ただしこのキヴォトスはネットミームに汚染されてるものとする 作:流石兄者
コクリコ様の登場シーンが少なすぎて情報が無い・・・!頑張って京言葉調べて書いたけど違和感あったらごめんなさいね。
あともしチョコミント好きな人がいたらごめんなさい。話の都合上悪口いっぱい書いてます。
ちなみに私は嫌いじゃないです。
サマーシーズン到来!
この様子がおかしいキヴォトスにも暑い夏がやってきたのだ。
動いている人も動いてない人も平等にフォンダンホシノにしてしまうこの暑さ。
これをどうにか耐えしのごうと、涼しい部屋に移動する、手持ち扇風機を使用する、氷風呂に浸かる、松〇修造に変化しようとした友人をビンタで止めるなど人々は様々な方法を取り始めた。
そしてここにも、冷たいものを摂取することで暑さを乗り切ろうとする一般学生二人の姿が──
「あ゛ー、あっつい。やってられないわ」
「周りがコンクリートまみれなのが悪いよ。もう全部爆破して土に還せばマシにならないかな……」
「爆破なんてしたら余計暑くなるでしょ。熱の塊だよー」
「あー、それもそっか。もういいや、アイス食べよー」
「やば、買ったばっかなのにもう溶け始めてる!」
「ウソ!? 早く出して! すぐ食べるから!」
カップアイスが少し柔らかくなっているのに気づいた二人は、急いで取り出し食べ始める。
プラスチックのスプーンで鮮やかなオレンジ色を掬い口に運ぶと、口いっぱいに爽やかな甘さと冷たさが広がる。
そして脳内には行ったことが無いはずの南国のビーチの光景が鮮やかに描かれた。
「あ~美味しい。夏はやっぱりトロピカルフルーツ味にかぎるy──
「ぎゃああああ!! このアイス、チョコ侵略的外来植物味だぁぁ!」
友人のわけのわからない叫びを聞くまでは。
「なんて?」
「買ったアイスがチョコテロリスト味だったんだよぉ!」
「味変した?」
はて、そんな奇怪な味のアイスなど売っていただろうか。トロピカルフルーツ味を買うと決めてたとはいえ、なにか新作が出てないか友人と一緒に一通りは見たはずなのだが。
頭の上にはてなを浮かべながら友人の買ったアイスをのぞき込んでみると、そこには鮮やかな緑色と黒が混じったアイスがあった。
「……チョコミント?」
「そうとも言う!」
「そうとしか言わないよ。なに、嫌いなのに買ったの?」
「よく見てなかった……なんかパッケージが水色だったからソーダ味かなって……」
「あー、ほんとだ」
友人が買った蓋を見てみると確かに水色を基調としたデザインだった。真ん中にでかでかと『チョコミント』と書いてはいたが。
「……しょうがないなあ、私のと交換する? 私は別に嫌いじゃないからさ」
「いいの!? ありがとう! このままだと歯磨き粉食べることになってたよ!」
「おい、これから私が食べるのにそういうこと言うな」
「あはは、ごめんごめん」
私が食べていたアイスを受け取り無邪気にわーいと喜ぶ友の姿に苦笑しながら、いざチョコミントアイスを食べようとしたときだった。
私達の前に一人の学生が立っていたのに気づいたのは。
「え……?」
いつからそこに居たのだろうか。そのトリニティの制服を着た女の子は、人畜無害そうな笑顔を浮かべながらこちらをじっと見ている。
本来であれば春の陽気を思い出させるようなそのやわらかで暖かい笑顔からは、今はうすら寒さしか感じられない。
「な、何か用?」
怯え切った声で友人が聞く。すると目の前の女の子がずいと友人に近づきながら口を開き答えた。いや、正確には答えてはいない。
「チョコミントが好きだと言ってください」
友人の目をのぞき込みながら、その言葉は放たれた。
「は? いったい何を──きゃっ!!?」
恐怖で硬直していた友人の体が突然俊敏に動き、私の持っていたチョコミントアイスを奪い取り猛烈な勢いで食べ始めた。
「チョコミント好き! チョコミント美味しい! チョコミント美味しい!!」
その目は虚ろで、どう見ても正気ではない
「ね、ねえどうしちゃったの!? ねえったら!」
「こんなにおいしくていいの!? 何らかの法律に引っかからない!?」
「あんたさっきチョコミントが歯磨きk──
そこから先の言葉は、人の体よりも大きいアイスに押しつぶされ言えなかった。
視界をアイスで埋め尽くされた状態で聞こえてきたのは、友人の「美味しい! 美味しい!」という声と
「好きなものに埋もれる幸せを、どうか味わってくださいね」という声だけだった──
「これが、今巷で噂の『チョコミント・スプレマシー』っていう奴の怪談なんですよぉ」
はぇー、キヴォトスってチョコミントの悪魔出るんすね。こわいな~とづまりすとこ。
やあみんな。突然怖い話されて驚いたでしょ。私もソーナノ。
シュロさんに家に遊びに来ないかと誘われてホイホイついていったら、ろうそくの明かりしかない部屋に通されて怪談はじめられたの。酷くない??
「ねぇシュロさん、私怖いのダメって前に言いましたよね」
「言ってましたねぇ」
「なんで知ってるのに話したの?」
「手前さんは顔に出やすい上に怖がり。そんな手前さんの怯える表情が1番見応えがあr「この性悪ロリめ! 私が成敗します!」
「お、やりますかぁ!? いまこそ照明の紐相手に鍛えあげたボクシングスキルの見せどきンゴねぇ!」
「この! この!」
「そんな素人丸だしのパンチ当たらな 痛ァ!」
「愛いやつらよのぉ」
擬音をつけるとしたら『ポコポコ』になりそうな
シュロさんに紹介されたときに「いつもうちのシュロと仲良くしてくれておおきに」って言う姿はマジで学生に見えなかったよね。
「あ、どうもお母さん。お邪魔します」って言いかけたけど堪えた私偉くない? 褒めてもいいよ。
「さては神秘使ってマジガードしてますね手前さん!? 大人気ないですよ!」
「ロリだもん!」
「手前ェ!」
「まあまあ、そこまでにしときな」
「あ、すみませんコクリコさん」
「こちらこそ、シュロはまだ子供そやし堪忍な」
「コクリコ様、手前はもう子供じゃ……」
そういうとコクリコさんは頭を撫でてくる。あー、手つきが優しくて気持ちいい。このまま眠れそうだよー。
「コクリコ様、手前も!」
「ふふ、やっぱり子供やないの」
コクリコ様のダブルなでなでを満喫した後、部屋を明るくし寛ぎ始めた。
「これからどうします?」
「ふふ……それはもちろん、『チョコミント・スプレマシー』の退治に決まってるじゃないですかぁ! 成敗したらなんJに伝わる伝説のネキになること間違いなしですよぉ!」
「コクリコさん、モ〇ハンって知ってます? 一緒にやりませんか?」
「えぇなぁ。ほなやろか」
「手ー前ーさーんー!」
なんでそんなことする必要があるんですか(正論)
まあ正体が何なのかだいたい予想はついてるけどさ、触らぬ神に祟りなしっていうじゃんね☆
「いいんですかぁ? 奴は学園関係なく無差別に襲ってるから愛しのユウカさんに被害が出るかもしれませんよぉ?」
「──!」
え、ユウカさんに!? そんな……そんなことがあったら……
『ごめんねモカちゃん、私モカちゃんよりチョコミントのほうが好きになっちゃったの』
うそ、待ってユウカさん! 私頑張ってチョコミントになるから! だから──
『待ってモカ! 人はチョコミントになれないのよ! 私を吸って落ち着──』
『諦めんなお前! どうしてあきらめんだそこで! 今日からお前は、チョコミントだ!』
『何言ってるのあなた!?』
そうだ、ノド岡さんだってまだ雪山でシジミを獲ろうと頑張ってるってシグレさんが言ってた。私も、頑張らないと!
「大丈夫ですシュロさん。チョコミントになる覚悟ができました。当方にチョコミントになる用意ありです」
「何言ってんですか手前」
「へえ、モカは好きな子がおるん?」
「あ、いやーあの……」
「ほら、ミレニアムの会計の「シュロさぁん! (半ギレ)」草生えますねぇ」
「ほう、ならモカはミレニアムの娘かい」
「あー、いえ、私は学校に行ってないんです」
「……そらまたどうして?」
「そういえば手前も知りませんでしたね。やめたんですかぁ?」
うわあ、どうしよう。説明できないよ。
そういえば今まで一回しか聞かれたことなかったね。その一回も先生相手で、事情が説明できずまごまごしてたら深くは聞かないでくれたし。
正解は『転生したらD.U.の路地裏スタートだったんで速攻シャーレに行きました(RTA走者)』なんだけど……ふむ、どうしようか。
んー、下手な嘘ついたらばれたとき面倒だし、ある程度はそのままにして言っちゃおう!
「私は路地裏で生まれました。(嘘ではない)
戸籍もお金もなかった私はシャーレの先生に保護してもらったんです。(嘘は言ってない)
ほかに語るべきことは、何一つありません(物は言いよう)」
『嘘を信じさせるコツはその嘘の中に真実を混ぜることだ』。うーん経験が生きたね。誰かジュース奢って!
「手前さん……」
「はあ~、そらぁなんぎやなぁ。こないな小さい子が……。なんかあったら家に来な。逃げ場所は多いほうがええさかいな」
そう言われながら二人に頭を撫でられる。……ごまかすことには成功したけど、すごい哀れな子だと思われてない今?
「あんな健気な子ぉ、けったいなロリコンなんかに渡してええんかいな?」
「いやでも、惚れちゃってますしぃ」
いやー、シャーレの先生が来てたタイミングでほんとよかったよね。転生した後、自分の置かれてる状況理解した時パーンってなったもん頭が。
「じゃあ、あのロリコンに語れる武勇伝を作るために行きましょう! ミレニアムでも被害出てますからねぇ。解決したら手前さん褒められますよぉ!」
「……そうかな? そうかも……。よし、行きましょうか!」
「行くん? 2人とも気張りや~」
「行ってきますコクリコ様!」
駄目なら駄目だったでヒナさんの土産話にもなるし、まあやってみようか。
私は弾丸のように家を飛び出していくシュロさんを慌てて追いかけた。
訪れたのは百鬼夜行の街中。ほぼすべての建物が和風の建物でできている街だが、コンクリートでできた洋風まみれの現代日本で暮らしてきたせいか異世界感がスゴイ。転生する前は日本人なのに不思議よね。
「そういえば、被害者は無事なんですか? 洗脳されてたりアイスに押しつぶされたとか言ってましたけど」
「まじでヤバイ奴だったら誘いませんよ。一人はアイス塗れになったせいで風邪をひき、もう一人は一日一個チョコミント味の何かを摂取しないと手が震えるようになっただけで済んだみたいですよぉ。ほかの話も同様です」
「……十分やばくないです?」
「こんだけのリスクで怪異チャレンジできるのは安いもんですよぉ?」
そんなこどもチャレンジみたいに言われても……。
「いいですかぁ? 大事なのは『出現条件』『怪異の攻撃方法』、そして『攻撃への対策』です。一つ目はおそらく『チョコミントの悪口を言う』二つ目は『目を合わせての洗脳』と『巨大アイス落とし』でしょうねぇ。三つ目は……これどうぞ」
そういうとシュロさんはぶかぶかの袖に手を突っ込み、とりだしたのは──
「……サングラス?」
私に渡してきたのは真っ黒のサングラス。しかもなんかドットっぽい。
掛けたらどこからかやべータバコと趣味の悪いネックレスが飛んできてスモークウィードエブリデイとか言いそう。
「洗脳されそうになったらこれで遮るんですよぉ。後は殴ればなんとかなります」
「ほんとぉ?」
ここは穏便に暴力で解決かぁ。まあメインストーリーも大体そんな感じだった気がするし、暴力は全てを解決するってはっきりわかんだね。
……よし。かっこよく退治して、ユウカさんに褒めてもらおう。
(偉いわねモカちゃん! 私がチューしてあげるわ!)
「……えへへ」
「トリップしてるとこ悪いですけど、始めますよぉ?」
おっといけないいけない。集中しないと。
「さあ手前さん。チョコミントの悪口言ってください。現れた瞬間手前のバットをフルスイングしますので」
「え、私が!? そんな急に言われても……」
私別に嫌いじゃないし……えーと、うーんと……
「や、やーい! 人を選ぶ味ー!」
なるべく声を押さえながら言ってみる。周囲の人が不思議そうな顔で振り返っただけで、特に何も現れなかった。
「ふふ、下手っぴですねぇ手前さん……罵倒が下手……!」
「うるさい! いいことじゃないですか! ……うーん、イチカさんの真似でもしてみようかな」
「? イチカさんとは?」
「あー、なんだろう。……悪口の達人?」
「最低じゃないですか」
そんな感じでイチカさんの話をしていると、突然近くを歩いていた犬の一般市民の背中がバキッバキッと割れ始めた。ま、まさか……
「我 が 名 は イ チ カ 」
割れた背中からイチカさんが現れた。
今一般通過市民が荼毘に付した気がするんスけど、いいんスかこれ?
被害の大きさで言えばイチカさんのほうがチョコミントの悪魔を越えた悪魔やんけ
「今なんか言ったっスかモカ」
「え? まさかそれ聞くために今のを……?」
「いいから何話してたか教えてくれっス」
「えぇ……(困惑)」
まあバキッバキッしちゃったものはしょうがないのでおとなしく教えることにしたよ。
……今度からは気を付けよ、いやほんとに。
「ふうん、そういうことっスか。やっぱし怖いスね異常チョコミント愛者は。退治をするなら業者に頼めばいいのに」
「自分たちの手柄にならないとダメなんですよぉ」
「まあ、それが目的ですからね。イチカさん、お願い出来ますか?」
「貴様ーッチョコミントを愚弄する気ッスか! まあ私は嫌いなんスけどねブヘヘヘ」
そういうとイチカさんは少しだけ後ろに下がり、大きく息を吸い込んだあと、叫んだ
「チョコミントなんてもんチョコをゴミにするだけのもんやんけ! なにムキになってんスか!! 忌憚のない意見って奴ッ「チョコミントが好きだと言いなさい!!!! (全ギレ)」なにっ」
瞬間移動。それもカンナさんのように扉を用いたものではない、『目の前に突然現れた』としか言いようのないワープ。完全なる奇襲であった(大本営発表)
イチカさんは顔を両手でつかまれ、目線を合わせられている。驚きで開かれたその目は、だんだんと虚ろになっていった。
光の速さで催眠されてるのを見たことはあるかぁ〜い?
私はあるよォ~。怖いねぇ~(一般目撃者黄猿)
「イチカさん!?」
「手前ェ!」
イチカさんに集中し、完全にがら空きの背中。そこにシュロさんのバットが遅いかかる。そのバットは吸い込まれるように振り下ろされ──
ガガガガガガガガガッ!
「グウッ!?」
しかし機関銃の銃撃により阻止された。
「ごめんね。ちびっこ達をイジメる趣味はないんだけど、アイリのためだからさ」
「ありがとうカズサちゃん!」
隠れていた障害物を飛び越え、やってきたのはカズサさん。
え、もしかして2対2? 同数? 数的有利なし?
しかも向こうはキャスパリーグとチョコミントの悪魔で、こっちはロリとなんJ民?
これマジ? 向こうに比べてこっちの練度低すぎるでしょ……
総力戦
キャスパリーグ&チョコミント・スプレマシー
「そろそろチョコミントが食べたいッスね……
彼女たちの向こうで負けた場合の成れの果てが起き上がった。
それだと生チョコと生のミント出されそうっスけどいいんスかそれ
「あはは、さすがに生はないですけど、アイスならご馳走できます」
アイリさんが近くにあった近未来なアイス自販機に手を当てると、手を中心に波紋が広がるかのように次々といろいろなアイスの画像が書き換えられていく。改変後に残っていたアイスはもちろん全て、チョコミントアイス。
「はぁぁぁぁぁ!? (畏怖)」
「まずいですねぇ……危険度と能力が釣り合っていない。完全にドジふんじゃいましたよぉ」
アイリさんは手に力をこめ、強く自販機を叩いた。すると大当たりしたパチンコ台のように自販機がアイスを大量に吐き出す。
ガララララ!
「しゃあっチョコ・ミント!」
それに飛びつくようにイチカさんは近づき、アイスを貪り食い始めた。
「ふふふ、チョコミント好きが増えて嬉しいです」
そういったアイリさんは振り向き、こちらを見る。
「手前さん! サングラスを!」
「ッ!」
「もう誰にも……歯磨き粉だなんて……言わせません!」
サングラスを慌てて取り出しかける直前、ちょっと見てしまったせいで自販機が吐き出し続けているアイスを食べに行きたくなる衝動に駆られた。
しかしかけ終えるとその欲求がマウンテンデューとドリトスが無性に食べたくなる欲求に塗り替えられる。あれ、これって無効化っていうより上書きじゃない?
大丈夫この8ビットサングラス?
「カズサちゃん!」
「まかせて、アイリ」
「手前さん!」
「わかってます!」
それぞれの前衛が前に出る。
私はマグナムを構え、神秘をたっぷり込めて、狙いを定めた。
神秘の量だけは誇れるほどある。原作の強キャラ達に勝るとも劣らない量だ。
「喰らってください!」
発射。ズドンというスナイパーライフルのような音と共に発射された44口径の弾。
しかしそれをカズサさんは軽く身を捻るだけで躱した。Are you 生存!?
「噓ォ!? (レ)」
「威力は高いね。当たったらひとたまりもないよ」
さらに接近され、目の前に。
「だけど、それだけ」
申し訳なさそうな顔で蹴り飛ばされる。
「ぎゃいん!」
「うっ、ごめん。痛い思いしたくないならおとなしくしててね」
そう言って、シュロさんのほうを向いた。
私もそちらを向くと、シュロさんは懐から御神酒を取り出し、口に含んでバットに吹きかけていた。
酒が滴るいいバットになったそれを、大きく振り先端を思い切り地面に擦れさせる。
すると火花が散り、そこから大きくバットが燃え上がった。何それカッコいい! あとで教えて!
金色で、神秘的な炎。
ファイアーバットと化したそれを構える。
間合いを警戒し、私の隣まで下がってきたカズサさん。ちょうどいい。
シュロさんを援護しようと腹を押さえながら立ち上がろうとした、その時。
私の目に、宇沢レイサさんが写った。
お腹はやけに凹んでいて、その代わりに胸のあたりが大きく膨らんでいた。
それはまるで、とても大きな深呼吸のようで──
「見つけましたよ、杏山カズサ!!!!!!!!!!!!!!!!」
その声は、衝撃波を伴っていた。
周囲にある建物の窓ガラスが一斉に、そして一瞬で割れた。
レイサさんとカズサさんの間にあるものはすべて声の波動に吹き飛ばされていく。
「グゥッこんな時に! 宇沢ァ!」
「ひゃあああああああああああ!?」
チェリノの髭にかけて、あの女はスゥームを召喚したぞ!
襲い掛かってきた波動にカズサさんは大きくよろめき、その横にいた私は簡単に吹き飛ばされる。
モカはいいぞG13! 投げると遠くまで飛ぶ! (セールスポイント)
「いたいけな子供をイジメるとは、ついに正体を現しましたねキャスパリーグ!!!!」
禁断の揺るぎなき力“二度打ち”
再び襲い来る衝撃波。なんであれは怪談になってないの? (純粋な疑問)
「う……にゃあ……!」
「ムワアアアアアアアアアアア!」
カズサさんは地面に爪を立て何とか吹き飛ばされないように踏ん張っている。
私? ほら、あそこに壁にへばりついてるロリいるでしょ? あれ。
「あんた、そこにいる子が見えないの!? あんたも吹き飛ばしてるじゃな
「あ!!!! ごめんなさい!!!!!!!」
「バカッ──
「ぐええええええ!」
いよいよ壁の住人になる覚悟をしたほうがいいかもしれないね。
飛んでくる衝撃波によって半分くらいひび割れた壁に埋もれながらそう思った。あ、カズサさんが吹き飛ばされてきた。お隣さんだね。よろしく!
レイサさんのほうをちらりと見ると、口を押さえながら顔を青くし『やっちまった』みたいな顔をしている。
そしてその頭上を目指すように、アイスが回転しながら宙を舞っていた。
アイスは回転を重ねるにつれだんだん大きくなる。まるでアハ体験のように。やがてそれは人間より大きくなっていた。
「レイサさん!!」
私の警告か、それとも自分を覆いつくした影を不審に思ったか。
レイサさんは上を向き、己を押しつぶそうとしているアイスに気が付いた。
「ア!!!!! (スタッカート)」
目に見えるレベルの瞬間的な空気の振動。それはクソデカアイスをドパンと弾けさせる
「カズサちゃん! 今のうちに!」
自販機からいまだに出てきているチョコミントアイスの包装を破いてはぶん投げているアイリさん。
そのアイスはすべて巨大化しレイサさんを押しつぶそうとしているが、強力な(味方も)全体攻撃を持つレイサさんには千日手にしかなっていない。
あ、今投げる前にイチカさんに奪われた。
「わかった、今行く!」
お隣さんは勢いよく壁から脱出し宇沢さんに向かって突撃していった。
「ほら、手前さんも早く抜けて!」
「あち、あちち! いったんバットおろしてください!」
「今のうちに逃げますよぉ! 手前たちにはまだ早かったようです!」
そうだね、イチカさんの言う通り業者に頼めばよかった!
シュロさんに手伝ってもらい、地面に降り立つ。
コソコソ……と移動しながら改めて戦場をみると、レイサさんの大声と共にドパンドパンとアイスが弾けとび、地面や壁がどんどん緑と黒で染まっていっている。
スプラトゥーンでもやってる?
そんなナワバリバトル真っ只中を駆け抜ける黒い猫。
その鋭い爪がレイサさんに襲いかかる、その直前。
弾丸のように飛んできたキキョウさんの蹴りが、それを阻止した。
「ぐっ!? いったい……何が……?」
吹き飛ばされ、地面を転がるカズサさんとは対照的に、すっとしなやかに着地したキキョウさん。
しかしその着地の穏やかさと裏腹に、顔は怒りに満ちていた。
「この私をよく分からない衝撃波で吹き飛ばしたのは、いいでしょう」
「え? それ私じゃない……」
「私の服をベタベタした液体で汚したのも、まあいいでしょう」
「あの、それも私じゃな──
「だが! 貴様はこの私の……キキョウのものである先生のお時間を奪った!」
「!! マ────────オ!!!!!!」
「害獣め! 駆除以外の選択肢はない……!」
三つ巴も通り越し、私たちVSカズサ&アイリVSレイサVSキキョウというアルちゃんどころかダークライすら入る余地のない大混戦。
あーもうめちゃくちゃだよ。
「待ってください! 私が相手です! 私がキャスパリーグを倒すんです!」
「消えろ……! 害獣!」
「あの、カズサちゃん。そこの2人連れて、帰ってもらっていいかな……?」
「ギャフベロハギャベバブジョハバ!」
「カズサちゃん!?」
完全に野生に帰ったカズサさんはレイサさんのシャウトを避け、キキョウさんに襲いかかる。銃はもちろんほっぽり出していた。
これが野生解放ちゃんですか。
それを迎え撃とうとキキョウさんは背中に手をまわし、何かを掴もうとした。
だがその手は空を掴んだ。
「……おや?」
思わず後ろを振り返っている。あれ、登場した時から何も担いでなかったけど?
あれ、まさか……?
「スタンニードルランチャーが!? 馬鹿な……この私が、そんな……!?」
貴様ァ! 持ってきていないのか! 持ち物確認は遠足の基本だ、馬鹿者!
「途方もない頭の悪さdぐああああああああああっっっっっ!!!!!」
見事な顔面への蹴りをくらい吹っ飛ぶキキョウさん
見えるか621。あれが愉快な遠足に忘れ物をした者の末路だ。
「そんな……私は、キキョウだぞ……!」
でしょうね! 私以外キキョウじゃないの~♪
「フシャー!」
「無視しないでください!」
「ミ゙ッ゙!」
「早く逃げよう! 手に負えないよぉ……!」
「そうですねぇ! 今のうちに──」
「えぇ! 今のうちにチョコミントを好きになって貰いましょうか!」
「「あっ」」
まずい。シュロさんはまだサングラスしてるけど、私はあの衝撃波で──
「そう怖がらないでね。好きなものが一個増えるだけだから」
私がロリだからか、かけられる言葉自体はとてもやさしい。
だけど ふるえが とまらない
「みんなチョコミント好きでしょ? ね?」
「好きになって」
「あ、あ…… あ」
「手前さん!? そんな、手前さん!」
めが ぐるぐるして る まわる まわる
『私はチョコミントが好き』
『一日一回はチョコミントを食べないと落ち着かない』
『すぐそばにチョコミントが無いと不安になる』
『それくらいチョコミントが好き』
こえ が きこ え る
そう だった わたし は
『私はチョコミントが大好き
『違うでしょ?』
『……え?』
頭に響き渡っていたこえに困惑の色が混じる。
あれ この こ え
ママ……?
『そうよ』
『あなたが好きなのは、家族。そう、先生と──
お母さんである私。アオイママ。そうでしょ?』
そうかな……? そうかも……
『まって! ちがう! 絶対違うから! 目を覚まして!』
『そんな声に耳を貸してはいけないわ。貴方を催眠にかけようとしてるの。ママを信じて、ね?』
『あなたが言うの!? そんな、誰かに催眠を受けてたことがあるなんて……!? このままじゃ、変な催眠のかかり方しちゃう! 』
「え? 前に催眠を……? 手前さん、路地裏のことといい、一体何が……?」
『あの声は無視して。さあ、思い出して』
こえ が ここち いい あったか い
『私はチョコミントアオイママが好き』
『一日一回はチョコミンアオイママと会わないと落ち着かない
『すぐそばにチョコアオイママが居ないと不安になる』
『それくらいアオイママが好き』
『そう、それでいいの。貴方も家族よ』
『ああ、そんな、どうしよう……! 私はただ、歯磨き粉なんて言われないようにしたかっただけなのに……!』
『私はアオイママが大好きだ』
『ふふ、2人で認知して貰いましょうね……』
「ちょっと!? だいじょうbッッ!?」
ゴッっという音と共にアイリさんが倒れる。
その後ろには、焦った表情のシュロさんがバットを握りしめていた。
「討伐は完了しましたが、成功とはとても言えませんねぇ! 手前さん、しっかり!」
「あ……れ……?」
「──ッ!! コクリコ様のところに連れていきますから、しっかりしてくださいよぉ!!」
まって。ママが、どこにもいない。
なんで? さっきまでこえがきこえてたのに
「う……うぅ……」
「手前さん!? どうしまし──
「ママぁぁぁぁぁぁぁ! びえぇぇぇ!」
「えええええええええ!?」
こわい なんでじめんがアイス塗れなの? なんでおおきなこえで人が吹っ飛ぶの? わかんない こわい
ママにあいたい
「うえぇ……ひっぐ……」
「(アカン)」
「ママぁぁぁ! どこぉ!?」
「ほ、ほら手前がママですよぉ?」
「ママ違うー!」
「そんなこと言われたって……こ、コクリコ様ぁぁぁぁぁぁ! (連鎖反応)」
「ヴァルれ! 止まキューレ公安局だ!!!!!!」
「びえええええ! こわいぃぃぃ!」
「うわぁ!? ダ、ダニエル!? すみません!! (クソデカ大声)」
「わぁぁぁぁぁぁん!」
「……ダニエル。大丈夫、心配しなくても平気だ。私は君を助けに来たんだ!」(ワニもビビる笑顔)
「ピェ……」
「八方塞がりだ(諦め)」
ないてばかりいるモカちゃんに、いぬのおまわりさんはこまってしまったのでした。
『A=B、B=CならばA=C』
『企業=私、私=キキョウ ならば 企業=キキョウ』
故にカイザーコーポレーションはキキョウ。 Q.E.D(EXスキル)
いつも感想と評価、ここ好きしてくれる方、本当にありがとうございます!モチベーションにものすごくプラスになるやつです。
小説初心者の私はここ好きをすごい参考にしてます。自信があった表現やギャグが思ったよりついてなかったり、ポーンと入れた文章についていて驚いたりしますので、とても勉強になります。
もしよかったら、この話や前の話の気に入った行に入れて頂けると助かります。
…さて、モカちゃん壊れちゃったけど次の話どうしよ。
なおせる人いるかしら・・・?