というわけで、今回は彼女に出てきていただいてます。
♀ナノは作者の好みです、キュウコンとギャロップの色違いは素敵だと思います、本当に。
日照り持ちで粘ったのはいい思い出、といっても2,3日の厳選でしたが。
V無の個体で強かったかと言われれば、ジュエルソラビと日照り大文字のCSぶっぱで奇襲+日照り要員でした。
彼女とドレディアとバクフーンで電車をごり押ししていました。
ただし、勝率はバンギドリュの方が良かった模様。
というわけで、擬人化でもないけど人の姿をしてるポケモンがいたり、技や経験値の独自解釈がありありですが、それでも良いよ仕方ないという方はどうぞ!
一番奥まで来ると、日の光に溢れる空間にでた。思ったよりも地上に近い空間で、その上に開いた穴から燦々と日光が降り注いでいる。その中心に佇んでいるのは、幾重にも重ねられた和服に身を包んだ女性だ。それを言葉にするなら、蒼だった。一度目にしてしまえば、言葉を失って、正常な思考さえも奪ってしまう様な、妖艶さを備えている色。
「色違いとは、珍しいな」
足元のくるぶしまでつかる程度の水たまりに映るのは、蒼色の毛並みの九本の尻尾。つまり、今目に映っている姿は本来の姿ではない。
「さいみんじゅつ?」
「ついでに特性がひでりとは、この目で拝む事が出来た事に感謝しないと」
その人影が此方を向いて、こちらを目を見る。
『ようこそ、おいでくんなまし』
耳元で囁く様な声色で、眩暈で足元がふらつく。その所為で、目の前に広がる火炎に気付くのが一瞬遅れてしまった。
ほのおタイプ かえんほうしゃ
文字通り炎で相手を焼く技だ。多くは体内に発熱機関を有し、口内からの分泌物で火炎を発生させるのだが、燐紛や老廃物を燃料とし摩擦熱によって行うポケモンもいる。その特性として、目で追う事が難しいこと、一歩間違えば自らを焼いてしまうため、優秀なほのおタイプのポケモンでさえ多くの経験値を積まなければ覚えることが出来ない。いくつかの例外を除いて。
「あ……ありがとうございます」
シンの腰巻はかなり丈夫な素材でできているようで、私を抱えてかばっても焼かれることは無かった。それでも、酸素を奪われ、炙られて無傷とはいかない。
「下がってて」
腰巻をつけ直し、シンが駆け出す。円を描くように走る彼を追うかえんほうしゃ。半円を描ききったところで、かえんほうしゃが止まる。
『貴方様どうか私と、一夜限りの戯れを』
彼女の言葉を聞くたびに、頭がくらくらする。
8本の尻尾が重なり、勢いよくぶつかる。その接触で火花が起きて、かえんほうしゃがシンを襲う。
「シン!?」
何度か見た、迷いの無い動き。せまりくる炎に自ら進んでいく。驚く事に、炎が自らシンを避けているように進んでいく。実際には、起動予測して一番回避しやすい行動がまっすぐ歩く、という行為だったというだけだ。
「……っ」
それでも、針の様な隙間をぬって歩き、その間も熱に焼かれ、酸素を奪われ続けている。決して、ダメージが無い訳ではない。
狙いは近づいていくシンにのみ絞られている。避けることに集中しているのか、進んでは後退し、距離が縮んでいるのかどうか微妙なところだ。
「色違いキュウコンか……珍しいな」
「ふぁっ!?」
いきなり後ろから話かけられる。振り向いて見るとところどころ傷ついたコジョが立っていた。
「経験が浅いとはいえ、手伝わないとな」
キュウコンの火炎放射を避けつつ、肌を焼かれていく感覚を覚えていた。
(このレベルじゃあ、直撃はしなさそうだな、それに……)
その内息切れを起こすだろう。あまり気の長そうなタイプにも見えず、そのタイミングはすぐに訪れた。
火炎放射が止み、それに合わせて突撃する。
「……っ!?」
火炎放射の影に隠れて紫に揺れる炎があった。
ゴーストタイプ おにび
『引っかかったな?』
火傷が浸食し、文字通りに手足に焼かれる様な痛みが走る。それでも、足を止めることはない。
『……おろかな』
もはや騙す必要もないと、キュウコンの姿に戻り、九本の尻尾をふりおろす。
ノーマルタイプ たたきつける
体の大きさほどある尻尾の連撃は、恐ろしい威力を持つ。だが、物理攻撃の特徴として届く範囲が限られてしまうこと、それに加え尻尾の攻撃のために姿をとらえ続けれなかった。
「いってぇ……」
一本を両腕で受けている。その衝撃を堪える代わりに、怯んで動く事が出来なくなっていた。これはチャンスだ、火炎放射を当ててしまえば弱い人間などひとたまりもないだろう。そう思い動きだそうとした瞬間。
「後ろだ、馬鹿もの」
格闘タイプ はっけい
添えられるような手の感触とその後に訪れた衝撃で、意識を失っていた。
「いやぁ、助かったよ」
「助かったよじゃないですよ! 何考えているんですか!?」
生身でポケモンに歯向かうなど、正気じゃない。
「そうだ、例えレベルが低くて弱そうなポケモンでも、だ」
「そうそう……え?」
「まぁ、碌に育てられもせずに捨てられたキュウコンだものな。娯楽で炎の石を与えられたんだろうけど」
「ちょ、ちょっと待って! 何を言ってるんですか?」
首をかしげるような仕草でコジョさんが此方を見る。
「この山のポケモンの火炎放射なら、掠るだけでも黒こげなんだよなぁ」
頭をかきながらシンがそうこぼす。つまりは、この山のポケモンではなく、捨てられた、もしくは。
「逃げ出したんだろうね。そうじゃなきゃ、人の姿をしたポケモンがいるなんて報告、来るはずが無いから」
「……あ」
何故それがポケモンと分かるのか、それは元々知っていたのだ、人を化かすポケモンだということを。
「それをまぁ、あそこまで手加減なしでやるか?」
「手加減はした、死んではいない」
「瀕死にまでしなくて良いだろうに……」
やれやれと言った風に談笑していると、キュウコンが目を覚ました。
『……わっちをどうするつもりだ?』
どこか諦めたような声、声と言うよりはテレパシー的な何かなのだろう。実際に耳で聞いているという感じではないが、そう言った事が出来るポケモンも居るのだ。
「いや別に何も? ただむやみに催眠術やら怪しい光を振りまわさなきゃ出張ってくる必要もなかったしな」
「……は?」
いやいやいや、特性日照りで色違いで、逃げ出してきたポケモンでそれをぶん殴っておいて何もしないってどういうこと?
「幸い、モンスターボールで捕まえられているって感じでもないしな」
ただ事件を起こしているポケモンを諌めに来ただけなのだと言う。
「ようこそ、ポケモンの山へ、歓迎するよ。あまり悪戯が過ぎると痛い目を見るが、それ以外は良いところだぜ?」
そっと手を差し伸べる。世にも珍しい蒼色のキュウコンは、助けを求める様な声を響かせた。
『貴方様どうかわっちを、飼って頂けないでしょうか』
恐らく、催眠術もあやしいひかりも、キュウコンが身を守る為に振りまいたものだったのだ。逃げ出した先で過剰にならないと言う方が無理な話だ。きっと怯えていたのだ。そうか、これがトレーナーとポケモンの運命の出会いということなのだ。
「……断る。もう火傷するのはこりごりだ」
「断るんかい!」
そう言うと颯爽と踵を返して洞窟を反対方向へ向かって行く。ぽつんと残されたキュウコンは、どこか気が抜けた様な、それでいてさっぱりとしたような表情をしていた。様に見えた。
読了、ありがとうございました。
後で書く予定ではありますが、6V個体ってどう見えるのだろう、と考えたことがあります。
あるいは性格の一致、不一致、技の遺伝等、ポケモンをプレイしている私達には分かることかもしれませんが、ポケモンの世界に住んでいる人間たちには、よく分からないものではないでしょうか。
見た目で正確な力が図れるわけでもなければ、性格による能力の増減など、考える人がいるのかどうかすら怪しいものです。
勿論、全くいないということはないんでしょうけど、人口でみると少数というのが私の考えです、どうなんでしょうかね?
それでは、ここまで読んで下さったことに最大の感謝を。