全く動けない。なんで自分の衣装なのに変更出来ないんですか(半ギレ)

【モカ(水着)】スク水モカちゃん。正直に言うわ。これで外出ると寒いわ(エルサ並感)

【モカ(サンタ)】サンタコスモカちゃん。タクティカルサポート。ソリに乗りながらケーキをおみまいしてくる。おいケーキ食わねぇか。

 

 ピックアップ『キヴォトス春のモカ祭り』で入手できる。全員青封筒なのでめちゃくちゃ揃えやすい。

 

 

 使用例

 

「見てくださいユウカさん! これがモカ分身の術です!」

 先生がタブレットを素早く操作し、5人の私が召喚される。

「どうですか!? すごいでsy──

 

 突如ユウカさんの鼻から鮮血が噴射され、サンタの私をさらに赤く染めた

「エデンは……ここにあったのね……」

「ユウカさん!? メ、メディイイイイイイイック!!」

「サンタの赤は、血の赤だった……!?」




私の小説はひたすらギャグを散りばめていくスタイルなので、どこがどれだけ笑って貰えたのかがわかるここ好き機能は本当にありがたいですね。
いつも沢山のここ好きありがとうございます!
もちろん感想も嬉しいです!
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