ただしこのキヴォトスはネットミームに汚染されてるものとする 作:流石兄者
久しぶりに投稿したのにいっぱい見てくれてかんしゃあ~(NT)
誤字修正もかんしゃあ~!
意識が消し飛んでいた私を叩き起こしたのは、頭に響く鈍い音と衝撃だった。
「へぐっ!?」
目を開けると、ゴロゴロと瓦礫が奥へ転がっているのが見えた。あれが当たったみたい。
痛む頭を押さえながら周囲を見渡してみる。
周囲は「あ~一面のクソ瓦礫」という言葉が思わず口から漏れ出るほど、破壊されつくしていた。
壁は『ねじ切れた』としか言いようがない壊れ方をしており、そのせいで天井を支え切れず一部崩落している。
扉は枠から外れて倒れ伏し、ベッドは遠心力で壁まで吹き飛ばされたのか無残に転がっていた。
そして壁の一部には、ギャグ漫画でしか見たことが無い『人型にくり抜かれた穴』が開いていた。……ちょうどアリスさんくらいの大きさな気がする。
はぇ~家を横に90度回転させるとこうなるんすね、勉強になったわ~。
「よかった、G Bibleもちゃんとある……」
床にはいまだにぶっ刺さっていたUSBが静かに周囲を侵食していた。
慌てて床から引き抜いた後、溜息を吐きながら壁にもたれかかる。
いまだにパンイチなせいで崩れてとがった部分が素肌に突き刺さり若干痛いが、立ち上がる気力が湧かない。
多分、私自身も壁か何かに叩きつけられたんだと思う。痛いよ、適当になっちゃう……(レ)
手慰みにG Bibleをくるくると回してみる。
どうしようこのオブジェクトクラスKETER。正直、私の手には余るよこれ。
アー!救いは……救いは無いんですか?!(本格的♂ドト〇)
「モカどこ行ったんだよ~逃げやがってよーオイ(ALC△)」
救いはないね!(確信)
外から聞こえてきたのはアリスさんの声と、音割れしてるマンU応援歌。どっから鳴らしてるのそれ?
恐る恐る爆音がする方を瓦礫の隙間から覗いてみると、日本刀を肩に載せ練り歩くアリスさんの姿が見えた。
「待てねぇなぁ~(王女はせっかち)。教会(シスターフッド)にいうぞお前!」
言われたところでマリーさんが困り果てるだけじゃないですかね……?
いや、そんなこと言ってる場合じゃないね!
(まずいまずいまずい!ど、どうすれば!?)
戦うための銃もない。いや、そもそも持っててもアリスさんに勝てない。
昨日のホシノさんによる訓練だってぼろ負けだったのに、今のボロボロな体で勝てるとは思えない。
このまま奪い取られたら、ミレニアムが大変なことに……
(やっぱり、自分に刺さなきゃダメ?)
そうだ、ポジティブに考えよう。私の手でミレニアムが救えるんだよ!
自分を犠牲にミレニアムを救う。最高の見せ場が完成しちまったなぁ~!ノーベル平和賞は私のもんだぜ~!
なんか頭の中でデカい虎も「おまえの苦労をずっと見てたぞ、本当によく頑張ったな。もう楽になれ、人生を諦めろ(豹変)」とか言ってるし。
「よし、じゃあいっちょキヴォトス救っちゃいますか!」
私は自分の頭にG Bibleを近づける。手が震えてるのは、きっと、武者震いだ。
……せんせい。わたし、けっこうがんばったよね?
ほめてくれたら、うれしいな。
『私ね。寝る前のこの時間が大嫌いだったの』
『ヒナさん?どうしたんですか急に』
……あ
『どれだけやっても減らない仕事。万魔殿からの無茶ぶり。癖の強すぎる風紀委員。面倒で、しょうがなかった』
『ハハァ……』
『寝て起きたら、朝と共にそんな灰色の日常がやってくる。そう思うと、眠れなかったの。
だけど、ただ横になりながら悪戯に時間を浪費するのも、苦痛だった』
そうだ、語録しか喋れなくなったら……
『でも、今は違うの。あなたの冒険の話が聞けるから。毎日が楽しめるようになったから。
仕事は、その、ユニークだけれど』
『マンドレイクのお世話、そんなに怖かったですか?お水あげてる時とか気持ちよさそうにしてて癒されません?』
『モカ、やっぱりあんな音響兵器育てちゃだめよ。この前気絶してたじゃない』
『でも、あれないと先生困っちゃうんですよ。生徒の成長に必要だとか』
『先生……嘘よね……?』
…………でも、やらなきゃ
『じゃあ今日は、シュロさんと一緒に都市伝説の一つに挑んだ話をしましょうか!』
『……私も今度、連れて行ってくれない?シュロって子と、ちょっとお話したいの』
『シュロさんと?まあいいですけど……オホン。じゃあ、話しますよ』
だって、ミレニアムが……
『──『3.2.1 へいらっしゃい!』その言葉と共にカイテンジャーのレッドさんの手から、高速回転するマグロの寿司が放たれたんです!』
『……ごめんなさい。モカ、今なんて?』
『その寿司の回転は、私が放ったマグナムの銃弾を弾き返しながらも止まることはなく──』
『待って、ほんとに待ってモカ』
…………。
『あはは、何それ!ねぇ、少し盛ってるでしょ?』
『そそそそんなことないですよぉ!?私は本当に獅子奮迅の、活躍をですねぇ……』
『ふふ、まあいいわ。ねえモカ』
『これからも、お話してくれる?』
『えぇ、もちろんです!』
……あぁ、そうだったね。もちろんって、言っちゃったんだ。
「……約束、しちゃいましたもんね」
まいったなぁ。痛むとは言え、まだ体は動かせる。
もうちょっと頑張らないと、ヒナさんに怒られちゃうよね。
「アリスさんに取られそうになったらすぐに自分に使う。そうすれば大丈夫なはず」
でも、どうやってアリスさんを退ける?今武器と言えばG Bibleくらいしかない。そしてこれはアリスさんには使っちゃいけない。
できることと言えばこれで物体を改変するくらいだけど、それで倒せるかな?
私はうんうん悩みながら、そこらの瓦礫を手に取り何も言わずに突き刺す。
瓦礫は瞬時に侵食され、次々とその姿を変えていく。なにか、解決策が出ればいいけど……。
植木鉢。KMRが読んでた本。竹刀。ばっちぇ冷えてるビール。いなり。スローロリス……。
「スローロリス?」
掌の上に現れたのはけむくらじゃらの可愛らしい生き物。右手を天高くつき上げ『ヴォー』と鳴いている。淫夢くんオッスオッス!
ていうか、え?これ生き物も出せるの?
あ、そっかぁ。
なら、私にいい考えがある!(KNBI)
「すいませ~ん、アリスですけどぉ、モカの捜索、ま~だ時間かかりそうですかね~?」
手持無沙汰な様子で刀をぶんぶん振り回しているアリスさん。どうやら、まだこちらには気づいていないみたい。
私はそんなアリスさんに向けて、打ち捨てられていたハンドガンを構えた。
錆びだらけで、もちろん弾なんて入ってない。だから、USBを刺す必要があったんですね(メガトン構文)
「『あーでもこんなニューナンブでもいいから、1発撃ってみてぇよなぁ』」
もはやTDNガラクタと化していたハンドガンが、その語録によりかつて日本の警察が正式採用していたニューナンブM60に姿を変える。
そして生まれかわったその拳銃は、産声の代わりに銃声を上げた。
完全なるアンブッシュ。いまだこちらを向いていないアリスさんの頭に凶弾が突き刺さ──
「そんなんじゃ虫も殺せないって、はっきりわかんですね~」
弾を一瞥もすることなく、アリスさんは切り伏せた。私に顔を向けたのは、その後だった。
マジすか(震え声)誰か、アリスさんの倒し方を教えてくれよ。
「モカ、お前やりませんねぇスギィ!
今日はモカの根性叩き直してやっから。アリスが直々に空手を教えます!」
「じゃあ今すぐその刀捨ててもらえませんかね!?刀使ったら空手じゃないんですよ!」
「ちょっと刃あたんよ~(予告)」
私のツッコミをガン無視しながら、アリスさんは大きく踏み込む。足元がズン……という音と共に沈みこむのが見えた。
急いで用意していた石ころにUSBを突き刺す。
まずい!間に合うか……!?
「エイシャアッッ!」
「『うまいラーメン屋の屋台』!!!」
録画が失敗しそうな咆哮と共に、砲弾のようにカッとんでくる凶刃。
だがそれを阻むように突如、「紫関」という旗がついたラーメン屋の屋台が現れた。
アッ!大将ごめ──
「ファッ!?」
ズドンという轟音が鳴り、屋台が大きく揺れる。刃は屋台を貫通はしたが、こちらには届いていない。
さっすがシズコさんのEXスキルだ、何ともないぜ!
「あぁ^~うめぇなあ!(褒めて伸ばす)だいぶわかってきたじゃないか!やればできる!(ヒゲクマ)」
屋台の裏から何やら称賛の言葉が聞こえてくるが、照れている余裕は私にはなかった。むしろ、この隙を利用しなければ。
私は
「来て!『シンボラー』、『ポッチャマ』!」
「ポッチャ!」
「とれーなーもいっしょにたたかうのははじめてだな」
背後から飛び出してきたのは、極彩色をしているナスカの地上絵のような形のポケモンと、MURはんのお気に入りのペンギンポケモン。
どちらも語録に出てくるポケモンであり、故にこうしてG Bibleで呼びだせた。
(私一人だけだと厳しい。でも、これなら……!)
私は2匹を連れながら屋台を回り込む。
アリスさんは屋台に突き刺さった刀を引き抜けず、いまだにそこにいた。
絶好のチャンスだぞ!(虐待おじさん)
ニューナンブを構え、引き金を引きながら叫ぶ。
「いくよ、さんみいったい!(トレーナー参加型)」
「ポッチャァァ!」
「ゆるしはこわん、うらめよ!!」
「なんだコイツら!?」
ニューナンブの銃声を号令に、
慌ててアリスさんが刀を引き抜き構えるが、それは盾としては不十分すぎた。
「ンア──!」
スマッシュボール無しに放たれた脱法『最後の切りふだ』。それはアリスさんを吹き飛ばすには十分な威力を誇っていた。汚ねぇ悲鳴だなぁ……。
土埃を巻き上げながらゴロゴロと転がっていっているが、それを見届けている暇はない。復帰するまでに逃げないと。
私は急いで近くにあった廃車に駆け寄る。ドアもガラスもすでにどこかへと消えたそれに、USBを押し当てた。
「『黒塗りの高級車』」
すぐに廃車へ緑色の0と1が流れ込み改変を始める。
それは波紋のように広がっていき、みるみるうちに骸と化していた車体を高級車へと生まれ変わらせていった。
さび付いていたボディはかつての輝きを取り戻し、周囲を鏡のように映す。
改変がすべて終わった瞬間、ブゥンと重厚なエンジン音が轟く。それはまるで生き返ったことを喜んでいるようだった。
「シンボラーとポッチャマ、乗って!早く逃げr「モカ、お前やりますねぇ!」
背後から聞こえたその声に驚き、思わず振り向いてしまう。
そこにはもろに攻撃を喰らったにも関わらず、本当にうれしそうな笑顔で喜ぶアリスさんがいた。
アリス早いっすね(畏怖)タフという言葉はアリスの為にある(確信)
……仕方ない。このままでは追いつかれちゃう。
私は二匹に指示を出した。
「ポッチャマ、右先方攻めてけ牙突!(セコンド)
シンボラー、何とかして!(トレーナーの屑)」
「ポッ!?(驚愕)」
「きをみるにびん。のぞまば、すすめよ」
プランB?ねぇよそんなもん!ついでにドーンハンマーもないわよ♡
……そう、本当にこれしかないんだ。
「お願い、助けて!」
「……ハッチャァ!(KYK)」
「よい、ゆけ。えにしがあれば、またあおう」
「っ!ありがとう!」
2匹はアリスさんの方に向くと、すぐさま攻撃を始めた。
だがそれにより、私がなにより欲しかった時間が生まれていた。
すぐさま運転席に乗り込み、ハンドルにUSBを再び押し当てる。蘇った直後で悪いけど、一仕事お願いね。
「『デカグラマトンは不幸にも黒塗りの高級車に追突してしまう』」
そのオーダーに応えるようにエンジンが唸り、タイヤが猛回転を始める。
アクセルやハンドル、シフトレバーすら操作していないのにもかかわらず、黒いセンチュリーは走り出した。
すべては、見たことすらない自販機に追突するために。
次回で真夏の夜のパヴァーヌ編は終わります。
前回は感想とここすきありがとうございました!
もしよろしければ、今回も頂けると嬉しいです。
出典元
SCP財団日本支部 http://ja.scp-wiki.net/
SCP-1134-JP "爆転ニギリ スシブレード"
http://scp-jp.wikidot.com/scp-1134-jp