ただしこのキヴォトスはネットミームに汚染されてるものとする   作:流石兄者

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毎回、前回の話を書いた自分に「なんでこんな次を書きづらい状態で終わらせたん?」ってブチ切れてます。


今回は、今までサボって描写してなかったことを書いてたりしています。いわゆる説明回ってやつです。
そのためちょっとテンポ悪いかもです。
まあ、登場させるにはいつかやらなきゃいけなかったので多少はね?


16話【上】もしジャック・スパロウに「一緒に海賊やらない?」と誘われたら断れるのか

 …………。

 あー、その、えっと……。

 この前は、すっっっっっっっっごくみっともないとこ見せちゃって、ごめんね? 見苦しかったでしょ? 

 ……あれから何が起こったかって? 

 うーん、実はわたしもよくわかってないんだよね。

 

 

 まあ、人に説明するのは、自分の記憶の整理にもなるしね。

 最初から簡単に説明しようか

 

 

 

 あの後、カンナさんは泣き叫ぶ私とシュロさんをコクリコさんの家まで送り届けたらしいんだよね。いやぁスイマセーン(レ)

 なんとかシュロさんをなだめ事情を聴きだしたコクリコさんは、カンナさんと共に私を救護騎士団に搬送してくれたらしいよ。

 

 まあ、全部に『らしい』がついてるあたりで察してると思うけど、この時の私はそれはそれは……ぐずってて……ね? あんまり、人の話聞いてなかったんだよね。うん。

 

 そんな状態でも、印象的な光景は覚えてる。

 

 問診を受けた後、ミネさんに「モーーーーーーーーーーーーカ

 ヤバすぎwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwクソメンタルw」と言われ病室のベットに放り込まれたこと。

 

 なんかヤバそうだからおとなしく寝ようとしてたら、レイサさんの「この間はすみませんでした!!!」という揺るぎなき謝罪を受け、吹き飛ばされたこと。

 

 その時壁に頭をぶつけ(精神分析(物理)ロール発生)、その衝撃でなぜかプ〇トアーサー過酷事情暴露事件の記憶が蘇り(致命的失敗(ファンブル))ギャン泣きしてしまったこと。

 

 なぜかベットの下から出てきたユウカさんが慌てて取り押さえ部屋の外に連れ出してたこと。 

 

 泣き疲れて眠ろうとしたけど外が騒がしかったので窓から覗いてみたら、病院の中庭に生えてる木にヒナさんとユウカさんが誰かを吊るしてたこと。

 

 お見舞いに来てくれためちゃくちゃ機嫌が良さそうなアオイママが、かわいくデフォルメされたママそっくりのぬいぐるみをくれたこと。

 

 それを抱きしめながら眠ろうとしたら突如現れたユウカさんがルパンダイブしてきたこと。

 

 そんなユウカさんをデストロイヤーで撃墜したヒナさんのこと。

 

 

 うん、みんなお見舞いに来てくれたのは嬉しいし、色々してくれるのはありがたいけど……その。

 

 頼む…………! 静かに…………! 

 どうして私を、寝かせてくれないんだ……! 

 

 というか、そもそもなぜ私は入院させられたんだろ。

 ふーむ、たしか診断したミネさんは『クソメンタル』とか言ってたけど……メンタル? 

 いや、アイリさんに催眠喰らったのは覚えてるけど、それでチョコミントジャンキーになった感じはしないしな。

 

 精神的疲労、かな? ……あり得るね。なんか恐ろしいほど涙もろくなってるし、疲れてるのかも。

 これに違いない。私がそう判断した(ダブスタクソメンタルモカ)

 そうと決まれば今日はもう寝ようぜ(MRGN)

 

 えっと、アオイママぬいぐるみはどこに──あったあった。

 これを抱きしめて寝れば、寂しくないんだよ。

 じゃあ皆、おやすみ。

 

「モカ、ちょっといいかな?」

「あ、先生だ! どうしたのー?」

「………………モカ。明日、退院できるみたいだから、アビドスに遊びに行っておいで。ユメの件で、ホシノもお礼がしたいみたいだからさ」

「ほんと!? やったー!」

 

 退屈だったし病院もこれ以上荒れることないからハッピーハッピーやんけ。ヒナちゃんのデストロイヤーはユウカさんのついでに壁もデストロイしちゃったからね。

 窓どころか壁割れてね?(びょういんぐらし)

 

 私は荷物をまとめた後、ぬいぐるみをしっかりと抱えて横になった。

 

 

 

「しばらく静かな地での療養が必要、か……」

 病室を後にし、廊下にてそう呟く先生に2つの影が近づく。

 

「つらいモカを救え!!!! はしゃぎ杉田さん!」

「そうだね。ホシノに事情を話して、少しの間アビドスで休ませてみる。

 ……あと私はそんな名前じゃないよ?」

「…………セルニモ「違うよ?」

 

「ねぇ貴方、やっぱりモカは私たちの子よ。認知してちょうだい。あの子も私も傷つくのよ……?」

「アオイも入院する?」

「傷ついたわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「準備はできたかしら? モカ」

「大丈夫です。行きましょう!」

 

 翌朝、窓から空を見上げると、燦々と降り注ぐ陽光が絶好のお出かけ日和だということを教えてくれた。

 私はもう一度クーラーボックスに飲み物と作ったサンドウィッチが入っているのを確認し、車に載せる。

 この車は、先生が連邦生徒会に車をおねだりしたら送られてきたものだ。車にはあんまり詳しくないので自信を持って言えないけど、たぶんジープ……だと思う。多分。

 

 ドアを閉め、頑丈そうなボディをバンバンと叩いてみる。

 ……予想とは違いペチペチという音が鳴った。ふむ、認めようジープ君。君はなかなかの強者だね。

 

「ヒナさん、私が運転しますよ」

「え!? モカが!? ……ちゃんと運転できる?」

 

 まるで子供に聞くかのような優し気なトーンの質問。いや確かに今は子供だけどさ、バッカにしてくれちゃってぇ。

 ふふん、私にはいわゆる昔取った杵柄というものがあるからね。そう、運転免許だよ! 

 いやー、ようやく転生者っぽいところがみんなに見せられそうだよ! 技術チート? ってやつだね。

 

「さあ乗って乗って! 私のドラテクの見せ所です!」

「……わかったわ。じゃあ私は助手席に」

 

 ヒナさんが助手席に乗ったのを確認し、私も運転席に乗り込む。

 エンジンをかけると、勇ましい音と振動が私に準備万端だと答えた。

 シートベルトを締め、ハンドルを握りしっかりと正面を見据える。

 

「カモン、レッツゴー! (レ)」

 

 

 

 

 

 見据えた先には、速度計が視界いっぱいに広がっていた。

 

 

「…………」

「……ぷふっ」

 

前が見えねぇ。(身長126cm並感)

 シートを近づけ、さらに精一杯背伸びをしてみる。

 ギリギリ、ボンネットが見えたような気がした。

 

「フフ、まだ早かったわね」

「運転、お願いします……」

「任せて」

 

 何がレッツゴーだよ(レ)

 

 

 

 しばらく車に揺られていると、だんだんと風景の中に砂が増えていく。

 周囲を走っていた車の数も減っていき、町にも活気……いや、人の気配すらなくなっていった。

 気楽に運転できるようにはなったけど、なんだかもの悲しいね。

 

「ごめんなさいヒナさん。付き合わせちゃって。なんていうか……一人だと、すごい寂しくなっちゃいまして」

 気恥ずかしくなり、ポリポリと頬をかく。前まで全然平気だったのになんでだろ。

 

「いいのよ、いつでも呼んで。どこにでもついていくから。むしろ用が無くても呼んで」

「ありがとうございます。いやでも、ほんとに申し訳ないです。なんというか、アビドスって……」

 

 続きを言いかけて、私は周囲を見わたす。周囲に人はいないし、何より走行中の車の中だ。聞こえようがない……はず。

 ね、念のため小声にしとこ。忍者や超能力者がいるんだ、念には念をね。

 

 私はヒナさんの耳に口を近づけ、ひそひそと喋った

 

「アビドスには、お店とか全然ないk

「ひゃあ!」 

 ギュアアアアアア! 

「わぁい!?」

 

 突然ヒナさんのハンドル捌きが乱れ、大きく蛇行した。あっぶぇ!? 周囲に車が全然走ってなくてよかったよ! 

 

「ごめんなさい、ちょっとドキッ……びっくりしちゃったわ。もう一度お願い」

「え、ああ、そうですよね。ごめんなさい」

 

 確かに運転に集中してる人にいきなりはちょっとまずかったね。

 気を取り直してもう一度耳に口を近づける。

 

「アビドスには、お店とか全然ないんで退屈しちゃうかもしれないです」

「ああ……そのぽしょぽしょとする感じ、とてもいいわね」

 

 あーあー、そこのヒナちゃん 聞こえてるかなぁ? (主任)

 いや、聞いてはいるんだろうけどさ、聞いてないよね? 

 

「聞いていますか……? 今、あなたに語りかけています……」

「はふぅ……」

 

 駄目みたいですね(諦め)

 

「隣のハルナさんはよく柿食うハルナさんだ……」

「んぅ……」

 

 

 しばらくこの遊びは続いた。運転中に何やってんだ私ら……。

 

 

 

 

 

 

「モカちゃん! ひさしぶりー!!!」

「おひさしぶりいぃぃぃぃぃい!?」

 

 アビドス高校に着き、車から降りた私の体を幽霊ユメパイセンがものすごい勢いで貫通していった。ビビるわぁ! (レ)

 ユメパイセンはそのまま地面に頭から突き刺さり、なんかもがいている。おお、さすが幽霊! 反重力スカート標準装備とは! 

 

「ひぃん!」

「ん、珍しい。アビドススケキヨ」

「シロコ先輩!? 大先輩のそんな姿撮ったらいけませんよ!」

「お客さんの前でいきなり恥さらさないでくださいよ先輩方!」

「これがアビドス流の歓迎です~♣」

「出会い頭に幽霊を突っ込ませるのが……!?」

 

 後からぞろぞろと現れたアビドスの面々。おお、フルメンバー揃うと壮観だねぇ。

 

 

「はあ、先輩。しっかりしてくださいよ。

 

 これから、恩人にしっかりとお礼を言わなければならないんですから」

 

 ホシノさんが近寄ってくる。その顔には、いつもの『うへ~』って感じのゆるみは一切なかった。

 

「ユメ先輩を救ってくれて、本当に…………本当に! ありがとうございました!!!」

「お、おぉ……!?」

 

 勢いよく頭を下げながらの、迫真の感謝。下向いたんだよ90度! 

 予想だにしてなかった言葉にわたわたしていると、ヒナさんが私の肩をポンポンと叩く。

 隣を見ると、ヒナさんがホシノさんの後ろを指さしていた。

 そこには、先ほどまでわちゃわちゃしていたシロコさんたちや、埋まっていたはずのユメさんが皆、頭を下げていて。

 

 ……うん、そうだね。ここはしっかりと答えないと。

 

「私一人の力ではなく、先生とシュロさん、ツクヨさんが居なかったら助けられませんでした。

 ですが今はここにはいないので、僭越ながらみんなに代わっていいますね」

 

 

「どういたしまして」

 

 そういうと、ホシノさんは顔を上げた。その目は潤み、しかし表情は笑顔で。

 そのまま勢いよく抱き着いてきた。

 

「ありがとう……! ありがとう……!」

「ありがとねモカちゃアオゥ!?」

「ひゃわぁ!?」

「学習しましょうねユメ先輩」

 

 いやほんと体貫通するときぞわってするからやめてくれませんかね。

 

 

 

 

 

「しばらくアビドスで休んでいくんだっけ?」

「ん、ロードバイクで案内する。一日で一周コースがあるから、一緒にツーリングするべき」

「うへ~、シロコちゃん。休息を取りに来たんだから、ハードなのは駄目だよ~」

 

 わいわいと話をしながら、車から荷物を降ろしていく。あ、持って行ってもらえるの? 

 かんしゃあ~(NT)じゃあ後はママのぬいぐるみだけだねぇ。

 私は落とさないようにしっかりとぬいぐるみを抱えた。

 名前つけたほうがいいかな。『アオイママのぬいぐるみ』って言うのもあれだし。

 う~ん……。キャストアウェイ面白かったし、ウィルソン? いや、縁起悪いな。やめとこ

 

「……モカ、聞きたかったのだけれど。そのぬいぐるみって……?」

「確かにモカちゃん、私と会ったとき持ってなかったよね!」

「あれ、この人どこかで見たような……?」

 

 お、みんな興味津々だね。

 私はライオンキングのようにぬいぐるみを掲げた。ハア~サバンにゃ~♪ (セルフBGM)

 

「このぬいぐるみは私のママそっくりのぬいぐるみなんです!」

 

「「「…………え?」」」」

 

 ふふん、あまりの完成度に驚いているようだね。まあ私が作ったわけじゃないけど。

 ぬいぐるみを胸元に戻し頬ずりする。安心させる匂いと、ふわふわの感触が私を迎えてくれた。

 

「こうして持っていると、なんだか妙に落ち着くんです。あるべきものがちゃんと傍にあるという安心感というか……私はこうあるべきだという確信に満ちた、安らぎのようなものを感じるんです(ガンギマリ)」

 

 

「モカちゃん……」

「う、うへ~。こりゃ先生も心配するわけだ……

「ん、頭おかしムグッ」

「シロコ先輩、まずいですよ!」

「やばいですね♣(ノノミーヌ並感)」

「先輩!?」

「ヤバいわよ! (ツンデレ黒髪猫並感)」

「ちょっと!?」

 

 なんかよくわかんないけど、大変そうねアヤネさん。

 他人事のような感想を抱きながら水を取り出し飲んでいると、ヒナさんに突然両肩をつかまれる。

 

「モカ。貴方が私を救ってくれたように、今度は私があなたを救ってみせるから!」

 

 いい台詞だ。感動的だな。だけど……なんの話? 

 一体何から救おうとしてるのか聞こうと口を開いたその瞬間、拡声器を通したかのような大声が響き渡った。

 

 

「この校舎はあたしらやばやばヘルメット団が占拠するんだァ。おとなしく立ち退いてもらおうk「えーい♣」ぎゃああああ!?」

 

 ヘルメット団の名乗りが私の言葉を妨げ、その名乗りをガトリングがさらに妨げた。

 名乗り中に攻撃するなんて、お侍様の戦い方じゃない! もしかして、これって、レスリング!? (錯乱) 

 

「な、なんだこれ!? なんかべたべたする!?」

 

 ノノミさんの銃撃を受けたヘルメット団の子の体は、無数のトリモチのような小さい粒まみれになっていた。なんやあれ一体? 

 その質問を受けたノノミさんは、両手を腰に当て胸を張り答えた。うおっほんとにでけぇな!? ほんとにでけえなぁ! 

 

「バンジーガム弾は粘着弾とゴム弾の両方の性質を併せ持ちます~♣」

「くそっなんだよそれ!? う、動けない!」

「タイチョウ!」

「は、早く助けて!」

 

 

「ん、今のうち」

 シロコさんにぐい、と腕を引っ張られる。

 

「え、私も戦いますよ!?」

「これはアビドスの戦いだから。それに……

 

 みんなは強い。安心して」

 

「来なさい! 皇帝(エンペラー)!」

「ユメ先輩!」

「任せてよホシノちゃん!」

 

 アビドスの皆は手慣れた手つきでそれぞれの武器を構え、駆け出して行った。

 そっか。皆、私よりもずっと歴戦の戦士だもんね。むしろ私は足手まといかもしれない。

 

「クソッ! 隊長を連れて引き上げる! 援護しろ!」

「いってぇ! なんで盾構えてんのに当たったんだ今!?」

「だから私は反対したんだ! やっぱり来るんじゃなかった!」

「つべこべ言わずに撃てぇ!」

「ホシノちゃんは撃たせないよ! カバディ! カバディ!」

「なんだこの女!?(驚愕)た、弾が当たらねぇ!?」

「幽霊か何かか!?(名推理)邪魔だぞ、無駄にでかい胸しやがって!」

「ひぃん! ひどいよぉ!」

「無駄っていうなぁ!!!!!! ユメ先輩の胸には、が詰まってるでしょうがぁ!!!!!!!!」

「おいそのでかい武器は何だ!? さすがに死ぬっtぎゃあああああああああああ!」

「今の叫び声は、流石に死んだんじゃないのぉ~?(震え声)」

「勝手に……ころすな……!」

「ホ、ホシノちゃんったら///」

 

 うーん、確かに負けそうにないね。むしろなんか体張った漫才見てるみたい。

 まあ、飛んでくる銃弾いまだに怖いからできれば戦いたくはなかったし、おとなしくお任せしようか。

 

『~~~~! ~~~~~~』

「え? あ、はい! わかりました! 

 シロコ先輩。このままアジトまでついて行って、そのまま掃除しちゃうそうです」

「ん、わかった。私がモカを見とくから、アヤネは行って」

「私も行くわ」

「え、でもお客さんには「モカと一緒に休む場所だから、徹底的に安全にしておきたいの」

 わ、わかりました。ではこちらに」

「ええ。モカ、行ってくるわね」

「大丈夫だとは思いますけど、気を付けてくださいね。ヒナさん!」

 

 なんだあのドリームチーム。おいおいおい、死んだわヘルメット団

 私は静かに十字を切り、あの子たちがせめて安らかに眠れるように祈った。

 

 

 

 

 ヘルメット団を追いかけドリームチームが居なくなると、校舎は2人分の足音だけしか聞こえてこなくなった。

 そんな中、シロコさんの案内で対策委員会の部屋に通された私は、適当な椅子に座り辺りを見渡す。

 壁に張り付けられている、半透明のユメ先輩も映っている集合写真を見つけほっこりしたりしているうちに、ふと疑問がわいてきた。

 

「あの、シロコさん」

「ん?」

「…………風の噂で聞いたんですけど(大嘘)アビドス高校って、借金ありませんでしたっけ? もしよかったら、シャーレがお手伝いしますよ」

 

 メインストーリー君が息してなかったので忘れてたけど、そういえば重大な問題残ってたわ。

 

「ん、大丈夫。それは昔の話。ホシノ先輩が荒れて……まだおじさんが若かったころに解決した」

 

 真顔のシロコさんの口角がちょっとだけ上がっている。はぇ~おじさんにもそんな時期あったんすねぇ。夜の校舎の窓壊して回ってたのかな?(悪ノリ)

 ……というか待って? 解決したって言った?

 ……知らないところでRTA走者でも転生してる? チャートぶっ壊れてるだろうに、すごいねぇ。

 

「詳しいことは知らないけど、昔ホシノ先輩は黒い仮面を被ってカイザーの幹部を闇討ちして回ってたらしい。止まない襲撃に音を上げたカイザーは、ホシノ先輩の要求を呑んでアビドスから完全に手を引いた」

「………………はぇ~すっごい(処理落ち)」

「ん、ホシノ先輩はすごい。尊敬するべき」

「せやな~(AKNちゃん)」

 

 呑気な返事とは裏腹に、私は情報量の多さにショートしかけていた。(情報量に)溺れる! 溺れる! 

 なに? 黒い仮面って? ……黒い仮面? 

 

 いや待て。ホシノ先輩が着てた黒スーツ。黒手袋。その手袋から出してもらったと言ってたアリスさんの炎を纏う刀。さっき使ってたもはや鉄塊みたいな大剣。

 

 …………あ、ふーん(察し)

 

「もしかして、『黒い沈黙』とか呼ばれてませんでした?」

「! もしかしてファン? サインもらえるよう口利きしてあげようか?」

「あー、いや、うーん。……お願いします」

「ん、まかせて。ファンがいると知ったらホシノ先輩もきっと喜ぶ」

 

 貰えるものは貰っとく主義の鬼灯モカだ。よろしく頼む。

 

 

 

 

 

 

 意外な事実が明らかにされ、それに盛り上がったのもつかの間。現在教室は沈黙に包まれていた。

 あんまり積極的におしゃべりはしないのか、静かに銃を磨くシロコさん。

 

 き、気まずいよ……助けてママ。

 思わずギュッとぬいぐるみを抱きしめる

 

『集中してちょうだい。…………これで録音できたかしら』

「ん!?」

「ワオ!?」

 

 すっげぇ、これ喋るんだ。

 シロコさんのほうをちらりと見ると、目を真ん丸にさせてこちらを見ている。あらやだ、すごい気まずい♡

 えーとえーと、なんか会話しなきゃ……

 

「シロコさんって、普段何してます?」

「ん、銀行を襲ってる」

 

 こりゃまたコメントしづらい返答が……! 

 ああ~いいっすね~(適当)とすら言えないやんけ。

 

「ご趣味は? (お見合い)」

「ん、銀行を襲うこと」

 

 良いご趣味ですね(皮肉)好きなことして生きていらっしゃるようで何よりです(震え声)

 

「ストレス溜まった時、どう解消してます?」

「ん、銀行を襲ってる」

 

 もしかして生命、宇宙、そして万物についての究極の疑問の答えって『銀行を襲う』だったりする? 

 ミレニアムで発表しなきゃ(使命感)

 

 いい返しが思いつかない回答のジェットストリームアタックを喰らい呻いていると、やけにキラキラした目でシロコさんが質問してきた。

 

「そんなに銀行強盗について聞いてくるってことは、もしかして……

 銀行強盗に興味ある?」

「え゛!?」

「ん。私と一緒に、銀行を襲うべき!」

 

 シロコさんが机を乗り越え、あともう少しでキスしちゃいそうなほど顔を近づけてきた。

 わぁ、目の中に銀河でもあるのかってくらいキラキラしてるぅ! 1145141919ルクスくらいありそう。

 

「借金あるときだったら皆と一緒に行けたかもしれない。だけど皆、『そんなに切羽詰まってない』って断ってくる。

 誰かと一緒に銀行強盗やりたかった。やっと見つけた!」

 

 断りづらい言葉でラッシュかけてくるねぇ!? 

 何とかして断るべき、なんだろうねぇ。でも……なんていうか、その。

 

 例えるなら、ジャックスパロウに「俺と一緒に海賊やらないか?」と誘われたような、「あんたに誘われちまったら、たとえ犯罪でも断りにくいな」って感じがするぅ。

 うーん、言ってる意味、分かるかな? 

 

 ホントにまいったなぁ。どうしよう。

 ……………………。

 

「シロコさん」

「ん?」

 

 

 

 

「捕まったりしない、ですかね?」

「!!!!!」

 

 私の言葉を聞いたシロコさんはまるで花が咲いたような笑顔をこちらに向けてきた。わあ、素敵な笑顔! 

 あの、まだやるとは言ってないんですけど(震え声)

 

「ん、私は27連続で銀行強盗を成功させたことがある女! 大船に乗ったつもりでいるべき!!!」

 

 まだやるとは一言も言ってないんですけど!!!!!!! 

 うわー、ここで『やりたくないです』って言ったらどうなることやら。どうしよ……。

 銀行強盗なんてグラセフかペイデイかブルアカに転生しないとできなさそうだし、やっちゃう? 貴重な経験積んじゃう? 

 

 私がうんうん悩んでいる間、シロコさんはどこかから出してきた『皆で襲いたい銀行』と表紙に書かれたノートを持っていて。

 

 それを見て私は、苦笑いするしかなかった。




ホシノ先輩黒い沈黙説って言うのをネットのどこかで見たんでそのミームを使わせていただいたんですけど、今検索してもヒットしないんですよね。
やだ~まぼろし~!?(IKKO)

いやほんとまじでどこで見たんだっけ・・・・?
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