外様神機使いの日常   作:ネコ削ぎ

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終わり

 私が調べた結果、犯人はいまだに判明せず。

 捜査能力の低さが多大に足を引っ張っていることは素人目にも分かっちゃいるけど、だからって匙をポイポイポーイする気はナッシング。これは私が何としてでも突き止めなければならない案件だ。他の誰かを顎で使うことはあっても、頭を下げて頼み込むことは一切ありゃあしない。

 意固地になって真相究明しようとしても結果は相変わらずだから、そろそろ折れて助けを求めるべきなのかもしれないが、やっぱりまだまだ折れるには早すぎる。

 極東支部も配下である場所で起きた不可解な事件に対して重い腰を上げずにはいられないということで、ある程度の捜査は進めてくれてはいるが、無能脳なアイツらはやる気も何もないってんだから成果は見られずにいる。

 私でも駄目、極東支部でも駄目。じゃあもうどこでやればいいのやら。

 溜息つきたくなるけど、駄目なむさ男共の大群に任せておいてもどうしようもない。

 どこかに女性の名探偵が居れば私は喜んで土下座して依頼するのに。

 だけど、現実はクソすぎる。女性の名探偵なんてどっこにもいやぁしない。男の名探偵すらもいないんだけどな。

 なので、私はもう一度頭の中を整理して的確な推理をするために事件を一から思い出してみよう。

 

 まず初めに事件発生当日のこと。

 私はヤマブキ先輩と一日中イチャイチャしたかったのに、空気の読めないアラガミの出現によって泣く泣く半年男たちと猟に出かけた。

 

「これはつまり私が居た時にはまだ何もなかったってことですね」

 

 猟に出かけている間、私たちとプラントを繋ぐものは耳に装着したインカムから聞こえるハリトラの声だけ。

 

「これでは現場で何があったかなんて分かるはずもありませんね」

 

 私たちが異変に気がついたのはアラガミを討伐した時だった。幾らヘリの迎えを頼もうとしても応答がなかった。

 

「アラガミ討伐中に事件が起きたと考えるべきですね。さて一体何があったんでしょーね?」

 

 戦場からプラントまではヘリを使わなければならないほど遠く、私たちは何かあったのではと不安を募らせながらプラントまで急いだ。

 

「犯人にとって時間はたっぷりあったわけで、犯人に優しい事態ということですね」

 

 プラントにたどり着くのには1時間はかかった。それからプラント内に入ると、通路のそこかしこに死体が転がっていた。どれもこれも少しは見覚えのある顔をしていたのを覚えている。

 死体の状態は無残の一言で済む。身体の欠損のないのが見当たらない惨たらしさだった。男はそれでいいとしても女の子に対してそんなやりかたをするなんて最低以外の何者でもない。

 半年男とお嬢ちゃんと一緒にプラント内を散策してみたが生存者は見つからなかった。

 どこを探しても見つからないのは生存者で、どこを探しても見つることのできるのは欠損した死体だけ。

 

「全殺しってことですね。犯人はプラントに恨みを持っていたのかな? それとも目撃者を始末するためにかな?」

 

 本音を言っちゃうと男の無残さも女の子の無残さもどーでもよかった。世の中には1がまず初めにあってからの2だから、1以外はそこまで大事じゃない。女の子に酷いことをするのは許せないが、それでも1には敵わない。

 ミチオと思われる死体があり、ハリトラと思われる死体も見つけ出したが、唯一見つからないものがある。私にとって一番大切な大切な人。

 

「できれば見つけて欲しかったんですけど、見つけてもらえませんでしたね」

 

 ヤマブキ先輩が見つけられない。いくら探しても見つからない。どれだけ探したって見つかりはしない。どこどこどこーって探しても髪の毛一つすら見当たらない。

 

「さて私はどこでしょーか? 近くにいるのかな? 遠くにいるのかな?」

 

 プラントで起こった職員惨殺事件。被害者は当時アラガミ討伐に出かけていた私と半年男、お嬢ちゃんの三人と、唯一死体が見つからなかったヤマブキ先輩以外の全員。

 分かっていることはアラガミの襲撃ではないということ。

 そこで浮上した容疑者は死体のなかったヤマブキ先輩。

 でも、それは間抜けな回答。

 だって、ヤマブキ先輩の身体では職員全てを惨殺することはできないから。それにたとえ職員相手はなんとかなったとしても、プラントにはヘタレとは言え元神機使いのハリトラがいる。身内の犯行で困惑したとしても、健常者ではないヤマブキ先輩に後れを取ることは不本意ながらないはずだ。

 犯人はヤマブキ先輩じゃないことなんてすぐに分かって除外されたけど、私はそのことを許しはしない。

 それはともかく犯人は結局分からずに事件はお蔵入り。このご時世、徹底的な捜査をする余力なんてない。

 ああ、諦めなきゃいけないってこと?

 大事な大事なヤマブキ先輩が生きてるどうかも分からないままなのに、泣き寝入りして忘れろってこと?

 そんなのは嫌だ。

 ヤマブキ先輩が見つからないのは嫌だ。

 見つけるまでは諦めたくない。

 二度も失うのは絶対に嫌だ。

 でも……もしも死んでいたとしたら?

 死んじゃってもう会えないのだとしたら?

 だとしたら、私はもう生きていくのも嫌になっちゃう。

 ヤマブキ先輩がいないなんて辛すぎるから。

 転生してプラントに来るまでの日々はずっと辛かった。

 せっかくヤマブキ先輩と……×××お姉ちゃんと再会できたのに。

 それがまた崩れさるなんて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 死んじゃおっか。

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