カードゲームで世界が滅ぶ世界に転生してカードショップを開店したら、周囲から前作主人公だと思われている   作:暁刀魚

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174 激闘! ショップ対抗戦本戦

 さて、ショップ対抗戦の県予選から本戦までは一週間しか間がない。

 気がつけば本戦が始まる土曜日になっていた。

 そして本戦を始める前に、本戦のブロック分けが発表される。

 

 全四ブロック、そのうち上位二チームが本戦に出場できる。

 8チームによって行われる決勝トーナメントへの切符争奪戦だ。

 

「ドリームランドとまた当たったりするんですかね」

「四分の一だからないことはないんだろうが、運命力がそうさせてくれないだろうな」

 

 何故なら、同じブロックになればほぼ間違いなく最終戦でぶつかることになるからだ。

 この世界の運命力は、そういった被りを勝手に避けてくれる。

 お陰でランダムがランダムになってない抽選結果になっても、そういうものとして受け入れられるのがこの世界の良いところ。

 

「代わりに、マスターズか仮面舞踏会……このどちらかとはほぼ間違いなくここで一回ぶつかることになるだろうな」

「マスターズもですか?」

「いくら運命力が働いているとはいえ、それで全部が決まるほどこの世界は運命が絶対的じゃないからな」

 

 むしろ、運命なんて簡単にひん曲がる軟弱なものである。

 なんとなーくそういう流れがあるもの、くらいの意味合いしかない。

 ドリームランドとの再戦だって、可能性がゼロというわけではないのだから。

 とはいえ、エレアの問いかけが「マスターズも」だったあたり。

 俺達はなんとなく、この本戦でぶつかることになるチームを想像していたのだが。

 

「あ、出ました」

 

 フィールドに、ブロック分けがバッと表示される。

 文字が小さいが、自分のチームの名前が光ってくれるので、どのブロックに振り分けられたかは解る。

 俺達は――Bブロックか。

 そして、エレアと二人で視線を這わせて、Bブロックにある見知った名前を探す。

 そして、

 

 

「――仮面舞踏会と同ブロックだな」

 

 

 案の定、としか言いようのない相手と同じブロックに振り分けられた。

 

 

 □□□□□

 

 

 仮面舞踏会。

 特殊地域枠から上がってきた、仮面を被ることをコンセプトとしたカードショップ。

 店長である仮面さんを始め、そのメンバー構成は全員――()()除く――仮面ファイターだ。

 そして何より、今回優勝候補としてはあくまで一部の予想ではあるものの、俺達デュエリストを差し置いて二番手につけている。

 その理由は――何と言っても最高戦力の強さにあるだろう。

 

「参りましたわ!」

「いらっしゃい、アロマさん。まだ一戦目は始まってないよ」

 

 チームメンバーの一人、アロマさんが店にやってくる。

 これでデュエリストに、チームメンバーが全員揃ったことになる。

 そして、今回俺達は一戦目のチームではない。

 俺達の試合が始まるのは二戦目から。

 なので、一戦目の試合を観戦しようというわけだな。

 見ているのは当然――

 

「仮面舞踏会様ですわー!」

 

 ――仮面舞踏会だ。

 フィールドには、仮面舞踏会のメンバーがホログラフで映っている。

 中でも目立っているのは――

 

『ふふふ……全国でついに私の痴態がお披露目になってしまうんですね……』

「何言ってるのよ姉さん……」

 

 痴女、もといハクさん……月兎仮面だ。

 その姿は、最後に見たときよりパワーアップしている。

 露出が……ではない。

 というか、露出はそもそもこれ以上パワーアップできるところがそもそもなかった。

 何なら、装飾が増えて少し露出度は減ってるんじゃないか?

 その装飾がレースだから、なんかイケナイものを見てる感が増してるのはともかくとして。

 何と言っても、パワーアップしているのは仮面だ。

 というか、チーム戦だからか仮面舞踏会のメンバーは仮面の装飾を統一していた。

 ああいうのいいなぁ。

 

「うちも、チームの制服とかつくりますか?」

「アリかもしれんな、とはいえ決勝トーナメントに進んでからにしよう」

 

 ショップのロゴを印字したエプロンを全員分配るか。

 カードショップ感を出すなら、それが一番いいだろう。

 今から用意しないのは時間がないからだな。

 後、カードショップにいるうちは、お客さんはお客さんでいてもらいたい。

 決勝トーナメントは専用の舞台で行われるから、そこにたどり着いたら統一感を出せばいいのだ。

 

「で、他には――」

「……従姉(あねうえ)、だな」

 

 他に目立つメンバーは、やはりヒジリさんだろう。

 この場では、聖山ツカサを名乗るレンさんの従姉。

 レンさんは、なんだか難しい視線でヒジリさん――否、ツカサさんを見ていた。

 

「うーん、それにしてもすごいですねぇ、完全にVの者の3Dモデルです」

「エクスチェンジスーツ、素晴らしい出来ですわー!」

 

 ツカサさんが目立つのは、彼女がアニメーションだからだ。

 実写の中にアニメグラフィックが交じるのは、なんというかやはりインパクトがデカい。

 とはいえ、やはり常連だからかチームのメンバーとのやり取りに違和感はない。

 ハクさんとも、落ち着いた様子でやり取りをしていた。

 

「さて、問題は……奴だな」

「そうですわねぇ……」

 

 映像の中で、ハクさんとツカサさんと、それから店長である仮面さんがフィールドを離れる。

 これからファイトが始まるのだ、部外者はその場に留まるわけには行かない。

 後には、一人のフードをまとった女性が残される。

 小柄な、顔の視えない女性だ。

 そしてこの場には、彼女のその姿に見覚えがあるものが複数いる。

 具体的には、俺とレンさんとアロマさん。

 ダイアがいれば、ダイアも見覚えがあっただろう。

 

 そう、彼女の正体は――

 

 

『では、先鋒はこの私! 謎のマジカルファイターAが務めさせてもらうです!』

 

 

 ――そう、アリスさんだ。

 アリス・ユースティア。

 欧州最強のチャンピオン。

 ユースティア家の当主。

 文字通り、この世界における最強の一人。

 俺とダイアに並ぶ、反則中の反則がそこにいた。

 まぁ、使用デッキがアリス・ユースティアのものではなく、アロマさんたちの前で正体を隠していた時に使っていたデッキだそうだから、本調子というわけではないのだが。

 それにしても、だ。

 

「やっぱり、このチーム反則じゃない?」

「アリスちゃん、ツカサちゃん、それからハクさん……仮面さんも強いって話ですし、うーん……戦力としては全チーム最高なんじゃないですか?」

 

 なんというガチパーティ。

 ココまで個人の戦力が突出しているチームはそうないだろう。

 とはいえ、弱点がないわけではない。

 

「しかしだ、仮面舞踏会はその四人こそ強いものの、他の面子に関してはうちの十二天将ほどの実力だという」

 

 レンさんの言う通り、仮面舞踏会は突出しているメンバーが突出しすぎているという弱点がある。

 連闘制限がある以上、どうしたってアリスさん、ツカサさん、ハクさんはどこかで抜けないといけない。

 そこを突かれると敗北しかねないのがこのチームの弱点である。

 まぁ、レンさんが例に上げた十二天将メンバーは普通に強いんだけどな。

 ヤトちゃんだってその一人だし。

 ただし、ヤトちゃんは現状上がり調子で強くなっている。

 ハクさんとも、互角で戦えるくらいに。

 現在のヤトちゃんの組織内ランク戦の順位は二位だそうな。

 強くなったなぁ。

 

「とにかく、だ。相手は強敵だが、俺達は優勝を狙うチームだ」

 

 さて、ファイトが始まるので、ここらで話を一旦まとめておこう。

 俺はフィールドの前に立って、皆に呼びかける。

 

「どれだけ相手が強くとも、優勝を狙う以上かならずどこかでぶつかることになる」

 

 というか、本戦の最終戦で必ず激突することになる相手だ。

 決勝トーナメントで再戦するかは未知数だが、本戦最終戦で負けるわけには行かない。

 

「俺達にできることは、一戦一戦に全力で臨んで、勝ちをもぎ取ることだけ」

「おう! 俺はいつだって本気だぜ! 仮面舞踏会の人たちとも戦えるなら戦いてぇな!」

「ああ、その意気だ、ネッカ少年。というわけで、まずはこの初戦を見て相手のことを学ぶとしよう!」

 

 そう、俺が宣言して――

 

 

 ――試合は、アリスさん……もとい、謎のマジカルファイターAがオーバーキルで決着をつけて終了した。

 

 

 さ、参考にならない……。




というわけで、ちょっと予想している人もいましたが、仮面舞踏会の反則はアリスでした。
今大会に参加しているファイターの中では、店長を除くとぶっちぎりの最強です。
店長を含めると店長(ミツル)とキアも入ってきます。

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