ただしこのキヴォトスはネットミームに汚染されてるものとする   作:流石兄者

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17話を書くための準備回。ちょっとやらかしすぎちゃったから多少はね。

この小説のシロコやカンナ、アイリのようなトンチキ能力バトルも好きだけど、それだと能力持ってないキャラが登場できないのでこういう話も挟んでいきます。

頭悪い会話を考えてる時が一番楽しい。



16.5話 モカはシャー・レで反省文をアホほど書かされとったんや その数…500億

 夜のシャーレオフィス。静まり返った部屋の中で先生は一人、コーヒーを片手に一枚の紙を眺めていた。

 それは学校において学生達に親の仇のように嫌われている種類の紙。そう、テスト用紙だ。

 名前欄には「鬼灯モカ」、そしてその横には28という数字が踊っており、その部分だけがくしゃくしゃになっているさまは悲壮感とドラマを感じさせる。

 

 それを悩まし気に見つめる先生。ここだけ見ると『成績が一向に上がらない教え子に悩まされている担任の先生』のように見えるが、実際はそうではない。

 

 先生を悩ませているのは、『モカが間違えた部分、そのジャンル』である。

 このテストはモカの現状の知識力がどれほどのものかをざっくりと把握するためのものであり、内容も多種多様だ。

 モカに何歳? って聞くと「 1……か2ぐらいですね」と返ってくるので、外見からおそらく8歳くらいだと推測し、それをキヴォトス基準に合わせて問題を作成、シャーレにて試験を受けさせた。

 その結果が、酷くいびつなものだったのだ。

 

 驚くべきことに四則演算や読解力は平均以上だった。だがそれに反して銃器や爆発物の知識などの、『キヴォトスで生きていくために必要であり、それゆえ義務教育で教えられているはずの知識』が全くなかったのである。

 

 鬼灯モカにストリートチルドレンという悲しき過去……という考察を後押しするようでいて、しかし疑問も増える結果。

 だが少なくとも、急いで対処しなければならないという事態でもないと先生は考えていた。

 シャーレで保護しているため生活にはそれほど影響は出ない。仕事の合間を見て少しずつ教えていけば、いつしか生活していくには問題ないレベルにたどり着けるはずだ、と。

 

 そしてなにより、モカには支えてくれる子たちが大勢いる。

 先生は机の上にテストを置いて目を閉じ、昼間のテスト中とは思えないほど賑やかで楽しかった時間を思い出し始めた。

 

 

『あのー、すいません』

『どうしましたかぁ手前さん?』

『何かわからないところでもあったかい? 仕方ない。セクシー教師の出番のようだね』

『テスト中に教えちゃだめだよセイア』

『そうですよ! なんでテスト中なのにこんなに囲まれてるんですか私!? 集中できないんですけど!!!』

『それはねモカ、あなたが銀行強盗したからよ』

『あぇ……いや、私じゃな

『また山ほど説教されたいのかしら?』

 しゅみましぇん……』

『(心配になって様子を見に来るのは)当たり前だよなあ?』

『いやー、あんなに実況スレが盛り上がったのは久々でしたねぇ。楽しませてもらいましたぁ』

『(テレビで見て)おっp……おっぱげた……』

 

 

 

 テストを受けている間、モカを心配し集まってきた生徒達がやいのやいの騒ぎ始める。

 先生としては注意すべきだったのだろう。だがどうしてか、それは無粋な行為だと感じた。

 

 

 

『手前さん、流石にその銃の名前は『ジェノサイド砲』じゃないですよぉ?』

『私バカだからわかんねぇですけど、ひょっとして私ってバカなんじゃねぇですか?』

『お、無知の知を自覚しましたねぇ。5点くらいはあげていいんじゃないですかぁ先生?』

『うーん、考えておくよ』

 

 

『銀行強盗はしてはいけない(戒め)ことである。〇か‪✕‬か? ……サービス問題ね』

『ん、‪✕‬。生きがいだからする』

『な……なにっ反省がまるでない』

『シロコ、反省文追加で書こうか』

 

 

 

『算数や国語はよくできてるわね。何で学んだの?』

『? 教科書ですけど……』

『……そっか!』

(普通はBDって答えるはず。教科書……本を使って独学で学んだ、ということかしら)

『……偉いわねモカちゃん! ご褒美にチューしてあげるわ!』

『えぇぇ!? あ、あのあの……ふ、ふつつか者ですが

『ダメよ、近づかないで』

 ヒナさん!?』

『モカ、この女は背の低い子達を狙い襲う変t……ちょ、ちょっとなに私達の間に入り込もうとしてるの!?』

『あ、ごめんね。「アラ、いいですね」の波が何度も押し寄せてきて……(ヘイポー並感)』

『何言ってるの!?』

『かわいいロリっ子達のハグを見て、私はそこでアラっと思ってしまい、間に入っちゃったの』

『こいつすげぇ変態だぜ?』

『今回私的には、「このレベルのセクハラも受け入れてくれるのね」という事が分かった事はものすごくプラスとなりました』

『きしょい……(本音)』

 

 

 

 

『(答えを)バラしたいなって……』

『うへ~、モカちゃんの為にならないからおじさんやめた方がいいと思うな~』

『うぅ……教えてくださいハナコさん……!(小声)』

『「はいお願いします」だろ?(指導)』

『えぇ……!? お、お願いします(屈服)』

『俺の言う通り書けよ(国語)”私は変態です”』

『私は変態です……と(錯乱)』

『わぁ……ほんとに書いちゃってるよホシノちゃん!?』

『……幼い子に何を教えてるのかな?』

『(圧を感じて)ブルっちゃうよ……』

『先生。この人教育に悪いから離した方がいいんじゃ……?』

『ハナコはこう見えて全教科100点の秀才だからね。教える側としていいかなと思ったんだけど』

『……う、嘘だぁ。おじさん信じないよ?』

『ハゲろ……!(おじさん特攻罵倒)』

 

 

 

 

 カンニングを越えたカンニングが当たり前のように行われてはいたが、そこに悪意や狡猾さは一切ない。

 まるでゲームをプレイしている友人の後ろからみんなでヤジを飛ばすような、気やすい暖かさに包まれている。

 これも一つの青春と言えるのかもしれない。

 

 

 

 

『手前さん、点数はどうでしたぁ?』

『み、見せられないです……』

『やあ、28(点)!』

『なぜ!?』

『私はカンナだ!』

『私の点数を!?』

『他にも色々知っているよ!(死体蹴り)君を助けに来たんだ!』

『あかんやん、みんなの前で点数バラしたらモカも悲しむッス』

 

 

 

 まぁ、ちょっとした騒動もあったけれど。

 喧嘩するほど仲がいいという言葉が似合うような、じゃれ合い程度のものだった。

 

 

 

『うぅ……おいは恥ずかしか……』

『隅っこから出てこなくなっちゃったわね』

『あーあー、拗ねちゃったじゃないですかぁ』

『(大人数の前で赤点公開されたら)ま、多少はね?』

『私が交渉してみます』

『おっ大丈夫ですか大丈夫ですか?モカバッチェ冷えてますよ』

『平気だよ。任務の遂行は得意なんだ。

 それに、私は人間のランダムな行動にも対処できます』

『手前さんのせいでこうなったんですよ?』

 

 

 

『ダニエル、傷つけるつもりはない!』

『なら失敗してますよ手前さん……』

『私と話し合って、解決策を見つけよう!』

『話↑すぅ↓!? 話すことなんかないです!』

『君が感じているその感情は、ソフトウェアのエラーなんだよ!』

『ハァ!?(半ギレ)』

 ▼54% 成功率|対象が動揺

 

 

『これ以上は危険や。カンナを止めるッス』

『ちょっとすいません……(ネゴシエーター)やめてもらえますか……』

『怒ってるモカ初めて見たわ。レアね、撮っておきましょう』

『よし、じゃあアリスがぶち込んでやります!』

『try……!!(決心)』

 

 

 

『まずうち(ゲーム開発部)さぁ……屋上、ないんだけど……(企画倒れ)』

『……え? はぁ……そうなんですか』

『焼いてかない?』

『放火のお誘いしてます?』

 ▼47% 成功率|対象が困惑

『気持ちいいって言えよ(趣旨崩壊)』

『嫌です……』

 ▼44% 成功率|対象が動揺

『(隙間に)手を入れる専門家も呼んであるからな(脅迫)』

『やだ怖い……やめてください……』

 ▼40% 成功率|対象が動揺

 

 

 

『駄目みたいですね(諦め)』

『駄目みたい?』

『ハァイ(不服)』

『よし、皆で畳み掛けよう』

『ふむ、先生に続けばいいんだね?』

『それがお前の望みなら……!』

『よぉし、じゃあおじさん頑張っちゃうぞ(主任)』

 

 

 

『モカ、そこは埃っぽくて体に良くないわ』

『テスト頑張ったご褒美に、皆でご飯食べよう!』

『……ヒナさん、先生』

 ▲54% 成功率|対象が安定

『ジャーン、灘神影流パサパサ・サンドッス。もちろん味付け無しで』

『イチカ!今それはまずいよ!』

『えぇ……(困惑)ちょっとそれは……』

 ▼47% 成功率|対象が困惑

 

 

 

『悲しいなら、おじさんの胸を貸してあげよう。存分に泣いていいんだよ』

『うぅ……ホシノちゃん。立派な先輩になったねぇ……』

『先輩うるさいです』

『ホシノさん……ありがとうございます』

 ▲52% 成功率|対象が安定

 

『今なら師匠のセクシーブロマイドも付いてくるぞ』

『手前さんが絶対怖がるとっておきの怪談がありましてぇ』

『お待たせ、(睡眠薬入り)アイスティーしか無かったけどいいかな?』

『バラ鞭っていうんですか?(プレゼント候補)いろんなバラ鞭があるらしくてアレなんですけど……』

『ハハァ……(ドン引き)』

 ▼41% 成功率|対象が困惑

 

 

 

『……何してくれてるのかな?(半ギレ)』

『いやー、上手く行きそうだと邪魔したくなりません?』

『ホシノさんすいません、申し訳ナイス』

『事件解決の糸口が見つかりません』

『どうしようか……』

 

 

 

『モカちゃん、膝枕してあげるから出ておいで~』

『…………はい』

 ミッション成功

 

 

 

『ンアーッ!デカすぎる太ももに奪われました!』

『モカって奴は結構チョロいッスね』

『納得いかないわ』

『……本当にブロマイドいらないのかい?』

『破れ鍋に綴じ蓋ちゃん……言い得て妙ですねぇ』

 

 

 

 無事に解決し、ユウカに連れられて部屋を出ていったモカ。

 それを確認した後、先生は皆にお願いをした。

 できる範囲でいい。どうかモカに勉強を、キヴォトスで生きていく為の知識を教えてあげてほしい、と。

 

 

『大丈夫よ。私が付きっきりで教えてあげる』

 

『お断りですねぇ。世間知らずの方が何やらかすかわからないし、面白いじゃないですかぁ。

 ……まぁ、本当にやばいことをやりそうになったら手前が隣で止めますよぉ』

 

『そのために来たんだからなぁ。わざわざ田舎から……(唐突なトリニティディス)』

 

『ティーパーティートップの前で言ったその度胸だけは褒めてあげようハナコ。後で部室に来たまえ。

 ……教える教科が少し増えるだけさ。可愛い弟子の為、一肌脱ごうじゃないか』

 

『ダニエル、あなたが望むものになりますよ。パートナーでも、飲み仲間でも、ただ任務を──遂行するだけの機械でも』

 

『おう、考えてやりますよ』

 

『モカちゃんにも先生にも借りがあるからね。タダでも喜んでやるよ』

『任せてよ! 大先輩の威厳見せちゃうぞ~』

 

『ん、武装の知識は大事。リーダーとして、しっかり教えとく』

『……しっかり反省文書けた?』

『ん』

 

 

『私達がモカを支える。ある意味''最強''ッス』

『……そうだね。その通りだ』

 

 

 知識がなくとも築き上げたもの。

 学園も学年もバラバラなその友人関係は、先生を安心させるのに充分なものだった。

 

 先生は目を開けると、引き出しからハンコを取り出しテストの空白の部分に押印した。

 

 そこには、『たいへんよくできました』の文字が追加されていた。




キヴォトスの学力レベルの設定はだいぶ想像が入ってます。
イブキのメモロビの黒板見る限り結構高そうなんですよね。でも飛び級の天才…ウムム、全然わからん!
学校によっても結構違うだろうし、(平均値)これもうわかんねぇな。
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