お久しぶりです、連続投稿です。
ポケモンバトル()です、ええ、片方ポコペン人VSポケモンです。
普通に考えたらタヒにますよね~、まぁそこは小説ですので(現実逃避
一応、この世界でも素手でポケモンに挑むのは自殺行為として描いています。
初代でオーキド博士が主人公を止めたのは、普通のことなのかもしれません。
コラッタに噛みつかれて五体満足で返ってこられる補償なんてないのですから。
無駄話ばかりでしたが、擬人化、独自解釈、名状しがたいポケモンバトルのような何かでも良いや、って言って頂ける寛大な方はどうぞ。
山の中腹の辺り、水脈の影響で洞窟となり普段であれば、ポケモンたちの水場となっていただろう場所に辿り着く。
「……変だな」
コジョが呟く。ここもあの川と同様、多くのポケモンが水を飲みに来る。ピリピリとした緊張感はあっても、気配がないのは異常だ。
「しかし、暑いですね」
洞窟の中に入ると、日は遮られているものの少し蒸し暑かった。この洞窟に来る途中も暑かったが、日陰でもこうも暑いと気が滅入ってくる。汗で衣服が濡れて気持ちが悪い。
「先に行け」
コジョが立ち止まる。ふと見るとアーボやジグザグマが物陰でこちらを伺っているのが分かる。狭い通路で襲われてしまえば、ひとたまりもないだろう。
「それじゃ、アヤさんはこっちで」
躊躇いもなく手を繋がれて、駆け出す。途中まではコジョは付いてきていたのだけれど、洞窟の奥まで来るころには影も形も見えなくなっていた。
「さぁ、真犯人はどこかなぁ、っと」
そう言って奥に入り込もうとするシン。
「ちょちょ、ちょっと待って下さいよ」
確かに私が付いていきたいと言ったけども! 多少の危険は覚悟の上だと言ったけども!
「文字通りポケモンの巣窟に三人で入りこむとは思わないじゃないですか!」
「トレーナーなら基本だろう?」
一般トレーナーの半数以上は洞窟や山には入りません。余程力をつけたか、無謀な人間のみが行う行動だ。それでも、年に行方不明者が何人出てるのか分からない程だというのに。
「会話なんかしてるから、お出迎えが来たぜ、どうする?」
恐らく、前の川でで会ったリングマだ。体長は優に2メートルを超え、こちらに向かって威嚇をしている。
「これは混乱してるなぁ」
間延びした声でシンが呟く。確かに良く見ると目の焦点があっていない印象を受ける。足元も少しふらついていて、擦り傷があちこちに見られる。
「……それって危なくないですか?」
私達の声に反応したのか、私の太腿くらいはありそうな太い腕を振り下ろす。
ドゴンッ
リングマの爪が岩を抉る。幸いにも、直撃する様なことはなかったが、飛び散る小さな石つぶてだけでも脅威だ。
(これが……野生のリングマ?)
トレーナーの大会でも大凡見る事の出来ない程の力を持っている。そもそもリングマを育てられるトレーナーの数こそ多くはないが、何度か目にしたそれを遥かに凌駕する、少なくとも爪で岩を削り取る様なものではなかった。なによりも、ひっかくやきりさくですらないのだ。逃げるしかない、走れば逃げ切れるだろうか、後ずさりをしようとした瞬間、シンが一歩踏み出す。
「……は?」
ノーマルタイプ きりさく
ポケモンによって使用するのは、触角であったり、爪、特殊な前腕などを用いて切断を行う技だ。ひっかくと違う点といえば、鋭さからより深く傷をつける為の技ということだ。幾度とない経験の上に、どうすれば効率よく肉を抉り取れるか、事前動作から全て精錬されたそれは、ただただ振り下ろしただけの先程の行為と違い、見てから避けるということは出来ない。
「ひっ!」
離れていてもその脅威に後ずさりしてしまう。当たればひとたまりも無いどころか、下手をすれば文字通り真っ二つになるだろう。それを平然としゃがんで避け、リングマの懐に潜りんでいる。伸びあがるようにリングマの顎にアッパーカットが決まる。
「……はぁ!?」
いやいやいや、ポケモンとバトルするのはポケモンのはずだ。それこそ人里近くのポケモンなら人でも倒せるかもしれないが、あからさまに一回りも大きいポケモンを倒すなど出来るはずがない。その証拠に、あれほど綺麗に決まったアッパーに多少ふらついただけで、今度こそしっかりシンを見据えて腕を振り下ろしてくる。
ノーマルタイプ たたきつける
重力と全身のバネを利用して振り下ろされるリングマの腕は、容易すく地面を抉り取る。巨体がくの字に折れ曲がる程力を乗せられたそれは、まさしく必殺の名が相応しい破壊力だ。どうやってそれを予測したのか、飛ぶ破片に傷を負いながら立つ位置を入れ変えていた。リングマの背後をとるシン、それを追うようにふらつく足で振り返るリングマの横っ面に正拳を叩きつける。
「グ、グォォ……」
のけぞるリングマを追い、飛びかかる様に二の腕を首に巻き付けるが、リングマの体重に負け、勢いが止まる。息が止まり苦しそうにもがくリングマ。
「うぐっ!」
振り回した腕がシンの胴に当たる。それでもなお絡みついた腕を解かず、空中に浮いた体を足を振って勢いをつけ、ねじる様にリングマを地面に叩きつける。
ドスン
地鳴りがするほどの巨体が地面に倒れ、動く気配がしなくなった。
「……殺したの?」
口から泡を吹きながら仰向きに四肢を投げだすリングマを遠巻きにみる。少し見続けると、口元の泡が微妙な動きをしている。呼吸をしているのだろう。
「そう簡単に死ぬものじゃないだろ、気絶しているだけだ」
土埃で汚れた服を手で払いながら、洞窟の先に向かう。
「これが……凄腕のトレーナー?」
「まぁ、熟練のトレーナーならポケモンの動きを先読みすること位出来るだろうけど、わざわざ直接闘うのは馬鹿のすることだよ」
呆れた様な声色で言う。
「少しくらい休んだ方がいいんじゃないです?」
あんなことをした後で平常で居られるとは思えない、そんな一心で口にしたが、シンは有り得ないと言う。
「時間が経てば他のポケモンが集まるかもしれないし、リングマを倒せたのも奇跡みたいなものなんだから」
振り返ったシンの口元には、血が流れていた。
読了、ありがとうございました。
溜めていたストックをすべて吐き出そうかな、と思ってます。
ここまで読んで頂けた事に最大の感謝を。