ただしこのキヴォトスはネットミームに汚染されてるものとする   作:流石兄者

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しれっと上中下にしても、ばれへんか・・・

複数の勢力を視点移動しながら描くと長くなる、ちぃおぼえた。
いい練習になるとはいえ、もうこんな面倒なことしないよ・・・。



16話【中】キヴォトスは平和な状態です(大嘘)

 ヒナさん。

 私はね、銀行強盗をやりたいんだ(犯行声明)

 でも銀行強盗は期間限定で、大人になるとやるのが難しくなるんだ(要出典)

 だからロリっ娘である今のうちに、やっちゃおうと思うんだ。

 

 

「なるほど、出入口の先が直線状の道路になっているから車で突っ込めると」

「ん、初心者のモカに楽しんでもらえるようなド派手強盗をするにはそこが一番いい」

 

 やあ、『皆で襲いたい銀行』とかいう有害図書を読みながら歩いてる鬼灯モカだよ。間違いなく教育に悪いねこれ。なんかの間違いで梅花園に送られたらテロリスト塾が誕生しそう。

 内容はどんな感じかって? 手書きで描かれた銀行の見取り図に警備員のシフト、金庫の形状や破り方までみっちり書かれてるんだよ。やばいですね☆

 

「いやぁ、すごいですねこれ……」

「ん、みんなに見せたらドン引きした顔で捨てられそうになった」

 

 そらそうよ。私もてっきりセキュリティがすごくて襲いがいのありそうな銀行の名前が書いてあるだけかなーって思ってたもん。

 でも読み物としては結構面白いね。どこからどう襲うか想像してるだけで楽しいよ。

 

 まあこれから、想像だけじゃなく──ー

 

「着いた。ここがアビドス倉庫。今からここで装備を整える」

 

 銀行を実際に襲うんですけどね、皆さん。

 よ、よーし。見ててヒナさん! 今日だけは私、悪い子(オブラート)になっちゃうぞー! 

 いや、見てたら止められるか。やっぱ見ないで! 

 

 

 

 シロコさんの手によって倉庫の扉が開けられる。年月を経てさび付いていたのか、ギギギという重厚な金属の悲鳴が開け放たれた倉庫に響き渡る。

 

「おぉ……!?」

 

 中にあった物品にはまとまりが無かった。体育で使いそうな運動器具はもちろん、大量の銃器や謎の機械類、生徒の強化に使うアーティファクトやもはや何に使うのか見当もつかないものまで所狭しと並んでいた。

 

「どうしたんですか、こんなにいっぱい!?」

「アジトを襲い返したときに奪ってきた物資や砂漠で発掘したお宝まで適当に詰めてたらこうなった」

「砂漠で発掘?」

「ん、ユメ先輩の提案でみんなでやった。楽しかったからモカも一緒にやるべき」

「いいですね、今度やるときはぜひ!」

「そのときは水着忘れずに着てきて」

「はい。…………はい?」

 

 水着じゃなくたってよくない? そう聞こうと振り向くとシロコさんはすでに装備の選定に移っていた。

 まあいいか。私も色々と見てみることにしようかな。

 

 倉庫内をゆっくりと歩き、おいてある品を眺める。

 銃はどれも使われた形跡があり新品、もしくはそれに近いものはあまり見当たらない。

 アサルトライフルを一丁手に持ってみる。

 見た感じ、だいぶ使い込まれているみたい。部品によって傷や汚れの量が違うため、交換しながら長いこと使っていたのかもしれない。

 ふむ、いい機会だし操作が簡単そうなやつを一丁持って行ってもいいかもね。

 

 そんなことを思いながらアサルトライフルを棚に戻し、次の棚を見てみる。

 

 お、これはかの有名なノノミさんのダンベルじゃない? はえー……すっごい普通のダンベルだぁ。

 そしてこのピンク色の埴輪は、完全な水晶埴輪君だ! いや、チ〇ポにゃ!(誤認)

 私はどう見ても卑猥なおもちゃにしか見えないそれを手に取ってみた。

 うーん、ピンク色だったりハナコさんに使わせてたりもう確信犯でしょこれ。浦和さんチ〇ポでかいのね~!(喜多並感)

 

 そんなバカなことを考えながら埴輪を眺めていると、側面にスイッチがあることに気づいた。

 よく見てみるとそのスイッチは5段階の切り替え式であり、オフ、弱、中、強、自殺に分かれている。

 

 スゥ──……。あー、なんだろうね。散歩してたら草の中に隠されていた核地雷を踏みかけたような、そんな気分だよ。

 鋼入りのダン(スティーリー・ダン)君、君そんな見た目じゃ無かったよね? 擬態型かぁ~?  

 

 埴輪の頭の部分には絶対に触れないようにしながら、スイッチを弱に入れてみる。

 すると予定調和のごとくぶるぶると埴輪が震え始めた。

 大人のおもちゃだな。そういう動きだ。(エッチ鑑定士フロイト)

 

 うーんまいったなぁ。超危険物、動いちゃったよ。ドウスッペ……

 

「モカ、このチャフグレネードは通報を妨害できる優れものだから持ってお……」

 

 後ろを振り返ると、そこには頬を染めながらこちらを見ているシロコさんがいた。おや、どうしたんだろう?(無能)

 

「ん……それ、エッチなものだからしまうべき。あんまり、見ちゃダメ」

 

 そう言いながらシロコさんが指をさしているのは、私が手に持っているもので。

 あれ、もしかして私、今客観的に見たら大人のおもちゃを真剣な目で見てるロリだったりする? 

 あかん、勘違いされとる! 

 

「ち、ちちちちち違うんです、これは、その、えーと……アッ!(ひらめき)

 これはミレニアムが開発した最新型の埴輪偽装型超高性能高周波式ドリルなんですよ!(深刻な風評被害)」

「ん? ドリル?」

「そ、そうなんですよ! いいですか、よく見ててください!(QVC鬼灯)」

 

 私はスイッチを『自殺』に入れ、ダンベルに先端を押し当てた。

 するとものの数秒で押し当てた部分が液状化し、ダンベルとしての機能を失わせた。

 

「! すごい、これがあればどんな頑丈な金庫も破れる!」

「そ、そうです! 決してエッチなものではないんですよ! 本当ですよ! 賭けますか!?」

「ううん、モカを信じる」 

 

 キラキラした目で埴輪を見つめるシロコさん。あれ、さっきより絵面酷くなってないこれ? 

 とりあえず自殺からオフに切り替え棚に戻す。

 え、持ってくんですかそれ? あ、ちょ、私のカバンに入れようとしないでくださいそんな卑猥なもの! 死刑にしますよ!? 

 

 

 

【同時刻 ターゲットの銀行】

 

「ヴァルれ! 止まキューレ公安局だ!!!」

 

 バァンと勢いよく蹴り開けられた扉。

 そこから拳銃を構えながら現れたカンナは、殺気立っていた。

 

「28回目の銀行強盗だぞ!!! 確実に稼ぎたかったんだろ!?」

 

 砂狼シロコ。ヴァルキューレに所属するもので彼女を知らないものはいないだろう。

 現在27連続で銀行強盗を行っており、そのすべてで逮捕に失敗。

 20回を超えてから「もうあいつ七囚人に入れていいんじゃないですか?」

「そっすね。じゃあ姉御が好きな数字、28回目も駄目だったら入れましょうか」という意見もヴァルキューレ内部から上がっているほどの凶悪犯である。

 

 カンナは荒れ果てた銀行内を慎重に進む。

 その道中には従業員、警備員、さらには客に至るまですべて倒され、床に転がっていた。

 

「ッ! 私のせいです、もっと急いでいれば!」

 

 一瞬悔しげな顔を浮かべるが、すぐに表情を引き締めた。

 いつもはシロコが展開するチャフによるジャミングで通報が大幅に遅れ、カンナの能力をもってしても到着したころにはすでに去った後だった。

 しかし今回はヘマをしたのか襲撃中に通報がきたのだ。このチャンスを逃してはならない。

 

「シロコを探すンゴ~♪」

 

 今回こそ捕まえてやるという気迫に満ちた言葉を発しながら金庫室に向かって歩を進めた。

 

 

 近くの柱に隠れていた人物に気づかないまま。

 

 

 銃声と共に飛来してきた弾丸はカンナが構えていた拳銃をはじき飛ばす。

 まああんだけ派手な登場をした上にベラベラと独り言を喋ったり歌ったりしていれば先手をとられるのは必然だった。

 

「うわぁ!?」

 

 銃声がした方を振り向くと、そこには顔の下半分を隠すようなマスクをした女が、アサルトライフルを構えながらこちらを睨んでいた。

 

「止めてください! 私は丸腰だ! 嘘じゃない!」

「すまない、アリウスの皆の為だ。悪いがお前にも気絶して貰うぞ」

 

 パチンとフルオートに切り替える音が響く。

 その音を合図に、カンナの体感時間は急激に遅くなった。

 

 自分と相手──いや、世界全てがスローモーションになる。だが相手は発砲する直前であり、時間的余裕はあまりない。

 解決策を見つけるため、カンナは周囲に目を走らせた。

 

 見つけた策は2つ。

 弾き飛ばされた拳銃を拾いに行くか。

 もしくは、何故か足元に都合よく突き刺さっている鉄板を盾にするか

 

 カンナは迷わず鉄板を引き抜いた。

 

 それはまるで吸血鬼の島に自生すると言われている日本刀のような存在。

 別の世界で自我を持つアンドロイドを幾度も救ってきた鉄板。

 これ自体が何らかの神秘を秘めているのだろうか。神秘を伴うフルオート射撃だろうと全て弾き返し、後ろにいる守るべき者には決して凶弾を通さない。

 鉄くずのような見た目に反した驚異的な防御力はキヴォトスでも健在であった。

 

「なっ!?」

 

 容易く貫けると思っていたのだろうか。

 鉄板に向かって弾を撃ち尽くしてしまうというミスを犯した相手の隙を見逃さず、カンナは鉄板を投げつけながらその場を離脱した。

 

 急いで遮蔽物に隠れ、カンナは失った銃の代わりになるものを探した

 倒れ伏す人々の中に警備員を見つけ、その傍らにあった銃を拾い神秘を込める。

 

 カンナが持つ神秘は特殊であり、最大装弾数を『28』に塗り替える能力を持っている。

 この能力は癖が強く、銃によってはデメリットになりえるものだ。

 装弾数が28を超える銃、アサルトライフルやマシンガンは弾が減ってしまいデメリットになってしまう。

 なら逆にメリットになる銃は何だろう。

 例えを上げるとすれば、カンナが持っていたハンドガンやスナイパーライフル。あとは──

 

「どうする、ダニエル? これが君の望みか!?」

 

 神秘を注ぎ終えたカンナが構えているロケットランチャーもそうだろう。

 

 カンナの神秘により単発式ロケットランチャーから28連装ロケットランチャーへと生まれ変わったそれは、ひとたび牙をむけば銀行という文明の象徴のような建物を石器時代に戻すことなど容易いことだろう。

 

「生け捕るように言われているが、場合によっては撃ってでも君を捕まえるつもりだ」

「……それをか?」 

 

 顔半分が仮面で覆われている状態でも伝わってくる困惑の感情。

 だが、銀行強盗犯を逮捕するという使命に燃えているカンナはそれに気付かなかった。

 

「状況がわかっていないのか? 君は破壊されるんだよ! 分かるか!? 破゛壊゛さ゛れ゛る゛ん゛だ゛!! 」

「そうなのか……なら!」

 

 仮面の女はアサルトライフルを投げつける。咄嗟に手で防御してしまったカンナは、その後すぐ突進を開始した相手に気づけなかった。

 勢いよく体当たりされ、ランチャーを取り落とす。格闘による反撃を行うが相手も練度が高く、有効打はあまり与えられなかった。

 もみ合いの末カンナは蹴り飛ばされ、壁にたたきつけられる。そんな彼女に隠し持っていたハンドガンが突き付けられた。

 

「終わりだ」

「ハンク……! 頼む、助けてくれ……!」

「ハンク? いや、私は── 

 

お金を貰いに来た錠前サオリだ、よろしく頼む

 

 

 一発の銃声が響き渡り、再び銀行に静寂が戻った。

 

 

 

 

 

【カンナが敗北した少し後 銀行の数百メートル先】

 

 

「モカ、最後にもう一度手順を確認するよ」

「はい!」

 

 いやー、めっちゃ緊張するね。ヒマリさんたちと一緒にホドを倒しに行った時より緊張してるよ。

 転生者の8割くらいが通るといわれている銀行強盗イベントってこんなヤバいんだ。アレか? 見せかけで超ビビってるな?(自己分析)

 

「車で突っ込んだ後、私はあっち向いてホイで職員と警備員を制圧。モカはすぐさまチャフグレネードで通信を妨害し、その後私のサポート。

 制圧し終わったら埴輪ドリルで金庫を破りバックにお金を詰めて、車に載せて逃走。ホシノ先輩たちが帰ってくる前に余裕で高校に戻れるから、お金を隠して何事もなかったかのように振る舞う。

 覚えられた?」

「……そんなにうまくいきますかね?」 

「大丈夫。パトカーが追って来てもあっち向いてホイでひっくり返せば時間が稼げる。プロに任せて」

「おぉ……よろしくお願いします! リーダー!」

「リーダー?」

「はい! 強盗団のリーダーです!」

「……リーダー。リーダー! うん、いい響き」

 

 お、とっても嬉しそう。そっか、あんなにみんなでやりたいやりたいって言ってたからね。こういうのにも憧れてたんだ。

 よし、それなら……

 

「せっかくだから強盗団の名前も付けちゃいます? 私たち二人だけですけど」

「名前……ん、ちょっと考えさせて」

 

 ノノミさんいないから覆面水着団にはならないと思うけど、一応カッコいい名前になるよう祈っとこ。

 

「ん、思いついた」

「お、どんなのですか?」

 

 聞いてみるとシロコさんは胸の前で腕を‪✕‬のようにクロスさせ、こう言い放った。

 

「チームの名は、Xフォース」

 

 待って、名前はカッコいいけどなんか壊滅しそ──

 

「行くよ、Xフォース」

「ひゃあ!?」

 

 テンションの上がったシロコさんが青い目出し帽を被り、車が急発進させた。私も慌てて日曜の朝にやってそうなキュアキュアなお面を被る。  

 そんな慌ただしい車内には『All I Want』がご機嫌に流れていた。

 

 

 

 遠くに見えていたはずの銀行との距離がものすごい勢いで縮まっていく。いかん……いかん! 危ない危ない危ない危ない危ない危ない!(レ)

 

「ん、突っ込むから掴まって!」

「ひゃい!」

 

 助手席左上にある手すりに掴まろうとしたが手が届かず、諦めてシートベルトをする。

 超スピードで走るバンは歩道に乗り上げ、しかしスピードは一切落とさずに銀行の扉をぶち破った。

 

 ガゴォン! ギュアアア! 

 

 車内にすさまじい衝撃と急ブレーキによる慣性が襲い掛かり、シートベルトが体に食い込む。

「オェエ……!」

 口からなんか出そうになるが手で押さえ、車から飛び出す。ゲロインには……ならんぞ……! 

 

 すでに満身創痍だが気力でピンを抜き、天井に向かってチャフグレネードを放り投げる。

 宙を舞ったグレネードは空中で炸裂し、まるで花びらのような薄い金属片をばらまいた。

 よし、第一段階はクリアだ。

 

「リーダー! 今援護を……」

 

 マグナムを引き抜きながらシロコさんを見ると、呆然と立ち尽くしていた。

 それに困惑しながら原因を知るために視線の先に目をやると。

 

 そこには私たちが伏せさせるまでもなくすでに倒れ伏している人々がいた。

 

「え……?リーダー、これはいったい……?」

 

 金属片が舞い落ちる中、シロコさんは険しい顔でこちらを見ながら言った。

 

 

「ん、ブッキング」

 

 

 

【同時刻 アビドス付近】 

 

「モカ、元気にしてるかな」

 

 アビドスに向かって車を走らせながら、先生はアロナに語り掛けた。

 ホシノにはモカの精神状態が不安定であり治療が必要だということを伝えてあるし、仲のいいヒナも付き添っていた。

 キヴォトスの特記戦力が2人もついている贅沢な状態。

 それでも念のため様子を見に行くのが先生という人物だった。

 

『あー、その、先生……』

「どうしたの? ……まさか、モカの身に何かが!?」

『いえ、すごぶる元気です。むしろ、元気すぎるといいますか……。とりあえず、これを見てもらえます?』

 

 アロナの煮え切らない返事に焦った私は急いで路肩に車を止め、シッテムの箱を手に取る。

 そこには信じられない情報が載っていた。

 

【新衣装追加! 現在ピックアップ中!】

 

 シロコ ★★★(銀行強盗)

 モカ ★★(銀行強盗)

 

「………………え、なにこれは(困惑)」

 

 

 




出典元

SCP-297 鋼入りのダン(スティーリー・ダン)
http://scp-jp.wikidot.com/scp-297

もう襲ってる!?(アンケート結果を見ながら)
アウトローが多すぎる・・・修正が必要だ・・・

転生後ヴァルキューレに保護されたモカちゃんがカンナさんのバディとなりめちゃくちゃ振り回されたり知識でサポートしたりしながら事件を追うIFルート、読んでみたいなぁ・・・。誰か、書いてくれません?
・・・そもそも私以外の需要あるのかな。

あなただったらシロコの誘い、どう答えます?

  • あぁ~いいっすねぇ!
  • ヴァルキューレに電話させてもらうね?
  • もう襲ってる!
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