カードゲームで世界が滅ぶ世界に転生してカードショップを開店したら、周囲から前作主人公だと思われている 作:暁刀魚
ファイトは続く。
さぁ、ヤトちゃんは俺の<極大古式聖天使>による四連打をどう回避するだろう。
ワクワクするね、こういう極限状態のファイトは。
「さぁまずは、<アークロード・ミカエル>から攻めさせてもらおう!」
「私はカウンターエフェクト<
『なんだか気恥ずかしいね、こういう場に呼ばれると!』
蒸気騎士団としての衣装を身にまとったナギサが、フィールドに現れる。
普段のナギサはもう少しラフな格好をしてるんだけど。
これは完全に風来坊って感じだな。
「<ナギサ>のエフェクトで自身と<リチャード>をディフェンス状態に。そして二体はこのターン戦闘では破壊されないわ!」
「<バースデイバース・ガブリエル>はモンスターのエフェクトを無効にする!」
「<蒸気騎士団参上!>のセメタリーでのエフェクト、フィールドの『蒸気騎士団』をセメタリーに送り、自身を手札に!」
セメタリーに送られるのは<異邦人ナギサ>だ。
これにより、俺のモンスターのエフェクトを無効化するエフェクトは対象を失う。
そしてセメタリーにいった<ナギサ>のエフェクトで、<リチャード>を戦闘破壊することは不可能になった。
『よーしよし、こうやって店長の攻撃を凌げただけでも、騎士団にはいったかいがあったってもんだなぁ』
「こいつ……! ターンエンドだ!」
そしてヤトちゃんのターン。
俺の攻撃はさらっと凌いでみせたが、問題はここからだ。
果たして、四体の<極大古式聖天使>を乗り越えることはできるかな?
「私のターン! ……まずは<ガブリエル>から対処しましょうか」
厄介なのは妨害エフェクトを持つ<バースデイバース・ガブリエル>と判断したのだろう。
ヤトちゃんは、二枚目の<蒸気大暴走>で<リチャード>を破壊。
次いで、<ガブリエル>と<ラファエル>を破壊した。
「残り二体は、二人に任せるわよ! 私は<蒸気騎士団 守護者レン>をサモン!」
『はーっはっはっは! 今日こそ天の民にぐえーと言わせてやるのだ!』
「そのエフェクトで、手札、セメタリーから『蒸気騎士団』もしくは『ガイアストラ』モンスターをサモン。呼び出すのは……姉さん!」
フィールドにレンさんが呼び出される。
それと同時に、ヤトちゃんの視線がビッグベンの頂点へと向いた。
そこには――一人の痴女が立っている!
やりやがった、あの人!
「<蒸気騎士団 仮面ハク>をサモン! そのエフェクトで、自身の攻撃力をレンさんに加算!」
「この世にえっちな衣装ある限り……私はその露出を守ります!」
『……よく見ると、白月だけ生身ではないかー!』
前口上とともに、俺達の前に着地するハクさん。
レンさんの言う通り、地味に一人だけサモンされたモンスターとしての状態ではなく生身でそこに立っている。
「気にしない、気にしない! <守護者レン>はフィールドの『蒸気騎士団』の数だけ攻撃できる! 加えて、レンさんが破壊したモンスターはセメタリーではなくデッキに送られるわ」
「<ウリエル>の再生を防いでくるな」
「<ミカエル>は倒しきれないけどね! レンさんで二体を攻撃! ダメージは受けてもらうわ!」
倒しきれない、とヤトちゃんは言うけれど。
敢えて倒していない側面もあるだろう。
<アークロード・ミカエル>は二回まで破壊を無効にするエフェクトがある。
このうち、二回目の発動には手札コストが必要だが、捨てたカードが『古式聖天使』だった場合カードを一枚破壊できる。
せっかくサモンしたレンさんかハクさんが破壊されてしまうのだ。
「カウンターエフェクトをセッティング、ターンを終了!」
四体のモンスターが、一瞬で制圧されてしまった。
<蒸気大暴走>がその半分を担っているとは言え、レンさんとハクさんも侮れない。
特に厄介なのは……あのカウンターエフェクトか。
「俺のターン! 果たして<アークロード・ミカエル>をフィールドに残したことは正解だったかな? そろそろ、あいつの出番だぞ」
「構わないわ。こっちにも、対抗手段はある」
「まずは、<大古式聖天使 デュエリスト・エレア>をサモンだ!」
俺がモンスターを呼び出すと、ポンと煙が爆発。
なんだこの演出……と想ったら、中からエレアが飛び出してくる。
「店長、私このファイトの出番がここだけな気がするんですが!」
「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれないな。<エレア>のエフェクトでデッキトップをセメタリーに送り、<守護者レン>を破壊!」
よく見ると、エレアもモンスターとしてではなく生身でサモンされている。
おそらく、何かあった時にエレアをサモンで引っ張り出すつもりだった名残だろう。
「この瞬間! 私はカウンターエフェクト<
「やはり、そのカードか!」
<古式転換>、一応俺の『エンシェント』の名前こそ冠しているものの、汎用カードに分類されるカードだ。
フィールドか手札のモンスターを素材に、新たなモンスターを呼び出すカード。
丁度、ダイアの<心火再熱>と対を成すカードなのだが、何故か<古式転換>の使用者は結構少ないんだよな。
ヤトちゃんが使ってくれて、俺は嬉しいよ。
こほん。
ヤトちゃんがこの状況で、呼び出すモンスターは殆ど決まっているようなものだ。
そしておそらく、意図的に俺のエースとぶつけようとしているのだろう。
「来なさい! <無双の蒸気騎士団 エンシェント・アリアン>!」
エンシェントの名を持つ、ヤトちゃんの切り札。
今までその活躍を、観客として眺めているだけだったが――ようやく俺と激突する時がきた。
なら、それに俺も応えるとしよう!
「まずは先に、その厄介な無効化エフェクトを使わせてもらおうかな。<古式聖天使 ブリュレ>はフィールドに『大古式聖天使』がいる時サモンできる。このモンスターがサモンされた時、相手モンスターを破壊する!」
「当然、無効よ! サモン自体を無効にするから、破壊エフェクトは使えないわ」
「ああ、だけどこれで次のサモンは止められないな」
「……!」
<エンシェント・アリアン>にはカウンターエフェクトとモンスターのサモンを無効にするエフェクトがある。
これを無効化しないことには、俺の大型モンスターは呼び出せない。
幸い、<古式聖天使 ブリュレ>でそれを誘発させることができたのが。
相手にすると、厄介なエフェクトだ。
とはいえ、これでもう俺を遮るものはない。
「行くぞエレア!」
「はい! でも可能ならもう一回くらい出番があると嬉しいです!」
「善処する!」
かくして、<アークロード・ミカエル>と<デュエリスト・エレア>を素材に――
「来い! <極大古式聖天使 エクス・メタトロン>!」
俺は、自身の最終エースを呼び出す。
並び立つ<エンシェント・アリアン>と<エクス・メタトロン>。
そのデザインは、どこか似通っているようにも思える。
「……<エクス・メタトロン>。店長のエースが誰かに破壊されてるところって私、見たこと無いのよね」
「あいにく、店長になってからはダイアにしか破壊されたことがないんだ」
よく、別のモンスターを呼ぶために自分からセメタリーに送っているが。
それでも、相手から破壊されたことはない。
「だったら、私が第二号ね」
「そう上手く行くかな。……さぁ、バトルだ!」
<アリアン>と<メタトロン>が互いに動く。
「<エクス・メタトロン>で<エンシェント・アリアン>を攻撃!」
「迎え撃って、<アリアン>!」
さぁ、ぶつかり合いだ!