いや、ORASのキャラデザがよくてテンションカットビングですわ。
マグマ団のカガリちゃんも、ヤンデレ可愛いし、これで小説一本書けるね(書くとは言ってない
擬人化、技、個体値、種族値、努力値の独自解釈がNGの方はブラウザバック推奨です。
それでも、という方はどうぞ。
結末は想像していたものとは違った。金属同士がぶつかり合う音が響く。
「っ、大丈夫か!?」
どくタイプ どくづき
ハブネークの尾端にある槍で貫く必殺技だ。重く鋭い一撃と、それに伴って飛び散る毒がポケモンを瀕死に至らしめる。
その一撃をシンは両の手甲で受け止めていた。
「……どう、して?」
尾端の槍を受け止められても、散るどくまでは防げない。強酸性のそれは服を焼き、肌をただれさせる。それでも、捉えた尾端を放しはしない。
「コジョ!」
ハブネークの背後に踏み込んだコジョが、特殊な動きで拳を突き出す。
かくとうタイプ グロウパンチ
拳をぶつけた衝撃とフォローで次の一撃を、更に高める特殊な技だ。
「シャアァア!」
危険を察知したのか、ハブネークがコジョに向かい合う。体長3mもあろうかという巨体はコジョよりも遥かに大きいが、恐れる事なく、次の一撃が繰り出される。
かくとうタイプ はっけい
人よりも長いその腕をハブネークの胴体に添える。地面から脚に、脚から膝に、腰の回転を加えてひじから腕に、衝撃はハブネークの体皮すらも通り抜けて筋肉、内臓にまで至る。一度痙攣した後、ハブネークは動かなくなった。
「二―ナ、ペンドラーは大丈夫か!?」
「えっ、あ……うん」
ハブネークが倒れた事を確認した瞬間に、シンはペンドラーの様子を見る。
「何をしてる、はやくモンスターボールに戻してやれ」
コジョが私に話しかける。ややとげがあるけど、本当にペンドラーの事を心配している様な印象を受けた。言われるがままにペンドラーをモンスターボールに戻す。
「……怪我はないか?」
誰のせいで危険な目に会ったと思っているんだ、そう言いたかったけど、コジョもシンもそれは承知の上らしい。
「良くやった、合格だ。疲れたろ?」
シンが私の手を掴み、引き上げようとする。しかし、ポケモンバトルに割って入った恐怖からか、脚が言う事を聞かず、立ち上がることも出来そうにない。
「……仕方ないか」
「なっ、なにしてっ……?」
ひざの裏と背中に手を回して、抱きかかえられる。所謂お姫様だっこと言うやつだ。
「いつポケモンに襲われるか分からないからな、しっかり掴まってろよ?」
色々と聞きたい事があったのだが、急いでいる事で話すチャンスを失ってしまって、結局疲労の所為で山小屋に着くまでに私は眠ってしまったらしい。
「おはよう、お寝坊さん」
ターネの声で目が覚める。どうやら山小屋の中で寝かされいた様だ。日も昇って、日が変わってしまう程眠っていたらしい。
「私のポケモンは?」
「そっち」
背を向けて厨房の方に向かうターネ。周りを見渡すと、三匹とも治療を受けてすやすやと眠っているのが目に入った。
「……よかった」
バトルをしている際は心配だったが、今の状態を見ると大事にはなっていないようだ。安静にしていればそう待たずに回復するだろう。
「ほら、朝ご飯。食べられる?」
白いご飯と野菜が多めのお味噌汁、ノリと焼き魚と御漬物の朝ご飯らしい朝ご飯が出てきた。
「……頂きます」
両手を合わせ、ご飯に箸を付ける。
「美味しい」
「……そ」
空腹も手伝って箸が進む。夢中になって食べていたので気付かなかったが、ターネが対面に座っていた。
「思ったより、元気そうね」
「おかげさまで」
結局ポケモンに指示こそしたものの、昨日は何か出来たという訳ではないのだ。そもそもポケモンバトルにおいてのトレーナーはそういうものだと思うし。
「……むかつく」
「な、なんでよ」
ターネがジト目で見つめてくる。そんな覚えは全くないのだが。
「シンとコジョがどれだけあんたの事心配してたか、知らないでしょ?」
「……は?」
心配と言うなら、あんなことをさせなければ良いだけの話だろう。下手をすれば命の危機に関わる様な事をさせることに、何の意味があると言うのか。
「ほら、分かってないじゃない。あの二人は知らないなら、知らないで良いって言うけど、私はそう思わないから」
その答えが知りたいなら、シンに聞くべきだ、とターネは言った。
「あぁ、目が覚めたんだな、おはよう」
朝の組み手が終わって、水浴びを終えたところらしい。いつも組み手をしている川辺でシンと会う事が出来た。
「……なんで、あんなことをしたの?」
今の態度が、特訓とやらを行う前では違いすぎる。何より、私を疎んでの行動には、どうしても思えない。
「知らなくても良い、そういうもんだ」
首筋を掻きながら、目を合わせない。
「ポケモンをあんな目に会わせておいて、知らなくて良い訳ないでしょ」
此処に来るまで散々悩み抜いたが、二人が何故こんなことをしたのか、答えは出せなかった。結局直接聞く以外に答えを知る方法はなさそうだ。
「聞いても良いことなんて一個もないぞ?」
「言うまで此処を離れないから」
呆れた様な顔をしたり、頭を抱えたり、ころころと表情を変えながら、ようやく落ち着いて腰を下ろした。
「……勝つためには強いポケモンを使えばいい、って言ったの覚えているか?」
それが出来れば苦労しない。そもそも、強いポケモンを捕まえているトレーナーも、それを鍛えているし、鍛えることで強くなるポケモンもいる。それが出来るのなら、苦労はしないのだ。
「バトルになると、トレーナーは殆ど無力だ。訓練さえ積んでいれば、判断するのもポケモンがした方が早くて正確だ。特に野生のポケモン相手ですることなんて、殆どない」
「確かに、どのポケモンを出すかを判断するくらいですけど」
相性の良いポケモンを判断してしまえば、あとは訓練の通りに動くだけだ。イレギュラーな場合の判断や、道具で補助する時こそトレーナーが動く必要があるが、それ以外はむしろ邪魔になりかねない。
「君は野生のポケモンには滅法強い。だが、対人戦になるとからっきしだ。じゃあ、そこに何が違う?」
「……道具?」
対人戦だとバトル形式にもよるが、基本的には無制限だ。傷薬を幾つ使っても構わないが、それだけ隙を見せる事になるので、バトル最中は殆ど使われない。
「それもあるが、相手も使うポケモンを考えるトレーナーがいること、それが大きく違う点だ」
「相手がトレーナーだと、私は勝てないの?」
シンが首を横に振る。
「初対面なら充分闘えるだろうし、前も言ったが君のポケモンは強い。問題は、知った面子との対戦だ。どうせ君は対トレーナー戦でも、同じやり方で闘うんだろう?」
「……それが一番いいやり方だからです」
シンが溜め息をつく。
「まぁ、それも一つのやり方だけどな。例えばお前が次に相手のポケモンが何をするか分かったら有利になると思わないか?」
言われたことを想像してみる。確かに、どんな技が来るか分かれば、受けやすいポケモンに交代出来る、かなり有利にバトルが進められるはずだ。
「お前のやり方が知れ渡ってるんだ、次にお前が何するかなんて、会って4日目の俺にだって分かるぞ」
「……でも、私のポケモンは鍛えているし」
「それが昨日の結果だ。どんなに鍛えていたって限界はある。数で負けることや実力が上の相手と当たることだってある」
昨日の結果と言われると何も言う事が出来ない。結果として手持ちを全滅させてしまったのだから、もっと別の判断があったんじゃないか、今でも考えている。
「……時には倒れかけのポケモンを切り捨てる覚悟が必要になるんだ」
バトルの中には、そういった場面が出てくる。確かに、バトルの途中で交代するのと倒れた後に交換するのでは体勢が違いすぎる。後だしのポケモンは一手不利な状況を余儀なくされるし、傷ついたポケモンを手持ちに抱えても、下手を打てば状況を悪化させることだって考えられる。
「それでも、ポケモンを見捨てるなんて、したくない」
「そりゃあ、間違っちゃいない。ただ、バトルでは不利になるってだけだ。お前のやりたいようにやればいいし、一匹も見捨てずに闘えるならそれが一番だ」
結局、自分の馬鹿さに向き合わなければいけなかったのだ。野生のポケモンに勝てる事に気分を良くして、何が悪いのかを見ない振りをしてきた結果が、対人戦の弱さだったのだろう。
「見ただろ? ポケモンだってバトルで負けたくないのさ。当然だ、あいつらにしちゃ、バトルで負けるのは死も同然だからな」
自然の中で生きる以上、闘う以上勝つ以外に生きる術は無い。
「別に見捨てろとは言わないし、して欲しくも無い。ただ、トレーナーはそこに命を張らなきゃいけないと、僕は思うんだ」
たったそれだけのことを伝える為に、昨日の特訓があったと言う。わざわざ命をかけて、ハブネークのどくづきの前に飛び出したのだ、と。けれど、特訓が無ければ私も腑に落ちなかっただろう。その覚悟がないなんて思ってもいなかった。トレーナーがすべき覚悟は、技の前に飛び出す無謀さじゃなく、泥をすすってでも有利な状況を作り出す周到さなのだ。ポケモンを傷つけたくないなんて、様は人間の身勝手なのだろう。言われなくたって身を守る術を持っているのだから。
「……ほら、言っても分からないだろ? どの道この先トレーナーとして経験を積んでいけば、克服していく問題なんだ。無理にあんなことしなくたっていつかは」
「いや、何か分かった気がします。少なくとも自分が勘違いしてた事は分かりましたよ?」
命の危機を感じたからこそ、一度自分のポケモンに無理をさせたからこそ、次を無くすための行動が重要だと、心底感じられる。言葉じゃ分からないって言うのも納得だ。実体験が無ければ、きっと私は変わらなかったはずだから。
「まぁ、何かつかめたのなら良かった。あんまり危険な目に会わせるのも嫌だったしね」
溜め息をつく。今考えてみたら教えを乞いに来た奴に、『痛い目に会わせなきゃいけない』なんて事になったら、気が進まないどころじゃない。体の良い言い訳で逃げ出したくなるのも当然だ。
「それじゃ、これからよろしくね、先生!」
「ああ……は?」
これからもっと色んな事を教えてもらわなきゃ、シンは凄い先生なんだから。
「どうしてそうなるんだ?」
読了、ありがとうございました。
バトルらしいバトルが書けない気がする。
ゲームをしてると道端を歩いているトレーナーが『6匹手持ちがいない理由』を考えてしまいます。
きっと育てる時間がないんだろうな、とか相性があうのが繰り出すポケモンだけとか。
ギャラドスとかを考えると、20レベル位でも育てられたり、捕まえる事が出来る人はトレーナーとしてそこそこの腕なんじゃないかな、と思ったりします。
逆に言うと、バトルで勝てなくなっても育てたポケモンを変えられず、諦めてしまうトレーナーもいるんじゃないかな、とかね。
何十とポケモンを育てては預けたり交換したり、50までレベルを上げては他のポケモンを育てている主人公はあの世界では化物でしょうね。
そりゃあ、チャンピオンとか余裕ですわ(笑)
長々とここまで読んで下さった方に、最大の感謝を。