ただしこのキヴォトスはネットミームに汚染されてるものとする   作:流石兄者

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ニコニコアカウントをようやくサルベージできたので初投稿です。
ああ^~久々のニコニコはたまらねぇぜ。


前にゲヘナシナシナシロモップさんのご質問で
『ちなみにこの汚染はこの世界線のみであり』と答えましたが後から「あれ、これじゃ12話IFルートと矛盾しない?」と思ったのでなかったことにします。ごめんなさい。
基本的にその場の思い付きで書いているので矛盾点を見つけたらこそっと教えてくださいまし。
よろしくお願いします。

今回、かなり挑戦的なことをやってます。
読みづらいかもしれませんが、よければ読んでいってください。


17話 真夏の夜のパヴァーヌ

 

 ハロハロ~鬼灯モカだよ~。

 

 まずは、マンドレイクに水やりをしていたら突然バレーボールが飛んできて植木鉢をたたき割り、マンドレイクの叫びによって泡を吹いて気絶した話とか。

 子ウサギ公園にいるRABBIT小隊が歌いながら冷凍エビを揉むというカルトの儀式みたいなことをしていて怖かったのでカンナさんに通報した話とかを。

 リリックを刻みながら、植木鉢を割ったアリスさんへのdisを入れつつ、話していきたいところなんだけど……それよりも。

 

 いやーこの前のテストが壊滅的で、私がおバカってことがバレちゃってね。

 それ以来先生や友達が色々なことを教えてくれるようになったの。

 せっかくだから、そっちの方を話していこうと思うよ。

 

 

 

【lesson1 いっぱんじょうしきのおべんきょう(一般常識のお勉強)

 

「これ(M4)何だかわかるか?」

「えーと……?」

 

 シャーレオフィスにある教室。私はそこでハナコさんが出した銃を睨みつけていた。

 んー、なんでしたっけこれ? 見たことがあるようなないような……?

 なにかの作品で名前と一緒に出てたとか、あるいはよっぽど有名な奴じゃないとわかんないんだよね。AKちょうだいAK! 

 

「……い、EM銃(レールガン)(ヤケクソ)」

「な、なんか……(答えが)駄目だな……」

「うむむ……わかりません」

「これはな、お前を気持ちよくするものだよ(名銃)」

「???????????????」

「うへ、先生やっぱ向いてないよこの人」

「うーん、モカのレベルを理解して適切に問題を出してくれたりするんだけどね。やっぱり言語が……」

「む゛う゛う゛ん……(男泣き)」

「なんか、すいません」

 

 

 日本語喋ってるのに言語の壁が発生してるんだけど。誰かバベルの塔チャレンジでもした?

 

 

 

 

【lesson2 せんとうくんれん(戦闘訓練)

 

 

「よ~し、じゃあおじさん達がモカちゃんを鍛えてあげよぉ~」

「おー!」

「イきますよ~イクイク」

「よ、よろしくお願いします!」

 

 

 場所は打って変わってシャーレオフィスの体育館。……シャーレって何でもあるよね、凄くない?

 私はそこでアリスさん、そして背後にユメ先輩が憑いてるホシノさんから訓練してもらうことになった。

 はぇ~すっごい贅沢じゃないこれ?大金払ってでも受けたい人いるでしょ。

 

 

「まずは近接戦闘の訓練からやろっか。モカちゃん射撃はまあまあできるしね」

「え?近接……?」

「キヴォトスでの戦闘スタイルは近接:遠距離が4:6なんだよ。鍛えといて損はないから、モカちゃんもしっかり体で覚えてね~」

 

 これマジ?透き通る世界にしては野蛮すぎるだろ……。

 このキヴォトスって、怖いですよねぇ?(ONDISK)

 

「じゃあ、ぼちぼち始めよっか~」

 

 そういうとホシノさんは黒い手袋、その掌の部分から竹刀を二本抜き出し、一本をこちらに、もう一本をアリスさんに渡した。

 

「アリスはねぇ、君みたいな可愛いねぇ、この悶絶顔が大好きなんですよ!」

「ヒェッ……」

「アリスちゃん?訓練だからね?」

 

 アリスさんの大胆な告白と共に竹刀が地面に叩きつけられ、スパァン!という音がこちらを威嚇するかのように響き渡り、その音に思わず身がすくんだ。

 だ、大丈夫。これ訓練だから。い、いざぁ……(レ)

 

「2人ともがんばれー!ファイトー!」

 

 どこから持ってきたのかポルターガイストでポンポンを縦横無尽に動かすユメパイセン

 そんなユメ先輩の気の抜けた応援を合図に、訓練が始まった。

 

 

 

「お前のこ↑こ↓が隙だったんだよ!(指摘)」

「痛ァ!」

「ちょっと攻撃が大振りだね。もっと素早く動かないと~」

 

 ら、ラッキーパンチが当たっただけだ!てめえの実力じゃn痛いごめんなさい!

 

 

「先輩!隙ッス!(指摘)」

「ひぎぃ!?」

(……いくら何でも動きがド素人すぎない?)

「が、頑張れー!モカちゃん!」

 

 鬼灯モカにも限界はあると思ってください(AM公)

 ゆ、ユメ先輩。対処を……(無茶ぶり)

 

 

「ホラホラホラホラホラホラ!」

「いててててててて!?」

「うへ、アリスちゃん?もうちょっと手加減してもらえるかな?」

「動くと当たらないだろ?動くと当たらないだろぉ!?(趣旨崩壊)」

「おー激しい( ^ω^)(諦めのノーガード)」

「(無言の抜刀)」

「なんだこのおじさん!?(驚愕)ヤメロォ!ナイスゥ!(腕前の称賛)」

 

 

 いいね……君……シャーレに……来ないかい……?

 あ、もう来てたねペイター君……。

 

 

「お、大丈夫ですか大丈夫ですか?」

「よく頑張ったねモカちゃん!」

「ずいぶん疲れが溜まったんだねぇ、ゆっくり休むといいよぉ~」

 

 それとどめ刺す時のセリフじゃんね。やめてくれよ……。

 

 結果は散々なものだった。

 一緒に戦ったことがあるから分かる。アリスさんはかなり手加減をしていた。

 それなのにアリスさんには1発も当てられず、隙あらばちょくちょくシバかれる始末。

 あまりの状況に後半はユメ先輩が私専属のチアガールみたいになってたよ。

 

「うーん、これは基礎からやらないとだねぇ。モカちゃんに合う武器を探しつつ、ゆっくり覚えていこっか」

「じゃあ特別な稽古つけてやるか!しょうがねぇなあ」

「お、お願いします……」

「痛いの痛いの、飛んでけ~」

 

 幽霊ユメ先輩のエアなでなでを受けながら、訓練は終了した。

 あぁ^~もう顔中汗まみれや。

 

 

 

【lesson3 たいちょうのうりょくしゃせん(対超能力者戦)

 

 

 ホシノさんたちと別れたあとの体育館は、音を出すものが私一人になったため静寂に包まれている。

 観客席にずらっと並ぶベンチの一つに座り、私は先ほどの訓練を振り返っていた。

 

 いやーきついっす(本音)痛いし、何より怖い。

 銃撃戦より遥かに安全なはずの剣道すら、防具なしでやるなんて正気じゃないと認識する。そんな荒事とは無縁な一般日本人としての歴史が足を動かせないくらい引っ張っている。

 転生した人ってこれどうやって解決してるんだろうね。

 やっぱK(訓練)!K(訓練)!K(訓練)!って感じかな?そのための拳?

 

 

……思ったより何も出来ないんだね、私って。

 

 

 

「モカさぁぁん!!お加減いかがですかぁああああ!!」

「ヒイイ!なんですかぁ!?」

 

 私しかいなかったはずの体育館に突如響き渡る轟音。それは私の心臓を跳ね上がらせた。ビビるわぁ!(レ)

 バッと真横を見るとそこにはシャウトの使い手、宇沢レイサさんが立っていた。

 ……あれ、今回吹っ飛ばなかったね。いつもは口を開くと揺るぎなき力が飛んでくるのに。

 

「どうですか!!??『申し訳ないが、その……叫ぶのをやめてもらえないか?みんなが不安になる』と言われましたので、声を抑えてみましたあああああああ!!!」

「お、おお……!頑張りましたね!」

「はい!!!」

 

 声を抑えればシャウトが出なくなるのか……(困惑)ま、まあ嬉しい成長だよ!やりますねぇ!

 サムズアップとともに称賛の言葉を贈ると、レイサさんはぺカーとした笑顔になった。かわいい。

 相変わらず耳にダメージを与えるほどうるさいけれど、これで普通に会話ができる!

 

 

 ……レイサさんも、ミームに抗って頑張ってるんだね。

 みんな助かるし、レイサさんも頑張ってたし!私も頑張らないと!

 そうだ、せっかく会ったしちょっと聞いてみようかな。

 

「レイサさん、近接戦闘ってできます?」

「できますよぉぉぉぉ!!!!これでも自警団員ですからねぇぇぇぇぇぇ!!!!」

 

 そういうとレイサさんはファイティングポーズをとった。私に対して。

 えいまここで披露!?

 

ティード(時 間) クロ() ウル(永遠)!」

 

 甥のレイサ、加速します(再翻訳ブルアカ)

 動き出す直前、レイサさんの口から放たれたシャウト【時間減速】

 古の竜の言葉。その力によって時は支配されレイサさんの味方となった。

 レイサさん以外の時間を遅くすることにより、今この瞬間だけは世界最速の称号が彼女のものとなる。

 

 ちょ、待てよ(KMTK)ガチの有能シャウト使ってくるとはたまげたなぁ……。

(うっかり私の体が)バラマキ、されそうで怖いっすねなんかね。

 

 思わぬところから超スピード!でやってきた死の気配に、私の体は全く反応できなかった。MUR速いっすね(感想)

 そんな私にレイサさんは恐ろしい速度で接近し、容赦ない連撃を叩き込む。

 

 

「宇沢流格闘術!『骨法』!はぁあああああああああああああああ!!」

 ペチペチペチペチペチペチ!

 

「えぇ……(困惑)」

 

 その連撃は気迫とは裏腹に威力は全くなかった。ウスッ!全然効いてないッス!

(HIT数は)110弱でしょうねぇ、測ってないからわからないですけど。

(なんかくすぐったくって)笑っちゃうんすよね。

(これ揺るぎなき力連打した方が強い可能性)濃いすか?

 

「えいっ!」

「うわぁ!!!!」

 ペチペチ叩くのに夢中になっているレイサさんの脳天に軽くチョップを叩き込むと、驚いたのか大声を出しながらよろめいた。

 やった、今日の初勝利だ!私の勝ちデース!

 

「こ、これを破るとはなかなかの手練れとお見受けしました!」

「ハハァ……(苦笑い)」

「また今度勝負しましょう!!!次は負けませんよ!!!!」

 新たなライバル認定でもされたのか、そんな言葉を残しながら嵐のようにレイサさんは去っていった。

 ……正直全然痛くなかったって言うとあのぺかぺか笑顔が曇りそうで、最後まで伝えられなかったよ。

 

 あれ、でも挑戦状と共に攻撃的なシャウトぶち込まれたら私勝ち目ないんだけど。

 止めてくれレイサ。その技は私に効く。やめてくれ(切実)

 

 

 

【lesson4 てすと(テスト)

 

 

 今、私の手元には先ほど受けたテストがある。

 点数の欄に書かれている数字は、30。

 今日から勉強を始めたとは言え、2点しか上がってない。悲しいなぁ……。

 

 

「今日のテストはどうでしたかぁ手前さん?」

 

 表情でばれたのだろうか。私の答えを聞くのが待ちきれないといった顔をしながら聞いてくるシュロさん。メスガキの鑑がこの野郎……。

 うぅ……言いたくないなぁ。どうにかごまかせないだろうか。

 

 テストを伏せ、周囲を見渡す。イチカさん、カンナさん、アリスさんがこちらを興味深そうに見ていた。

 こうなったらカンナさんにゲヘナの火山まで運んでもらってテストを焼く……いや、それやったら復習ができなくなるね。やめとこ

 うむむ……あ、そうだ(ひらめき)

 

 私はテスト用紙を丸め立ち上がり、アリスさんに向かって叫んだ。 

 

「さぁそれでは!ここで点数を競りたいと思うんですよ!(錯乱)」

「いや草。また何か愉快な事始めましたn「! アリス知ってます!」 

「まず、30点から!(致命的失敗)」 

「あ、30点なんですn「40!(クソデカボイス)」

 よし、乗ってきた。

 キラキラした笑顔で手を挙げ競りに参加したアリスさん。

 この語録は120まである。このまま続ければ、100点を超えた120点が取れる! 

 

「40! もう少し欲しいですね~。さあお客さんどうだ!」

「28!(メル〇リ)」

「28!? 渋いですねぇ、もう一声! 歯切れのいいところで!」

「50!」

「(キヴォトス)初心者ですよぉ? 

(私が)先生に褒められたり、(私が)ユウカさんになでなでして貰ったりも、点数次第ではできるかもしれませんよ!(期待)」

 

 不正を許さないカンナさんによる妨害が入るが、こちらは圧倒的語録量を誇る終身名誉ホモガキ、アリスさんを味方につけている。

 この勝負、もらった!

 

 

 

 

 

「その数……500億」

「!? はい! 500億! お客さんに、決まりだぁ!!!!!」

「あぁうっ……(競り負け)」

「ムフフ……それはよかったっス」

 しゃあっマネ・モブ語録! マネモブしか勝たん!

 

「先生! 500億点取りましたよ! 褒めてください!!!」

「そっかぁ、偉いねぇ。じゃあもっと偉くなるために間違った所確認、しよっか?」

「はい、すいません……」

「草」

 

 

 先生に優しく窘められ、私は正気に戻った。何やってんだ私……?

 もぅマヂ無理。復習しょ……。

 ぁ、先生が点数のとこに500億って書ぃてくれた。

 先生マヂ優しぃ。リスぺしょ……

 

 

 

 

 

 

 

「──そう、大変な初日だったのね」

「そうなんですよー。でも、これで少しは成長できる……はず……たぶん

「大丈夫よモカ。努力はきっと報われるわ。それにしても500億点って、フ、フフフ……!」

 

 

 メンタルケアの添い寝の頻度がほぼ週7となり、もはや半分ルームメイトと化してきたヒナさん。

 気が付いたら増えていた歯ブラシやお揃いのマグカップがそろそろ部屋になじみ始めてきた今日この頃。

 

 ヒナさんは私がたたき出した圧倒的な点数のテストを、笑みを浮かべながら楽しそうに壁に貼り付けていた。

 

「これは偉業ね。張っておきましょう」

「ほんとにそう思ってます?」

「ええ、もちろんよ」

 

 張り付け終わったヒナさんは席に戻り、まだ暖かいホットミルクを飲み始める。

 パジャマから出ている羽がパタパタと揺れているのを見るに、今日は上機嫌のようだ。よかったよかった。

 強盗した直後のヒナさんすげー怖かったゾ。昏い目でじっとこちらを見つめてくるから眠れなくて、気が付いたら朝になってたんだよね。怖くない?

 

「飲み終えたし、そろそろ寝ましょう?」

「そうですね、そろそろセイアさんとの約束の時間ですし」

「……?出かけるの?」

「あー、いえ。夢で逢うんです。予習に付き合ってくれるみたいで」

「……ずいぶんロマンチックね」

 

 お、そうだな。でもそうとしか言えないんだよね。ほかに表現あるかな?

 

 

 

 

 

 

 

 目を開けると、そこは夜のテラスだった。

 見た目こそティーパーティーのテラスではあるが、実際にトリニティに来ているわけではない。これはこの空間の主が作り出した夢幻であり、類似品だ。

 セイアさんの夢の中で、明日の授業の予習を見てくれるはずだったのだけれど、なぜかヒナさんに普段の3倍くらいの力で抱きしめられ、痛みで寝るのがだいぶ遅くなってしまった。セイアさんに謝らないと。

 

 いつ見てもバチクソ不便そうなクソ長テーブル君を通り越し、4人掛けのオシャレな丸テーブルへと近づく。

 そこには夢の主、セイアさんが突っ伏して寝息を立てていた。

 おお、素晴らしい!夢の中でも眠るとは!

 ……待たせすぎちゃったみたいだね。いやあ、スイマセーン(レ)

 

「モカ、いつ来るんだい……?スウ、スウ

「フフッ、もう来てますよ」

 

 寝言に小声で返事をしつつ、私は起こすべきか悩み始めた。気持ちよさそうに寝てるから、起こさない方がいいかな?

 ……うん。予習は一人でやって、もし起きたら見てもらうことにしよう。

 そう思い、とりあえず空いている席に座ろうとした、その時。

 

 

 

「モカ、早く来たまえよ……」

 

 その寝言が耳に入る。それと同時に空いている席に私が3人。ついでにヒナさんが1人現れた。

 

 

 

 

【lesson5 ひじょうじたいへのたいしょ(非常事態への対処)

 

 

 

 

 え、なにこれは(困惑)

 いや、私が増えること自体はいい。それは衣装違いの私を編成する技、『多重モカ分身の技』で見たことがある。

 だが、今回は……。

 

「こ、今度は何ですか!?あああああ!もう、頭がおかしくなりそうです!(DNER)」

「お、大丈夫か?大丈夫か?」

「ふわぁ……。なんですヒナさん?もう朝で………………え?」

「zzzzz」

 

 突如現れた3人を観察してみると、発狂しているモカ以外見たことない姿だった。

 一人はパジャマ姿で寝ているヒナさんと首輪でつながれており、おんぶした状態で現れた。

 まるで鏡モチのように重なりながらテーブルに寄りかかっているのを見ると、なんだか微笑ましい気分になる。

 もう一人のモカはミレニアムの服を着て語録をしゃべり、なぜか頭にUSBがぶっ刺さっている。痛くないのかなあれ?

 

「あの、あなたたちはいったい……?」

「そ、そんなの私が聞きたいですよぉ!」

「1……か2歳。学生です」

「学生?あ、ふーん(察し)あ、私は鬼灯モカ。よろしくです」

 

 問いかけてみると反応は三者三様だった。……なんであのUSBモカは語録しか喋んないんだろ?

 いや、それよりも聞くべきことがあるね。幸い会話には応じてくれてるし、状況を整理しようか。

 

「ここに来る前、何してました?」

「え?えーと……目が覚めたら知らない場所にいて、ここがブルアカの世界だってわかって、パニックになって泣きながら走り回ってたら、早瀬ユウカ……さんに会って、脳の処理が追い付かなくて、たぶん気絶……したのかな?」

「ね、寝ますよ……」

「私もそう。普通に寝たよ」

 

 なるほどね。発狂していたモカ以外は気が付いたのだろう。質問に端的に答えながらも目線はそちらに向いていた。

 あれは、転生直後の私だ。でも私そのものではない。初日にはユウカさんに会ってないから多分、別の世界線の私なんだろう。これがマルチバースちゃんですか。

 推測でしかないけど、『この空間に寝ぼけたセイアさんが私を呼びまくった』これが正解……なのかな?

 

 ……あれ、あの私初日にユウカさんに目つけられてるじゃん。この後美味しく頂かれない?……いいなぁ。

 

 

「だいたい状況はわかりました。皆さんは、こちらのおねむセイアさんに間違って呼び出された並行世界の私です。

 まあ、特にすることもないですし、せっかくだから……お話しません?」

「いいよ、こいよ!夢にかけて夢に!」

「一番あなたの話が聞きたいよね。なんで語録縛りしてるの?」

「ちょ、ちょっと待って、わけわかんない!ちゃんと説明して!」

「うるさいですよリア充予備軍。せいぜいユウカさんと幸せに暮らしなさい」

「ハァ!?」

「zzzzz……」

「よく眠れるねこの状況で……」

 

 

 

 こうして『ドキッ!モカだらけのティーパーティー(お茶抜き、スヤスヤシロモップ入り)』が開催されたのだった。

 

 

 

「ここ(キヴォトス)は初めてか?力抜けよ……」

「こ、こんな世界に転生して力抜けるわけないですよぉ……。うう、どうすれば」

(ミーム汚染されてるって、伝えたほうがいいですかね?)

(うーん、どうだろう。これ以上伝えると精神崩壊しそうで怖いよね)

 

 

 まずは、転生直後のモカを落ち着かせ──

 

 

 

「なんで首輪でつながれてるんです?チェーンデスマッチでもしてました?」

「流石自分自身。同じこと言ってるよ。あー、これは成り行き……かな?」

「えぇ……(困惑)」

「いったいどういう成り行きがあればそんなことに……?」

「銀行強盗してもそうはなりませんでしたよ?」

「貴方も大概ヤバいですね!?」

 

 

 ヒナさんとわっぴーセットになってるモカに話を聞いたり──

 

 

「あなたの世界に呼び出されたんですよね。……ブルアカの世界って、どんな感じなんです?」

「もう(ミーム汚染が)すごいですよ。頭おかしくなりそ……いや、なりました」

「ねー。(ミーム汚染が)やばいよねー」

「そうだよ(便乗)」

「あなたは物理的にヤバいことになってますけどね。はぁ……これから憂鬱です」

 

 

 私が質問され、ちょっとはぐらかしたりした。

 後残すは、一番気になるモカ。

 ミレニアムの制服を着て頭にUSBを刺し、語録しか喋らない。一番謎が多いモカの話を聞くとしようか。

 

 

「さて、トリを飾らせることになりましたが……話を聞かせてもらえます?語録の私」

「なんでそんなことになっているのか、非常に興味深いねー」

「……頭大丈夫です?あ、いえ、決して馬鹿にしているわけではなくて……」

 

 そんな私たちの視線を一身に受けたUSBのモカは、「んにゃぴ……」と口にし悩み始めた。

 もしかして、アリスさんみたいに語録しか喋れないのだろうか?だとしたら説明は難しいだろう。

 

「難しそうだったらいいですよ。……すっごい聞きたいですけど」

「縛りがきつい感じかな?ひょっとしてそのUSBが悪さしてる?」

 

 ヒナさんの重みでテーブルに突っ伏している鏡餅状態のモカ。そんなモカの質問に顔を輝かせながら「そうだよ」と肯定した彼女は立ち上がり、テーブルから少し距離を取った。一体何がはじまるんです?

 

「みとけよみとけよー」

 

 そういうと私たちのテーブルに向かって手を向ける。

 その瞬間、USBが緑色に輝き始め、突き出した手におびただしい量の緑色の0と1で構成された文字群が纏わりつき始めた。

 

 なぁにあれぇ?(YUG)やだ怖い…… 

 

 

『ポルターガイスト君』

 

 その言葉が発せられた瞬間、私の目の前のテーブルが一気に0と1に侵食され。

 いきなりテーブルそのものがギュオン!と回転した。

 

 

「ヒィ!?」

「うわぁ!?」

「ちょ、おま──!」

「zzz──痛ったぁ!?」

スゥ……──ムグゥ!?」

 

 まあ、そのテーブルの回転により上に乗っていたわっぴーセットとセイアさんは当然のごとく振り落とされて。

 

 

「アッ!(スタッカート)すいません許してください!なんでも島風!」

 

 

 世界が変わってもポンコツな私に、思わず頭が痛くなった。

 

 

 

「いたたた、一体何が……。!?も、モカがいっぱい!?これはいったい!?」

「素敵な韻を踏んでるねぇヒナさん。おはよー」

「え?あ、おはようモカ」

 

「うう、なんなんだい。いくら私がセクシーすぎるからってこんなことしなくてもいいだろう?」

「お、おはようございますセイアさん」

「あぁ、寝てしまっていたのか。おはよう愛弟子よ。……これは、モカハーレムの術の練習中かい?

 おぉ、ついに先生の力なしで出せるようになったのか。おめでとうモカ。セクシーバッジをあげよう」

「え?あ、ありがとうございます……。いや、そうじゃなくて」

「そこの君、ちょっと止まって!淫夢バッジは持っているかな?」

「ないです(迫真)」

 

 衝撃によって起きたセイアさんに駆け寄ると、セクシーバッジ(デフォルメされたセクシーポーズをとっているセイアさんが描かれている。税込み720円)を押し付けられた。

 とりあえずパジャマに着けた後、セイアさんに現状の説明を試みる。

 

「あの、これは私ではなくセイアさんが呼び出しt「さてはあなた達、モカが話してたドッペルゲンガーね!?」

 

 だがその試みは、何かを勘違いしたヒナさんによって阻止された。

 どこから取り出したのか、それとも夢ではやろうと思えば生成できるのか。ヒナさんの手にはデストロイヤーが握られていて。

 

「モカは、私が守る!」

 

『マジごめん』といった表情と合掌のポーズをとっている首輪モカの真上で、デストロイヤーは紫色の輝きを放っている。

 今まさに、あの謎ビームが放たれようとしていた。

 

 

 

「やばッ……!」

 私はテーブルを思いきり蹴り上げ、即席の遮蔽物を作り、

 

「こ、こっちです!」

「おぉ、ありがとう。……君はなんか初々しいね。なんの衣装だい?ノーパン?」

「ち、違いますよ!」

 

 生まれたてモカはセイアさんにセクハラを受けながらもこちらに避難してきた。

 鬼灯モカ(ノーパンスタイリスト)かぁ……。攻めすぎじゃない?審査通らないでしょ。

 

 そんなバカなことを考えつつもテーブルの盾に全力で神秘を注ぎ込んだ。

 だが、あれは防ぎきれない。そんな予感がする。

 

「衝撃に備えて」

「うぅ……怖いよぉ」

「あれ、ひょっとして本当にまずい感じかい?」

 

 

 怯えるモカを抱き寄せ、いずれ来る強い痛みを覚悟した。その次の瞬間。

 

 

「──Target Capture」

 

 

 ズゥゥン、という重厚な音と共に間に割って入った者がいた。その者は目元を完全に覆うほどのゴーグルをつけ、体を金属のように輝かせている。 

 

「ッ!?やっぱりモカに化けたバケモノだったのね!消えて!」

「ククク、ひどい言われようだな。まぁ事実だからしょうがないけど」

 

「戊辰戦争」

 

 現れたのはメタリックなモカ。そんなモカのゴーグルに急速に光が集まり、光線として発射される。

 その光線はヒナさんのビームと衝突し、テーブルに隠れている私達を救ってくれた。

 

「EMURATED, E M U R A T E D , E M U R A T E D」

「クッ!なんなの、コイツ……!?」

「イヤー、ナンダロウネー。ワタシワカンナイヤー」

 

 すごい、あのヒナさんと拮抗してる!あの力は、一体……?

 バッと周囲を見渡してみると、あのUSBが刺さったモカが見当たらない。

 ということは、やはりあのサイクロップスに変身しているモカがそうなのだろうか。

 

 

 

どうやったらあんな力を、手に入れられるのだろうk「うわ……死んでもあんな姿になりたくないですね」

 

 

 胸元からひょっこり顔を出した生まれたてモカ。その口から放たれた言葉。

 その言葉は私の脳をガツンと揺らした。

 

 あ、そっかぁ……。

 そうだよね。あれ手に入れたら強制語録縛りになるみたいだし、手に入れたらやべぇやつじゃん。

 ンアー!デメリットがデカすぎます!

 こんなバカなことを考えてる暇はない。サイクロップスが時間を稼いでいる間に、事態を収束させないと!

 

「セイアさん!あれは、セイアさんが寝ぼけて呼び出した並行世界の住人だったんですよ!」

「なんだって!?それは本当かい!?」

「あ、あの。メタリックな奴はお話聞きたいので残してもらえると──

 

 

「すまないが皆、暴れるなら帰ってくれないか!?」

 

 その言葉が放たれた瞬間、私の体はすさまじい、まるでシロコさんの『あっち向いてホイ』のような動きを強制する引力に襲われた。

 夢の主であるセイアさん。その叫びは、セイアさん以外のすべてを現実へと還す力があるようだった。

 もうすぐこの賑やかな夢から覚める、その最後の瞬間にとらえたものは。

 

 

 

「あ、弟子とノーパンまで帰してしまった」という声と、

 

 

 

G(ay)Bibleには気を付けよう!】という言葉を頭上に浮かべながら、腕をさするモカの姿だった。

 

 

 

 

 意識が戻る途中、激しい揺れを感じる。

 ベットで寝ていたはずの私の体は、何者かに背負われていた。

 

「目覚めましたか。すみません、時間が惜しいので無断で運ばせていただいてます」

「この声は、ケイさん?一体、どこに行くんですか?」

 

 寝ぼけた目をこすりながら聞いてみる。あたりを見渡すと廃墟のような建物に囲まれており、その中を私たちは駆け抜けているようだった。

 

「私、そして王女が目覚めたところです」

「……そんなところに、どうして私を?連れ去らなくても、ついていきましたのに」

 

 自分の服装を見ると、まだパジャマのままだった。今は廃墟塗れだからいいが、帰りはだいぶ恥ずかしいことになるだろう。

 だがそんな心配事が吹き飛ぶほど、ケイさんの返答は衝撃的なものだった。

 

「王女が寝ている間にG Bibleを見つけ、処分しなければいけません。

 このままでは、ミレニアムはクッソ汚い言語に汚染されます」

 

「……はい?」

 

 

 

【lesson6 じっせん(実戦)

 

 

 

 

 

 架空生徒紹介

 

 

 宇沢レイサ (会話するのが困難という意味ではコミュ障)

 

 EXスキル 時間減速 コスト3~5

 竜の言語により時を支配し、自分以外のすべてを減速させる。

 追加で最大2コストを消費して追加効果を得られる。

 コスト3 移動速度増加、会心値増加

 コスト4 さらに回避率増加、命中値増加を得る

 コスト5 さらに攻撃速度増加、リロード速度増加を得る

 

 ノーマルスキル 揺るぎなき力

 皆大好きなあのシャウト。

 30秒毎に直線範囲内の敵に対して、攻撃力の500%分のダメージ/

 命中した敵を気絶状態(2秒)にし、吹き飛ばす

 

 パッシブスキル タムリエル式登山法

 味方に特殊な登山法を伝授する。

 味方全員の屋外地形適正を1段階上昇させる。

 

 サブスキル 必殺!うるせぇマッドドクターのポーズ!

 威嚇してるカマキリのようなポーズで相手を困惑させる。

 Exスキル発動時、対象の攻撃力を10%減少(25秒間)

 さらに挑発状態を付与(1秒)

 

 

 

 登場した並行世界のモカ達

 

 ・生まれたてモカ 

 ユウカ√RTA走者。決め手はシャーレに直行せず、D.U.を庇護欲を刺激する状態で彷徨きまくったこと。

 特大SAN値チェック直後なのでメンタルがヤバヤバ。

 現実世界に帰ったら目の前に捕食形態(意味深)のミレニアムロリコンオオフトモモがいた。まだ誰とも友好関係を築いてないので誰も助けに来ず、美味しく頂かれた。

 

 ・12話IFルートモカ

 脅威を全部ヒナヒナのヒナちゃんが追い払うため、だいぶ精神的に余裕があるモカ。家事力がだいぶ上がり、もはや専業主婦となりつつある。髪型はポニテ。

 

 ・モカ*ミーム

 転生して少し経ったある日、USBに入ったG Bibleを発見。USBの先端に触れるものすべてをミーム汚染するその危険な性質に気づき、迷いに迷った挙句、自分を使って収容した。

 その影響で戦闘能力が飛躍的に向上したが、代償として語録しか喋れない族となった。

 大いなる力には大いなる代償が伴うってはっきりワカンダフォーエバー。

 だがそのおかげでアリスにめちゃくちゃ懐かれた。トイレ以外ならどこにでもついてくる。

 そんなアリスと無理難題を押し付けられたケイによりミレニアムに入学。愉快な毎日を送っている。

 ある意味では、このキヴォトスの立派な住民の一人になったといえるだろう。




登場人物紹介を15話まで更新したのでよければ見ていってください。本編で語れなかった設定や汚染元のミームなどが書いてあります。

一度は出したかった強いモカちゃん。そしてテラー化するより前にミームに汚染されたモカちゃん。
というか色彩を呼び寄せる手段が思いつかないんですよね。

雑に「別に殺伐としていないこのキヴォトスに色彩が!」って感じで出してもいいんですけどね。やるとしたら短編集でしょうか。
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