カードゲームで世界が滅ぶ世界に転生してカードショップを開店したら、周囲から前作主人公だと思われている   作:暁刀魚

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190 仮面舞踏会VSマスターズ ①

 ネオカードポリス本部支店との対決は、先鋒の刑事さんがライフを死守したことで、その後の流れは俺達に傾いていった。

 メカシィ、アロマさんが連続で勝利。

 ライフ差をジリジリと詰めていく。

 そして副将戦、ネッカ少年が因縁のある人物と対決した。

 

 ()()()()()()()()()()だ。

 その名もハッカさん。

 何を隠そう、ネッカ少年のお父さんはネオカードポリスのエージェントだったのである。

 

「ふ……強くなったな、ネッカ」

「俺はこれからもどんどん強くなるぜ、オヤジ!」

 

 結果は快勝。

 いや、途中はかなり追い詰められたんだが、終わってみれば終始ネッカ少年のペースだった感じだ。

 これでライフ差も逆転。 

 大将戦は俺が無難に勝ちきって、一回戦を突破した。

 

 で、第二試合。

 超火力特化型カードショップの「パワー・オブ・パワー」と通販ショップを拠点とする全国から集められた精鋭ファイターによる連合軍「サイバースペース」。

 勝ったのは「サイバースペース」だった。

 で、ここで意外な提案。

 

「店長、俺を準決勝で起用してくれないか?」

「それだと連闘制限で、決勝に出れないがいいのか?」

 

 ネッカ少年が、準決勝での起用を提案してきたのだ。

 

「一回戦でオヤジと当たった時点で、そんな気はしてたけどさ。どうも、サイバースペースにも因縁のある相手がいるみたいなんだ」

「あの、仮面を付けたファイターか」

 

 なんか、サイバースペースにも仮面舞踏会じゃないのに仮面を付けてるやつがいるんだよな。

 多分、普段は仮面を付けてないけど、大会中だけは付けないといけないやつ。

 誰だ……? 候補が多すぎて絞りきれない。

 

「うん。……いいかな?」

「ネッカ少年がいいなら、いいさ」

 

 ネッカ少年は、俺を除けばデュエリストの最高戦力だ。

 しかし、本人がそう言うなら否やはない。

 それに、決勝戦はマスターズと想定したうえでメンバーのパターンはある程度考えてたからな。

 ネッカ少年がいない場合も、考えてある。

 

「へへ、サンキュー店長!」

「ああ、勝ってこいよ」

「もちろん!」

 

 さて、そんなこんなで決勝トーナメントAブロックの二戦が終了した。

 このタイミングで、午前のスケジュールが終了。

 昼休憩を挟んで午後の部だ。

 

 第三試合は仮面舞踏会VSマスターズ。

 ぶっちゃけてしまえば、ベスト8である初日の対戦カードの中で、もっとも注目度が高い試合であった。

 

 

 □□□□□

 

 

「……なんか、午前より人が多いわね?」

「そりゃ、Aブロックはデュエリストが決勝進出確定みたいな前評判ですからね」

「プレッシャー感じるわね……」

 

 なんて、エレアとヤトちゃんの会話を横に聞きつつ俺達は控室で第三試合の開始を待っていた。

 俺とレンさんが、適当に飲み物を飲みつつ真面目な勝敗談義をしている。

 

「天の民の結論はどうだ」

「ほぼ五分だけど、大将戦のライフ状況次第……かな」

「で、あろうな」

 

 仮面さんは強いけど、流石にキア相手は分が悪い。

 なので大将戦までにどれだけマスターズのライフを削れるかが仮面舞踏会の分水嶺だ。

 

「おそらく、仮面舞踏会はフルメンバーで来る」

「我らと戦ったときの面子、だな」

「うん。ここで出し惜しみしたらマスターズには勝てないからね」

 

 そのうえで、問題はポジションをどうするか。

 

「アリスさんには、ほぼ間違いなくアウローラさんか逢魔さんがぶつかるね」

「そのうえで従姉(あねうえ)に凪の民をぶつけてくる、か?」

「実力を考えればそうなるけど……どうなるかな」

 

 さて、そろそろメンバー発表だ。

 果たして仮面舞踏会とマスターズは、どんな戦略を取ってくるか――

 

「あ、出ましたよ!」

「これは……!」

 

 仮面舞踏会。

 先鋒、ビア・ビーア。

 次鋒、月兎仮面。

 中堅、聖山ツカサ。

 副将、アリス・ユースティア。

 大将、仮面店長。

 

「お姉様の名義がアリス・ユースティアになってますわ!」

「ピピピ、ずるい、と検知。ピガガピー」

 

 どうやらアロマさん戦で仮面を取り払ったことで、アリスさんは本気になったらしい。

 おいおい、こんなところでヨーロッパチャンプが本気出してるぞ?

 やばいな?(うずうず)

 

 マスターズ

 先鋒、新間サキコ。

 次鋒、逢田キリア。

 中堅、小中井ツムグ。

 副将、逢魔カラス。

 大将、明日原キア。

 

「ナギサ先輩をいれないのか!?」

「……それだけ、スピリッツを警戒してんじゃねぇかな」

 

 一応、ナギサとも面識のある刑事さんが驚き、冷静なネッカ少年がぽつりと零す。

 どうやらマスターズはスピリッツに意識を向けているらしい。

 昨日のどこか不安そうなキアの様子を思い出す。

 大丈夫だ、と信じたいが……俺達は見守ることしかできないな。

 

「ところで、この新間サキコさんとはどちらさまです?」

「ネオデビラスの手先様ですわー!」

 

 見知らぬ名前を、常連のアロマさんに問いかけるエレア。

 どうでもいいけど、新しいマの手先コ……ってだいぶそのままじゃない?

 と、そんなことよりも、だ。(こそこそ)

 

「そんなことよりも瞳の民! 天の民をとめろー! このままだと天の民が不思議の民とファイトしたくて控室を飛び出してしまう!」

「止めないでくれ! 俺は強いファイターと戦いたいだけなんだ! 少しだけ、少しだけだから!」

「あ、ずるいぞ店長! 俺だってアリスの姉ちゃんと戦いたいんだからな!?」

「店長がこういうのするって、珍しいわね……」

 

 ワイワイガヤガヤ。

 騒がしくなる控室を他所に、第三試合が始まった。

 

 

 □□□□□

 

 

 言い訳をさせてもらうと、俺が発作を起こしたのは団体戦の方式のせいだぞ。

 強いファイターがいるのに、戦えないことが多いんだ今回の大会。

 おのれダイア……(逆恨み)。

 

 第一試合、ビア・ビーア対新間サキコ。

 なんというか、精霊型モンスターと元ダークファイターの戦いは……めちゃくちゃ無難だった。

 お互い何の因縁もなくて、実力が拮抗してればまぁこうなるよね……みたいな。

 勝ったのは新間さんだった、手堅く危なげないプレイングだ。

 

「新間様は、わたくしたちのファイトのインストラクターでもありますもの!」

「なるほど、それで実力が確かだったってことか」

「ですわ!」

 

 誇らしげなアロマさん。

 俺は逃さないよう俺に抱きついたエレアの頭をなでつつ、隙あらば引き剥がそうとしながら試合を見守っている。

 

 第二試合、キリアさんとハクさんの試合だ。

 しかし、多分他に選択肢がなかったんだろうけど、引っ込み思案なキリアさんに痴女をぶつけるとは酷いことをする。

 とはいえ仕方ないことなのだ。

 マスターズの実力は、店長を除くとナギサがトップ。

 次いでアウローラさんとキリアさんがどっこい……とアロマさんが言っていた。

 決勝にベストメンバーで臨むことを考えたら、ナギサだけでなくアウローラさんかキリアさんのどっちかは温存しないといけない。

 仮面舞踏会戦にどちらを選出するか考えた結果、シリアス度の高いアウローラさんを準決勝のメンバーに選んだ結果、こうなった感じだろう。

 

『キリアさん! 貴方には素質があります!』

『ひいい、露出の素質なんてありませぇえええん!』

『ですが貴方のマジカルファイターとしての衣装は……!』

 

 なんか妖しい感じでキリアさんに迫るハクさん。

 頭を抱えるヤトちゃんを皆で慰めつつ戦況を見守る。

 なお、勝ったのはキリアさんだった。

 正義は勝つのである。

 

 そして第三試合。

 ここが曲者だ。

 小中井さんはファイターとしても優秀である。

 だが相手はトップクラスのファイター、明らかに荷が重い。

 

『こここここ、小中井先生……ふぁ、ふぁんでしゅ!』

『う、うええ……あ、あの聖山さんが……!?』

「従姉が壊れた……!」

 

 ――が、蓋を開けてみれば話は簡単。

 ここも因縁に導かれた対戦カードだったのだ。

 何を隠そう、ツカサさん――もとい、ヒジリさんは小中井さんのファンだったらしい。

 ……小中井さんのファンなのか、コイナカさんのファンなのか、どっちだ!?

 小中井さん呼びなら、構成作家小中井ツムグさんのファンだよな?

 

 なお、ファイトは普通にツカサさんが勝った。

 テンパってる感じだったけど、ファイト内容は完勝だったな。

 まぁ、思ったよりライフは削れなかったのは、多分小中井さんがファンだと言われて嬉しくなった結果だと思う。

 

 そして副将戦。

 対戦カードの時点で嫌な予感しかしていなかったが。

 なんというか、うん。

 

 

『はーはっはっはっは! 無様だなぁアリス・ユースティア! 吾輩が貴様の苦手なものをナスだと公表しただけでこの醜態! ユースティア家の当主にして吾輩の宿敵マジカルファイターアリスも堕ちたものだ!』

「こいつ殺すです! ここで粉微塵にしてやるです……!」

 

 

 一言でいうと、知られたくない秘密を暴露されたアリスさんが、調子を崩して大苦戦していた。

 これはひどい。




これはひどい(これはひどい案件が多すぎてどれがひどいか特定できない)

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